摂動 (天文学)
摂動(せつどう)は、天文学の用語で、ある天体とその母天体(例えば恒星と惑星、または惑星と衛星)の作る系に対し、外部の物体との重力作用によって、その軌道が乱されること。太陽系では、彗星の軌道が特にガス惑星の重力場によってしばしば乱される。例として、1996年4月に木星の重力によって、ヘール・ボップ彗星の軌道周期は4206年から2380年に減少した[1]。
惑星の継続的な摂動は軌道要素に小さな変化をもたらす。海王星は天王星の軌道の摂動の観測に基づいて発見された。金星の軌道は現在、惑星の中で最も円形の軌道であるが、2万5000年のうちに地球は金星より円形の軌道に、つまり軌道離心率がより小さくなるだろう。
その他、摂動の自然原因として、他の彗星、小惑星、太陽フレアなどがある。人工衛星では、空気抵抗や太陽輻射圧が原因となることもある。
関連項目
ネレイド (衛星) - 海王星の最も外側を回る衛星で0.75にもなる軌道離心率を持ち、よく軌道が乱される。
参考文献
^ Don Yeomans (1997年4月10日). “Comet Hale-Bopp Orbit and Ephemeris Information”. JPL/NASA. 2008年10月23日閲覧。
外部リンク
- Solex (by Aldo Vitagliano) predictions for the position/orbit/close approaches of Mars