ポイント・ネモ
ポイント・ネモ(フランス語: Point Nemo)とは、世界の大洋で最も陸地から離れた地点で、到達不能極の一つ。ニュージーランドとチリのほぼ中間地点、南緯48°52′東経123°23′の南太平洋上。
目次
1 概要
2 人工衛星の墓場
3 脚注
4 関連項目
概要
ポイント・ネモに近い陸地は、ピトケアン諸島、イースター諸島、南極のメイハー島、それぞれ約2,700km離れている。名前の由来は、ジュール・ヴェルヌの小説『神秘の島』に登場するネモ船長から取られた[1]。
人工衛星の墓場
居住区域から隔絶された場所であること、生物多様性も特筆すべきほど複雑ではないため、制御が可能な人工衛星を落下させる目標として地球上で最適な地点であり、古くから「人工衛星の墓場(スペースクラフト・セメタリー)」として注目され、実際に落下が試みられてきた。
人工衛星が地球に落下する際には、大気圏再突入時に大気との摩擦で分解・燃焼するが、2018年までに250-300機に及ぶ衛星の破片が水没していると見られ、同年4月には中華人民共和国の宇宙ステーション天宮1号も加わった[2]。過去最大の落下物は、2001年に落下したのロシア(ソビエト連邦)の宇宙ステーション、ミールであり大気圏突入前の重量は約120トン。2020年代に運用終了が予定されている国際宇宙ステーションは約420トンあり、落下プログラムが順調に行われれば、ミールの記録を上回ることが予想されている。
脚注
^ “陸から最も離れた海、宇宙施設の墓場「ポイント・ネモ」”. AFP (2018年4月2日). 2018年4月7日閲覧。
^ “天宮1号 落下したのは人類が到達不能な宇宙船の墓場「ポイント・ネモ」だった!”. ハザードラボ (2018年4月3日). 2018年4月7日閲覧。
関連項目
- スペースクラフト・セメタリー
- 地理極
墓場軌道 - 不要となった人工衛星を落下させずに廃棄する際の移動先。
座標: 南緯48度49分48秒 西経123度19分48秒 / 南緯48.83000度 西経123.33000度 / -48.83000; -123.33000