バジル
バジル | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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バジル | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
分類(APG IV) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Ocimum basilicum L. | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
メボウキ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Basil |
バジル(英語: Basil、学名: Ocimum basilicum)は、シソ科メボウキ属の多年草(日本では越冬できないので一年草として扱われる)。
和名はメボウキ、目箒。イタリア語由来のバジリコ (Basilico) の名でも知られる。インド、熱帯アジア原産のハーブである。BasilならびにBasilicoの名称はいずれも「王」を意味するギリシャ語の βασιλεύς (バシレウス)に由来する。「バジル」と呼ばれるハーブには、O. basilicum以外の種に由来するものもふくめ、およそ150 種類の栽培品種がある。
香りの主成分はメチルカビコール(エストラゴール)、リナロール、シネオール、オイゲノールで、刺激性は低く生食でも食べられる。
イタリア料理に多く使われる品種は「バジル」「バジリコ」あるいは「スイートバジル (Sweet basil)」の名で知られている。ジェノベーゼバジル (Genovese basil) もイタリア料理に使われる。ほかにレモンバジル (Lemon basil)、ホーリーバジル (Holy basil)、シナモンバジル (Sinnamon basil)、タイバジル (Thai basil)、マンモスバジル (Mammoth basil)、タイレモンバジル (Thai Lemon basil、ライムバジル (Lime basil)、リコリスバジル (Licorice basil)、アフリカンブルーバジル (African Blue basil) などの品種がある。
日本においては、有名メーカー製の家庭用乾燥ハーブが「バジル」と称される一方で、産地及び料理からイタリア語の呼称、バジリコが使われることもある。
目次
1 近縁種
2 歴史
3 利用
3.1 葉
3.2 種子
3.3 栄養
3.4 抗癌作用を主張する研究
4 画像
5 脚注
6 参考文献
7 関連項目
近縁種
ブッシュバジル Ocimum mininum
ヒメボウキ Ocimum americanum
カミメボウキ(ホーリーバジル) Ocimum tenuiflorum
九層塔(タイバジル) Ocimum basilicum var. thyrsiflora
など
歴史
バジルは、アレキサンダー大王によって、インドからヨーロッパに伝えられたとする説がある。イギリスには16世紀に、アメリカには17世紀に渡来している。インドではホーリーバジルが、クリシュナ神とヴィシュヌ神に捧げる神聖なハーブとされる。またバジルは、ペルシャ、エジプトでは墓に植える草とされていた。
バジルの名称は前述の「王」を意味するギリシャ語の βασιλεύς に由来するという説の他、伝説上の怪物バジリスク(英: basilisk, 羅: basiliscus, 古希: βασιλίσκος [basiliskos])に由来すると言う説もある[1]。ただし怪物バジリスクの名称も元はギリシャ語の βασιλεύς に由来している。
歴史的にみて、とてもポピュラーなハーブでありいろいろな儀礼や迷信と結びついている。昔のインドでは葬儀の際に死者の横にバジルを供えることで、故人が黄泉の国へ無事にたどり着けると考えられた。中世ヨーロッパでは、サソリがバジルを好むと考えられており、粉末にしたバジルを吸い込むと頭のなかにサソリが沸くと信じられていた[2]。
利用
葉
バジルの利用法としてはジェノヴァ付近で作られるペスト・ジェノヴェーゼ(ジェノヴァのソース)が有名である。
日本では、ペスト・ジェノヴェーゼあるいは類似のソースを混ぜ込んだスパゲッティをバジリコ・スパゲッティ(スパゲッティ・バジリコ)とも呼ぶ。バジリコ・スパゲッティは、東京都港区のイタリア料理店『キャンティ』がまだバジルが手に入らない頃、代用としてシソとパセリを使ってジェノヴェーゼ風に仕上げたのが始まりと言われている。現在では日本でもバジルの生の葉や乾燥、粉砕した葉が容易に入手できるため、代用品を使う必要はなくなっている。
その他、トマトと相性がよいことでも知られる。新鮮なスイートバジルの葉とモッツァレッラチーズとトマトをあわせたサラダは、インサラータ・カプレーゼ(Insalata Caprese、「カプリ風サラダ」の意)といい、イタリアの国旗と同じ配色で、イタリアを象徴するサラダとなっている。ナポリピッツァの一つマルゲリータも、ピザの生地にモッツァレッラ、トマト、バジルの葉をトッピングしたものである。
また、台湾では「羅勒」と称されるが、近縁種でインド原産のほんのり清涼感がある「九層塔(タイバジル)」(台湾語 カウツァンタッ Káu-chàn-thah、同時に北京語でも言われる)が圧倒的に多く使われ、「羅勒」というと「九層塔」を指す場合が多い。調理の際にもスイートバジルと同じようにパスタに使われるが、主に台湾料理の炒め物や台湾式鉄板焼に葉が数枚入れられたり、天ぷらのように揚げられたりする。
九層塔は東南アジアでも多く栽培され、タイ料理、ベトナム料理、カンボジア料理、インドネシア料理など、東南アジアでも使われる。
種子
バジルの種子はグルコマンナンを多く含むため、水分を含むと乾燥状態の約30倍に膨張し、ゼリー状の物質で覆われる。食物繊維を豊富に含むことからダイエット補助食品としても利用されている。日本には最初、種子が漢方薬として輸入された。ゼリー状の物質により目の汚れを取り去る目薬とされ、メボウキ(目箒)の名称が付いた。東南アジアとアフガニスタンでは、水に浸した種子をデザートや飲み物にする。
栄養
100 gあたりの栄養価 | |
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エネルギー | 94 kJ (22 kcal) |
炭水化物 | 2.65 g |
糖類 | 0.3 g |
食物繊維 | 1.6 g |
脂肪 | 0.64 g |
飽和脂肪酸 | 0.041 g |
一価不飽和 | 0.088 g |
多価不飽和 | 0.389 g |
タンパク質 | 3.15 g |
トリプトファン | 0.039 g |
トレオニン | 0.104 g |
イソロイシン | 0.104 g |
ロイシン | 0.191 g |
リシン | 0.11 g |
メチオニン | 0.036 g |
シスチン | 0.028 g |
フェニルアラニン | 0.13 g |
チロシン | 0.077 g |
バリン | 0.127 g |
アルギニン | 0.117 g |
ヒスチジン | 0.051 g |
アラニン | 0.132 g |
アスパラギン酸 | 0.301 g |
グルタミン酸 | 0.277 g |
グリシン | 0.122 g |
プロリン | 0.104 g |
セリン | 0.099 g |
ビタミン | |
ビタミンA相当量 β-カロテン ルテインと ゼアキサンチン | (33%) 264 μg(29%) 3142 μg5650 μg |
チアミン (B1) | (3%) 0.034 mg |
リボフラビン (B2) | (6%) 0.076 mg |
ナイアシン (B3) | (6%) 0.902 mg |
パントテン酸 (B5) | (4%) 0.209 mg |
ビタミンB6 | (12%) 0.155 mg |
葉酸 (B9) | (17%) 68 μg |
ビタミンB12 | (0%) 0 μg |
コリン | (2%) 11.4 mg |
ビタミンC | (22%) 18 mg |
ビタミンD | (0%) 0 IU |
ビタミンE | (5%) 0.8 mg |
ビタミンK | (395%) 414.8 μg |
ミネラル | |
ナトリウム | (0%) 4 mg |
カリウム | (6%) 295 mg |
カルシウム | (18%) 177 mg |
マグネシウム | (18%) 64 mg |
リン | (8%) 56 mg |
鉄分 | (24%) 3.17 mg |
亜鉛 | (9%) 0.81 mg |
マンガン | (55%) 1.148 mg |
セレン | (0%) 0.3 μg |
他の成分 | |
水分 | 92.06 g |
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%はアメリカ合衆国における 成人栄養摂取目標 (RDI) の割合。 出典: USDA栄養データベース(英語) |
抗癌作用を主張する研究
かつて、バジルはデザイナーフーズ計画のピラミッドで3群に属しており、3群の中でも、マスクメロン、タラゴン、カラスムギ、アサツキと共に3群の上位に属する、癌予防効果のある食材であると位置づけられていた[3]。
画像
芽吹いた直後のバジル
バジルの双葉
小さなバジル
鉢一杯のバジル
成長したバジル
バジルの花
バジルの花(拡大)
スイートバジル
カミメボウキ(ホーリーバジル)
バジル畑
乾燥させたバジルの葉
脚注
^ 北野佐久子『基本ハーブの事典』東京堂出版2005年p113-116
^ マーガレット・B・フリーマン著 遠山茂樹訳『西洋中世ハーブ事典』、八坂書房、2009年、p53
^ がん予防と食品、大澤 俊彦、日本食生活学会誌、Vol.20 (2009) No.1
参考文献
- 北野佐久子 『基本ハーブの事典』 東京堂出版、2005年。ISBN 4-490-10684-X。
関連項目
- ペスト・ジェノヴェーゼ
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