ステップ気候






ステップ気候の分布図

  BSh

  BSk





ステップ気候の地域(マチャコス)




ステップ気候の地域(ブラジル)


ステップ気候(ステップきこう)とはケッペンの気候区分における気候区のひとつで、乾燥帯に属する。記号はBSで、BShとBSkに分かれる。BSのSはドイツ語のSteppe(ステップ)に由来する。


アリソフの気候区分では気候帯4-1.亜熱帯大陸性気候に相当する[1]




目次






  • 1 特徴


  • 2 条件


  • 3 分布


    • 3.1 分布地域


    • 3.2 典型的な都市




  • 4 気候の特徴


  • 5 土壌と植生の特徴


  • 6 産業の特徴・その他


  • 7 脚注


  • 8 参考文献


  • 9 関連項目





特徴


BSk気候の地域では,黒や栗色の土壌(チェルノーゼム)に、ステップとよばれる丈の短い草原が広がる。年間を通して降水量は少なく雨季には少量の雨が降る。昼と夜の気温差が激しい。



条件


最暖月の平均気温が10℃以上であり(寒帯では無い)、年平均降水量が乾燥限界 r{displaystyle r}rには満たないがr{displaystyle r}rの半分以上である地域であり、


以下の式から求められる。条件に当てはまればステップ気候となる。


年間平均気温をt{displaystyle t}t(℃)とし、年平均降水量(mm)が0.5r=10(t+x){displaystyle 0.5r=10(t+x)}{displaystyle 0.5r=10(t+x)}以上かつr=20(t+x){displaystyle r=20(t+x)}r=20(t+x)未満を満たす。


x{displaystyle x}xは以下の降水パターンの条件によって決まる。


















x=14{displaystyle x=14}x=14 w(冬季乾燥/夏雨) 最多雨月が夏にあり、10×最少雨月降水量<最多雨月降水量
x=0{displaystyle x=0}x=0 s(夏季乾燥/冬雨) 最多雨月が冬にあり、3×最少雨月降水量<最多雨月降水量かつ最少雨月降水量が30mm未満
x=7{displaystyle x=7}x=7 f(年中湿潤/年平均降雨) wでもsでもない

上記の条件を満たすとき年平均気温が18℃以上ならBSh、18℃未満ならBSkとなる。



分布



分布地域


主に砂漠気候からサバナ気候・温帯・湿潤大陸性気候への移行地域に分布(砂漠気候を囲むように分布)




  • モンゴル・中華人民共和国北部及び西部の一部

  • インドのデカン高原東部


  • カーティヤワール半島 - タール砂漠東部 - パンジャーブ州北東部


  • イランのゴム州、セムナーン州、ゴレスターン州東部

  • イラン南西部からイラクにかけてのザグロス山脈南麓 - シリア北東部


  • ヨルダン峡谷からネゲヴ砂漠北部


  • リビア北部からチュニジア東部にかけての地中海沿岸の低地


  • チェルノーゼム地帯


  • プレーリー、グレートプレーンズ


  • パンパ地方など


  • 南米北部からカリブ海にかけての一部にも見られる。



典型的な都市


この気候区に属する都市には以下のようなものがある。




  • ラホール(パキスタン)[2] - 砂漠気候に分類することもある。


  • デリー(インド)- 温帯冬季少雨気候に分類することもある。


  • マラケシュ(モロッコ)


  • アルバカーキ(アメリカ合衆国ニューメキシコ州)


  • カルガリー(カナダアルバータ州)- 湿潤大陸性気候に分類することもある。


  • ホノルル(アメリカ合衆国ハワイ州)- サバナ気候に分類することもある 。


  • カラカス(ベネズエラ)- サバナ気候に分類することもある。


  • リオ・ガジェゴス(アルゼンチン)


  • ビエドマ(アルゼンチン)


  • キングストン(ジャマイカ)


  • ダカール(セネガル)


  • アリススプリングス(オーストラリア) - 砂漠気候に分類することもある。


  • 北京(中華人民共和国)-亜寒帯冬季少雨気候との境に位置する。


  • 満州里(中華人民共和国内モンゴル自治区) - 亜寒帯冬季少雨気候に分類することもある。


  • ウランバートル(モンゴル)


  • チョイバルサン(モンゴル)


  • アテネ(ギリシャ)-地中海性気候との境に位置する。



気候の特徴


一年中あるいは乾季のみの間中緯度高圧帯の影響下に入るため、日本で言う秋晴れのような乾燥した晴天が続く。雨季にはある程度の雨が降るが、年間平均降水量は250 - 750mmとやや少なめである。


植物の自生は可能であるが森林ではなく、草原になる。また、特にサヘルやアラル海周辺などでは過放牧や過耕作、水源の枯渇などにより砂漠化(土地の不毛化)が進んでいる。



土壌と植生の特徴


黒色土(チェルノーゼム、プレーリー土)、栗色土などの肥沃な土壌が分布している。そのため、灌漑によって耕地化されている地域もある。



産業の特徴・その他


農業が主産業となっている地域が多い。企業による計画的な大規模農業もあるが、個人や集落単位での農業も盛んである。



脚注


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  1. ^ 矢澤(1989):354ページ


  2. ^ 二宮書店編集部、2017、『詳解現代地図』、二宮書店 ISBN 978-4-8176-0397-5 平成29年度版




参考文献



  • 矢澤大二『気候地域論考―その思潮と展開―』古今書院、1989年11月20日、738pp. ISBN 4-7722-1113-6


関連項目






  • オガララ帯水層








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