エンニオ・モリコーネ
エンニオ・モリコーネ Ennio Morricone | |
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第66回ヴェネツィア映画祭にて | |
基本情報 | |
生誕 | (1928-11-10) 1928年11月10日(90歳) |
出身地 | イタリア王国 ローマ |
ジャンル | 映画音楽 |
職業 | 作曲家、編曲家、指揮者 |
活動期間 | 1950年代末期 - 現在 |
公式サイト | ENNIOMORRICONE.it |
エンニオ・モリコーネ(Ennio Morricone, 1928年11月10日[1] - )はイタリアの作曲家である。映画音楽で特に知られる。
目次
1 経歴
2 人物
3 主な映画作品
4 テレビ番組
5 純器楽作品
6 脚注
7 外部リンク
経歴
ローマで生まれ、ローマのサンタ・チェチーリア音楽院でゴッフレド・ペトラッシに作曲技法を学んだ後、作曲家としてテレビ・ラジオ等の音楽を担当した[1][2][3]。
1950年代末から映画音楽の作曲、編曲、楽曲指揮をしている。映画音楽家デビューは1960年の『歌え!太陽』(Appuntamento a Ischia)だと言われていたが、オリジナルのスコアを使用した映画は1961年のルチアーノ・サルチェ監督の『ファシスト』(Il Federale)であり[1]、こちらがデビュー作だと言われるようになっている。
1960年代はセルジオ・レオーネ監督とのコンビで、いわゆる「マカロニ・ウェスタン」作品で存在感を増していった(レオーネとのコンビは彼の遺作となった1984年の『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』まで続いた)。1986年、ローランド・ジョフィ監督のイギリス映画『ミッション』で新境地を開拓、それ以後はイタリア国外でも評価が高まり、1987年には『アンタッチャブル』でグラミー賞を受賞[4]、1989年には『ニュー・シネマ・パラダイス』で世界的な知名度を得た。これまでに『天国の日々』 (1978年)、『ミッション』 (1986年)、『アンタッチャブル』 (1987年) 、『バグジー』(1991年) 、『マレーナ』(2000年) と、合計6回アカデミー賞にノミネートされている[5]。日本でも、2003年にNHKの大河ドラマ『武蔵 MUSASHI』の音楽を担当している[6]。
2007年、第79回アカデミー賞において名誉賞を受賞した[7][8]。
2016年、『ヘイトフル・エイト』の音楽で第88回アカデミー賞 作曲賞を受賞した[9][8]。
人物
早めに就寝し、午前4時には起きて、朝に運動や作曲を行うという生活習慣を採っている[10]。
愛妻家として知られ、2007年にアカデミー賞特別功労賞を受賞した際には、壇上で「このオスカーを、大いなる献身と愛情を持って、長年自分のそばに常にいてくれた妻のマリアに捧げたい。マリア、君への想いは変わらない」と、愛妻マリア夫人に感謝の言葉を捧げている[11]。
チョコレートが好きで一時体重が86キロあったが、食べる量を減らし、家の中を走り回って72キロにまで減らした。ここまで減らしたのだからたまにまたチョコレートくらい食べてもいいのではないかとは思っているが妻に怒られるので内緒で食べることにしている[12]
マカロニ・ウェスタンやジャッロなど暴力や流血描写が多い映画への音楽提供で名高いが、モリコーネ本人は過度な流血描写を嫌悪すると語っている。セルジオ・レオーネ監督の『荒野の用心棒』に対しては公開当時から現在まで一貫して俗悪な映画であると考えており[13]、モリコーネの音楽を使用したクェンティン・タランティーノの映画『ジャンゴ 繋がれざる者』(2012年)に対しても「正直言って好きな映画ではない。流血ばかりで」と語っている[14]。ピエル・パオロ・パゾリーニ監督は、残酷描写の多い『ソドムの市』(1975年)の音楽をモリコーネに依頼した時、試写でショッキングな描写を一切モリコーネに見せなかった。モリコーネはこの配慮に感銘を受け、現在もパゾリーニに対して変わらぬ友情の念を抱いていると語っている[13]。
政治的には穏健な立場ではあるが、一貫して左翼を支持している。支持政党はイタリア社会党であり、最も偉大なイタリアの政治家として毀誉褒貶の多い人物であると認めながら、イタリア社会党の書記長を務めたベッティーノ・クラクシの名を挙げている。現在の政治家で評価できる人物として、いずれも左派に属するワルテル・ヴェルトローニ、フランチェスコ・ルテッリ、ピエル・ルイジ・ベルサーニを挙げている[13]。
主な映画作品
- 赤い砂の決闘 Duello nel Texas (1963)
荒野の用心棒 A Fistful of Dollars (1964)
夕陽のガンマン Per qualche dollaro in piu (1965)
夕陽の用心棒 Una Pistola per Ringo (1965)
続・荒野の1ドル銀貨 Il ritorno di Ringo (1965)
さすらいのガンマン Navajo Joe (1966)
続・夕陽のガンマン Il Buono, il brutto, il cattivo (1966)
復讐のガンマン La resa dei conti (1967)
血斗のジャンゴ Faccia a faccia (1967)
テオレマ Teorema (1968)
豹/ジャガー Il mercenario (1968)
殺しが静かにやって来る Il Grande silenzio (1968)
ウエスタン Once Upon a Time in The West (1969)
シシリアン Le clan des siciliens (1969)
ラ・カリファ La califfa (1970)
狼の挽歌 Citta violenta (1970)
真昼の死闘 Two Mules for Sister Sara (1970)
ガンマン大連合 Vamos a matar, compañeros (1970)
死刑台のメロディ Sacco and Vanzetti (1971)
デカメロン Il Decameron (1971)
わが青春のフロレンス Metello (1971)
夕陽のギャングたち A Fistful of Dynamite (1971)
殺人捜査 Investigation of a Citizen above Suspicion (1971)
J&S/さすらいの逃亡者 La banda J. & S. - Cronaca criminale del Far West (1972)- 進撃0号作戦 Che c'entriamo noi con la rivoluzione? (1973)
エスピオナージ Le Serpent (1973)
ペイネ 愛の世界旅行 Il Giro del mondo degli innamorati di Peynet (1974)- アラビアンナイト Il foire delle mille e una notte (1974)
ソドムの市 Salò o le 120 giornate di Sodoma (1975)
ミスター・ノーボディ My Name is Nobody (1975)
1900年 Novecento (1976)
オルカ Orca (1977)
エクソシスト2 Exorcist II: The Heretic (1977)
天国の日々 Days of Heaven (1978)
Mr.レディMr.マダム La Cage aux Folles (1978)
エーゲ海に捧ぐ Dedicato al mare Egeo (1979)
華麗なる相続人 Bloodline (1979)
華麗なる女銀行家 La Banquière (1980)
Mr.レディMr.マダム2 La Cage aux Folles II (1980)
遊星からの物体X The Thing (1982)
ホワイト・ドッグ White Dog (1982)
サハラ Sahara (1983)
パリ警視J Le marginal (1983)
ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ Once Upon a Time in America (1984)- スキャンダル・愛の罠 La gabbia (1985)
レッドソニア Red Sonja (1985)
Mr.レディMr.マダム3 ウエディングベル La Cage aux Folles 3 - 'Elles' se marient (1985)
ミッション The Mission (1986)
アンタッチャブル The Untouchables (1987)
フランティック Frantic (1988)
ニュー・シネマ・パラダイス Nuovo cinema Paradiso (1988)
カジュアリティーズ Casualties of War (1989)
アタメ ¡Átame! (1990)
みんな元気 Stanno tutti bene (1990)
ステート・オブ・グレース State of Grace (1990)
ハムレット Hamlet (1990)
夜ごとの夢/イタリア幻想譚 La Domenica specialmente (1991)
バグジー Bugsy (1991)
シティ・オブ・ジョイ City of Joy (1992)
鯨の中のジョナ Jena che visse nella balena (1992)
ザ・シークレット・サービス In the Line of Fire (1993)
ウルフ Wolf (1994)
ディスクロージャー Disclosure (1994)
めぐり逢い Love Affair (1994)
明日を夢見て L'Uomo delle stelle (1995)
ロリータ Lolita (1997)
Uターン U Turn (1997)
海の上のピアニスト La Leggenda del pianista sull'oceano (1998)
ブルワース Bulworth (1998)
オペラ座の怪人 Il Fantasma dell'opera (1998)
ミッション・トゥ・マーズ Mission to Mars (2000)
宮廷料理人ヴァテール Vatel (2000)
マレーナ Malena (2000)
リプリーズ・ゲーム Ripley's GameE (2002)
題名のない子守唄 La Sconosciuta (2006)
U.N.エージェント Resolution819 (2008)
シチリア!シチリア! Baaria (2009)
鑑定士と顔のない依頼人 La migliore offerta (2013)
ヘイトフル・エイト The Hateful Eight (2015) (第88回アカデミー賞 作曲賞受賞)
テレビ番組
NHK特集ルーブル美術館 - 番組の作曲を担当。
武蔵 MUSASHI (2003)
純器楽作品
- 「ピアノ独奏のための四つの練習曲」 ツェルボーニ社
脚注
- ^ abc“Ennio Morricone - Sito Ufficiale - Biografia”. Discord. 2014年1月19日閲覧。
^ “Ennio Morricone | Biography | AllMusic”. AllMusic. 2014年1月19日閲覧。
^ “Ennio Morricone - Biography - IMDb”. IMDb. 2014年1月19日閲覧。
^ “Ennio Morricone | Awards | AllMusic”. AllMusic. 2014年1月19日閲覧。
^ “Ennio Morricone - Awards - IMDb”. IMDb. 2014年1月19日閲覧。
^ “武蔵 MUSASHI | 大河ドラマ”. NHK. 2014年1月19日閲覧。
^ “Ennio Morricone to receive honorary Oscar in 2007 | News | Screen”. Screen International. 2014年1月19日閲覧。
- ^ ab外部リンクに映像
^ タランティーノ監督最新作『ヘイトフル・エイト』巨匠エンニオ・モリコーネがアカデミー賞®作曲賞受賞TimeWarp(2016年2月)
^ “Ennio Morricone to Delight Sofia Audience - Novinite.com - Sofia News Agency”. Novinite.com (Sofia News Agency). 2014年1月19日閲覧。
^ アカデミー賞公式ホームページ
^ ベルリン新聞、2013年11月8日
- ^ abc「エンニオ・モリコーネ、自身を語る」 エンニオ・モリコーネ、アントニオ・モンダ 邦訳は河出書房新社。
^ タランティーノとは仕事したくない!映画音楽の巨匠エンニオ・モリコーネが告白シネマトゥデイ
外部リンク
公式ウェブサイト (イタリア語)
エンニオ・モリコーネ - allcinema
エンニオ・モリコーネ - KINENOTE
Ennio Morricone - インターネット・ムービー・データベース(英語)
Ennio Morricone - Discogs
Ennio Morricone - Myspace
エンニオ・モリコーネ - ワーナーミュージック・ジャパン
アカデミー名誉賞 エンニオ・モリコーネ 受賞映像 - YouTube プレゼンター:クリント・イーストウッド
アカデミー作曲賞「ヘイトフル・エイト」エンニオ・モリコーネ受賞映像 - YouTube
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