プロセスチーズ
プロセスチーズは、1種類、もしくは数種類のナチュラルチーズを原料として作られるチーズの種別。加工チーズまたはアメリカン・チーズとも呼ばれる。
目次
1 特徴
2 各国のプロセスチーズ
2.1 ヨーロッパ
2.2 アメリカ
2.3 日本
3 脚注
4 外部リンク
特徴
複数のナチュラルチーズを加熱して溶かし、混ぜ合わせるが、そのままだと成分が分離するので乳化剤を使用する。
加熱する過程で細菌を不活化し、酵素を変性させるので熟成はしないが、長期保存が可能になり、味が均質になる。また、扇形やスライスチーズなどのいろんな形に成形したり、中にナッツやフルーツなどを混ぜたりできるようになる。
ナチュラルチーズを加熱すると、チーズに含まれるカゼインを構成するアミノ酸の鎖がほぐれてとろけるが、プロセスチーズはすでに加熱してあるので、とろけない。半加熱状態でプロセスチーズを作ることで「とろけるスライスチーズ」を作る技術は、1987年に雪印が世界で初めて実用化した。
各国のプロセスチーズ
ヨーロッパ
ドイツやスイスではチーズの長期保存の観点からチーズの缶詰の製造が研究されていた[1]。そのような中、1911年にスイスのゲルベル社がスイスチーズを乳化溶融して扇形に成形したプロセスチーズを発明した[1]。
アメリカ
アメリカではジェームズ・ルイス・クラフトがアメリカンチェダーチーズを用いたプロセスチーズを作ることに成功[1]。のちに世界ーのプロセスチーズ製造会社となるクラフト社を設立した[2]。クラフト社は2015年にクラフト・ハインツとなった。
日本
日本ではゴーダチーズやチェダーチーズが原料に使われることが多い。
プロセスチーズ販売の初期においては、ブロック状の形状の製品が市場を寡占していた。当時は日本人のチーズ全般への知識や理解度は低く、その様相が固形石鹸を想起させたことやチーズ独特の匂いや香りから、日本人はチーズに拒否反応を示し食わず嫌いが多く存在した。
その後、ソーセージ状のベビーチーズが市場に現れ、パン食の普及と共にシート状に薄く整形したスライス・チーズ、わずかな加熱で容易に溶けるチーズなどが販売されるようになる。一部の輸入食料品を扱う専門店や高級百貨店以外ではプロセスチーズしか入手できなかったため、日本人にとってチーズと言えばプロセスチーズを意味していた。
その後多種多様な乳製品が食生活にも浸透してゆき、海外産の各種チーズが一般のスーパーマーケットでも販売されるようになった。そのためプロセスチーズのシェアはナチュラルチーズに押されつつあるが、味にクセがないためにハンバーガーやサンドイッチなどのパン食や料理の具材として、また味覚の多様化により果汁や果肉が入ったチーズ、アーモンド等のナッツや穀類が入ったチーズ、チューブ入りチーズ、ヨーグルト状チーズ、6Pチーズなどの個包装チーズ等の需要は依然として高い。
脚注
- ^ abc産業教育協会『図説日本産業大系 第6巻』中央社、1961年、140頁
^ 産業教育協会『図説日本産業大系 第6巻』中央社、1961年、141頁
外部リンク
プロセスチーズ 畜産物加工データベース 工業的な製造工程
「チーズができるまで」 - 財団法人蔵王酪農センター、六甲バター株式会社に取材し、チーズの製造工程を紹介(全14分) 2009年 サイエンスチャンネル