村山郡
村山郡(むらやまぐん)は、山形県(出羽国・羽前国)にあった郡。
目次
1 郡域
2 歴史
2.1 近代以降の沿革
3 脚注
4 参考文献
5 関連項目
郡域
古代から中世にかけての郡域は、最上郡・新庄市・寒河江市・村山市・東根市・尾花沢市および西村山郡西川町・大江町・河北町にあたる。
消滅直前の郡域は、現在の東村山郡・西村山郡・北村山郡・山形市・寒河江市・上山市・村山市・天童市・東根市・尾花沢市および上山市の大部分、西置賜郡白鷹町の一部(針生)にあたるが、行政区画として画定されたものではない。
歴史
仁和2年11月11日(886年12月10日)最上郡が2郡に分割され、村山郡と最上郡が成立した。和名抄では、長岡郷・村山郷・大倉郷・梁田郷・徳有郷で構成される。長岡郷が寒河江荘に、村山郷が小田島荘になり、残りの地域が公領(尾花沢・新庄地域)となった[1]。太閤検地のころ南北2郡の名称の入れ替えとともに再編が行われ、北部公領域が最上郡、旧最上郡と寒河江荘域・小田島荘域が村山郡となる。正保日本図が作成されたころ、郡境が確定されたとされる。
近代以降の沿革
- 所属町村の変遷は南村山郡#郡発足までの沿革、東村山郡#郡発足までの沿革、西村山郡#郡発足までの沿革、北村山郡#郡発足までの沿革をそれぞれ参照
幕末時点では出羽国に所属した。「旧高旧領取調帳」に記載されている明治初年時点での支配は以下の通り。幕府領は長岡代官所が管轄。下記のほか寺社領が存在。国名のあるものは飛地領。(8町421村)
- 後の南村山郡域(6町85村) - 幕府領、上山藩、山形藩、下総佐倉藩、上野館林藩、常陸土浦藩
- 後の東村山郡域(98村) - 幕府領、旗本領、天童藩、山形藩、上野館林藩、下総佐倉藩、常陸土浦藩、陸奥棚倉藩
- 後の西村山郡域(129村) - 幕府領、松山藩、新庄藩、上野館林藩、陸奥棚倉藩、蝦夷館藩
- 後の北村山郡域(2町109村) - 幕府領、新庄藩、長瀞藩、天童藩、蝦夷館藩、常陸土浦藩、上野館林藩、下総佐倉藩
- 後の南村山郡域(6町85村) - 幕府領、上山藩、山形藩、下総佐倉藩、上野館林藩、常陸土浦藩
慶応2年6月19日(1866年7月30日) - 棚倉藩が武蔵川越藩に転封。棚倉藩には陸奥白河藩が転封。- 慶応4年
2月1日(1868年2月23日) - 棚倉藩が白河藩に転封(実行されず)。
9月29日(1868年11月13日) - 戊辰戦争後の処分により幕府領が酒田民政局の管轄となる。
- 明治元年
12月7日(1869年1月19日) - 出羽国が分割され、本郡は羽前国の所属となる。
12月15日(1869年1月27日) - 戊辰戦争後の処分により松山藩が減封。郡内の領地は変更なし。
12月18日(1869年1月30日) - 戊辰戦争後の処分により天童藩が減封。領地の一部が酒田民政局の管轄となる[2]。
12月22日(1869年2月3日) - 戊辰戦争後の処分により上山藩が減封。領地の一部が酒田民政局の管轄となる。
12月24日(1869年2月5日) - 白河藩が棚倉藩に転封(現状に即した形となる)。このときの減封により郡内の領地が酒田民政局の管轄となる。
- 明治2年
6月22日(1869年7月30日) - 松山藩が改称して松嶺藩となる。
7月26日(1869年9月2日) - 酒田民政局の管轄区域に酒田県(第1次)が発足。
11月11日(1869年12月13日) - 長瀞藩が藩庁を移転して上総大網藩となり、それにともなう領地替えで郡内の領地が酒田県(第1次)の管轄となる。
- 明治3年
7月17日(1870年8月13日) - 山形藩が近江朝日山藩に転封。郡内の領地が酒田県(第1次)の管轄となる。
9月28日(1870年10月17日) - 酒田県(第1次)が県庁移転・改称して山形県となり、佐倉藩・館林藩・館藩・土浦藩の領地も管轄[3]。
- 明治4年
7月14日(1871年8月19日) - 廃藩置県により藩領が上山県、天童県、松嶺県、新庄県となる。
8月29日(1871年10月23日) - 天童県が廃止され、山形県に編入。
11月2日(1871年12月13日) - 第1次府県統合により全域が山形県の管轄となる。
- 明治11年(1878年)11月1日 - 郡区町村編制法の山形県での施行により、村山郡のうち山形ほか7町84村に南村山郡が、天童村ほか1町97村に東村山郡が、楯南村ほか118村に西村山郡が、楯岡村ほか2町104村に北村山郡が、それぞれ行政区画として発足。同日村山郡消滅。
脚注
^ 「和名抄」より『中世出羽の領主と城館 奥羽史研究叢書2』p.30
^ 「旧領旧高取調帳」では天童藩領の全域が天童県の管轄となっており、減封の対象となった村の詳細は不明。
^ 「旧領旧高取調帳」では佐倉県・館林県・館県・土浦県の管轄となっているが、誤記とみられる。
参考文献
角川日本地名大辞典 6 山形県- 旧高旧領取調帳データベース
- 高志書院 伊藤清郎・山口博之著 『中世出羽の領主と城館 奥羽史研究叢書2』、2002
関連項目
- 消滅した郡の一覧
先代: 最上郡 | 行政区の変遷 886年 - 1878年 | 次代: 南村山郡・東村山郡・ 西村山郡・北村山郡 |
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