1993年の映画
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1993年の映画(1993ねんのえいが)では、1993年(平成5年)の映画分野の動向についてまとめる。
目次
1 できごと
2 日本の映画興行
3 各国ランキング
3.1 日本配給収入ランキング
3.2 全世界興行収入ランキング
3.3 北米興行収入ランキング
3.4 フランス観客動員数ランキング
4 日本公開映画
5 受賞
6 誕生
6.1 2月
6.2 5月
6.3 8月
6.4 9月
6.5 12月
7 死去
8 脚注
8.1 注釈
8.2 出典
9 参考文献
できごと
- 2月28日 - 映画『ゴジラ』など多数の東宝特撮映画を手がけた本多猪四郎監督が呼吸不全の為死去。
- 4月17日 - 黒澤明監督の監督生活50周年・30作記念作品で本多猪四郎監督の最後の仕事となった『まあだだよ』が公開。
- 4月24日 - 神奈川県海老名市にワーナー・マイカル第一号のワーナー・マイカル・シネマズ海老名がオープン。
- 6月 - 横浜市にてフランス映画祭がスタート。
- 7月1日
- 株式会社にっかつが会社更生法の適用を申請。
- 東京で建築安全条例と火災予防条例の改正が施行実施される[1]。1956年(昭和31年)以降、初めての抜本的な改正であり、映画館に対する公的規制の緩和という内容であったため、映画館の新規オープンにプラスの作用をした[1]。
日本の映画興行
入場料金(大人)
- 1,800円[2]
- 映画館・映画別
- 1,500円(松竹、正月映画『男はつらいよ 寅次郎の青春』)[3]
- 2,000円(『ジュラシック・パーク』、設備の良い映画館のみ) - 設備の劣る映画館は1,800円[1]。
- 1,500円(松竹、正月映画『男はつらいよ 寅次郎の青春』)[3]
- 1,789円(統計局『小売物価統計調査(動向編) 調査結果』[4] 銘柄符号 9341「映画観覧料」)[5]
- 1,800円[2]
入場者数 1億3072万人[6]
興行収入 1637億円[6]
配給会社 | 本数 | 年間配給収入 | 前年対比 | 概要 |
---|---|---|---|---|
松竹 | 16 | 066億5802万円 | 094.2% | 1993年度邦画配給収入2位になった角川映画『REX 恐竜物語』(22億円)は松竹配給番組の新記録を樹立。高稼動のため10週間興行を14週間興行に変更する予定だったが、角川春樹製作者兼監督のコカイン事件のため当初の10週間興行で打ち切られた。『男はつらいよ 寅次郎の青春』/『釣りバカ日誌5』(14.5億円)は安定のハイアベレージ、『学校』(7億円)は各賞受賞で凱旋興行も予定されている。『結婚』(5.8億円)、『僕らはみんな生きている』(4億円)は健闘。 |
東宝 | 18 | 108億0360万円 | 84.1% | 9年連続の年間配給収入100億円突破。『ゴジラvsモスラ』(22.2億円)、『水の旅人 侍KIDS』(20.3億円)、『ドラえもん のび太とブリキの迷宮』(16.5億円)、『クレヨンしんちゃん アクション仮面VSハイグレ魔王』(12.5億円)、『高校教師』(11億円)が配給収入10億円を突破した。邦画で10億円突破した9番組中、5番組が東宝。ヒットメーカーの伊丹十三監督『大病人』(6.5億円)は伸び悩み、黒澤明監督の『まあだだよ』は低調。 |
東映 | 23 | 063億8512万円 | 096.9% | 『ドラゴンボールZ』シリーズを中心に据えた『'93春東映アニメフェア』(13.7億円)、『'93夏東映アニメフェア』(13.1億円)のアニメ2番組が配給収入10億円を突破した。『病は気から 病院へ行こう2』(7.3億円)は健闘。動員映画の『わが愛の譜 滝廉太郎物語』は6.5億円。ヤクザ映画『極東黒社会』・『民暴の帝王』・『修羅場の人間学』とアクション映画『眠らない街 新宿鮫』は失敗。東映はヤクザ映画の製作を根本から見直すことになった。 |
- 出典:「1993年度日本映画・外国映画業界総決算 日本映画」、『キネマ旬報』1994年(平成6年)2月下旬号、キネマ旬報社、1994年、 154 - 156頁。
各国ランキング
日本配給収入ランキング
順位 | 題名 | 配給 | 配給収入 | 備考 |
---|---|---|---|---|
1 | ゴジラvsモスラ | 東宝 | 22.2億円 | |
2 | REX 恐竜物語 | 松竹 | 22.0億円 | |
3 | 水の旅人 侍KIDS | 東宝 | 20.3億円 | [注 1] |
4 | ドラえもん のび太とブリキの迷宮 ドラミちゃん ハロー恐竜キッズ!! | 東宝 | 16.5億円 | |
5 | 男はつらいよ 寅次郎の青春 釣りバカ日誌5 | 松竹 | 14.5億円 | |
6 | ドラゴンボールZ 燃えつきろ!!熱戦・烈戦・超激戦 Dr.スランプ アラレちゃん んちゃ!ペンギン村はハレのち晴れ | 東映 | 13.7億円 | |
7 | ドラゴンボールZ 銀河ギリギリ!!ぶっちぎりの凄い奴 Dr.スランプ アラレちゃん んちゃ!ペンギン村より愛をこめて 幽☆遊☆白書 | 東映 | 13.1億円 | |
8 | クレヨンしんちゃん アクション仮面VSハイグレ魔王 | 東宝 | 12.5億円 | |
9 | 高校教師 | 東宝 | 11.0億円 | |
10 | 病は気から 病院へ行こう2 七人のおたく | 東映 | 07.3億円 |
- #10の出典:『キネマ旬報ベスト・テン85回全史 1924-2011』 キネマ旬報社〈キネマ旬報ムック〉、2012年5月、524頁。ISBN 978-4873767550。
- 上記以外の出典:1993年配給収入10億円以上番組 - 日本映画製作者連盟
順位 | 題名 | 製作国 | 配給 | 配給収入 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
1 | ジュラシック・パーク | UIP | 83.0億円 | ||
2 | ボディガード | ワーナー・ブラザース | 41.0億円 | [注 2] | |
3 | アラジン | ブエナ・ビスタ | 25.0億円 | ||
3 | ホーム・アローン2 | 20世紀FOX | 25.0億円 | ||
5 | 逃亡者 | ワーナー・ブラザース | 22.5億円 | ||
6 | 幸福の条件 | UIP | 13.6億円 | ||
7 | ラスト・アクション・ヒーロー | トライスター映画 | 12.0億円 | ||
8 | ザ・ファーム 法律事務所 | パラマウント映画/UIP | 11.0億円 | [注 3] | |
8 | 永遠に美しく… | ユニバーサル映画 | 11.0億円 | ||
10 | 硝子の塔 | UIP | 09.5億円 |
- #8、#10の出典:『キネマ旬報ベスト・テン85回全史 1924-2011』 キネマ旬報社〈キネマ旬報ムック〉、2012年5月、524頁。ISBN 978-4873767550。
- 上記以外の出典:1993年配給収入10億円以上番組 - 日本映画製作者連盟
全世界興行収入ランキング
順位 | 題名 | スタジオ | 興行収入 |
---|---|---|---|
1 | ジュラシック・パーク | ユニバーサル・スタジオ | $1,029,153,882 |
2 | ミセス・ダウト | 20世紀フォックス | $441,286,195 |
3 | 逃亡者 | ワーナー・ブラザース | $368,875,760 |
4 | シンドラーのリスト | ユニバーサル・スタジオ | $321,306,305 |
5 | ザ・ファーム 法律事務所 | パラマウント映画 | $270,248,367 |
6 | 幸福の条件 | パラマウント映画 | $266,614,059 |
7 | クリフハンガー | トライスター・ピクチャーズ | $255,000,211 |
8 | めぐり逢えたら | トライスター・ピクチャーズ | $227,799,884 |
9 | フィラデルフィア | トライスター・ピクチャーズ | $206,678,440 |
10 | ペリカン文書 | ワーナー・ブラザース | $195,268,056 |
- 出典:“1993 Worldwide Box Office Results”. Box Office Mojo. 2015年12月17日閲覧。
北米興行収入ランキング
順位 | 題名 | スタジオ | 興行収入 |
---|---|---|---|
1. | ジュラシック・パーク | ユニバーサル | $357,067,947 |
2. | ミセス・ダウト | 20世紀FOX | $219,195,243 |
3. | 逃亡者 | ワーナー・ブラザース | $183,875,760 |
4. | ザ・ファーム 法律事務所 | パラマウント | $158,348,367 |
5. | めぐり逢えたら | トライスター | $126,680,884 |
6. | 幸福の条件 | パラマウント | $106,614,059 |
7. | ザ・シークレット・サービス | コロムビア | $102,314,823 |
8. | ペリカン文書 | ワーナー・ブラザース | $100,768,056 |
9. | シンドラーのリスト | ユニバーサル | $96,065,768 |
10. | クリフハンガー | トライスター | $84,049,211 |
- 出典: “1993 Domestic Yearly Box Office Results”. Box Office Mojo. 2015年12月25日閲覧。
フランス観客動員数ランキング
おかしなおかしな訪問者
アラジン
ジュラシック・パーク
ジェルミナル
逃亡者
ドラキュラ
クリフハンガー
ピアノ・レッスン
パーフェクト・ワールド
ジャングル・ブック
- 出典:“FRANCE 1993 - BOX OFFICE STORY”. boxofficestory. 2016年1月23日閲覧。
日本公開映画
1993年の日本公開映画を参照。
受賞
第66回アカデミー賞
作品賞 - 『シンドラーのリスト』
監督賞 - スティーヴン・スピルバーグ(『シンドラーのリスト』)
主演男優賞 - トム・ハンクス(『フィラデルフィア』)
主演女優賞 - ホリー・ハンター(『ピアノ・レッスン』)
第51回ゴールデングローブ賞
作品賞 (ドラマ部門) - 『シンドラーのリスト』
主演女優賞 (ドラマ部門) - ホリー・ハンター(『ピアノ・レッスン』)
主演男優賞 (ドラマ部門) - トム・ハンクス(『フィラデルフィア』)
作品賞 (ミュージカル・コメディ部門) - 『ミセス・ダウト』
主演女優賞 (ミュージカル・コメディ部門) - アンジェラ・バセット(『ティナ』)
主演男優賞 (ミュージカル・コメディ部門) - ロビン・ウィリアムズ(『ミセス・ダウト』)
監督賞 - スティーブン・スピルバーグ(『シンドラーのリスト』)
第59回ニューヨーク映画批評家協会賞 - 『シンドラーのリスト』
第46回カンヌ国際映画祭
パルム・ドール - 『ピアノ・レッスン』(ジェーン・カンピオン)、『さらば、わが愛/覇王別姫』(チェン・カイコー)
監督賞 - マイク・リー(『ネイキッド』)
男優賞 - デヴィッド・シューリス(『ネイキッド』)
女優賞 - ホリー・ハンター(『ピアノ・レッスン』)
- 第50回ヴェネツィア国際映画祭
金獅子賞 - 『トリコロール/青の愛』(クシシュトフ・キェシロフスキ)、『ショート・カッツ』(ロバート・アルトマン)
第43回ベルリン国際映画祭
金熊賞 - 『香魂女-湖に生きる』 (シェ・フェイ)、『ウェディング・バンケット』 (アン・リー)
第17回日本アカデミー賞
- 最優秀作品賞 - 『学校』(山田洋次)
- 最優秀主演男優賞 - 西田敏行(『学校』『釣りバカ日誌6』)
- 最優秀主演女優賞 - 和久井映見(『虹の橋』)
第36回ブルーリボン賞
- 作品賞 - 『月はどっちに出ている』
- 主演男優賞 - 真田広之(『僕らはみんな生きている』)
- 主演女優賞 - ルビー・モレノ(『月はどっちに出ている』)
- 監督賞 - 滝田洋二郎(『僕らはみんな生きている』)
第67回キネマ旬報ベスト・テン
- 外国映画第1位 - 『許されざる者』
- 日本映画第1位 - 『月はどっちに出ている』
- 外国映画第1位 - 『許されざる者』
第48回毎日映画コンクール
- 日本映画大賞 -『月はどっちに出ている』
誕生
2月
2月7日 - 太賀、日本の俳優
3月11日 - ささの友間、日本の俳優
5月
5月10日 - 志田未来、日本の女優
5月15日 - 尾崎千瑛、日本の女優
5月19日 - 神木隆之介、日本の俳優
8月
8月5日 - 大後寿々花、日本の女優
9月
9月25日 - 菅野莉央、日本の女優
12月
12月15日 - 新木優子
12月24日 - 西内まりや
12月25日 - 武井咲
12月28日 - 新川優愛
死去
日付 | 名前 | 国籍 | 年齢 | 職業 | |
1月 | 2日 | 田中浩 | 59 | 俳優 | |
13日 | ケン・アンダーソン | 83 | 美術監督・脚本家 | ||
20日 | オードリー・ヘプバーン | 63 | 女優 | ||
27日 | 峰吟子 | 83 | 女優 | ||
30日 | 服部良一 | 85 | 作曲家 | ||
2月 | 2日 | フランソワ・レシャンバック | 70 | 映画監督 | |
5日 | ジョーゼフ・L・マンキーウィッツ | 83 | 映画監督 | ||
25日 | エディ・コンスタンティーヌ | 75 | 歌手・俳優 | ||
27日 | リリアン・ギッシュ | 99 | 女優 | ||
28日 | 本多猪四郎 | 81 | 映画監督 | ||
3月 | 16日 | 笠智衆 | 88 | 俳優 | |
17日 | ヘレン・ヘイズ | 92 | 女優 | ||
18日 | 加藤正之 | 61 | 俳優・声優 | ||
25日 | 戸浦六宏 | 62 | 俳優 | ||
31日 | ブランドン・リー | 32 | 俳優 | ||
4月 | 20日 | カンティンフラス | 81 | 俳優・コメディアン | |
5月 | 14日 | 田代喜久雄 | 76 | テレビ朝日代表取締役相談役 | |
31日 | ドン・B・テータム | 80 | ウォルト・ディズニー・カンパニー名誉理事 | ||
6月 | 7日 | 川喜多和子 | 53 | フランス映画社副社長 | |
9日 | アレクシス・スミス | 72 | 女優 | ||
11日 | レイ・シャーキー | 40 | 俳優 | ||
7月 | 2日 | フレッド・グウィン | 66 | 俳優 | |
4日 | ロマン・カチャーノフ | 72 | アニメーション監督 | ||
18日 | 安部徹 | 76 | 俳優 | ||
8月 | 10日 | アイリーン・シャラフ | 83 | 衣装デザイナー | |
30日 | リチャード・ジョーダン | 55 | 俳優 | ||
9月 | 10日 | ハナ肇 | 63 | コメディアン | |
12日 | レイモンド・バー | 76 | 俳優 | ||
19日 | 潮健児 | 68 | 俳優 | ||
21日 | フェルナン・ルドゥー | 96 | 俳優 | ||
10月 | 7日 | シリル・キューザック | 82 | 俳優 | |
25日 | ヴィンセント・プライス | 82 | 俳優 | ||
29日 | マキノ雅弘 | 85 | 映画監督 | ||
山内明 | 72 | 俳優 | |||
31日 | フェデリコ・フェリーニ | 73 | 映画監督 | ||
リヴァー・フェニックス | 23 | 俳優 | |||
11月 | 5日 | マリオ・チェッキ・ゴーリ | 77 | プロデューサー | |
19日 | 田武謙三 | 79 | 俳優 | ||
12月 | 1日 | 益田喜頓 | 84 | 俳優 | |
5日 | アレクサンドル・トローネル | 87 | 美術監督 | ||
6日 | ドン・アメチー | 85 | 俳優 | ||
14日 | マーナ・ロイ | 88 | 女優 | ||
18日 | サム・ワナメイカー | 74 | 映画監督・俳優 | ||
19日 | 植草圭之助 | 83 | 脚本家・小説家 | ||
25日 | 逸見政孝 | 48 | 元・フジテレビアナウンサー |
脚注
注釈
^ 『キネマ旬報ベスト・テン85回全史』では配給収入は20億0300万円となっている[7]。しかし、キネマ旬報1994年2月下旬号も日本映画製作者連盟と同じ20.3億円となっている[8]。
^ 『キネマ旬報ベスト・テン85回全史』では配給収入は41.1億円となっている[7]。
^ 日本映画製作者連盟の発表には含まれていない[9]。
出典
- ^ abc「1993年度日本映画・外国映画業界総決算 日本映画」、『キネマ旬報』1994年(平成6年)2月下旬号、キネマ旬報社、1994年、 156頁。
^ 斉藤 2009, pp. 117 - 118.
^ “第45作 男はつらいよ 寅次郎の青春”. 『男はつらいよ』公式サイト. 松竹映画. 2016年8月6日閲覧。
^ “小売物価統計調査(動向編) 調査結果”. 統計局. 2016年8月3日閲覧。
^ “主要品目の東京都区部小売価格:昭和25年(1950年)〜平成22年(2010年) (Excel)”. 統計局. 2016年8月3日閲覧。
- ^ ab“過去データ一覧”. 一般社団法人日本映画製作者連盟. 2016年8月2日閲覧。
- ^ ab『キネマ旬報ベスト・テン85回全史 1924-2011』 キネマ旬報社〈キネマ旬報ムック〉、2012年5月、524頁。ISBN 978-4873767550。
^ 「1993年度日本映画・外国映画業界総決算 日本映画」、『キネマ旬報』1994年(平成6年)2月下旬号、キネマ旬報社、1994年、 156頁。
^ 1993年配給収入10億円以上番組 - 日本映画製作者連盟
参考文献
- 斉藤守彦 『映画館の入場料金は、なぜ1800円なのか?』 ダイヤモンド社、2009年11月27日。ISBN 978-4-478-01134-8。
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