明知鉄道明知線



















































明知線

岩村駅のアケチ10形
岩村駅のアケチ10形

概要
起終点
起点:恵那駅[1]
終点:明智駅[1]
駅数
11駅[1]
運営
開業
1933年5月24日 (1933-05-24)
全通[2]

1934年6月24日[1]

三セク転換

1985年11月16日[2]
所有者
鉄道省→運輸通信省→運輸省→
日本国有鉄道→
明知鉄道(第1種鉄道事業者)
使用車両
アケチ10形、アケチ100形
路線諸元
路線総延長
25.1 km (15.6 mi)
軌間
1,067 mm (3 ft 6 in)
電化
全線非電化
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明知線(あけちせん)は、岐阜県恵那市の恵那駅から明智駅に至る明知鉄道が経営する鉄道路線。旧日本国有鉄道(国鉄)の特定地方交通線を転換、引き継いだ路線である[2]


わずか25kmあまりの区間で、2つの峠を越えるという急勾配と急曲線の連続する路線。通学輸送を中心としたローカル輸送を基本としているが、寒天列車、きのこ列車等のイベント列車も企画・運行されている[2]


有人窓口のある恵那駅・岩村駅・明智駅では、硬券のきっぷが発売されている。また、岩村駅と明智駅では使用済乗車券(硬券)が1枚20円で販売されている。




目次






  • 1 路線データ


  • 2 運行形態


  • 3 利用状況


    • 3.1 輸送実績


    • 3.2 収入実績




  • 4 歴史


    • 4.1 年表




  • 5 駅一覧


  • 6 脚注


  • 7 参考文献


  • 8 関連項目





路線データ




年に一度の夏祭り(2008年8月 明智駅)



  • 管轄(事業種別):明知鉄道(第一種鉄道事業者)

  • 路線距離(営業キロ):25.1km[1]


  • 軌間:1067mm[1]

  • 駅数:11駅(起終点駅含む)[1]

  • 複線区間:なし(全線単線)

  • 電化区間:なし(全線非電化)


  • 閉塞方式:特殊自動閉塞式(軌道回路検知式)

  • 交換可能駅:1(岩村)

  • 駅係員配置駅:3(恵那駅窓口営業 7:30 - 20:35/岩村駅窓口営業 10:00 - 16:00/明智駅窓口営業 始発列車 - 最終列車発車前まで)



運行形態


1両 - 4両編成の列車が線内を折り返し運転している。1 - 2時間に1本の運行で、土曜日と休日は夜の最終1往復は運行されない。区間列車はなく、全ての列車が明智行きまたは恵那行きである。基本的にワンマン運転だが、一部の2両編成以上の列車と後述の食堂車連結の急行には後部車両に料金収受・ドア扱いの係員が乗務する。


2011年3月12日からは急行「大正ロマン号」が1日1往復運転されている(月曜運休。ただし祝日の場合は運転)。急行は途中阿木駅・極楽駅・岩村駅・花白温泉駅・山岡駅のみに停車する。急行料金は不要。下り明智行き急行では車内で料理を提供する食堂車を営業する(予約制)。食堂車連結の場合は明智方に自由席の一般車が連結される。多客期は最大4両編成で運行され、4両編成の場合はホーム有効長の関係で恵那方が一般車となる。急行列車の恵那 - 明智間の所要時間は食堂車の乗客が車窓を楽しめるように各駅停車よりも長くなっており、各駅停車よりも遅い急行列車となっている。


2012年3月17日改正から平日上りの最終列車が野志駅・飯沼駅を通過する快速列車となり、2018年3月17日改正で極楽駅も通過となった。



利用状況



輸送実績


明知線の輸送実績を下表に記す。表中、輸送人員の単位は万人。輸送人員は年度での値。表中、最高値を赤色で、最高値を記録した年度以降の最低値を青色で、最高値を記録した年度以前の最低値を緑色で表記している。





















































































































































































































































































年度別輸送実績
年度
輸送実績(乗車人員):万人/年度
輸送密度
人/1日
特記事項
通勤定期
通学定期
定期外
合計
1985年(昭和60年)
3.4
18.9
11.4

33.7
1,239
国鉄より運営移管
1986年(昭和61年)
6.3
53.6
29.7

89.6
1,221
 
1987年(昭和62年)
4.8
54.8
27.3

86.9
1,178
 
1988年(昭和63年)
4.2
55.7
26.3

86.2
1,171
 
1989年(平成元年)
3.0
57.6
25.1

85.7
1,161
 
1990年(平成2年)
2.7
56.6
24.5

83.8
1,134
 
1991年(平成3年)
2.4
55.4
25.2

83.0
1,121
 
1992年(平成4年)
2.5
53.4
24.7

80.6
1,091
 
1993年(平成5年)
2.3
51.6
24.0

77.9
1,054
 
1994年(平成6年)
2.7
50.3
23.3

76.3
1,034
 
1995年(平成7年)
2.1
46.7
22.2

71.0
958
 
1996年(平成8年)
1.6
44.6
22.7

68.9
934
 
1997年(平成9年)
1.4
40.9
21.5

63.8
855
 
1998年(平成10年)
1.4
41.3
21.1

63.8
872
 
1999年(平成11年)
1.3
41.2
19.2

61.7
831
 
2000年(平成12年)
1.4
40.2
18.2

59.8
809
 
2001年(平成13年)
1.6
37.1
17.9

56.6
766
 
2002年(平成14年)
1.2
38.8
16.9

56.9
768
 
2003年(平成15年)
1.2
37.9
14.9

54.0
728
 
2004年(平成16年)
1.6
31.7
14.0

47.3
639
 
2005年(平成17年)
1.8
30.6
14.3

46.7
632
 
2006年(平成18年)
 
 
 
 
 
 
2007年(平成19年)
1.6
24.7
16.0

42.3
 
 
2008年(平成20年)
 
 
 

46.6
 
 
2009年(平成21年)
1.5
27.5
13.6

42.6
577
 
2010年(平成22年)
 
 
 
 
 
 
2011年(平成23年)
 
 
 
 
 
 
2012年(平成24年)
 
 
 
 
 
 
2013年(平成25年)
 
 
 
 
 
 


収入実績


明知線の収入実績を下表に記す。表中、収入の単位は千円。数値は年度での値。表中、最高値を赤色で、最高値を記録した年度以降の最低値を青色で、最高値を記録した年度以前の最低値を緑色で表記している。



















































































































































































































































































































年度別収入実績
年度
旅客運賃収入:千円/年度
運輸雑収
千円/年度
総合計
千円/年度
通勤定期
通学定期
定 期 外
手小荷物
合  計
1985年(昭和60年)
32,552
←←←←
39,647

0

72,199
1,808

74,007
1986年(昭和61年)
83,698
←←←←
96,466

0

180,164
1,164

181,328
1987年(昭和62年)
 
 
 
 
 
 
 
1988年(昭和63年)
 
 
 
 
 
 
 
1989年(平成元年)
5,974
76,957
77,290

0

160,221
148

160,369
1990年(平成2年)
 
 
 
 
 
 
 
1991年(平成3年)
 
 
 
 
 
 
 
1992年(平成4年)
 
 
 
 
 
 
 
1993年(平成5年)
4,761
71,770
76,046

0

152,577
3,236

155,813
1994年(平成6年)
 
 
 
 
 
 
 
1995年(平成7年)
 
 
 
 
 
 
 
1996年(平成8年)
 
 
 
 
 
 
 
1997年(平成9年)
2,839
55,811
65,610

0

124,260
3,357

127,617
1998年(平成10年)
 
 
 
 
 
 
 
1999年(平成11年)
 
 
 
 
 
 
 
2000年(平成12年)
 
 
 
 
 
 
 
2001年(平成13年)
4,235
63,347
65,226

0

132,818
4,313

137,131
2002年(平成14年)
3,919
64,934
65,042

0

133,895
3,369

137,264
2003年(平成15年)
3,314
56,329
53,792

0

113,435
4,220

117,655
2004年(平成16年)
4,340
49,417
44,441

0

98,198
5,308

103,506
2005年(平成17年)
4,593
42,891
44,520

0

92,004
6,022

98,026
2006年(平成18年)
 
 
 
 
 
 
 
2007年(平成19年)
 
 
 
 
 
 
 
2008年(平成20年)
 
 
 
 
 
 

111,300
2009年(平成21年)
3,678
42,848
53,130

0

99,656
550

100,206
2010年(平成22年)
 
 
 
 
 
 
 
2011年(平成23年)
 
 
 
 
 
 
 
2012年(平成24年)
 
 
 
 
 
 
 
2013年(平成25年)
 
 
 
 
 
 
 


歴史


改正鉄道敷設法別表第63号に掲げる予定線のうち「静岡県掛川ヨリ二俣、愛知県大野、静岡県浦川、愛知県武節ヲ経テ岐阜県大井ニ至ル鉄道…(以下略)」(遠美線)の一部である。大井(現・恵那) - 明知間は当時の岐阜県選出の衆議院議員古屋慶隆の活動などにより建設が決定し、1933年から翌1934年にかけて開業した[2]


岩村 - 大井間には、1906年に岩村電気軌道が開業していたが、明知線開業後の1935年に廃止されている[2]。なお岩村電気軌道は、岐阜県で最初に開業した私鉄である。明知線は岩村電気軌道の経由しなかった阿木村を経由したため、大井 - 飯羽間間においてルートが岩村電気軌道に比べ東側に大きく迂回し、急カーブ、急勾配、トンネルも生じることとなった。


1957年、戦時中に休止されていた白棚線がバス専用道路に改築され、国鉄バス路線として開業したのを機に、国鉄は1958年に営業係数の悪い明知線を白棚線と同様の形でバス専用道路に改築してバス転換することを検討したが、この構想は勾配の問題などから中止された。


1968年には国鉄諮問委員会より廃止が提言された(いわゆる「赤字83線」)が、赤字83線の廃止の取り組みが中止となり存続した。その後国鉄再建法が成立し、1981年に第1次廃止対象路線となり、1985年に第三セクターの明知鉄道に転換された[2]


2004年3月、閉塞方式がスタフ閉塞式(恵那 - 岩村間)・タブレット閉塞式(岩村 - 明智間)から特殊自動閉塞式に変更され[2]、中部地方に残った最後の腕木式信号機の使用が停止された。



年表




  • 1933年(昭和8年)5月24日 - 大井 - 阿木間(10.0km)開業[2]。東野駅、阿木駅新設[2]


  • 1934年(昭和9年)


    • 1月26日 - 阿木 - 岩村間(5.0km)延伸開業[2]。岩村駅新設[2]


    • 6月24日 - 岩村 - 明知間(10.2km)延伸開業[2]。遠山駅、明知駅新設[2]




  • 1956年(昭和31年)12月20日 - 遠山駅を山岡駅に改称[2]


  • 1959年(昭和34年)1月10日 - 飯羽間駅新設[2]


  • 1963年(昭和38年)11月1日 - 大井駅を恵那駅に改称[2]


  • 1967年(昭和42年)11月15日 - 花白駅新設[2]


  • 1981年(昭和56年)


    • 2月1日 - 貨物営業廃止[2]


    • 9月18日 - 第1次廃止対象特定地方交通線として廃止承認[2]




  • 1985年(昭和60年)11月16日 - 国鉄明知線(25.2km)廃止[2]。明知鉄道明知線 恵那 - 明智間(25.1km)開業[2]。町名に合わせ明知駅を明智駅に改称[2]


  • 1989年(平成元年)9月20日 - 台風20号による災害で11日間列車運休。バスによる代行運転実施。


  • 1991年(平成3年)10月28日 - 飯沼駅新設[2]


  • 1994年(平成6年)12月15日 - 野志駅新設[2]


  • 2002年(平成14年)4月1日 - 下り最終列車1本を廃止し、最終の時刻を繰り上げ。


  • 2004年(平成16年)3月25日 - 閉塞方式を特殊自動閉塞式に変更[2]


  • 2005年(平成17年)4月1日 - 最終列車として平日に下り1本増発、上り最終を平日のみの運転とする。


  • 2008年(平成20年)12月25日 - 極楽駅新設[2]


  • 2011年(平成23年)3月12日 - 花白駅を花白温泉駅に改称[2]。急行「大正ロマン号」運転開始[2]


  • 2012年(平成24年)3月17日 - 急行「大正ロマン号」の停車駅に極楽駅(下り列車のみ)と花白温泉駅が加わる。また、平日上り最終列車を快速化、野志駅・飯沼駅が通過となる。


  • 2014年(平成26年)3月15日 - 急行「大正ロマン号」の停車駅に山岡駅が加わる。


  • 2017年(平成29年)3月4日 - 上りの急行「大正ロマン号」の停車駅に極楽駅が加わり、上下列車とも同駅停車に。


  • 2018年(平成30年)


    • 3月17日 - 平日上り最終の快速列車が極楽駅通過となる。

    • 4月1日 - NHK連続テレビ小説「半分、青い。」放送を記念して、アケチ100形車両に、ヒロイン・永野芽郁を描いたラッピング車両を運行開始。フリーきっぷも9月末まで販売。





駅一覧



  • 全駅岐阜県に所在。

  • カッコ内は国鉄時代の駅名。*印は明知鉄道転換後の新設駅。

  • 快速は上りのみの運行。

  • ●印は上下とも停車、▲印は上りのみ停車、|↑印は通過(↑は矢印の方向のみ運転)。


  • 駅番号は2017年より導入。































































































































駅番号
駅名
駅間キロ
営業キロ
国鉄時代の
営業キロ
快速
急行大正ロマン号
接続路線
所在地
11

恵那駅
-
0.0
0.0



東海旅客鉄道:CF 中央本線

恵那市
10

東野駅
2.6
2.6
2.7


 
9
*飯沼駅
5.0
7.6
---


 

中津川市
8

阿木駅
2.3
9.9
10.0


 
7

飯羽間駅
2.8
12.7
12.8


 
恵那市
6
*極楽駅
1.0
13.7
---


 
5

岩村駅
1.3
15.0
15.0


 
4

花白温泉駅
(花白駅)
3.3
18.3
18.4


 
3

山岡駅
1.4
19.7
19.8


 
2
*野志駅
3.4
23.1
---


 
1

明智駅
(明知駅)
2.0
25.1
25.2


 

現在、明知鉄道沿線活性化協議会において、恵那 - 東野間に学頭駅(仮称)の設置が検討されている。



脚注


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  1. ^ abcdefg『歴史でめぐる鉄道全路線 公営鉄道・私鉄』26号 3頁

  2. ^ abcdefghijklmnopqrstuvwxyzaaabac『歴史でめぐる鉄道全路線 公営鉄道・私鉄』26号 13頁




参考文献




  • 電気車研究会『鉄道ピクトリアル』1962年2月号(通巻127号)p31-34 青木栄一 明知線をたずねて - ある赤字路線の印象 -

  • 今尾恵介 『鉄道車窓絵図』西日本編、JTBパブリッシング、2010年、45頁。ISBN 978-4-533-07723-4。

  • 曽根悟(監修) 『週刊 歴史でめぐる鉄道全路線 公営鉄道・私鉄』26号 長良川鉄道・明知鉄道・樽見鉄道・三岐鉄道・伊勢鉄道、朝日新聞出版分冊百科編集部(編集)、朝日新聞出版〈週刊朝日百科〉、2011年9月18日



関連項目



  • 日本の鉄道路線一覧


  • 天竜浜名湖鉄道天竜浜名湖線(旧・国鉄二俣線)- 改正鉄道敷設法別表第63号「掛川から遠江二俣、三河大野を経て大井に至る鉄道」の掛川側にあたる鉄道。掛川-天竜二俣(国鉄二俣線時代は遠江二俣)間が該当する。




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