自由契約
自由契約(じゆうけいやく)とは、日本プロ野球・メジャーリーグベースボール・ナショナル・バスケットボール・リーグで、選手が特定チームの支配下に置かれておらずどのチームとも選手契約を結べる状態を指す。
目次
1 プロ野球
1.1 アマチュア野球との関連
2 プロバスケットボール
3 脚注
4 関連項目
プロ野球
自由契約の状態では、選手は国内外やプロアマを問わずあらゆる球団と契約交渉できる。自由契約と対置されるのが任意引退であり、任意引退の場合、直前に所属していた球団が保有権を有するため、球団が交渉を許可するか、保有権を放棄しない限り、他球団との契約交渉ができない。
自由契約は、もともとフリーエージェントの訳語であるため、北米4大プロスポーツリーグのフリーエージェントは日本で自由契約と訳される場合もある。しかし、日本のプロ野球では、フリーエージェントはもっぱら選手が宣言した状態を指し、自由契約とは区別されている場合がほとんどである。
自由契約中はどこのチームにも所属していないため、戦力外状態の選手に対して用いられることもある。しかし、戦力外通告があっても、翌年にチームスタッフとして契約することが決まっている場合など、他球団と契約しないよう任意引退選手公示する場合があったり、自ら退団を申し出る場合でも自由契約公示される場合があるので、「クビ=自由契約、自らの意思=任意引退」というわけではない。
シーズン中の場合、選手を自由契約にするには直前に「ウェイバー公示」(waiver:権利放棄、免除)の手続きが行われなければならず(これを怠ると選手は被支配状態が続くので他球団に移れない)、その際は下位球団から順に契約譲渡を引き受ける権利が発生する。
選手から契約の解除を申し出た場合は、他球団との交渉を避けるため、任意引退公示がなされることがほとんどであるが、井口資仁や大家友和のように、メジャーリーグ挑戦を球団が認める形で自由契約になる場合もある。
アマチュア野球との関連
アマチュア野球を統括する日本野球連盟は、プロ野球選手の経験者が日本野球連盟に登録されるためには「最終所属球団より自由契約証明書の交付を受けている」必要があるとしている(登録規程 第10条)。そのため、既に任意引退していても、アマチュア野球の選手や指導者になる際に自由契約公示される。
著名なプロ野球選手経験者が任意引退公示後、アマチュア指導者への転身によって改めて自由契約公示されたケースとしては、外木場義郎(1979年任意引退公示、2004年自由契約→プロ育成野球専門学院(広島県安芸太田町)コーチ就任)、定岡正二(1985年任意引退公示、2006年自由契約→薩摩コーチ就任)、初芝清(2005年任意引退公示、2006年自由契約→かずさマジック(千葉県君津市)コーチ就任)などの例がある。またトヨタ野球部の的場寛壱(元阪神タイガース)らのように選手として登録する者もいる。
なお、現行の制度は1999年に制度化されている。それ以前も選手としてアマチュアに復帰するのであれば1チーム・年3人までとされていたが、柳川事件の影響によりプロ選手の選手・コーチの復帰が厳禁された。現在は2年以上社会人野球選手として活動した後、プロ選手として復帰することも認められている。
プロバスケットボール
ナショナル・バスケットボール・リーグ(NBL)およびナショナル・バスケットボール・デベロップメント・リーグ(NBDL)では、いずれのチームの契約下にない選手を自由契約選手と表現する[1]。
前所属チームは契約満了や引退に至った選手を申請しなければならず、それらの選手は「自由契約選手リスト」に登録される。前身である日本バスケットボールリーグ(JBL)では「移籍選手リスト」と呼ばれていたものである。
NBL・NBDLの後身たるBリーグ・B3リーグでは名称が「自由交渉選手リスト」に変更された。
脚注
^ “NBL/NBDL自由契約選手 公示のお知らせ” (プレスリリース), 公益財団法人日本バスケットボール協会, (2013年5月7日), http://www.japanbasketball.jp/news_detail.php?news_id=16569 [リンク切れ]
関連項目
- 移籍
- 引退
- フリーエージェント (プロスポーツ)
- フリーエージェント (日本プロ野球)
- セカンドキャリア
- 戦力外通告
- 無償トレード
- 支配下選手登録
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