暦応
暦応(りゃくおう、れきおう)は、日本の南北朝時代の元号の一つ。北朝方にて使用された。建武の後、康永の前。1338年から1341年までの期間を指す。この時代の天皇は、北朝方が光明天皇、南朝方が後醍醐天皇、後村上天皇。室町幕府将軍は足利尊氏。
目次
1 改元
2 出典
3 暦応期におきた出来事
3.1 崩御
4 西暦との対照表
5 脚注
6 関連項目
改元
- 建武5年8月28日(ユリウス暦1338年10月11日) 改元
- 暦応5年4月27日(ユリウス暦1342年6月1日) 康永に改元
なお、江戸時代に柳原紀光が書いた歴史書『続史愚抄』によれば、「暦応」改元の決定を朝廷が室町幕府に伝えなかったために、足利尊氏ら室町幕府の人々が改元の事実を知ったのは9月4日のことであったという。このことは、洞院実夏の『実夏公記』暦応元年8月28日条からも裏付けられる。もっとも、以後においても改元詔書到達後に幕府側の施行手続であった室町殿(将軍)の吉書始と管領の沙汰始が諸般の事情で速やかに行い得ない場合には公武間にて新旧別元号が用いられる場合もあった[1]。
出典
『帝王代記』の「堯時有草、夾階而生、王者以是占暦、応和而生」から。
暦応期におきた出来事
元年
- 8月、北畠親房が、後醍醐天皇の皇子である義良親王・宗良親王を奉じて伊勢国大湊より海路陸奥国へ向かう。しかし途中で遭難し、義良は吉野に戻り、宗良は遠江国に、親房は常陸国に漂着する。
- 同じく後醍醐天皇の皇子である懐良親王が九州へ派遣される。
2年
- 8月、義良親王(後村上天皇)が父の崩御により南朝の皇位を継承する。
- 10月、足利尊氏が天龍寺の創建を決定する。
- 北畠親房が常陸国で「神皇正統記」を執筆する。
4年
- 6月、高師冬らが北畠親房の拠る小田城や関城など常陸国内の南朝方の拠点を攻撃する。
- 天龍寺創建の資金を得るため、夢窓疎石の協力で天龍寺船が派遣される。
崩御
- 後醍醐天皇
西暦との対照表
※は小の月を示す。
暦応元年(戊寅) | 一月 | 二月※ | 三月 | 四月※ | 五月 | 六月※ | 七月※ | 閏七月※ | 八月 | 九月 | 十月※ | 十一月 | 十二月 |
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延元三年 | |||||||||||||
ユリウス暦 | 1338/1/22 | 2/21 | 3/22 | 4/21 | 5/20 | 6/19 | 7/18 | 8/16 | 9/14 | 10/14 | 11/13 | 12/12 | 1339/1/11 |
暦応二年(己卯) | 一月※ | 二月 | 三月 | 四月※ | 五月 | 六月※ | 七月※ | 八月 | 九月※ | 十月 | 十一月※ | 十二月 | |
延元四年 | |||||||||||||
ユリウス暦 | 1339/2/10 | 3/11 | 4/10 | 5/10 | 6/8 | 7/8 | 8/6 | 9/4 | 10/4 | 11/2 | 12/2 | 12/31 | |
暦応三年(庚辰) | 一月※ | 二月 | 三月 | 四月※ | 五月 | 六月※ | 七月 | 八月※ | 九月 | 十月※ | 十一月 | 十二月※ | |
興国元年 | |||||||||||||
ユリウス暦 | 1340/1/30 | 2/28 | 3/29 | 4/28 | 5/27 | 6/26 | 7/25 | 8/24 | 9/22 | 10/22 | 11/20 | 12/20 | |
暦応四年(辛巳) | 一月 | 二月※ | 三月 | 四月※ | 閏四月 | 五月 | 六月※ | 七月 | 八月※ | 九月 | 十月※ | 十一月 | 十二月※ |
興国二年 | |||||||||||||
ユリウス暦 | 1341/1/18 | 2/17 | 3/18 | 4/17 | 5/16 | 6/15 | 7/15 | 8/13 | 9/12 | 10/11 | 11/10 | 12/9 | 1342/1/8 |
暦応五年(壬午) | 一月 | 二月※ | 三月 | 四月※ | 五月 | 六月※ | 七月 | 八月 | 九月※ | 十月 | 十一月 | 十二月※ | |
興国三年 | |||||||||||||
ユリウス暦 | 1342/2/6 | 3/8 | 4/6 | 5/6 | 6/4 | 7/4 | 8/2 | 9/1 | 10/1 | 10/30 | 11/29 | 12/29 |
脚注
^ 久水俊和「室町時代の改元における公武関係」(初出:『年報中世史研究』34号(2009年)/改題所収「改元をめぐる公家と武家」久水『室町期の朝廷公事と公武関係』(岩田書院、2011年) ISBN 978-4-87294-705-2)
関連項目
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