マイクロバス




マイクロバス(和製英語: micro bus)とは、日本においては小型のバス(中型自動車)のことを指す。 英語では minibus という。


元はトヨタ自動車の商品名であったものが定着し、一般名詞化したもの[1]。各々に固有の車名が与えられる前は、ライトバス、ライトコーチなどと呼ばれていた。




目次






  • 1 規格


  • 2 概要


  • 3 運転に必要な免許


  • 4 主な用途


  • 5 主な車種


  • 6 脚注


  • 7 関連項目





規格


一般的に、中型自動車(8t)の枠内の大きさ(車両総重量8,000kg未満かつ最大積載量が5,000kg未満 )の車体に、乗車定員を11名から29名までに設定しているバスのことである。これは1970年以前の普通自動車の規定に基づいており、それまでは大型免許を要さなかった(以後2007年までは車体としては普通車の範囲であっても定員の規定により大型免許を要した)。


なお、マイクロバスの車輌を乗車定員10名以下、車両総重量8,000kg未満に改造するなどして登録し、中型自動車8t限定免許でも運転が出来るようにした車輌(キャンピングカー、街宣車等)は、寸法や外観が変わらなくても通常マイクロバスとは呼ばない。


日本のマイクロバスは以下グループに大別できる。



  1. 小型もしくは普通ワンボックスカーのモノコック式車体を延長した、定員12 - 14名程度のもの。過去には多数が存在したが、2014年1月現在はトヨタ・ハイエースコミューターと日産・NV350キャラバンの2車種のみ。


  2. 前輪駆動の欧州車をベースとしたノンステップバス。定員は20 - 27名程度。初代日野・ポンチョ、クセニッツ、オムニノーバ・マルチライダー、メルセデス・ベンツ スプリンターなど。コミュニティバスや小規模路線バスとして各地で導入されたが、現在は国産車に置き換えられたものが多い。


  3. コンポーネントの多くを2トントラックと共用したマイクロバス専用モデル。はしご型フレーム+フロントエンジンで、定員26~29名が中心。車種はトヨタ・コースター、三菱ふそう・ローザ、日産・シビリアン等がある。

  4. コンポーネントの多くを4トントラックと共用したもの。はしごフレームのものと、大型バスの設計を応用したスケルトン構造のものがある。車体幅は中型バス並の2.3mで、定員は27~29名が中心。2007年8月に三菱ふそう・エアロミディMJが生産中止になって以降、2014年1月現在までどのメーカーでも生産されていない。


  • 本項では主に後二者について解説する。


概要












マイクロバス 1 の例 日産・NV350キャラバンの外観と室内


マイクロバス 1 の例 日産・NV350キャラバンの外観と室内

マイクロバス 1 の例
日産・NV350キャラバンの外観と室内






マイクロバス 3 の例
トヨタ・コースター





香港ではPublic light bus(PLB)と呼ばれる路線バスでの運用も見られる


1950年代後半、日本の小型トラック市場では、1.5t - 2t積みクラスのキャブオーバー型小型四輪トラックが、それまでのオート三輪トラックに代わって普及して行った。その過程で、それら小型トラックとシャシやドライブトレーンを共用する形で、バスボディを架装した小型バスが、自動車メーカーの特装モデルとして出現したのが起源である。


モータリゼーションが進展する過程でこの種の経済的な小型バスには一定の需要があり、当初特装車の一種として限定生産されていたものが、やがて各メーカーの量産製品へと移行する。こうして1960年代中期までには、部品の多くをトラックと共用しながらも、バス専用シャシを持つ「マイクロバス」のジャンルが確立された。現代までマイクロバスのほとんどがフロントエンジン・リアドライブであるのは、これが標準であるトラックとの兼ね合いでもある。


元々は道路交通法施行規則[2]で大型自動車免許の乗車定員に関する制限規定が乗車定員30名以上となっていたので、マイクロバスは普通自動車免許があれば運転できる車両として普及していたが、1970年8月20日に道路交通法施行規則が改正され定員10名を超える自動車の運転には大型自動車免許が必要となったため、マイクロバスも大型自動車として扱われるようになった(その移行時にマイクロバス限定大型免許の試験が、運転免許試験場において6か月間だけ行われた)[3]。しかし2007年6月2日に中型自動車免許の創設により、乗車定員が11人以上29人以下のマイクロバスは中型自動車として扱われるようになった。


現在も日本でマイクロバスが特別に扱われているのは、法令でレンタカー業者や個人が自由に保有できる車両の上限となっていること、運転免許区分において通常のバスのような大型自動車ではなく中型自動車であること、税金・高速道路の料金区分の関係などが理由として挙げられる。旅客運送事業者以外の者(個人か法人格を持つかは問わない)が自家用大型バスを保有することは、保管場所があっても、いわゆる白バス(自家用バス)営業防止の観点から、登録時に行政側から審査などを受けることがある。


レンタカーにおけるマイクロバスは、乗車定員29名以下、総重量8000 kg 未満、車両重量5000 kg 未満の中板2ナンバー要件の他、全長が7メートル未満という要件が付加されている。レンタカー以外の車両には適用されないため、前述の中板2ナンバー要件を満たし、全長が12メートル未満であれば「わ」ナンバー以外の中板2ナンバーを付けることができる。



運転に必要な免許


2007年6月2日の道交法改正による中型自動車運転免許の項目追加により、11人以上乗れるマイクロバスは中型自動車として扱われる。運転には、「8t限定なしの中型免許」「8t限定なしの中型二種免許」、「大型免許」「大型二種免許」のいずれかが必要である。なお、車両の区分変更と異なり、前述のマイクロバス限定の大型自動車免許(第一種・第二種)は、2007年の改正後も(中型自動車免許への格下げでなく)引き続きマイクロバス限定の大型自動車免許として存続している[4]


定員が29名以下であっても、中長距離の高速バスに利用されている3列シートの車両は、重量の点から大型自動車に区分される。また、マイクロバスでも園児送迎用バスの場合、幼児の定員に3分の2を乗じた人数と運転手・引率教員との合計が30人以上の場合[5]は大型自動車として扱われ(ナンバープレートも大板になる)、中型免許では運転できず、従来通り大型免許が必要となる。


なお、2007年6月1日までに普通免許を取得した者は、改正以降「8t限定つき中型免許」保持者として扱われることになった。仮に「8t限定つき中型免許」でマイクロバスを運転した場合はそれまでの「無免許運転」ではなく「免許条件違反」となる。



主な用途



  • 送迎用自家用バス(無料送迎バス)(白ナンバー)


    • 結婚式・葬儀等のセレモニー、ホテル、飲食店、健康ランド、病院、自動車教習所、ゴルフ場などの施設利用者の送迎バス


    • 幼稚園の園児送迎バス

    • 工場や会社などの通勤送迎バス



  • レンタカー(貸し出し)用

  • 旅客自動車運送事業(営業用緑ナンバー)


    • 過疎地域や道の狭い地区等への路線バス(一部過疎地の「80条バス」で白ナンバーもあり)。また、中国バスや南部バス、YOKARO、神園交通等マイクロバスを高速バスに使用する事業者もある。

    • コミュニティバス

    • デマンドバス




  • 乗合タクシー、ジャンボタクシー

  • キャンピングカーや街宣車などの特種用途自動車への改造ベース

  • 大学や高校などの学校専用・部活動専用。



主な車種



  • トヨタ・コースター

  • 日産・シビリアン

  • 三菱ふそう・ローザ


  • マツダ・パークウェイ(製造中止)


  • 日野・リエッセ/いすゞ・ジャーニーJ(製造中止)


  • 日野・ポンチョ(主に路線バス)

  • 日野・リエッセⅡ

  • いすゞ・ジャーニー


  • いすゞ・ジャーニーQ(製造中止)


  • トヨタ・ハイエース(ワンボックスライトバン)


  • 日産・NV350キャラバン(ワンボックスライトバン、フルモデルチェンジに一旦廃止となっていたが、ワイドボディの追加設定に伴い復活)



脚注




  1. ^ 先行開発・特装車両 | 歴史 | トヨタテクノクラフト株式会社


  2. ^ 1960年12月3日施行。それ以前の道路交通取締法施行規則(1956年8月1日改正(免許制度の改正)では乗車定員11名以上の自動車の運転は大型自動車免許が必要であった。)


  3. ^ 沖縄では日本復帰後の1972年5月15日から6カ月間行われた。(沖縄の復帰に伴う道路交通法施行規則の適用の特別措置に関する総理府令(1972年5月12日総理府令第29号。同年5月15日施行))


  4. ^ 貨物車で運転できる車両の上限は、改正以前(旧普通車)より拡大している


  5. ^ 例えば運転手・引率教員が定員3名なら、幼児の定員が40名以上。



関連項目


  • 小型バス








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