2003年のF1世界選手権

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2003年のFIAフォーミュラ1 世界選手権 |
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前年: | 2002 | 翌年: | 2004 |
一覧: 開催国 | 開催レース |
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F1関連記事: |
F1レギュレーション フォーミュラ1カー |
関連リスト: |
ドライバー (チャンピオン) |
2003年のF1世界選手権は、FIAフォーミュラ1世界選手権の第54回大会である。2003年3月9日にオーストラリアで開幕し、10月12日に日本で開催される最終戦まで、全16戦で争われた。
目次
1 シーズン概要
2 レギュレーションの変更
2.1 レギュレーションの変更の結果
3 熾烈なタイヤ戦争
4 シーズン終了後
5 開催地及び勝者
6 エントリーリスト
6.1 ドライバー変更
7 2003年のドライバーズランキング
8 2003年のコンストラクターズランキング
9 外部リンク
シーズン概要
開幕戦から4人の優勝者が現れる事態が起き、シーズン中の勝者としては8人を数えた。開幕から4人の優勝者が登場するのは1985年以来となり、シーズン中の8人は1983年並ぶ2位タイの記録となった。キミ・ライコネンは第2戦で、フェルナンド・アロンソは第13戦で初優勝を達成した。
優勝が分散した理由として、前年オーストリアのレースでのチームオーダー事件に関連して、チームオーダーが禁止された事を筆頭に大規模なレギュレーション改定が実施された。その影響もあり、この年のフェラーリはマシン開発が躓いたため、他チームに付け入られる隙を与えたことに伴い、ウィリアムズとマクラーレンとの差が相対的に小さくなったため、フェラーリと対等に戦える結果となった。
ドライバーズタイトル及びコンストラクターズは最終戦までもつれることとなった。前者はミハイル・シューマッハ(フェラーリ)とキミ・ライコネン(マクラーレン)の2名が本命となり、ウィリアムズ2名(ラルフ・シューマッハとファン・パブロ・モントーヤ)もチャンピオン候補へ浮上するが、2人は第12戦以降失速してタイトル争いから脱落。後者はウィリアムズがシーズン後半の一時はポイントリーダーとなるが、終盤の2戦でフェラーリ陣営がポイントを獲得したため、両タイトルはフェラーリの防衛で幕を閉じた。
なおこの年はミナルディを除くすべてのチームの車両がトップ走行を果たした。とくにアメリカグランプリでは、ブリヂストン・タイヤを履くBAR、ザウバーの2チームとマーク・ウェバーのジャガーが首位を走ったが、いずれのチームも首位を走行するのは初めてであった。トヨタはイギリスグランプリで首位を走った。
レギュレーションの変更
前年オーストリアGPでのチームオーダー事件に関連して、チームオーダーが禁止された。
レースウィークの金曜日(モナコでは木曜日)朝に特別テストが行われた。これは年間テストの日数を制限することを受け入れたチームは、金曜日の朝にレースカーとサードカーを使用してテストをおこなうことができる、というものであった。資金的に苦しいミナルディとジョーダン・グランプリ、ジャガー、そしてルノーF1チームが参加した。ミナルディはマッテオ・ボッビや、ジャンマリア・ブルーニを起用した。ジョーダンはゾルト・バウムガルトナーやビヨン・ビルドハイムを起用した。これらの資金的に苦しいチームは若手の育成やスポンサー資金の獲得にこの制度を利用していたのに対し、ルノーは主にデータとりのためにこの制度を利用、ドライバーはフランスグランプリを除きアラン・マクニッシュを起用した。
予選方式も大幅に変更された。従来の12周以内のアタックで最速タイムを結果とする方式から、金曜日と土曜日に1回アタックを行うように変更された。このうち金曜日の予選は土曜日の出走順を決定させ、土曜日にも1回アタックを行いグリッドを決定する。出走順は金曜日が前戦までのドライバーズランキング上位から、土曜日が予選1回目の下位からおこなう。予選後マシンはパルクフェルメに保管され、給油が禁止される。開幕戦でミナルディが予選アタックを行わず、パルクフェルメへのマシン保管を免れるという裏ワザを使った。
さらに1991年以来、久しぶりにポイントシステムの改定が行われ、1960年以来となる入賞順位の拡大も行われた。
順位 |
1位 |
2位 |
3位 |
4位 |
5位 |
6位 |
7位 |
8位 |
9位以降 |
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ポイント(2002年まで) |
10 |
6 |
4 |
3 |
2 |
1 |
0 |
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ポイント(2003年から) |
10 |
8 |
6 |
5 |
4 |
3 |
2 |
1 |
0 |
レギュレーションの変更の結果
予選は1アタック制になり、デイビッド・クルサードなどのように、このようなやり方が苦手なドライバーには難しい予選になった。また予選中に降雨などがあった場合、予選順位がマシンやドライバーの実力を反映した序列にならないことも多かった。日本グランプリでは土曜日予選の終盤に雨が強くなり、ミハエル・シューマッハが予選14位に終わり、ラルフ・シューマッハがアタック中にスピンし、タイム計測を行わなかった。ヤルノ・トゥルーリはアタックを行わなかった。予選ではジャガーのマーク・ウェバーが好結果を残すことが多かったが、シーズン序盤を除きトップ4以外のチームが上位に来ることはあまり多くはなかった。
ポイント制度の変更はミナルディやジョーダンのような小規模チームには有利になると思われたが、結局そうはならなかった。上位チームは信頼性を上げたためにこれらの2チームには入賞のチャンスはほとんど来なかった。ジョーダンはジャンカルロ・フィジケラがブラジルグランプリで10ポイント獲得し、他2戦で7位と8位を各1回獲得、計13ポイントを獲得し、ランキング9位となった。しかし昨年のポイント制度であれば、ジョーダンはブラジル・グランプリの10ポイントだけになるが、チャンピオンシップのランキングで5位になっていたことになる。ミナルディは最高位がカナダグランプリの9位であり、入賞はならなかった。
ミハエル・シューマッハとフェラーリは1位と2位の差が2ポイントしかなく、優勝してもチャンピオン争いをリードしているキミ・ライコネンとの差がなかなか縮められなかった。序盤の出遅れが響き、シューマッハがドライバーズチャンピオンシップの首位に立ったのは6月のカナダグランプリが今シーズン初めてであった。
熾烈なタイヤ戦争
ミシュラン・ユーザーチームは2001年4勝(ウィリアムズ4勝)、2002年2勝(マクラーレン・ウィリアムズ、各1勝)、であったが今シーズンはブリヂストン・ユーザー9勝(フェラーリ8勝、ジョーダングランプリ1勝)、ミシュラン・ユーザー7勝(ウィリアムズ4勝、マクラーレン2勝、ルノー1勝)とほぼ互角の内容であった。イタリアグランプリ前に、ミシュラン・ユーザーのタイヤについてトレッド幅が違反しているのではないか、という疑惑がもたれるなどした。
このシーズンはオーストラリア、ドイツ、ハンガリーの各グランプリでミシュラン勢が表彰台を独占した。ブリヂストンは2002年以降フェラーリ以外の優勝者は出ていなかったが、ブラジルグランプリではフィジケラが優勝し、2001年のアメリカグランプリ、ミカ・ハッキネン以来となるフェラーリ以外のBSユーザーの優勝となった。
シーズン終了後
ハインツ・ハラルド・フレンツェンはアメリカグランプリで表彰台に上がったが、結局ジョーダンとの契約がまとまらず、F1を去った。またフレンツェンと同じく1994年デビューのヨス・フェルスタッペンもやはりジョーダンとの契約はならず、結局この2003年を最後にF1を去った。ジャック・ビルヌーブは最終戦を前にBARを離脱。ジャガーおよびジョーダンとの契約はならずF1浪人生となった。ラルフ・ファーマン、ニコラス・キエーサ、ジャスティン・ウィルソンの3人はデビューイヤーであったが、実戦は今シーズンのみであった。一方ジャガーを解雇されたアントニオ・ピッツォニアは2004年にウィリアムズでラルフ・シューマッハの代役として復帰する。
開催地及び勝者
ベルギーグランプリがたばこ広告の問題で2003年のカレンダーから姿を消した。オーストリアグランプリも「A1リンク」としては今回が最後。2014年に復活する。イモラのサンマリノグランプリも危ないという報道があった。
ラウンド |
レース |
開催日 |
開催地 |
ポールポジション |
ファステストラップ |
優勝者 |
コンストラクター |
レポート |
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1 |
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3月9日 |
メルボルン |
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詳細 |
2 |
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3月23日 |
セパン |
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詳細 |
3 |
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4月6日 |
インテルラゴス |
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詳細 |
4 |
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4月20日 |
イモラ |
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詳細 |
5 |
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5月4日 |
バルセロナ |
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詳細 |
6 |
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5月18日 |
A1リンク |
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詳細 |
7 |
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6月1日 |
モナコ |
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詳細 |
8 |
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6月15日 |
モントリオール |
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詳細 |
9 |
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6月29日 |
ニュルブルクリンク |
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詳細 |
10 |
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7月6日 |
マニクール |
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詳細 |
11 |
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7月20日 |
シルバーストン |
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詳細 |
12 |
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8月3日 |
ホッケンハイムリンク |
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![]() |
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詳細 |
13 |
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8月24日 |
ハンガロリンク |
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詳細 |
14 |
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9月14日 |
モンツァ |
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詳細 |
15 |
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9月28日 |
インディアナポリス |
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詳細 |
16 |
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10月12日 |
鈴鹿 |
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詳細 |
エントリーリスト
エントラント | コンストラクター | シャーシ | エンジン | タイヤ | ドライバー | 3rdドライバー |
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フェラーリ | F2002B F2003-GA |
フェラーリTipo052 | B |
1.![]() 2. ![]() |
|
![]() |
ウィリアムズ | FW25 | BMWP83 |
M |
3.![]() 4. ![]() (4.) ![]() |
|
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マクラーレン | MP4-17D | メルセデスFO110M |
M |
5.![]() 6. ![]() |
|
![]() |
ルノー* |
R23,R23B | ルノーRS23 | M |
7.![]() 8. ![]() |
34.![]() (44.) ![]() |
![]() |
ザウバー | C22 | ペトロナス03A |
B |
9.![]() 10. ![]() |
|
![]() |
ジョーダン* |
EJ13 | フォードRS-1 | B |
11.![]() 12. ![]() (12.) ![]() |
36.![]() (36.) ![]() (36.) ![]() |
![]() |
ジャガー* |
R4 | コスワースCR-5 | M |
14.![]() 15. ![]() (15.) ![]() |
|
![]() |
B・A・R | 005 | ホンダRA003E |
B |
16.![]() (16.) ![]() 17. ![]() |
|
![]() |
ミナルディ* |
PS03 | コスワースCR-3 | B |
18.![]() (18.) ![]() 19. ![]() |
39.![]() (39.) ![]() |
![]() |
トヨタ | TF103 | トヨタRVX-03 | M |
20.![]() 21. ![]() |
|
- *シーズン中のテスト日数制限と引替えに金曜フリー走行開始前の特別セッションを走行
ドライバー変更
- マルク・ジェネ - 第14戦イタリアGPでラルフ・シューマッハの代役として出走
- ゾルト・バウムガルトナー - 第13戦ハンガリーGPから第14戦イタリアGPまでファーマンの代役として出走
- ジャスティン・ウィルソン - 第12戦ドイツGP以降でピッツォニアの代役として出走
- 佐藤琢磨 - 第16戦日本GPでヴィルヌーヴの代役として出走
- ニコラス・キエーサ - 第12戦ドイツGP以降でウィルソンの代役として出走
※ 3rdドライバーの出走
- アラン・マクニッシュ - 第10戦フランスGPを除く
- フランク・モンタニー - 第10戦フランスGP
- ゾルト・バウムガルトナー - 第12戦ドイツGPから第14戦イタリアGP
- ビョルン・ウィルドハイム - 第15戦アメリカGP
- 本山哲 - 第16戦日本GP
- マッテオ・ボッビ - 第4戦サンマリノGP
- ジャンマリア・ブルーニ - 第12戦ドイツGP以降
2003年のドライバーズランキング
|
太字:ポールポジション |
† リタイアしたがレース距離の90%以上を走行していたため完走扱い
2003年のコンストラクターズランキング

フェラーリが2003年のコンストラクターズタイトルを獲得した
順位 |
コンストラクター |
AUS ![]() |
MAL ![]() |
BRA ![]() |
SMR ![]() |
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ポイント |
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1 |
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4 |
6 |
Ret |
1 |
1 |
1 |
3 |
1 |
5 |
3 |
4 |
7 |
8 |
1 |
1 |
8 |
158 |
Ret |
2 |
Ret |
3 |
3 |
3 |
8 |
5 |
3 |
7 |
1 |
Ret |
Ret |
3 |
Ret |
1 |
|||
2 |
![]() |
2 |
12 |
Ret |
7 |
4 |
Ret |
1 |
3 |
2 |
2 |
2 |
1 |
3 |
2 |
6 |
Ret |
144 |
8 |
4 |
7 |
4 |
5 |
6 |
4 |
2 |
1 |
1 |
9 |
Ret |
4 |
5 |
Ret |
12 |
|||
3 |
![]() |
3 |
1 |
2 |
2 |
Ret |
2 |
2 |
6 |
Ret |
4 |
3 |
Ret |
2 |
4 |
2 |
2 |
142 |
1 |
Ret |
4 |
5 |
Ret |
5 |
7 |
Ret |
15 |
5 |
5 |
2 |
5 |
Ret |
Ret |
3 |
|||
4 |
![]() |
7 |
3 |
3 |
6 |
2 |
Ret |
5 |
4 |
4 |
Ret |
Ret |
4 |
1 |
8 |
Ret |
Ret |
88 |
5 |
5 |
8 |
13 |
Ret |
8 |
6 |
Ret |
Ret |
Ret |
6 |
3 |
7 |
Ret |
4 |
5 |
|||
5 |
![]() |
10 |
7 |
Ret |
8 |
9 |
4 |
DNS |
Ret |
7 |
Ret |
8 |
8 |
10 |
Ret |
Ret |
4 |
26 |
9 |
Ret |
6 |
Ret |
Ret |
12 |
Ret |
Ret |
Ret |
9 |
10 |
9 |
Ret |
6 |
Ret |
6 |
|||
6 |
![]() |
6 |
9 |
5 |
11 |
Ret |
DNS |
Ret |
Ret |
9 |
12 |
12 |
Ret |
Ret |
13 |
3 |
Ret |
19 |
Ret |
8 |
Ret |
10 |
10 |
Ret |
11 |
Ret |
8 |
13 |
17 |
10 |
9 |
9 |
5 |
9 |
|||
7 |
![]() |
Ret |
Ret |
9 |
Ret |
7 |
7 |
Ret |
7 |
6 |
6 |
14 |
11 |
6 |
7 |
Ret |
11 |
18 |
13 |
Ret |
Ret |
14 |
Ret |
9 |
Ret |
10 |
10 |
10 |
Ret |
Ret |
Ret |
Ret |
8 |
13 |
|||
8 |
![]() |
Ret |
11 |
10 |
12 |
6 |
10 |
9 |
11 |
Ret |
11 |
7 |
6 |
11 |
Ret |
9 |
7 |
16 |
Ret |
Ret |
Ret |
9 |
Ret |
Ret |
13 |
8 |
Ret |
8 |
11 |
5 |
Ret |
Ret |
Ret |
10 |
|||
9 |
![]() |
12 |
Ret |
1 |
15 |
Ret |
Ret |
10 |
Ret |
12 |
Ret |
Ret |
13 |
Ret |
10 |
7 |
Ret |
13 |
Ret |
10 |
Ret |
Ret |
8 |
11 |
12 |
Ret |
11 |
15 |
13 |
Ret |
Ret |
11 |
Ret |
14 |
|||
10 |
![]() |
Ret |
Ret |
Ret |
Ret |
11 |
13 |
Ret |
Ret |
13 |
14 |
16 |
12 |
13 |
12 |
11 |
16 |
0 |
11 |
13 |
Ret |
Ret |
12 |
Ret |
Ret |
9 |
14 |
16 |
15 |
Ret |
12 |
Ret |
10 |
15 |
|||
順位 |
コンストラクター |
AUS ![]() |
MAL ![]() |
BRA ![]() |
SMR ![]() |
ESP ![]() |
AUT ![]() |
MON ![]() |
CAN ![]() |
EUR ![]() |
FRA ![]() |
GBR ![]() |
GER ![]() |
HUN ![]() |
ITA ![]() |
USA ![]() |
JPN ![]() |
ポイント |
外部リンク
- formula1.com - 2003 official driver standings
- formula1.com - 2003 official team standings
2003 Formula One image gallery Retrieved from www.motorsport.com on 13 October 2009
2003 Formula One Technical Regulations Retrieved from web.archive.org on 13 October 2009
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