マーク・バーリー


















































マーク・バーリー
Mark Buehrle

Mark Buehrle on September 26, 2013.jpg
2013年9月26日

基本情報
国籍
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
出身地
ミズーリ州セントチャールズ
生年月日
(1979-03-23) 1979年3月23日(39歳)
身長
体重

6' 2" =約188 cm
245 lb =約111.1 kg
選手情報
投球・打席
左投左打
ポジション
投手
プロ入り
1998年 ドラフト38巡目(全体1139位)でシカゴ・ホワイトソックスから指名
初出場
2000年7月16日 ミルウォーキー・ブルワーズ戦
最終出場
2015年10月4日 タンパベイ・レイズ戦
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)



  • フランシス・ハウエル・ノース高等学校(英語版)

  • ジェファーソン・カレッジ(英語版)


  • シカゴ・ホワイトソックス (2000 - 2011)


  • マイアミ・マーリンズ (2012)


  • トロント・ブルージェイズ (2013 - 2015)




マーク・アンソニー・バーリー(Mark Anthony Buehrle, 1979年3月23日 - )は、アメリカ合衆国ミズーリ州セントチャールズ出身の元プロ野球選手(投手)。左投左打。




目次






  • 1 経歴


    • 1.1 プロ入りとマイナー時代とホワイトソックス時代


    • 1.2 マーリンズ時代


    • 1.3 ブルージェイズ時代




  • 2 特徴


  • 3 詳細情報


    • 3.1 年度別投手成績


    • 3.2 表彰


    • 3.3 記録


    • 3.4 背番号




  • 4 参考資料


  • 5 関連項目


  • 6 外部リンク





経歴



プロ入りとマイナー時代とホワイトソックス時代


ジェファーソン短大1年時の1998年6月にMLBドラフト38巡目(全体1,139位)でシカゴ・ホワイトソックスから指名され、翌1999年5月に入団契約を交わした。


同年A級バーリントン・ビーズでプロデビューを果たし、20試合に登板し四球はわずか16とコントロールは非の打ち所がなく、トム・グラビンと比較された[1]


2000年に、傘下のマイナーリーグAA級バーミングハム・バロンズで16試合8勝4敗・防御率2.28の好成績を残し、フューチャーズゲームにも選出された[1]。シーズン途中の7月にAAA級を飛び越えてメジャーに昇格し、7月16日のブルワーズ戦で、チームが11-4とリードした9回表に登板しメジャーデビュー。1点を失うが後続を抑え、試合を締める。その後3試合に先発したが、先発3試合目に3.2回で5失点と打ち込まれ、シーズン終了までリリーフに回された。


2001年に先発ローテーションに定着。5月から4か月連続で月間防御率2点台を記録し[2]、8月3日のデビルレイズ戦では被安打1の準完全試合を達成[3]。9月に失速するまで防御率はリーグ1位で[1]、シーズン通して221.1投球回(リーグ10位)で16勝8敗・防御率3.29(同4位)・WHIP1.066(同1位)を記録。


2002年には開幕投手を務め、19勝(リーグ4位)12敗を挙げた。ホワイトソックスの左腕投手としては1975年にジム・カートが20勝(14敗)を記録して以来26年ぶりとなる19勝[4]を挙げたバーリーは、この年以降2006年まで5年連続で開幕投手に起用されるなどエースの座をつかむ。


2003年シーズン終了後に球団はバーリーと3年総額1,800万ドルで契約延長した[1]


2004年・2005年には2年連続でリーグ最多投球回を記録。2004年5月11日のオリオールズ戦から2005年7月26日のロイヤルズ戦まで「49試合連続6イニング以上登板」という記録を打ちたてるなど "イニングイーター" (多くのイニングを投げる投手のこと)ぶりを発揮した。7月21日のインディアンス戦、被安打の2走者を併殺打でアウトにするなど、打者27人で完封勝利を挙げた。


2005年は、オールスターゲームで先発登板して勝利投手となり、シーズン通算では防御率3.12と自己最高を記録。ワールドシリーズでは、第2戦に先発登板し勝ち星を挙げ、第3戦ではチームが7人の救援投手を使い果たし延長14回2アウト・ランナー1・3塁の場面で自ら登板を志願し、アダム・エバレットを遊飛に抑えセーブを挙げた[5]。2試合連続登板で「先発→セーブ」のパターンを記録したのはワールドシリーズ史上初のことであった[6]。その後チームは4連勝で88年ぶりのワールドシリーズ制覇を達成。


2006年5月14日のツインズ戦では、初回に7失点しながら勝利投手となった。これは1900年9月29日にジャック・パウエル(カージナルス)がオーファンズ(現カブス)戦で記録して以来106年ぶりの珍事であった。この年は12勝13敗で初の負け越し、防御率も4.99で自己最低を更新するなど、前年から一転して低迷。特に後半戦は14試合で3勝7敗・防御率6.44と大不振に陥った。それでもホワイトソックスは契約オプションを行使し、バーリーは2007年もホワイトソックスで投げることになった。オフに球団は2008年から3年総額3,300万ドルで契約延長を打診したが拒否した[7]


契約最終年となった2007年、バーリーは4月18日のレンジャーズ戦でノーヒットノーランを達成した。ホワイトソックスの投手としては16年ぶりの達成で、5回にサミー・ソーサへ四球を1つ与えただけ、しかもその後すぐ牽制球で仕留め打者27人で試合を終了させた "準完全試合" だった。以降6月終了時点まで15試合に登板し、5勝4敗・防御率3.33を記録。7月8日、バーリーとホワイトソックスは4年5,600万ドルで契約延長に合意した[8]。シーズン通算では、2001年以降では自己最少となる30先発・201.0投球回・10勝(9敗)に終わったが、防御率は3.63と持ち直した。


2009年7月23日、タンパベイ・レイズ戦で完全試合を達成(en:Mark Buehrle's perfect game)。この偉業により、ホワイトソックスファンであるバラク・オバマ大統領から祝福の電話を受けた[9]。次の登板となった7月28日のミネソタ・ツインズ戦でも6回2死まで1人の走者も許さず、ジム・バーとチームメイトのボビー・ジェンクスが持っていた41者連続アウトを更新する45者連続アウトのMLB新記録を達成した[10]。なおこの記録は、2014年8月にヤスメイロ・ペティット(46打者連続アウト)によって更新されている。


ホワイトソックスには2011年まで在籍し、2001年から11年連続で200イニング、二桁勝利を達成した。


2017年2月23日、ホワイトソックスは背番号56を同年から永久欠番とすることが発表された[11]



マーリンズ時代


2011年12月8日にマイアミ・マーリンズに4年総額5800万ドルの契約で移籍した。


2012年も200イニング、二桁勝利をクリアしてそれぞれ12年連続とした。



ブルージェイズ時代


2012年11月13日にジョシュ・ジョンソン、ホセ・レイエス、ユネル・エスコバーら総勢12人が動く大型トレードでトロント・ブルージェイズに移籍した[12]


2013年当初は乱調が続き、5月には一時防御率が7点台まで落ちこんだが、その後は持ち直した。先発ローテーションを守り、13年連続で、200イニング、二桁勝利をクリアした。


2014年は5月までに9勝(防御率2.33)をマークするなど、ハイペースで勝ち星を積み重ねた。7月には、2009年以来5年ぶりにオールスターゲームに選出された[13]。6月以降はやや失速したが、メジャー2年目の2001年から14年連続となる2ケタ勝利(13勝)・200イニングをクリア。投球イニングが14年連続で200回を超えたのは、1901年以降では史上7人目の記録である[14]


2015年は開幕から好調を維持し、7年ぶりの15勝・4年ぶりの一桁敗戦となった。その一方後半戦でやや失速し、15年連続200イニングは逃した。特に、シーズン最終戦でのマウンドでは、5安打を浴びて8失点を喫し、1イニング持たずに降板[15]。オフの11月2日にFAとなった[16]



特徴


球速は遅いものの、多彩な変化球を低めに集めて打たせて取る、典型的な技巧派左腕。バーリーの投球について、元チームメイトの井口資仁は「バーリーの時は、しっかり打たれたゴロじゃなくて、打ち損じた打球がよく飛んでくる気がする」と語っている[17]。持ち球は、85 - 89mph(約136.8 - 143.2km/h)の沈む速球に、打者の手元で鋭く曲がるスライダー、大きく曲がるカーブ、それにチェンジアップなど[18]。制球が良いため「("精密機械" と呼ばれる制球を武器に通算300勝を挙げた)グレッグ・マダックスに最も近い投手」と呼ばれることもある[17]。イチローは「左バッターのアウトコースいっぱいのところへボール1個分のコントロールができる」と評価している[19]


投球のテンポがいいため、バーリーの登板する試合は他の試合に比べて早く終わることが多い。2005年4月16日のマリナーズ戦は過去20年で最短の1時間39分で終わっている[1][20]。また、体に負担をかけない投げ方をしているため故障が少なく、長いイニングを投げられることも特徴。2004年から2005年にかけて、49試合連続6イニング以上登板という記録を打ち立てた。バーリー自身は「普通は1イニング15球がベストと言われるけど、オレは10 - 12球で抑えることを目標にしている。マウンドに立つたびに、9イニングを90球で終わらせることをめざしている」と自らの投球哲学を語っている[17]


また、ゴールドグラブ賞とフィールディング・バイブル・アワードをそれぞれ4年連続で受賞しているように、メジャー屈指の守備力を誇る投手である。そのフィールディング能力は自身の持ち味である、打たせて取る投球の大きな支えとなっている。


一方で、ニューヨーク・ヤンキースとは相性が非常に悪く、2004年4月10日の対戦で勝利して以来12連敗を喫しており、通算でも1勝14敗(勝率.067)と苦しんでいる。また打者ではイチローを苦手としており、通算で63打数27安打、打率.429とカモにされている。この被打率はイチローが50打席以上対戦したメジャーの投手の中では最も高い[21]



詳細情報



年度別投手成績


































































































































































































































































































































































































































































































































































W
H
I
P

2000

CWS
28 3 0 0 0 4 1 0 3 .800 225 51.1 55 5 19 1 3 37 0 0 27 24 4.21 1.44

2001
32 32 4 2 0 16 8 0 0 .667 885 221.1 188 24 48 2 8 126 1 5 89 81 3.29
1.07

2002
34 34 5 2 1 19 12 0 0 .613 984 239.0 236 25 61 7 3 134 6 1 102 95 3.58 1.24

2003
35 35 2 0 1 14 14 0 0 .500 978 230.1 250 22 61 2 5 119 1 0 124 106 4.14 1.35

2004
35 35 4 1 2 16 10 0 0 .615 1016 245.1 257 33 51 2 8 165 0 0 119 106 3.89 1.26

2005
33 33 3 1 2 16 8 0 0 .667 971 236.2 240 20 40 4 4 149 2 2 99 82 3.12 1.18

2006
32 32 1 0 0 12 13 0 0 .480 876 204.0 247 36 48 5 6 98 0 1 124 113 4.99 1.45

2007
30 30 3 1 1 10 9 0 0 .526 835 201.0 208 22 45 5 5 115 1 0 86 81 3.63 1.26

2008
34 34 1 0 1 15 12 0 0 .556 918 218.2 240 22 52 4 5 140 4 0 106 92 3.79 1.34

2009
33 33 1 1 1 13 10 0 0 .565 874 213.1 222 27 45 3 5 105 2 1 97 91 3.84 1.25

2010
33 33 3 0 2 13 13 0 0 .500 897 210.1 246 17 49 1 1 99 3 5 105 100 4.28 1.40

2011
31 31 0 0 0 13 9 0 0 .591 858 205.1 221 21 45 3 2 109 1 0 93 82 3.59 1.30

2012

MIA
31 31 1 0 0 13 13 0 0 .500 828 202.1 197 26 40 3 4 125 2 0 88 84 3.74 1.17

2013

TOR
33 33 1 1 0 12 10 0 0 .545 876 203.2 223 24 51 3 9 139 2 0 100 94 4.15 1.35

2014
32 32 0 0 0 13 10 0 0 .565 857 202.0 228 15 46 0 4 119 2 1 83 76 3.39 1.36

2015
32 32 4 1 2 15 8 0 0 .652 827 198.2 214 22 33 4 7 91 2 1 100 84 3.81 1.24

MLB:16年
518 493 33 10 13 214 160 0 3 .572 13705 3283.1 3472 361 734 49 79 1870 27 16 1542 1391 3.81 1.28

  • 各年度の太字はリーグ最高


表彰




  • ゴールドグラブ賞:4回(2009年 - 2012年)


  • フィールディング・バイブル・アワード:4回(2009年 - 2012年)



記録




  • MLBオールスターゲーム選出:5回(2002年、2005年、2006年、2009年、2014年)


  • ノーヒッター:1回(2007年4月18日)


  • 完全試合:1回(2009年7月23日)


  • 開幕投手:9回(2002 - 2006、2008-2011年)

  • 連続打者アウト:45人(2009年7月28日、ア・リーグ記録、達成当時はMLB記録)

  • 連続シーズン200投球回:14年(2001 - 2014年、史上7人目)


  • 2005年のワールドシリーズでは、第2戦に先発登板したあと第3戦では救援登板しセーブを挙げた。2試合連続登板で「先発→セーブ」のパターンを記録したのはワールドシリーズ史上初のことであった[6]



背番号



  • 56(2000年 - 2015年)※ホワイトソックスの永久欠番


参考資料




  1. ^ abcde“Mark Buehrle Biography” (英語). JockBio. 2008年9月27日閲覧。


  2. ^ “Mark Buehrle 2001 Pitching Splits” (英語). Baseball-Reference.com. 2008年9月27日閲覧。


  3. ^ “August 3, 2001 Tampa Bay Devil Rays at Chicago White Sox Box Score and Play by Play” (英語). Baseball-Reference.com. 2008年9月27日閲覧。


  4. ^ "2002 Career Highlights," The Official Site of The Chicago White Sox. 2008年1月25日閲覧。


  5. ^ 友成那智、村上雅則 『メジャーリーグ・完全データ選手名鑑2006』 廣済堂出版、2006年、98頁。ISBN 978-4-331-51146-6。

  6. ^ abMark Gonzales, "Extra! Extra! Sox win!," ChicagoSports.com, October 26, 2005. 2008年4月14日閲覧。


  7. ^ 三尾圭「契約最終年の10人 運命のシーズンを迎えし者たち」『スラッガー』2007年5月号、日本スポーツ企画出版社、2007年、雑誌15509-8、26 - 27頁


  8. ^ Associated Press, "Buehrle signs 4-year deal to stay with White Sox," ESPN.com, July 8, 2007. 2008年4月14日閲覧。


  9. ^ オバマ大統領から祝福(MLB.com)


  10. ^ “Buehrle sets mark with 45 straight retired Breaks old record of 41 consecutive outs in fifth inning”. whitesox.com (2009年7月28日). 2009年7月30日閲覧。


  11. ^ “Chicago White Sox to retire Mark Buehrle's number” (英語). ESPN (2017年2月23日). 2017年4月3日閲覧。


  12. ^ Blue Jays To Acquire Johnson, Reyes, Buehrle From Marlins MLB Rumors


  13. ^ Gregor Chisholm (2014年7月7日). “Three Blue Jays named to All-Star team/ Bautista, Encarnacion and Buehrle will represent Toronto at Target Field on July 15”. MLB.com. 2014年10月31日閲覧。


  14. ^ Buehrle hits 200 IP for 14th straight year in win MLB.com


  15. ^ October 4, 2015 TOR VS TBR - Baseball-Reference.com (英語) . 2015年10月7日閲覧。


  16. ^ “Transactions | bluejays.com” (英語). MLB.com (2015年11月2日). 2015年11月3日閲覧。

  17. ^ abc阿部寛子 「マダックスの遺伝子を継ぐ者たち 技巧派投手たちの美学」 『月刊スラッガー』2005年10月号、日本スポーツ企画出版社、2005年、雑誌15509-10、34-37頁。


  18. ^ Lindy's, "Preview 2008: Chicago White Sox," FOX Sports on MSN, March 10, 2008. 2008年4月14日閲覧。


  19. ^ 石田雄太 「[開幕3連戦から探る]イチロー&マリナーズ「2年目の野心」」 『Sports Graphic Number』547号、文藝春秋、2002年、雑誌26854-4・25、52-56頁。


  20. ^ "Apr 16, 2005, Mariners at White Sox Play by Play and Box Score," Baseball-Reference.com. 2008年4月14日閲覧。


  21. ^ "[1]," Baseball-Reference.com. 2014年9月21日閲覧。




関連項目


  • メジャーリーグベースボールの選手一覧


外部リンク






  • 選手の通算成績と情報 MLB、ESPN、Baseball-Reference、Fangraphs、The Baseball Cube、Baseball-Reference (Register)


  • Mark Buehrle stats MiLB.com (英語)










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