ハイヒール
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ハイヒール(high heels)は「高いかかと」という意味を持つ、履くとかかと部分が爪先よりも7cm以上[要出典]持ち上げられる形状の靴のこと。
パンプスからブーツに至るまで多くのバリエーションがある。かかとの高さや太さ・爪先の形状などによっても別称が存在しており、かかとが細く尖っているものはピンヒールやスティレットヒール(英: stiletto heel)、サンダルに近い形状で爪先やかかとが露出するなどのものはハイヒールサンダル(英: high heel sandal、high-heeled sandals)やストラッピーハイヒールズ(英: strappy high heels)、ミュール(仏: Mule)とも呼ばれる。日本でいう厚底靴のようなかかとと爪先の両方が共に高いものはプラットフォームシューズ(英: platform shoes)と呼ばれる。
近年一般的にこの形態の靴はウェスタンブーツやシークレットシューズの様な紳士靴を除いて、殆どが婦人靴に限定されている。
目次
1 歴史
2 ハイヒールの利点と欠点
2.1 利点
2.1.1 一般的な利点
2.2 欠点
2.2.1 一般的な欠点
2.2.2 健康上の欠点
3 ハイヒールと心理学
4 ブランド及び製造・販売会社
5 関連作品等
5.1 言葉
5.2 映画
5.3 音楽
5.4 テレビドラマ
5.5 漫画
5.6 評論・エッセイ
6 脚注
7 関連項目
8 外部リンク
歴史
現代に続くハイヒールの起源の説はいくつかあり、定説は定まっていない。
紀元前400年代、アテネで、背を高く見せるハイヒールが遊女間に流行した。これは男性も履いていた。- 15世紀からイタリア、及びスペインで、チョピンというファッション用オーバーシューズが貴族の女性や高級娼婦で流行する。
- 16世紀末に欧州で現代に続くハイヒールが生まれる。
町に溢れる汚物を避けるために生まれたといわれることもあるが、現代に続くハイヒールはファッション用であり、その起源は汚物を避けるためとは関係がない[1]。
ルイ14世は背を高く見せるために愛用していたなど、前近代から近代初期にかけては男女を問わず履かれていた。しかし、ナポレオン戦争が始まり各国で国民軍が創設されると、戦場を駆け回るために男性は機能的な靴を選ぶようになったため、ハイヒールは女性の履物と見なされるようになった。
ハイヒールの利点と欠点
利点
一般的な利点
- 背を高く(足を長く)見せ、頭身の外見的均衡を整える(これについては逆にスタイルを悪化させるとの指摘がある[2])。
低身長の人が立ち話をする際に、会話の相手を仰ぎ見る必要を減少させる。- 女性の足取りを強調しファッションを引き立たせる。
欠点
一般的な欠点
- 健康上の問題ではないが、自動車を運転する際、足の指先が自由に動かない為足先の感覚が鈍ってペダルの踏み込み加減がわかりにくくなる。またアキレス腱を常に緊張させている為ペダル操作がギクシャクしやすい。このためハイヒール(他に下駄やサンダルなど)を履いた状態で自動車を運転することは各都道府県の道路交通法施行細則により禁止されている場合がある(道路交通法第71条)。
健康上の欠点
- 重心の安定が悪く快適でない。また足首の捻挫を起こしやすくなる。
- 健康上に多大な悪影響がある。人間は本来裸足での歩行に向いた骨格になっているが、ハイヒールを履き続けることで姿勢がゆがみ、外反母趾、むくみ、肩こり、重症となれば椎間板ヘルニアともなる。骨格に対して無理な緊張を強い続ける結果、骨や筋肉に負担がかかり骨盤が歪む。骨格が歪むと、冷え、むくみ、腰痛等を発症し、最悪の場合は妊娠機能低下にまで繋がる[2]。
- 骨や筋肉が歪むため、平たい尻、下腹の膨らみ、O脚といった状態にも繋がり、スタイルを悪化させる[2]。
- 高さのあるハイヒールを履く事で転倒し易くなり、体重を支える足首への衝撃や事故が増える。
- 直立、歩行時に安定性が保てないため、足に過度の負担が掛かり痛みが発生する(長時間の場合は殊更である)。その結果、履き続けると骨と腱を傷付け「外反母趾」になる場合もある(下記参照)。
- マンホールなどの穴に嵌まって転倒する。
- かかとを高くするデザインにより、着用者の体重が極端に爪先方向へ移動し押されがちである。
- 靴先のデザインがつま先で絞られていると足指の自由がなく結果指の付け根で歩く事になる。長期間の着用は筋力のバランスと指間の靱帯を弛緩させ、足の骨格を歪ませてしまう(例:ヴィクトリア・ベッカムはハイヒールの履き過ぎで足の骨格が変形し、歩行が困難になり、その回復には患部の切開を伴う手術を要した)。
- ハイヒールの靴はかかとを持ち上げる構造の為、常にアキレス腱を緊張させる。
- ハイヒールを履く事による着用者の足裏の不具合は、特に魚の目と水疱の形で現れる事がある。これは、体重がこの部分に集中し、足骨と地面とで挟まれる為である。
ハイヒールと心理学
ハイヒールの靴に関しては一部でフロイト的な分析として、ヒールの印象は強力な男根象徴とされる(ハイヒールは男性の性的倒錯者のマゾヒスティックな連想信号でもあるとされる)。それら矛盾する要因の結果、一部の女性ではハイヒールについて強い愛好・憎悪を持つことがある。例えばフィリピンのイメルダ・マルコスや、ルーマニアのエレナ・チャウシェスクはハイヒールの膨大な蒐集で有名だった。反面、幾人かのフェミニスト達はハイヒールの靴が男性による、動作を束縛し女性を圧制する道具であると考えている。
ブランド及び製造・販売会社
日本国外の有名メーカー
- グッチ
- サルバドーレ・フェラガモ
- プラダ
- ルイ・ヴィトン
- クリスチャンルブタン
- マノロ・ブラニク
関連作品等
言葉
- 「ハイヒールというのは、おでこにキスされた女性が発明したもの」 クリストファー・モーレー(アメリカの作家)
映画
1991年『ハイヒール』Tacones Lejanos(スペイン)
2002年『自転車とハイヒール』(日本)
音楽
太田裕美『赤いハイヒール』(1976.6.1)
テレビドラマ
- 「遺留捜査」第4シーズン第8話『折れたヒールを履いた悪魔』(2017.9.7) - 「ハイヒールを履くと後ろに戻れない」という女社長の台詞など、前向きで成功する女性の象徴として語られる。
漫画
大和和紀『ハイヒールCOP』(「講談社コミックスKiss」全5巻)
雨宮淳『ヴィーナスの靴』
評論・エッセイ
北原童夢『欲望するハイヒール』「長靴とハイヒール」
脚注
^ グレゴリウス山田 ハイヒールと中世と糞の話 WTNB機関年代記
- ^ abcヒール靴を履くほどにスタイルが悪くなる!? ヒール靴の罪を探る! - サイゾーウーマン
関連項目
- ミディアムヒール(ハイヒールとローヒールの中間の高さの踵)
- ローヒール(3cm前後の踵の高さの靴)
- カッターシューズ(1 - 2cm前後の踵の高さの靴)
- ピンヒール(ピンのように細い踵。別名はスティレットヒール)
- スパイクヒール(底の面積が非常に小さい靴)
- パンプス
- サンダル
- ミュール
- 靴フェティシズム
外部リンク
- History of High Heels
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