大喜利
大喜利(おおぎり、おおきり)は、演芸の形式。寄席の余興として考案され、現在は放送メディアで独自に発展し、多数の観客を招いての大きなイベントとしても行われる。
目次
1 概要
2 大喜利の古典的お題
3 現在の寄席における吉例大喜利
4 現代メディアにおける大喜利
4.1 大喜利が行われたテレビ・ラジオ番組
4.2 大喜利のイベント・大会
4.3 大喜利を取り扱った作品
4.4 大喜利を取り扱うサービス
5 脚注
6 関連項目
概要
寄席においてトリ(最後を飾る出演者)がいない場合、それに代わる最後の演目として観客へのいわばアンコールに相当するサービスとして行われていたもの。余興として、その日の寄席の複数の出演者が再び登場し、観客からテーマをもらって互いに芸を競い合った。
歌舞伎の「大切」(一日の興行の最終幕最後の場面)にちなんだ名であり、「喜利」は客も喜び、演者も利を得るという意味の当て字である。このように「大喜利」は寄席のプログラムを指す言葉であったが、そのうち出し物そのものを表す語となっていく。
「笑点」での大喜利が定着したため、近年のテレビ番組やインターネット上などで行われる「大喜利」は、司会者の出題に対して、ひねりを効かせて答える、といった言葉遊びゲームの集合そのものを指すことが多いが、本来この形式のものは、様々な大喜利のうち「とんち」と呼ばれるものである。
元来の大喜利ではこの他に、歌や踊りの披露、三題噺、にわか(即興の芝居。数人の芸人が幽霊に扮して登場する道具入りの怪談噺など)、芸人による相撲、裁判の真似事など、趣向を凝らしたさまざまなものが行われている。
大喜利の古典的お題
- なぞかけ
川柳・狂歌・都々逸
パロディを作るものや、折句(あいうえお作文)の形式で答えるものなど。
- 無理問答
- 山号寺号
- 俗曲・端唄
- ベンベン
- 「ベンベン節」とも。落語の『豊竹屋』の掛け合いに由来。「AのようでAでない」「ベンベン(三味線を弾く音の真似)」「BのようでBでない」「ベンベン」「それは何かと尋ねれば、C、C」の形式で、AとBからかけ離れたCを答えるもの。
- 売名節(うりなぶし)
- 「忘れ節」「売名を忘れ節」とも。売り子が商品の名を忘れたという趣向で、「Aを売りにやったら売名を忘れ」「Bを買わしゃませんかいな。ヤレコラサ、ドッコイサノサ」と掛け合う。
- 落ちてます
- 「落ちてます、落ちてますよ。(どこそこ)に○○が落ちてます。拾うてようかな。誰も見てへんな。拾うて見たら××やった」という文句で、似て非なるものに見間違えたという笑いを取る。価値のあるものに見えたが実は無価値なものであったというオチに終わる。
現在の寄席における吉例大喜利
住吉踊り - 古今亭志ん朝により復興させたことが有名。落語協会の浅草演芸ホール8月中席昼席で大喜利として同協会員によって披露される。- 「にゅうおいらんず」による演奏 - 三遊亭小遊三、春風亭昇太らが中心となって結成された落語芸術協会会員によるデキシーバンドの演奏。浅草演芸ホール8月上席の同協会昼席で大喜利として披露される。
現代メディアにおける大喜利
現代メディアにおける大喜利は古典的なスタイルの問答はほとんど見られず、お題に対して不条理な回答を返したり、写真から面白い台詞を想像して答えたりする形式の問答が主流を占めている。
この流れは1996年から放送が始まった『一人ごっつ』が最初とされており、これ以降は発想力が問われる「笑いの競技化」が進んで行くこととなった[1]。
大喜利が行われたテレビ・ラジオ番組
- 笑点
お好み演芸会 - 花の落語家5人衆の知恵くらべ
生放送!おもしろ寄席 - 笑いと恐怖のハリセン大喜利- お笑いタッグマッチ
- お笑いとんち袋
- 日曜演芸会 → 末廣演芸会
- お笑い頭の体操
- 摩訶不思議 ダウンタウンの…!?
- ダウンタウン汁
- かざあなダウンタウン
- 一人ごっつ
- 内村プロデュース
- お笑い頭脳バトル
- 着信御礼!ケータイ大喜利
- IPPONグランプリ
- 千原ジュニアの大喜利塾「題と解」
宇宙GメンEX - 火曜日にニッポン放送アナウンサーの吉田尚記を中心にTwitterを利用したtwitter大喜利というコーナーを展開していた。番組は現在終了。- 大喜利四賢者の「オレたちしんけんじゃ!」
- フットンダ
- Shibuya Deep A
ごくじょうラジオ - 「お酒よもやま大喜利」- おはよう!スプーン
すっぴん! - 木曜日の8時台に「日本一早い!大喜利コーナー」を放送。- お笑い地賛地笑バラエティ ガンバッペ魂
サンドウィッチマンの天使のつくり笑い - 「ピンチを笑いに変えろ!天使の一言」というコーナーで展開。
土曜ワイドラジオTOKYO ナイツのちゃきちゃき大放送 - 12時台に「初心者歓迎!まっぴるま大喜利」を放送。
千原ジュニアの座王 - 対決内容に『大喜利』パネルが1,2枚配置されていて、視聴者から大喜利におけるお題投稿を募集している。
スーパーヒットチャートなまらん - 「大喜利ランキング」・「冬季オオギリンピック」というコーナーを展開。
大喜利のイベント・大会
- ダイナマイト関西
大喜利を取り扱った作品
- 漫画
キッドアイラック!(長田悠幸)
大喜利を取り扱うサービス
- ボケて(bokete)
脚注
^ 大喜利とバラエティー番組の50年(2)『一人ごっつ』とM-1ブーム ORICON NEWS 2016年6月9日
関連項目
- 落語
- 日本お笑い史
- ノックノック・ジョーク
- エレバン放送
- 落首
- サラリーマン川柳
- スタンドアップコメディ
- カード・アゲインスト・ヒューマニティー