臭化バナジウム(III)
臭化バナジウム(III) | |
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IUPAC名 臭化バナジウム(III) | |
別称 三臭化バナジウム | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 13470-26-3 |
特性 | |
化学式 | VBr3 |
モル質量 | 290.654 g/mol |
外観 | 灰褐色固体 |
密度 | 4 g/cm3, 固体 |
水への溶解度 | 可溶 |
THFへの溶解度 | 可溶 |
構造 | |
配位構造 | 八面体形 |
関連する物質 | |
その他の陰イオン | 塩化バナジウム(III) |
その他の陽イオン | 塩化チタン(III) |
関連物質 | 塩化バナジウム(II) 塩化バナジウム(IV) 臭化モリブデン(III) |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
臭化バナジウム(III)(しゅうかバナジウム さん、Vanadium(III) bromide)は、化学式が VBr3 と表されるバナジウムの臭化物である。固相では、6個の臭素が1個のバナジウム上に八面体形で配位したポリマー状となっている。
VBr3 は、塩化バナジウム(IV) (VCl4) を臭化水素 (HBr) と反応させて得る。
- 2VCl4 +8HBr⟶2VBr3 +8HCl +Br2{displaystyle {ce {2VCl4 + 8HBr -> 2VBr3 + 8HCl + Br2}}}
この反応は不安定な臭化バナジウム(IV) (VBr4) を経由して進行する。一時的に生じる VBr4 は室温で Br2 を放出して VBr3 に変わる[1]。
VBr3 は塩化バナジウム(III) (VCl3) と同様に、ジメトキシエタンやテトラヒドロフランに対して可溶で、mer-VBr3(thf)3 のように赤褐色の可溶性錯体を形成する[2]。
VBr3 を水に溶かすと trans-[VBr2(H2O)4]+ イオンが生成する。この水溶液から水を蒸発させると trans-[VBr2(H2O)4]Br が得られる。
脚注
^ Calderazzo, F.; Maichle-Mossmer, C.; Pampaloni, G. and Strähle, J., "Low-temperature Syntheses of Vanadium(III) and Molybdenum(IV) Bromides by Halide Exchange", J. Chem. Soc., Dalton Trans., 1993, 655-658.
^ G. W. A. Fowles, G. W. A.; Greene, P. T.; Lester, T. E. "Ether Complexes of Tervalent Titanium and Vanadium" J. Inorg. Nucl. Chem., 1967, 29, 2365-2370.
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