享年
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享年(きょうねん)とは人が「天から享(う)けた年数」という意味であり、この世に存在した年数である。「行年(ぎょうねん)」ともいい「娑婆で修行した年数」、「行(時が進むの意味)[1]の年数」の意味。「享年70(満68歳)」(数え年の場合)のように用いる。享年を数え年ではなく満年齢で表し「享年68(歳)」と表すこともある。
目次
1 用い方
2 脚注
3 関連項目
4 外部リンク
用い方
元々、日本では満年齢の概念が存在せず数え年のみが使われていたため、享年にも伝統的に数え年が使用されていた。
本来は数え年の年齢で表すものであり満年齢を使用することは厳密には誤り[要出典]であったが、実生活の中で数え年を使う機会が減少した現代の日本において享年に満年齢を用いることが一般的になりつつある[要出典]。ただし、国立国語研究所のFAQでは、「享年」は「この世に生をうけた年数」なので、かぞえではなく、満で数えた年齢をいうのが適当としている。数え年は元日を基準とするので新暦の導入[2]以前は暦法により元日が新暦とは異なるため、数え年の数え方には注意が必要(数え年の換算方法を参照)。
また享年に年齢を数える単位である「歳」を付けることも本来は誤用であった(同じ意味の漢字である「年」と「歳」が重複になるため)が、満年齢を用いることと同様に享年に「歳」を付ける表記も一般的になりつつあり、『広辞苑』の凡例にも「-九十歳」と記載されている。「数え年でなければ誤り」「歳を付けるのは誤り」とは、言い切れなくなりつつある。ただし、曲亭馬琴の作品、竹豊故事(1756年刊)などでも、「歳」をつけており、現在の誤用であるとは言えない。国立国語研究所のFAQでは、使ってとがめられるほど大きな間違いとはいえないとしている。
(仏教の)宗旨によっては、享年の数え方を数え年に限定している場合もある。
宗旨によっては、生存した年数の少ない(夭折した)幼少時になくなった者に対しては享年を用いない場合がある。これは夭折した者は天寿(「天から授かった寿命」の意味)を全うしておらず、「享年(天から享けるべき年数)」とあらわす事を避けるためである。
満年齢を用いた享年(行年)では、1歳に満たない場合は「享年(行年)○○か月」とはせずに「享年(行年)当歳」や繰り上げて「享年1歳」と表記することもある。
元来仏教用語であるため、仏教徒以外の人物に対して用いるべきではないという意見もある[要出典]。ただし、中村元ほか編著の岩波仏教辞典には、「享年」の同義語である「行年」について、「特に仏教語というわけではない」とある。
曹洞宗の僧侶に対して使用する場合は、「世壽」の語を用いる。
脚注
^ 『漢字源』学研、「行」の項を参照。
^ 日本では明治6年(1873年)1月1日に、新暦(グレゴリオ暦)を導入する。明治5年12月2日(グレゴリオ暦:1872年12月31日)までは、旧暦(天保暦(天保15年1月1日(グレゴリオ暦:1844年2月18日)導入))を用いていた。
関連項目
- 寿命
馬齢
- 馬の年齢。競馬や馬術競技の世界では、馬の年齢について特殊な数え方をする。
- 自分の年齢をへりくだって表現することば。「馬齢を重ねました」と言うと「私はむだに歳をとってしまいました」という意味になる。
外部リンク
- 仏教ちょっと教えて - 歳・満、行年、享年?