システムコール
システムコール とは、オペレーティングシステム (OS)(より明確に言えばOSのカーネル)の機能を呼び出すために使用される機構のこと。実際のプログラミングにおいては、OSの機能は関数 (API) 呼び出しによって実現されるので、OSの備える関数 (API) のことを指すこともある。なお、μITRONでは サービスコール と呼ばれる。また、OSのことをスーパーバイザとも呼ぶため、 スーパーバイザコール ともいう。 例えば、C言語で使用できるfopen()やmalloc()などのライブラリ関数は、その関数内においてシステムコール(例えばPOSIX準拠のOSであればopen()やsbrk()など)を呼び出す。 目次 1 背景 2 機構 3 中間層としてのライブラリ 4 システムコールの例 5 参照 6 関連項目 背景 現代のプロセッサは一般にいくつかの特権状態で命令を実行する。2つのレベルを持つシステムでは、これを通常ユーザーモードとスーパーバイザーモードと呼ぶ。このような特権レベルがあるのは、セキュリティと安定性を保つためにオペレーティングシステムがその管理下で動作するプログラムによる操作を制限できるようにするためである。そのような制限を受ける操作としては、ハードウェア機器へのアクセス、割り込みの可/不可の変更、プロセッサの特権状態の変更、メモリ管理ユニットへのアクセスなどがある。オペレーティングシステムのカーネルはスーパーバイザーモードで動作し、ユーザーアプリケーションはユーザーモードで動作する。 このような複数の特権レベルを持つシステムを開発するにあたって、低い特権レベルから高い特権レベルへ制御を安全に転送する機構が必要となった。低い特権レベルのコードが単純に高い特権レベルに移行したのではセキュリティと安定性は保てない。例えば、低い特権レベルのコードが高い特権レベルのコードに間違った処理をさせたり、不正なコールスタックを渡すかもしれない。 機構 システムコールは、多くの場合、専用命令(インテルはPentium II以降, ARMは最初から)もしくはソフトウェア割り込みによって実行される。CPUの動作モードを遷移させることによって、通常のアプリケーションプログラムからは...