天和 (麻雀)
天和(テンホウ、テンホー)とは、麻雀における役のひとつ。親の配牌の時点で既に和了の形が完成している状態。役満。英語では「Heavenly Hand」「Blessing of Heaven[1]」と訳される。
概要
親の配牌時にしか宣言できない役であるため、親にのみ認められる役である。他に手役を必要とせず、和了の形は四面子一雀頭の基本的な形の他、七対子の形でも国士無双の形でもかまわない。完全に運に左右されるため、「第一ツモでのあがりは全て役満払いとする」というルールのひとつと言い換えることもできる。
麻雀牌136枚から無作為に14枚選んだものが和了の形になる確率はおよそ33万分の1である[2]ことが知られており、すなわち親の配牌33万回に1回程度の割合で出現する役である。半荘1回あたり親を3回とし、毎日半荘5回ずつ打ったとしても61年に一度しか和了できない計算になり、九蓮宝燈と並ぶ希少価値の高い役である。
101競技連盟は現行のルールでは天和を役として採用していない[3]。
厳密には鳴きが一切ない親の第1ツモ牌を天牌と呼び、その天牌でツモ和了する役が天和である。またもともとは親の第一捨牌を地牌と呼び、その地牌でロン和了する役が地和であった。
その役の性質上、成立時に放銃者がいないため、和了牌を特定する必要がないルールであっても点数の支払い上はツモ和了として扱われる。
親が第1打以前に暗槓を1回以上行い嶺上開花によるツモ和了となった場合、河には1牌も捨て牌がない状態で和了が宣言されることになるが、その和了牌は嶺上牌であり天牌ではないため天和は無効となる[4]。
大正時代に日本で行なわれた公式大会の優勝者が、2回戦で天和大三元をあがったという記録がある。日本では公式戦で役満役が複数含まれる形で和了した唯一の例でもある。
競技麻雀の放送対局では、2015年にRMU所属の月島ひかるがあがっている[5]。
この名には、天の神様からいただいた和了という意味がある。その一方でこの役で和了すると不吉なことが起こると信じている者もおり、お祓いを受ける者もいるという(九蓮宝燈を参照)。
脚注
^ ヨーロッパ麻雀協会 (2008年5月14日/2012年1月8日). “Riichi Rules for Japanese Mahjong”. 2012年4月17日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2013年1月6日閲覧。ヨーロッパで開催されている日本式麻雀の大会の公式ルール。p19、Blessing of Heaven TENHO となっている。
^ 麻雀の数学 によると「2兆1431億7970万1279÷70京8384兆1715億2803万6000≒約0.000003025 (約1/33万0530)」の確率。
^ 101競技連盟. “101競技規定”. 2013年1月6日閲覧。
101競技連盟. “101競技規定”. 2013年1月6日閲覧。〈一般のルールに比べた場合の“ないもの”〉の項参照。天和・地和・人和いずれも採用されていない。また、pdf版の注記部分に「オヤが配牌でアガリを宣した場合は、アガリ牌を特定せず、最低点とする。ピンフ役は認められず、テンパイ形小符についても一切加算されない」と明記されており、平和の形であってもツモ牌(第1ツモ相当牌)の検証は行わず、平和役は加算されない。ただし、過去の公式戦において天和が発生した際、ツモ牌の検証が行われ、ツモ牌が特定できたことで平和役が認められた事例がある
^ 暗槓を4回連続して行いツモ和了になった場合、天和は無効になるが四暗刻単騎および四槓子が成立する。
^ https://www.youtube.com/watch?v=G3Lvwp-2duE
関連項目
- 麻雀の役一覧
- 麻雀用語一覧
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