ハゼ
ハゼ亜目 Gobioidei | ||||||||||||||||||
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トビハゼ Periophthalmus modestus | ||||||||||||||||||
分類 | ||||||||||||||||||
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英名 | ||||||||||||||||||
Goby | ||||||||||||||||||
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本文参照 |
ハゼ(鯊、沙魚 、蝦虎魚)は、条鰭綱スズキ目ハゼ亜目(Gobioidei)に分類される魚の総称。現代中国語で「鯊」という漢字はサメ「鮫」類を表す。
目次
1 概要
2 主な種類
2.1 生息域
2.2 分類
3 利用
3.1 日本での水揚げ漁港
4 脚注・出典
5 関連項目
概要
世界の海域、汽水域、淡水域に約189属、約1359種が棲息する。日本には107属、493種いて(『日本魚類館』参考)、最も繁栄している魚の一つである。都市部の河川や海岸にも多く、多くの人々にとって身近な魚に挙げられる。
成体の体長は1cm足らずのゴマハゼから、50cmを超えるハゼクチまで種類によって差がある。よく見られるヨシノボリ、アゴハゼ、マハゼなどはいずれも5-15cmほどの小魚である。なお、ゴマハゼの仲間は、日本最小の脊椎動物である。
体の断面はまんじゅう形か円形で、水底に接して生活する底生魚が多い。ひれは体に対して大きめなこと、背びれが2つあること、2つの腹びれが融合して吸盤状になっていることなどが特徴である。この腹びれで水底や壁に貼りつくことができ、水の流れが速い環境でも水に流されず生息できる。ただし背びれが1つしかないミミズハゼやシロウオ、腹びれが吸盤状でないドンコやカワアナゴなどもいる。
速く泳ぐ時は他の魚のように尾びれを振って泳ぐが、普通は主に胸びれを大きくはばたかせることで泳ぐ。長い距離を持続的に泳ぐことは苦手で、短い距離をサッと泳ぐことの繰り返しで移動する。ただし水の中層でホバリングするように泳ぐキヌバリ、ウキゴリ、ドロメ、シロウオなどもいる。またトビハゼやムツゴロウは水中を泳ぐことは少なく、胸びれを使って干潟の上を這って生活する特殊な魚である。
運動能力の低い底生魚ゆえ、体色は砂底や岩の色に合わせた保護色となっている種が多い。ただし温暖な海にはキヌバリ、イトヒキハゼ、ハタタテハゼなど派手な体色をもったハゼも生息する。シロウオなど透明な体色のものもいる。
スジハゼ、イトヒキハゼ、ネジリンボウなど、砂泥底に生息するハゼは、テッポウエビ類の巣穴に同居し、共生することが知られている。テッポウエビは巣穴の改修と拡張を行い、ハゼは外敵が接近した時に視力の悪いテッポウエビ類に代わって外敵をいち早く発見し、テッポウエビに知らせて共に巣穴に潜り込む。
繁殖期にはオスが巣穴にメスを誘い、産卵を行う。巣穴は自分で作ったり、エビやカニの巣穴、捨てられた空き缶など種類や環境によって様々である。産卵後はオスが卵を守る。
藻類や水底の有機物(デトリタス)を主食にする種もいるが、ほとんどのハゼは肉食である。プランクトン、多毛類、甲殻類、小魚などを大きな口で捕食する。
主な種類
種類数は現在発見されているものだけで2100種類(未分類も含む)を超える。かつて1種類とされていたが種分化の研究が進み、何種類にも分けられるようになったヨシノボリ類などの例もある。未発見・未分類の種もあり、これからも種類が増えるとみられる。
なお、ツムギハゼは、ハゼの仲間で唯一、フグ毒と同じテトロドトキシンを持っている。
生息域
サンゴ礁 - ハタタテハゼ、ネジリンボウなど- 岩礁海岸のタイドプールなど - アゴハゼ、ドロメ、チャガラ、キヌバリなど
- 内湾の砂泥底 - マハゼ、ウロハゼ、ヒメハゼ、イトヒキハゼなど
干潟 - トビハゼ、ムツゴロウ、ワラスボ、ハゼクチなど
汽水域 - ゴマハゼ、ミミズハゼ、シマハゼ、アベハゼ、バンブルビーゴビー ツムギハゼなど- 海と川を回遊 - チチブ、ヨシノボリ、シロウオ、ウキゴリ、ボウズハゼ、カワアナゴなど
- 淡水域 - ドンコなど
分類
- ツバサハゼ科 Rhyacichthyidae - ツバサハゼ 絶滅危惧IA類 (CR)(環境省レッドリスト)(本種のみ)
ドンコ科 Odontobutidae - ドンコ
カワアナゴ科 Eleotridae
カワアナゴ亜科 Eleotrinae - カワアナゴ
ブリー属 Gobiomorphus - ブリー (Gobiomorphus cotidianus)
ノコギリハゼ亜科 Butinae - ホシマダラハゼ 絶滅危惧II類 (VU)(環境省レッドリスト)、マーブルゴビー
ハゼ科 Gobiidae
オキスデルシス亜科 Oxudercinae - ムツゴロウ、トビハゼ、タビラクチなど
ワラスボ亜科 Amblyopinae - ワラスボ、アカウオなど
ウズハゼ亜科 Sicydiinae - ボウズハゼなど
ゴビオネルス亜科 Gobionellinae - マハゼ、キヌバリ、アベハゼ、ゴマハゼ、ウキゴリ、アゴハゼ、ドロメ、チチブ、シマハゼ、ヨシノボリ類、シロウオ、ミミズハゼなど
ハゼ亜科 Gobiinae - ウロハゼ、クモハゼ、スジハゼ、ヒメハゼなど- ストノゴビオプス亜科 - ネジリンボウ、ヒレナガネジリンボウ(Stonogobiops nematodes)
スナハゼ科 Kremeriidae
ヤナギハゼ科 Xenisthmidae
オオメワラスボ科 Microdesmidae - オオメワラスボ、サツキハゼなど
オオメワラスボ亜科 Microdesminae
クロユリハゼ亜科 Ptereleotrinae
シラスウオ科 Schindleriidae - シラスウオ
なおカジカ、カサゴ、ギンポ、コチなどはハゼと形態がよく似ているが、分類が異なる。
利用
食用になるマハゼ[1]などは釣り・漁業の対象になる。ルアーを含む釣り餌に貪欲に喰らいつき、東京湾のような都市部の海岸や海岸近くに浮かべた船からでも手軽に数多く釣れる[2]ので、ハゼ釣りは人気がある。他の魚種を狙った釣りの、いわゆる「餌獲り」や「外道」としてもなじみ深い。
何にでもガツガツと飛びつく人、またはそのような行動を「ダボハゼ」と形容することがある。ダボハゼは特定の種類を指さず、シマハゼ、チチブ、イトヒキハゼ、ウロハゼ、または姿の似たカジカ類などを指していると思われる。
多くの種類が佃煮、唐揚げ、天ぷらなどで食用になり、ハタタテハゼやキヌバリなどの美しい種類は観賞用として飼育もされる。目にする機会も多い上に捕獲も簡単で、昔から子どもたちの水遊びのターゲットにもなってきた。なお「ハゼ」という呼称は陰茎の古称「はせ」に由来するとされる。
日本での水揚げ漁港
- 平成14年度
- 1位 八幡浜漁港(愛媛県)
- 2位 柴漁港(神奈川県)
- 3位 麻生漁港(茨城県)
- 4位 美濃崎漁港(大分県)
- 5位 志戸崎漁港(茨城県)
脚注・出典
^ 島根県松江水産事務所/旬情報:10月マハゼ(ゴズ)、2018年10月12日閲覧。
^ 【いま風 木曜日/でかける】アウトドア探検隊:ハゼ釣り(中)発展編 奥深い「合わせ」の感覚『読売新聞』夕刊2018年10月4日(2面)。
関連項目
ゴリ(ハゼのような外見の淡水魚の総称)- 魚の一覧
今上天皇(ハゼの研究で世界的に知られている魚類学者でもある)
ハゼドン - 1972年10月から1973年3月までフジテレビ系で放送されたテレビアニメ