香取郡







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千葉県香取郡の位置(1.神崎町 2.多古町 3.東庄町 薄黄:後に他郡に編入された区域)


香取郡(かとりぐん)は、千葉県(下総国)の郡。


人口33,708人、面積138.95km²、人口密度243人/km²。(2018年10月1日、推計人口)


以下の3町を含む。




  • 神崎町(こうざきまち)


  • 多古町(たこまち)


  • 東庄町(とうのしょうまち)




目次






  • 1 郡域


  • 2 歴史


    • 2.1 古代


    • 2.2 近世以降の沿革


    • 2.3 町村制以降の沿革


    • 2.4 変遷表




  • 3 行政


  • 4 脚注


  • 5 参考文献





郡域


1878年(明治11年)に行政区画として発足した当時の郡域は、上記3町のほか、概ね以下の区域にあたる。




  • 銚子市の一部(富川町、森戸町以北)


  • 成田市の一部(西大須賀、四ツ谷、名古屋、高倉、成井、地蔵原新田、津富浦、吉岡、多良貝、大栄十余三以東)


  • 旭市の一部(秋田、萬力、米込、入野、関戸、萬歳以北)


  • 匝瑳市の一部(吉田、南神崎、八辺、公崎、飯多香、城下、内山新田、内山、飯塚、米持以北)


  • 香取市の全域


  • 山武郡横芝光町の一部(新井、宝米、二又、篠本以北)


  • 茨城県稲敷市の一部(清久島、橋向、佐原組新田、手賀組新田、八千石、上須田、本新、浮島、境島、大島、三島以南)

  • 茨城県稲敷郡河内町の一部(片巻、和銅谷、金江津以東)



歴史



古代


大化から天武天皇期にかけて順次設置されたとされる八神郡のひとつであり、下海上国あるいは匝瑳郡の一部を割いて建郡されたとされる。香取神宮の神郡として重んじられ、養老7年(723年)11月16日には郡司に近親者の連任が許されている。一般に郡を治める郡司に近親者を続けて任命することは禁止されていたが、香取郡では神社を代々まつってきた香取氏が重視されたものである。なお、古代の香取郡は神郡(郡全体が香取神宮の神領)であり、郡域は近世以降より狭く、ほぼ現在の香取市のうちの旧佐原市と、神崎町および成田市の一部に限定されていた。


東南に位置する匝瑳郡は、物部小事の坂東を征した功勳により建郡されたとされ、小事の子孫を称する物部匝瑳氏が足継・熊猪・末守の3代に亘って鎮守将軍に任ぜられ、その功績により香取神宮の神階も上がっている。香取海を挟んで西北に位置する常陸国信太郡は、物部河内、物部会津らの請願によって建郡されたとされ、物部氏との深い関係が伝えられる。また、香取神宮の摂社に匝瑳神社があり、この摂社の造り替えは、古くは匝瑳郡の役であったともされている。『続日本紀』神亀元年(724年)2月22日条によれば、香取神宮の大禰宜香取連五百嶋が、私穀を陸奥国鎮所に献じた功績により外従五位下に叙されているが、匝瑳郡に鎮座する式内社老尾神社の祀官は香取氏であり、香取連五百嶋は匝瑳郡に居住したとも、あるいは年老いて大禰宜を辞した後匝瑳郡に引退したともされ、匝瑳郡や信太郡との関係が伝えられ、香取神宮と物部氏との関係も説かれる[1]


『将門記』には平良兼が、上総国武射郡から、当郡の神前の津(神崎町)を経て常陸国信太郡の苛前の津(江戸崎町)に渡ったとある。



近世以降の沿革


  • 「旧高旧領取調帳」に記載されている明治初年時点での支配は以下の通り。●は村内に寺社領が、○は寺社除地が存在。(299村)




  • 幕末 - 南田新田が南敷村・桜田村に、鋪里新田が南敷村・馬乗里村に、西長岡村が伊能村にそれぞれ合併したとみられる。(296村)


  • 慶応4年


    • 5月24日(1868年7月13日) - 田安徳川家が立藩して田安藩となる。

    • 7月 - 船形藩が廃藩。


    • 7月2日(1868年8月19日) - 天領・船形藩領の一部が安房上総知県事の管轄となる(上表の宮谷県)。


    • 8月4日(1868年9月19日) - 天領の残部が下総知県事の管轄となる(上表の葛飾県)。



  • 明治初年(298村)

    • 余津谷村[10]・下須田新田・阿波崎新田が起立。

    • 野間谷原村新田が野間谷原村に合併。

    • 阿玉久保村が久保村に、桜井村(現・銚子市)が下桜井村にそれぞれ改称。



  • 明治2年


    • 1月13日(1869年2月23日) - 下総知県事の管轄地域が葛飾県の管轄となる。


    • 2月9日(1869年3月21日) - 安房上総知県事の管轄地域が宮谷県の管轄となる。


    • 12月26日(1870年1月27日) - 田安藩が廃藩。領地が葛飾県の管轄となる。

    • 和田村(現・東庄町)が改称して東和田村となる。

    • 今泉村が匝瑳郡の同名村との区別のため改称して東今泉村となる。



  • 明治3年(1870年) - 和田村(現・香取市)が改称して西和田村となる。

  • 明治4年


    • 7月14日(1871年8月29日) - 廃藩置県により、藩領が高岡県淀県津県小見川県多古県安中県佐倉県飯野県西端県となる。


    • 10月28日(1871年12月10日) - 第1次府県統合により、安中県の管轄区域が群馬県の管轄となる。


    • 11月14日(1871年12月25日) - 第1次府県統合により、全域が新治県の管轄となる。



  • 明治8年(1875年)


    • 5月7日 - 第2次府県統合により千葉県の管轄となる。

    • 岩ヶ崎村が佐原村に合併。(297村)



  • 明治9年(1876年)(294村)

    • 開墾地より九美上村が起立。

    • 織幡村・幡鉾村・油田村・内野村・竜谷村が合併して清里村となる。



  • 明治10年(1877年)(280村)

    • 大門村・出沼村・西古内村・次浦村・三倉村・谷三倉村・御所台村・寺作村・檜木村・高津原村・井土山村が合併して久賀村となる。

    • 大原村・東台村・東佐野村・中佐野村・井野村が合併して喜多村となる。



  • 明治11年(1878年)11月2日 - 郡区町村編制法の千葉県での施行により、行政区画としての香取郡が発足。郡役所が佐原町に設置。

  • 明治12年(1879年) - 石成村が水戸村に合併。(279村)

  • 明治13年(1880年) - 松沢村・諸徳寺村が合併して清和村となる。(278村)

  • 明治14年(1881年) - 卜杭村が八筋川村に合併。(277村)

  • 明治18年(1885年) - 古山村・原宿村が合併して古原村となる。(276村)

  • 明治21年(1888年) - 佐原村が改称して佐原町となる。(1町275村)



町村制以降の沿革


  • 明治22年(1889年)4月1日 - 町村制の施行により、以下の町村が発足。(3町41村)[11]



1.金江津村 2.十余島村 3.本新島村 4.滑河町 5.小御門村 6.高岡村 7.神崎村 8.米沢村 9.瑞穂村 10.新島村 11.佐原町 12.東大戸村 13.大須賀村 14.本大須賀村 15.相根村 16.香取村 17.津宮村 18.大倉村 19.豊浦村 20.小見川町 21.神里村 22.八都村 23.森山村 24.良文村 25.府馬村 26.山倉村 27.常磐村 28.栗源村 29.久賀村 30.多古村 31.東城村 32.日吉村 33.吉田村 34.中村 35.飯高村 36.豊和村 37.古城村 38.庄内村 39.橘村 40.東条村 41.豊里村 42万歳村 43.神代村 44.笹川村(紫:香取市 赤:成田市 橙:匝瑳市 桃:旭市 上青:神崎町 下青:多古町 右青:東庄町 左水色:山武郡横芝光町 右水色:銚子市 緑:茨城県稲敷市 黄:茨城県稲敷郡河内町)



  • 明治23年(1890年)


    • 3月12日 - 神崎村が町制施行して神崎町となる。(4町40村)


    • 5月23日 - 相根村が改称して香西村となる。


    • 10月27日 - 庄内村が改称して中和村となる。



  • 明治24年(1891年)6月29日 - 多古村が町制施行して多古町となる。(5町39村)

  • 明治30年(1897年)

    • 4月1日 - 郡制を施行。


    • 4月30日 - 香取村が町制施行して香取町となる。(6町38村)



  • 明治32年(1899年)4月1日(6町35村)

    • 佐原町の一部(佐原下手)・本新島村の一部(上之島・上須田・西代および野間谷原・石納・飯島の各一部[16])・新島村の一部(扇島・加藤洲・磯山・附洲新田・公官洲新田)が合併して茨城県稲敷郡本新島村が発足。

    • 神崎町の一部(神崎本宿・神崎神宿・小松・今の各一部)・本新島村の一部(野間谷原の一部)が十余島村に編入。

    • 東大戸村および本新島村の残部(川尻・大戸新田および野間谷原・石納・飯島の各残部[17])が合併し、改めて東大戸村が発足。

    • 金江津村の一部が高岡村に編入。

    • 金江津村・十余島村の所属郡が茨城県稲敷郡に変更。



  • 明治40年(1907年)8月1日 - 笹川村が町制施行して笹川町となる。(7町34村)


  • 大正12年(1923年)4月1日 - 郡会が廃止。郡役所は存続。

  • 大正13年(1924年)4月10日 - 栗源村が町制施行して栗源町となる。(8町33村)

  • 大正14年(1925年)10月1日 - 府馬村が町制施行して府馬町となる。(9町32村)

  • 大正15年(1926年)7月1日 - 郡役所が廃止。以降は地域区分名称となる。


  • 昭和17年(1942年)

    • 7月1日 - 「香取地方事務所」が佐原町に設置され、本郡を管轄。

    • 8月1日 - 本大須賀村が改称して昭栄村となる。



  • 昭和23年(1948年)11月3日 - 飯高村・吉田村・日吉村・豊和村の所属郡が匝瑳郡に変更。(9町28村)

  • 昭和26年(1951年)


    • 3月15日 - 佐原町・香取町・香西村・東大戸村が合併して佐原市が発足し、郡より離脱。(7町26村)

    • 4月1日(7町22村)

      • 小見川町・豊浦村・神里村・森山村が合併し、改めて小見川町が発足。

      • 多古町・東条村が合併し、改めて多古町が発足。





  • 昭和29年(1954年)


    • 3月31日 - 多古町・久賀村・中村・常磐村が合併し、改めて多古町が発足。(7町19村)

    • 8月1日 - 府馬町・山倉村・八都村が合併して山田町が発足。(7町17村)



  • 昭和30年(1955年)


    • 2月11日(7町9村)

      • 良文村が小見川町に編入。

      • 瑞穂村・新島村・津宮村・大倉村が佐原市に編入。

      • 豊里村が銚子市に編入。

      • 滑河町・小御門村・高岡村が合併し、改めて滑河町が発足。滑河町は即日改称して下総町となる。




    • 4月10日 - 古城村・中和村・万歳村が合併して干潟町が発足。(8町6村)


    • 4月15日 - 昭栄村・大須賀村が合併して大栄町が発足。(9町4村)


    • 4月19日 - 神崎町・米沢村が合併して神崎米沢町が発足。神崎米沢町は即日改称して神崎町となる。(9町3村)


    • 7月20日 - 神代村・橘村・東城村・笹川町が合併して東庄町が発足。(9町)




  • 平成17年(2005年)7月1日 - 干潟町が旭市・海上郡海上町・飯岡町と合併し、改めて旭市が発足、郡より離脱。(8町)

  • 平成18年(2006年)3月27日(3町)

    • 下総町・大栄町が成田市に編入。

    • 小見川町・山田町・栗源町が佐原市と合併して香取市が発足し、郡より離脱。





変遷表




行政


  • 歴代郡長























氏名 就任年月日 退任年月日 備考
1 明治11年(1878年)11月2日
大正15年(1926年)6月30日 郡役所廃止により、廃官


脚注


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  1. ^ 谷川健一『日本の神々-神社と聖地 11』 白水社、2000年、ISBN 4-560-02511-8 、265-267頁


  2. ^ 右記のほか中島村が記載されているが詳細不明。


  3. ^ 無高のため記載なし。


  4. ^ 記載は「神崎(新宿)村」。


  5. ^ 吉岡村のうちとして記載。


  6. ^ 右記のほか五筒村新田が記載されているが詳細不明。全域が葛飾県の管轄。


  7. ^ 用水溜井除地が存在。

  8. ^ ab記載なし。


  9. ^ 小見川村のうちとして記載。


  10. ^ 四ツ谷村のうち「明治4年改増」分50石余が分立したものとみられる。


  11. ^ 町村の統合は3月31日に行われている。


  12. ^ 同年手賀組新田となる。


  13. ^ 同年大戸新田となる。


  14. ^ 同年松崎となる。


  15. ^ 同年東松崎となる。


  16. ^ 利根川以北。


  17. ^ 利根川以南。




参考文献




  • 角川日本地名大辞典 8 茨城県

  • 角川日本地名大辞典 12 千葉県

  • 旧高旧領取調帳データベース






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