ピオネール











































レーニンと“何時でも準備よし!”が彫られたメンバーのピン


ピオネール (пионе́р) は、ソ連・共産圏の少年団のこと。原義は「斥候」「偵察兵」。




目次






  • 1 概要


  • 2 関連書籍


  • 3 関連映像作品


  • 4 関連項目





概要


ロバート・ベーデン=パウエル卿による創成期のボーイスカウト運動が旧ソ連に伝わった後、国策・党策に合わせてその方針、形態が変化したもの。ピオネールとは「開拓者」の意味(英単語ではパイオニアが該当)。基本的にコムソモールの指導下に置かれていた。


およそ10歳から15歳を対象とし、入団式にはピオネール宮殿に於いてレーニン像の前で宣誓文を読む儀礼があった。団の編成は学校単位になっている。


スローガンはボーイスカウト(Be prepared、備えよ常に)を真似てВсегда готов!フシェグダー・ガトーフ。“何時でも準備よし!”)である。偶然だがアメリカ沿岸警備隊の「常に備えあり」と同じ。


ピオネールのシンボルマークは、レーニンの横顔とピオネールのスローガンが描かれた赤い星と焚火の炎を組み合わせたものの他、そのマークの入った旗を下げたホルンと赤い星のあしらわれた焚き火のマークも存在する。ホルンを吹く少年少女もシンボリックに取り扱われ、ソ連国内にあったピオネール宮殿前にはその銅像が建てられていた。


ボーイ・ガールスカウトが志願制で、“来る者拒まず、必要なのはやる気のみ”であるのに対し、ピオネールは団員として相応しいと認められなければいくらなりたくとも入団出来ない。特に出身階級が良く(プロレタリアート出身ということ)、健康で、学力優秀、品行方正な青少年の中から選抜される言わば将来の社会の幹部候補としてのエリート的な存在であった。性別による区分はない。団員のシンボルは赤いネッカチーフ(ネクタイとも)。


ウクライナ共和国においては男女二人組になり銃を持ち「大祖国戦争(独ソ戦)無名兵士の碑」の衛兵としての任務を果たした。


旧ソ連の教員養成制度では、教育実習は1年間となっており、うち9ヶ月は学校における実習、3ヶ月はピオネールにおける実習に充てられた。
また、夏季休暇期間にはラーゲリと呼ばれるキャンプがあり、やはりキャンプファイヤー(露:Костёр、カスチョール)が恒例であった。


上位組織としてコムソモール(青年団)、下位組織としてオクチャブリャータ(露:октябрята 直訳すると十月の子。十月革命にちなむ)がある。また、ソ連の衛星国であったいわゆる「東側」の共産主義国などでも同様の団体が組織された。



関連書籍



  • ヴィーチャと学校友だち (ニコライ・ノーソフ作、福井研介訳、岩波書店:ISBN 4001120348)

  • みどりの仮面 (ホルゲル・プック作、島原落穂訳、岩波書店:ISBN 4001106655)


団員の一人が暴力などの非行を繰り返し、別の団員からの発議に基づく団総会決定で除名されるシーンがある。

  • チムール少年隊 (アルカーディ・ガイダール作、直野敦訳、岩波書店)

上記は全てピオネールの登場する書籍である(旧ソ連の児童文学が多い)。


ちなみにА.ガイダールは、ソ連崩壊直後のエリツィン政権下で首相代行等を歴任したイェゴール・ガイダールの祖父である。



  • 「少年団運動の成立と展開-英国ボーイスカウトから学校少年団まで」(田中治彦 、九州大学出版会、1999年)

  • 「少年団の歴史-戦前のボーイスカウト・学校少年団」(上平泰博、中島純、田中治彦、萌文社、1996年)



関連映像作品



  • ぼくと彼女のために

  • 僕を愛したふたつの国/ヨーロッパ ヨーロッパ

  • グッバイ、レーニン!

  • ピオネールに入りたい(チェブラーシカ第二話)



関連項目



  • 合唱曲「ピオネールは木を植える」

  • ピオネール宮殿

  • ソ連共産党

  • ボーイスカウト

  • ナーシ

  • 中国少年先鋒隊

  • パヴリク・モロゾフ








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