スピードスケート
スピードスケート | |
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コーナーを回る選手 | |
統括団体 | 国際スケート連盟 |
特徴 | |
身体接触 | 無 |
男女混合 | 有 |
オリンピック | 1924年- |
スピードスケート (Speed skating) は、1周400mのスケートリンクを周回し、ゴールタイムを競う競技。広義では、1周111.12mのトラックを使うショートトラックスケート競技を含めることもある。ショートトラックに対してロングトラックまたはアウトトラックともいう。
冬季オリンピックでは、男子500m・1000m・1500m・5000m・10000m、女子500m・1000m・1500m・3000m・5000mの個人種目のほか、トリノ大会から国別対抗団体種目として「団体追い抜き(チームパシュート)」が採用された。平昌大会から個人種目ながら団体戦の要素も加わった、大勢の選手が同時に16周で争う「マススタート」が採用された。
他に、ワールドカップでは2008-09シーズンまで男女とも100mが実施されていた。
目次
1 歴史
2 競技方法
3 大会の種類
3.1 選手権大会
3.2 距離別大会
4 オリンピックの日本選手の活躍
5 脚注
6 外部リンク
歴史
発祥の地はオランダと言われ、古くから冬の間凍った運河や川を行き来するための交通手段として発達し、13世紀頃には、木靴の底に鉄製のブレード(刃)を取り付けた現在のスケートシューズの原型が出現した。1892年に国際スケート連盟 (ISU) が発足。翌1893年にアムステルダムで世界選手権が開催され、これが今に残る最古の世界大会となっている[1]。
日本には19世紀末に北海道に伝わり、その後、東北や長野など環境に恵まれた地方で競技が普及し、1929年、大日本スケート競技連盟が発足した。
オリンピックの種目となったのは1924年シャモニーオリンピックから。1988年カルガリーオリンピックでは初めて室内リンクが使用され、以降、1992年アルベールビルオリンピックを除き、各大会で新設の室内リンクが使用されている。
選手の能力やトレーニング方法の向上、また製氷技術の発達に伴って記録は縮まってきたが、1998年長野オリンピック直前に登場したスラップスケートは飛躍的な記録の向上を生み、機材の優劣が大きくかかわるスポーツという側面が強いことをあらためて示した。
競技方法
オリンピックをはじめ、ほとんどの大会では「ダブルトラック」方式が採用されている。インとアウトから2人の選手が同時にスタートし、1周ごとにバックストレートで交差してコースを変えながら規定の距離を滑り、刃の一部がゴールラインを通過した瞬間のタイムで順位が決定される。レースは常に左回りで行われる。
スタート時の2度のフライングや、同走選手への進路妨害などは失格となる。フライングについては、以前は1人の選手が2度フライングすると失格であったが、現行ルールでは個々の選手の回数に関係なく2回目以降のフライングでは、そのフライングの対象となった選手は即失格となる。なお、国体などでは、数人の選手が一斉にスタートしその着順を争う「シングルトラック」方式が採用されている。
チームパシュートは、2チームが出場。リンクのメインストレートとバックスストレートの中央から1チーム3人が同時にスタートし、女子は6周、男子は8周で勝敗を決する。最終的に最後尾の選手が完走した時点でのタイムの早いチームが勝ちとなる。チーム内の隊列の順番変更を滑走中いつでも行うことができ、先頭の選手が入れ替わりながら後続の選手の空気抵抗を減らす形で滑走する。前のチームメイトを押したり、後ろのチームメイトを引っ張るといったアシスト行為も認められている。
大会の種類
国際大会・国内大会とも、主に『選手権大会』と『距離別大会』に分かれる。
選手権大会
複数の種目の合計得点により総合優勝を争う大会で、その種目の組み合わせによりさらに「(総合)選手権」と「スプリント選手権」に分かれる。
「(総合)選手権」では、男子が500m・1500m・5000m・10000m、女子が500m・1500m・3000m・5000mの各4種目の合計得点で総合優勝が争われる。「スプリント選手権」では、男女とも500mと1000mを2本ずつ滑った4種目の合計得点で勝敗を決する。
得点は、ゴールタイムを500mあたりに換算したもので、たとえば1500mでは(タイム÷3)がその種目の得点となるため、総合得点が低いものほど上位となる。この形式で行われる代表的な大会には「世界選手権」「世界スプリント選手権」「全日本選手権」「全日本スプリント選手権」がある。
距離別大会
単純に、各々の距離別(種目別)に優勝者を決する大会。オリンピックも、この距離別大会に相当する。
1周回しかない500mでは、インスタート・アウトスタートの有利不利を是正するため、コースを入れ替えて2度のレースを行い、その合計タイムで順位を決定していたが[2]、一発勝負に戻された[3]。この形式で行われる代表的な大会は「オリンピック」「世界距離別選手権」「全日本距離別選手権」などがある。世界を転戦する「ワールドカップ」は、各々のレースは単独大会として行われ、なおかつ各距離各レースの順位点の合計をもって、各距離ごとにシーズン総合チャンピオンが決められる。
オリンピックの日本選手の活躍
過去のオリンピックでの日本人メダリストは次のとおり。
- 1984年サラエボオリンピック
- 【銀】北沢欣浩(男子500m)
- 1988年カルガリーオリンピック
- 【銅】黒岩彰(男子500m)
- 1992年アルベールビルオリンピック
- 【銀】黒岩敏幸(男子500m)
- 【銅】井上純一(男子500m)、宮部行範(男子1000m)、橋本聖子(女子1500m)
- 1994年リレハンメルオリンピック
- 【銅】堀井学(男子500m)、山本宏美(女子5000m)
- 1998年長野オリンピック
- 【金】清水宏保(男子500m)
- 【銅】清水宏保(男子1000m)、岡崎朋美(女子500m)
- 2002年ソルトレイクシティオリンピック
- 【銀】清水宏保(男子500m)
- 2010年バンクーバーオリンピック
- 【銀】長島圭一郎(男子500m)、穂積雅子・田畑真紀・小平奈緒(女子チームパシュート)
- 【銅】加藤条治(男子500m)
- 2018年平昌オリンピック
- 【金】小平奈緒(女子500m)、高木菜那・高木美帆・佐藤綾乃・菊池彩花(女子チームパシュート) 、高木菜那(女子マススタート)※オリンピック新種目、初代女王
- 【銀】高木美帆(女子1500m)、小平奈緒(女子1000m)
- 【銅】高木美帆(女子1000m)
ほかに各種世界大会でも、特に短距離を中心に日本選手は世界に伍した結果を残している。
脚注
^ 同年に第1回世界選手権自転車競技大会(シカゴ)も開催されている。
^ 以前は1度のレースで順位を決める一発勝負であったが、スタートの有利不利が結果に響くという声から変更された。
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https://pyeongchang.yahoo.co.jp/event/ssk/introduction
外部リンク
国際スケート連盟(英語)- 日本スケート連盟
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