海浜の砂




Sand from Pismo Beach, California.


(すな、英: sand[1])は、砕屑物のうち、礫とシルトの中間(粒径が2 ミリメートル (mm) - 1/16 mm (62.5マイクロメートル (μm)) の粒子)のものをいう[2]。岩石が風化・侵食・運搬される過程で生じた岩片や鉱物片などの砕屑物(砕屑性堆積物)から構成され、サンゴ・貝殻などの石灰質の化石片を含むこともある。砂漠、河川の下流、河口、海岸、海底など、様々な堆積環境下で観察される。


また、岩石を人工的手段で破砕した破砕物のうち、上記定義に該当する粒度のものを指す場合もある。




目次






  • 1 分類


  • 2 砂による地形


  • 3 主な利用法


  • 4 別名など


  • 5 脚注


  • 6 参考文献


  • 7 関連項目


  • 8 外部リンク





分類


地質学の分野においては、砂は粒度、構成鉱物、円摩度、成因、堆積環境等で分類される。


粒径による分類では、以下のように細かく分けられる。粗砂(2 mm - 0.2 mm)と細砂(0.2 mm - 0.02 mm)に分ける場合もある。

































名称
英名
粒径

極粗粒砂
very coarse sand
2 mm - 1 mm

粗粒砂
coarse sand
1 mm - 1/2 mm (1,000 μm - 500 μm)

中粒砂
medium sand
1/2 mm - 1/4 mm (500 μm - 250 μm)

細粒砂
fine sand
1/4 mm - 1/8 mm (250 μm - 125 μm)

極細粒砂
very fine sand
1/8 mm - 1/16 mm (125 μm - 62.5 μm)






Seasand coarse.jpg

粗粒砂



Seasand medium.jpg

中粒砂



Seasand fine.jpg

細粒砂



構成鉱物による分類では、主に石英、長石、岩片、有色鉱物に着目して行われる(石英砂など)。構成鉱物の比率は、砂の供給源となった母岩を推定する上で重要な手がかりとなる。量的に最も多いのは石英で、次に炭酸カルシウム (サンゴ・貝の破片等)である。


山砂や川砂、火山砂など、堆積環境や成因に着目した分類も行われる。



砂による地形



  • 砂が広がり植物が極端に少ない地形を「砂漠」と呼ぶ。世界的に見れば砂より岩石や礫が多い。

  • 砂の堆積する海岸を「砂浜」と呼ぶ。


  • 珊瑚礁などに見られる砂浜などは珊瑚の破砕物である。

  • 砂が丘状に堆積する地形を「砂丘」と呼ぶ。

  • 砂が海に堆積してできる、くちばし型の地形を「砂嘴」と呼ぶ。

  • 砂が海に細長く堆積して出来る地形を「砂州」と呼ぶ。



主な利用法




  • コンクリートなどの原料(細骨材)として用いられる。


  • 砂撒き装置などを用いて路面凍結(滑走)の防止に用いられる。

  • アルコール類の火災発生時に、窒息消火法による消火に使う。ただしかなりの量をかける必要がある。


  • 砂場や砂浜などで砂遊びをする。


  • 砂時計の中で使われる。

  • 芸術作品の素材とされることがある(砂絵・サンドアート・サンドパフォーマンス・砂アニメ)。



別名など




  • 鉄(鉄鉱石)や金が砂となったものは「砂鉄」「砂金」と呼ぶ。


  • 石英を中心とする砂(「珪砂」)には、音の出る「鳴り砂、鳴き砂」と呼ばれるものがある。

  • 砂と小石が混ざったものは「砂利」と呼ばれる。

  • 砂でできた堆積物が続成作用により岩石(堆積岩)になったものを「砂岩」と呼ぶ。



脚注


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  1. ^ 文部省編 『学術用語集 地学編』 日本学術振興会、1984年、143頁。ISBN 4-8181-8401-2。


  2. ^ 『地学事典』 地学団体研究会新版地学事典編集委員会編、平凡社、1996年、新版。ISBN 4-582-11506-3。




参考文献



  • 「構成粒子の径と砕セツ岩」『理科年表 平成20年』 国立天文台編、丸善、2007年、654頁。ISBN 978-4-621-07902-7。

  • 原田憲一ほか 『堆積物の研究法 : 礫岩・砂岩・泥岩』 砕屑性堆積物研究会編、地学団体研究会〈地学双書〉、1983年。全国書誌番号:84023898。OCLC 673531170。



関連項目











  • 砕屑物


  • 砂岩(堆積岩)


  • 土、石


  • 土質力学、海岸工学

  • 砂漠

  • 流砂


  • 星の砂 - 一つ一つの粒が星形をしている。日本沖縄諸島、台湾澎湖諸島などの名産。正確には有孔虫という生物の殻で、砂ではない。



外部リンク


  • 須藤定久 (2008年3月25日). “須藤定久研究室 骨材 砕石 砂利 コンクリート 粘土 地質学 鉱物資源 世界の砂と日本の砂”. 産業技術総合研究所地質調査総合センター. 2012年9月21日閲覧。












































砕屑物と砕屑岩
粒径(mm) 砕屑物 砕屑岩 火山砕屑物
火山砕屑岩
64 以上 礫岩 火山岩塊
火山角礫岩、凝灰角礫岩
64 - 2 火山礫
ラピリストーン、火山礫凝灰岩
2 - 116
砂岩 火山灰
凝灰岩

116 - 1256
シルト シルト岩
泥岩

1256 以下
粘土
粘土岩

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