飛騨山脈












本来の表記は「飛驒山脈」です。この記事に付けられた題名は、技術的な制限により、記事名の制約から不正確なものとなっています。


























飛驒山脈(北アルプス)

Eboshidake from Niseeboshidake1997-8-14.jpg
ニセ烏帽子岳から望む烏帽子岳

所在地
富山県・岐阜県・長野県・新潟県
位置


北緯36度17分21秒 東経137度38分53秒 / 北緯36.28917度 東経137.64806度 / 36.28917; 137.64806座標: 北緯36度17分21秒 東経137度38分53秒 / 北緯36.28917度 東経137.64806度 / 36.28917; 137.64806

最高峰
奥穂高岳 (3,190m)
延長
105km

25km

Project.svg プロジェクト 山
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飛驒山脈南部鳥瞰写真。常念岳、大天井岳などの常念山脈があるため、上高地の奥側にある飛騨山脈主稜線上の穂高岳などは松本盆地からはほとんど見えない。


飛騨山脈(ひださんみゃく)は、富山県、新潟県、岐阜県、長野県に跨って連なる山脈である。


通称は北アルプスで、木曽山脈(中央アルプス)、赤石山脈(南アルプス)を合わせ日本アルプスと呼ばれる。なお、日本アルプスという呼び名は、イギリス人鉱山技師ウィリアム・ゴーランド(ガウランド)による命名である。


山脈の主要部分は、中部山岳国立公園に指定されている[注釈 1]。山脈の最高峰は、標高3,190mの奥穂高岳で、富士山と北岳に次いで日本で3番目に高い山である。




目次






  • 1 地質学的見地


  • 2 地形


  • 3 植生


  • 4 主な山岳


    • 4.1 主稜線


    • 4.2 立山連峰


    • 4.3 後立山連峰


    • 4.4 黒部川源流部


    • 4.5 常念山脈


    • 4.6 岐阜県側




  • 5 飛騨山脈の風景


  • 6 脚注


    • 6.1 注釈


    • 6.2 出典




  • 7 関連項目


  • 8 外部リンク





地質学的見地


飛騨山脈は、地殻へのマグマの貫入による隆起とマグマの熱によって地殻の厚み減少が起こり、そこに応力が集中し挫屈し隆起した。活動の初期では圧縮圧力が少なくその後、東西から大きな圧力を受け、褶曲により盛り上がってできた山脈である。位置的には、フォッサマグナ西端の外側で、造山運動前にあった岩石は西南日本を形成する古い地層である。山脈が出来たのは、第三紀で、活動期は2つに分けられる。最初の隆起活動は250万年前から150万年前に活発で、次の活動期は80万年前以降である。


250万年前から現在までのマグマ総噴出量は、1000km3 以上。250万年前から150万年前の活動では、成層火山の玄武岩質単成火山群による大規模火砕流堆積物により、約900km3 。150万年前から80万年前の火成活動の低調な時期には、岩脈・花崗岩類の貫入があった。80万年前から現在までに、成層火山の中規模火砕流堆積物により約240km3[2]


また、飛騨山脈には火山が多く、かつては乗鞍火山帯に区分された[注釈 2]。対して、木曽山脈・赤石山脈には火山はひとつもない。


飛騨山脈は、太平洋プレートが北アメリカプレートの下、さらにその先のユーラシアプレートの下に潜り込むことにより、その力で形成されたものである。



地形




薄い赤がフォッサマグナの範囲、赤線は中央構造線





五竜岳から望む立山連峰の氷河群


その形状は巨大なY字型である。Yの字の中心を流れるのは、日本のV字谷中でもその急峻さと、巨大なアーチ式ダムである黒部ダムで著名な黒部峡谷である。
その西側は剱岳・立山などの立山連峰、東側が白馬岳・鹿島槍ヶ岳などの後立山連峰である。後立山連峰の東側に糸魚川静岡構造線が通る。


この二つの峰は、南側、すなわち黒部川の源頭部で一体となるが、その接点に位置するのが三俣蓮華岳である。さらに、稜線は東南方へと延び、西鎌尾根を経て槍穂高連峰へと連なっている。穂高岳からは、西穂高岳の稜線を経て、焼岳、さらに最南端に位置する乗鞍岳へと続く。一方、北方の稜線は、その東側において、白馬岳から朝日岳を経て、最後は交通の難所として知られる親不知から日本海へと落ち込んでいる。


主稜線の東側には、常念山脈と呼ばれる前衛の山々が連なり、唐沢岳、餓鬼岳から始まり燕岳、大天井岳、常念岳と続き、霞沢岳と続いている。安曇野を含む松本盆地をはじめ、長野県の平地部分から見える多くの峰々はこの常念山脈の山々である。燕岳から大天井岳を経て槍ヶ岳に至るコースは表銀座縦走コースと呼ばれている。一方、烏帽子岳から鷲羽岳、双六岳を経て槍ヶ岳に至るコースは裏銀座縦走コースと呼ばれている。


主稜線の樅沢岳から南西方向に分かれ、槍穂高連峰と蒲田川を隔てて笠ヶ岳、錫杖岳が対峙(たいじ)している。


最終氷期には飛騨山脈の各地に氷河が発達し、槍ヶ岳の槍沢、穂高岳の涸沢に見られるような圏谷群を作り出した。現在では氷河の規模は大きく縮小し、立山連峰の立山および剱岳に、全長1km内外の非常に小規模な雪崩涵養型の谷氷河がわずかに残るのみとなっている。



植生









白馬岳のお花畑


飛騨山脈は、赤石山脈に比べて浸食が進んでおり、急峻(きゅうしゅん)な山容の山が多い。そのことは、逆に言うと岩盤が露出して土壌の発達が悪く、植物相が貧弱であるということも意味する。ただし、白馬岳周辺・三俣蓮華岳・双六岳・蝶ヶ岳など比較的なだらかな山容の山では、非常に規模の大きな高山植物の花畑が見られる。特に、積雪量の違いから、赤石山脈には乏しい湿性の花畑が飛騨山脈では豊富である。


南部と北部では積雪量に相当の差があり、比較的雪の少ない南部では亜高山帯針葉樹林がよく発達しているが、日本海に近い北部の白馬岳付近は大量の降雪のため、亜高山帯針葉樹林は貧弱である。代わりに、低木化したミズナラ(ミヤマナラ)やダケカンバなどの偽高山帯と呼ばれる植生が見られる。森林限界は、南部では2,400-2,500m程度だが、北部では積雪のため森林限界が大幅に下がっている地域もある。その森林限界では、ハイマツが見られる。
















Mount Kasa Shakushidaira 2001-7-28.jpg

Dicentra peregrina White Komakusa in Tsubakurodake 2002-7-27.jpg

Pinus pumila1.JPG

Quercus crispula 2002-10-11.jpg

シナノキンバイ
の群生地(笠ヶ岳)

 コマクサ(燕岳)

ハイマツ 

ミズナラ



主な山岳







Hida-map 01.png

雪倉岳


朝日岳


白馬岳


鑓ヶ岳


唐松岳


五竜岳


鹿島槍ヶ岳


爺ヶ岳

針ノ木岳



蓮華岳


烏帽子岳


剱岳


立山


別山


奥大日岳


僧ヶ岳


毛勝山


薬師岳


鍬崎山


犬ヶ岳


穂高岳


常念岳


蝶ヶ岳


黒部五郎岳


笠ヶ岳


奥丸山


三俣蓮華岳


鷲羽岳


赤牛岳


水晶岳


双六岳


槍ヶ岳


大天井岳


燕岳


有明山


乗鞍岳


十石山


野口五郎岳


焼岳


霞沢岳


鉢盛山


弓折岳


餓鬼岳


安房峠


野麦峠

上高地

親不知

日本海

雲ノ平





高瀬ダム

黒部ダム

奈川渡ダム

有峰ダム

大正池


飛騨山脈の地形図。
※表示環境によっては文字がずれることがあります。


主稜線




  • 蓮華岳 - 北葛岳 - 船窪岳 - 不動岳 - 南沢岳 - 烏帽子岳


  • 三ツ岳 - 野口五郎岳 - 真砂岳 - 鷲羽岳 (日本百名山)


  • 三俣蓮華岳 - 双六岳 - 樅沢岳 - 槍ヶ岳 (日本百名山)


  • 大喰岳 - 中岳 - 南岳-大キレット


  • 穂高連峰 - 最高峰(奥穂高岳) (日本百名山) - ジャンダルム - 間ノ岳


  • 焼岳 (日本百名山)

  • アカンダナ山


  • 乗鞍岳 (日本百名山)



立山連峰





  • 僧ヶ岳 - 毛勝山 - 剱岳 (日本百名山)


  • 大日岳 - 奥大日岳 - 別山


  • 立山 (日本三名山) - 浄土山 - 五色ヶ原


  • 薬師岳 (日本百名山) - 北ノ俣岳 - 黒部五郎岳 (日本百名山)



後立山連峰





  • 親不知 - 白鳥山 - 犬ヶ岳 - 朝日岳 - 雪倉岳 - 鉢ヶ岳


  • 白馬乗鞍岳 - 小蓮華山


  • 白馬岳 (日本百名山) - 杓子岳 - 鑓ヶ岳


  • 唐松岳 - 白岳 - 五竜岳 (日本百名山) - 鹿島槍ヶ岳 (日本百名山)


  • 爺ヶ岳 - 鳴沢岳 - 赤沢岳 - スバリ岳 - 針ノ木岳 - 針ノ木峠



黒部川源流部



  • 赤牛岳- 水晶岳 (日本百名山) - 祖父岳 - 雲ノ平


常念山脈





  • 唐沢岳 - 餓鬼岳 - 有明山


  • 燕岳 - 大天井岳 - 東天井岳 - 横通岳 - 常念岳 (日本百名山)


  • 蝶ヶ岳 - 大滝山 - 六百山 - 霞沢岳



岐阜県側




  • 弓折岳 - 抜戸岳 - 笠ヶ岳 (日本百名山) - 錫杖岳

  • 奥丸山

  • 寺地山


乗鞍岳から南への延長線上にある御嶽山までを含める説もあるが、一般には御嶽山は含めない。
国土地理院の日本の主な山岳標高の一覧では、鎌ヶ峰までが「飛騨山脈南部」とされ、御嶽山は「御嶽山とその周辺」と記されている。(御嶽山系)



飛騨山脈の風景




脚注


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注釈





  1. ^ 1934年(昭和9年)12月4日に指定された[1]


  2. ^ 現在の火山学・地質学では、海洋プレート(太平洋プレート・フィリピン海プレート)が大陸プレート(北アメリカプレート・ユーラシアプレート)に沈み込むことにより火山が生ずるという理論に基づき、沈み込み帯の大陸プレート側に東日本火山帯と西日本火山帯の火山フロントが帯状に存在すると考える。「乗鞍火山帯」は地理的な観点だけからの区分で、現在は使われない。




出典





  1. ^ 中部山岳国立公園区域の概要 環境省、2010年12月28日閲覧。


  2. ^ 及川輝樹・原山智 「北アルプスの火山活動様式の変遷と隆起」 (PDF) 、2001年。




関連項目







  • 中部山岳国立公園

  • 朝日県立自然公園

  • 有峰県立自然公園

  • 僧ヶ岳県立自然公園


  • 日本アルプス: 飛騨山脈(北アルプス) - 木曽山脈(中央アルプス) - 赤石山脈(南アルプス)

  • 日本の地理


  • 立山黒部アルペンルート、新穂高ロープウェイ

  • 奥山廻り



外部リンク



  • 日本の主な山岳標高(国土地理院)

  • 北アルプス山小屋友交会

  • 北アルプスブロードバンドネットワーク

  • 富山県警察山岳情報

  • 長野県警察山岳情報

  • 北アルプス岐阜県側山岳情報(岐阜県北アルプス山岳遭難対策協議会)





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