島嶼
島嶼(とうしょ)とは大小さまざまな島のこと。中国語では「島」とは別に小島を意味する「嶼」という言葉があり、これらをつなげて様々な大きさの島を意味する言葉ができた。常用外であることもあり、しばしば「島しょ」と表記される。
狭い地域に集中する2つ以上の島嶼の集まりを「島嶼群」、島嶼群の集まり、もしくは大規模な島嶼群を「諸島」という。諸島のうち列状に並ぶものは「列島」、塊状の形状をなすものは「群島」と呼ばれる。
目次
1 島嶼部性
2 島嶼の生態圏
3 日本の島嶼制度
3.1 東京都
3.2 長崎県
3.3 鹿児島県
4 脚注
5 外部リンク
島嶼部性
島嶼部性という概念があり、これは単位面積に占める海岸線の距離の比率である。海岸線の距離を陸地の面積で割ったものであり、この数値が高いと島嶼部性が高いといわれる。一般的な傾向としてはリアス式海岸などの複雑に入り組んだ海岸線を持つ地域などが高い値になるが、国土についても地勢を知る上での指針の1つとなっており、島国はこの傾向が強くなる。また多島海国家はこの傾向が一層顕著で、島嶼部性1位がフィリピン(7107島)、次いで2位が日本(6852島)であり、インドネシア(18110島)を上回る。
地勢を知る上で島嶼部性は自然災害や自然利用を計る際に重要であり、具体的には台風や津波の風水害を予測したり漁業や水運などを計画するための指標となる。また、島嶼部性の高さは漂着物の多さを意味し、日本の歴史においては蛭子神に代表される漂着神としての「寄り神信仰」に発展したとも言われるが、一方では漂着ゴミの多さという環境汚染問題の側面も有している。
島嶼の生態圏
島嶼では他所で見られない珍しい生物が存在する事が多い。ダーウィンが進化論の説明に用いたガラパゴス諸島は特に著名である。
日本の島嶼制度
島嶼町村制も参照。
日本のいくつかの都道府県では、離島地域を島嶼もしくは島嶼部とし、法制や行政上、特別扱いすることがある。
東京都
東京都にあっては島嶼とは、伊豆諸島と小笠原諸島(南方諸島)を差す。島嶼部(とうしょぶ)と呼ばれることもあり、日本において「部」を付ける場合は東京都所管の離島を指す場合がほとんどである。
これらの諸島にある自治体には、東京都の他の町村、他の道府県の町村と異なり、包含する郡が存在しない。また、鳥島は帰属を巡って争いがあることから特定の町村に属さず、都の直轄となっている(厳密には都の出先機関である東京都総務局八丈支庁が管轄)。小笠原諸島の沖ノ鳥島、南鳥島、硫黄島を含む火山列島は小笠原村に属している。
東京都島嶼部の自治体は大島町、利島村、新島村、神津島村、三宅村、御蔵島村、八丈町、青ヶ島村、小笠原村の2町7村で構成される。
長崎県
自治体の領域内における島の数が全都道府県で最も多い長崎県の壱岐・対馬・五島列島を総称して長崎県島嶼部と呼ぶ場合がある。これら3諸島には、県の出先機関としてそれぞれ壱岐振興局・対馬振興局・五島振興局が設置されている。また、長崎県企画振興部地域振興課ではこの3諸島に加えて西彼杵半島周辺の島々(西彼諸島)や架橋により本土と繋がっている平戸島も「島嶼部」に含めている[1]。
鹿児島県
鹿児島県では県庁企画部離島振興課が所管する獅子島・甑島列島・新島・上三島(三島村)・トカラ列島(十島村)・種子島・屋久島・口永良部島・奄美群島を総称して鹿児島県島嶼部と呼ぶ場合がある。この内、種子島・屋久島・口永良部島には熊毛支庁、奄美群島には大島支庁がそれぞれ県庁の出先機関として設置されている。
かつては離島であったが噴火により本土と地続きになった桜島や架橋により自動車での往来が可能となった長島については、島嶼に含める場合と含めない場合がある。
脚注
^ III しまの状況(長崎県)
外部リンク
東京愛らんど(東京都島しょ振興公社)
ながさきの[しま](長崎県庁)
かごしまの島々(鹿児島県庁)