綴喜郡
綴喜郡(つづきぐん)は、京都府(山城国)の郡。
人口16,669人、面積76.2km²、人口密度219人/km²。(2018年10月1日、推計人口)
現在は以下の2町を含む。
井手町(いでちょう)
宇治田原町(うじたわらちょう)
目次
1 郡域
2 歴史
2.1 古代
2.1.1 式内社
2.2 近世以降の沿革
2.3 町村制以降の沿革
2.3.1 変遷表
3 行政
4 脚注
5 参考文献
6 関連項目
郡域
1879年(明治12年)に行政区画として発足した当時の郡域は、以下の区域にあたる。
京都市
伏見区の一部(淀美豆町・淀際目町・淀生津町)
城陽市の一部(水主・奈島・市辺)
八幡市の大部分(上津屋を除く)
京田辺市の全域- 井手町の大部分(田村新田を除く)
- 宇治田原町の大部分(高尾を除く)
歴史
古代
式内社
『延喜式』神名帳に記される郡内の式内社。
神名帳 | 比定社 | 集成 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
社名 | 読み | 格 | 付記 | 社名 | 所在地 | 備考 | |
綴喜郡 14座(大3座・小11座) | |||||||
樺井月神社 | カハヰノ- | 大 | 月次新嘗 | 樺井月神社 | 京都府城陽市水主宮馬場 | 水主神社境内社 | [1] |
朱智神社 | スチノ | 小 | 朱智神社 | 京都府京田辺市天王 | |||
月読神社 | ツキヨミノ | 大 | 月次新嘗 | 月讀神社 | 京都府京田辺市大住 | [2] | |
咋岡神社 | クヒヲカノ | 小 | 鍬靫 | (論)咋岡神社 | 京都府京田辺市飯岡 | ||
(論)咋岡神社 | 京田辺市草内宮ノ後 | ||||||
高神社 | タカノ | 小 | 鍬靫 | 高神社 | 京都府綴喜郡井手町多賀 | ||
内神社 二座 | ウチノ | 小 | 内神社 | 京都府八幡市内里 | |||
粟神社 | アハノ | 小 | 粟神社 | 京都府城陽市市辺 | |||
棚倉孫神社 | タナクラヒコ | 大 | 月次新嘗 | 棚倉孫神社 | 京都府京田辺市田辺 | [3] | |
佐牙乃神社 | サガノ | 小 | 鍬靫 | 佐牙神社 | 京都府京田辺市大字宮津 | ||
酒屋神社 | サカヤノ | 小 | 酒屋神社 | 京都府京田辺市大字興戸 | |||
甘南備神社 | カンナヒノ カム- | 小 | 神南備神社 | 京都府京田辺市大字薪 | |||
天神社 | アマツカンノヤシロ アマツヤシロ | 小 | (論)天神社 | 京都府京田辺市松井 | |||
(論)朱智神社 | 京都府京田辺市天王 | ||||||
(論)棚倉孫神社 | 京都府京田辺市棚倉 | ||||||
地祇神社 | クニツヤシロカンノヤシロ クニツヤシロ | 小 | 地祇神社 | 京都府京田辺市普賢寺 | |||
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近世以降の沿革
- 「旧高旧領取調帳」に記載されている明治初年時点での支配は以下の通り。幕府領は代官小堀数馬・多羅尾織之助が管轄。●は寺社領が存在。(57村)
幕末の知行
知行 | 村数 | 村名 | |
---|---|---|---|
天領 | 皇室領 | 19村 | 宮口村、水取村、郷之口村、老中村、名村、切林村、贄田村、符作村、荒木村、糠塚村、大道寺村、平岡村、岩本村、禅定寺村、長山村、湯屋谷村、奥山田村[1]、多賀村、奥山新田 |
門跡領 | 1村 | 水無村 | |
公家領 | 1村 | ●八幡[2] | |
京都守護職役知 | 1村 | 美濃山新開 | |
旗本領 | 1村 | 南山村 | |
皇室領・門跡領・京都守護職役知 | 1村 | 井手村 | |
皇室領・幕府領(小堀) | 1村 | 水主村 | |
皇室領・幕府領(多羅尾)・旗本領 | 1村 | 奈島村 | |
皇室領・旗本領 | 1村 | ●高木村 | |
公家領・京都守護職役知 | 1村 | ●内里村 | |
公家領・京都守護職役知・医師吉田氏領 | 1村 | 市辺村 | |
幕府領(小堀)・京都守護職役知 | 1村 | ●薪村 | |
京都守護職役知・医師吉田氏領 | 1村 | 上奈良村 | |
藩領 | 山城淀藩 | 9村 | 野尻村、●戸津村、草内村、田辺新田村、打田村、高船村、飯岡村、東村、多々羅村[3] |
天領・藩領 | 皇室領・淀藩 | 1村 | 南興戸村 |
皇室領・京都守護職役知・淀藩 | 2村 | 江津村、上村 | |
皇室領・京都守護職役知・旗本領・淀藩 | 1村 | 天王村 | |
皇室領・旗本領・淀藩 | 1村 | 出垣内村 | |
門跡領・旗本領・淀藩 | 1村 | ●大住村 | |
門跡領・林大学頭領・淀藩 | 1村 | 山本村 | |
女官領・京都守護職役知・淀藩 | 1村 | 岩田村 | |
公家領・淀藩 | 2村 | 河原村、田辺村 | |
幕府領(小堀)・淀藩 | 1村 | 松井村 | |
旗本領・淀藩 | 1村 | 北興戸村 | |
その他 | 寺社領 | 5村 | 下奈良村、生津村、美豆村、際目村、川口村 |
慶応4年
2月19日(1868年3月12日) - 天領が京都裁判所の管轄となる。
閏4月25日(1868年6月15日) - 京都裁判所の管轄地域が京都府の管轄となる。
- 明治初年
- 領知替えにより美濃山新開・水主村・上奈良村・南興戸村・江津村・出垣内村・岩田村・松井村・北興戸村の全域および大住村の一部(旗本領)が淀藩領となる。
- 奥山新田が多賀村に合併。(56村)
- 明治3年(1870年) - 八幡のうち石清水八幡宮の門前町が八幡町、残部が八幡荘となる。(1町56村)
- 明治4年
7月14日(1871年8月29日) - 廃藩置県により、藩領が淀県の管轄となる。- 明治4年11月14日(1871年12月25日) - 第1次府県統合により、全域が京都府の管轄となる。
- 明治5年(1872年) - 水無村が井手村に合併。(1町55村)
- 明治7年(1874年)(1町49村)
- 贄田村・糠塚村・大道寺村・平岡村が合併して立川村となる。
- 岩本村・長山村が合併して岩山村となる。
- 南興戸村・北興戸村が合併して興戸村となる。
- 田辺新田村が田辺村に合併。
- 明治8年(1875年) - 老中村・名村・切林村・符作村が合併して南村となる。(1町46村)
- 明治9年(1876年)(1町42村)
- 宮口村・江津村が合併して宮津村となる。
- 南山村・高木村・出垣内村・山本村が合併して三山木村となる。
- 明治12年(1879年)4月10日 - 郡区町村編制法の京都府での施行により、行政区画としての綴喜郡が発足。郡役所が田辺村に設置。
町村制以降の沿革
- 明治22年(1889年)4月1日 - 町村制の施行により、以下の町村が発足。(1町13村)
八幡町 ← 八幡町、八幡荘[大部分]、川口村(現・八幡市)
美豆村 ← 美豆村、際目村、生津村(現・京都市伏見区)
都々城村 ← 岩田村、野尻村、上奈良村、下奈良村、八幡荘[一部]、久世郡上津屋村[浜上津屋・里上津屋を除く](現・八幡市)
有智郷村 ← 内里村、戸津村、美濃山新開(現・八幡市)
大住村 ← 大住村、松井村(現・京田辺市)
田辺村 ← 田辺村、薪村、興戸村、河原村(現・京田辺市)
草内村 ← 草内村、東村、飯岡村(現・京田辺市)
三山木村 ← 三山木村、宮津村(現・京田辺市)
普賢寺村 ← 水取村、多々羅村、上村、天王村、高船村、打田村(現・京田辺市)
井手村 ← 井手村、相楽郡田村新田(現・井手町)
多賀村(単独村制。現・井手町)
青谷村 ← 奈島村、市辺村、久世郡中村(現・城陽市)
田原村 ← 郷ノ口村、南村、荒木村、立川村[贄田]、久世郡高尾村(現・宇治田原町)
宇治田原村 ← 岩山村、立川村[贄田を除く]、禅定寺村、湯屋谷村、奥山田村(現・宇治田原町)- 水主村が久世郡寺田村の一部となる。
- 明治32年(1899年)7月1日 - 郡制を施行。
- 明治39年(1906年)10月12日 - 田辺村が町制施行して田辺町となる。(2町12村)
大正12年(1923年)4月1日 - 郡会が廃止。郡役所は存続。- 大正15年(1926年)7月1日 - 郡役所が廃止。以降は地域区分名称となる。
昭和2年(1927年)1月1日 - 井手村が町制施行して井手町となる。(3町11村)- 昭和10年(1935年)4月1日 - 美豆村が久世郡淀町に編入。(3町10村)
- 昭和17年(1942年)7月1日 - 「綴喜地方事務所」が田辺町に設置され、本郡を管轄。
- 昭和26年(1951年)4月1日(3町5村)
- 普賢寺村・三山木村・草内村・大住村が田辺町に編入。
- 青谷村が久世郡久津川村・富野荘村・寺田村と合併して久世郡城陽町が発足。
- 昭和29年(1954年)10月1日 - 都々城村・有智郷村が八幡町に編入。(3町3村)
- 昭和31年(1956年)9月30日 - 宇治田原村・田原村が合併して宇治田原町が発足。(4町1村)
- 昭和33年(1958年)4月1日 - 井手町・多賀村が合併し、改めて井手町が発足。(4町)
- 昭和52年(1977年)11月1日 - 八幡町が市制施行して八幡市となり、郡より離脱。(3町)
平成9年(1997年)4月1日 - 田辺町が市制施行・改称して京田辺市となり、郡より離脱。(2町)
変遷表
自治体の変遷
明治22年4月1日 | 明治22年 - 大正15年 | 昭和1年 - 昭和19年 | 昭和20年 - 昭和29年 | 昭和30年 - 昭和64年 | 平成1年 - 現在 | 現在 |
---|---|---|---|---|---|---|
田辺村 | 明治39年10月12日 町制 | 田辺町 | 田辺町 | 田辺町 | 平成9年4月1日 市制改称 京田辺市 | 京田辺市 |
普賢寺村 | 普賢寺村 | 普賢寺村 | 昭和26年4月1日 田辺町に編入 | |||
三山木村 | 三山木村 | 三山木村 | ||||
草内村 | 草内村 | 草内村 | ||||
大住村 | 大住村 | 大住村 | ||||
八幡町 | 八幡町 | 八幡町 | 八幡町 | 昭和52年11月1日 市制 | 八幡市 | 八幡市 |
都々城村 | 都々城村 | 都々城村 | 昭和29年10月1日 八幡町に編入 | |||
有智郷村 | 有智郷村 | 有智郷村 | ||||
井手村 | 井手村 | 昭和2年1月1日 町制 | 井手町 | 昭和33年4月1日 井手町 | 井手町 | 井手町 |
多賀村 | 多賀村 | 多賀村 | 多賀村 | |||
宇治田原村 | 宇治田原村 | 宇治田原村 | 宇治田原村 | 昭和31年9月30日 宇治田原町 | 宇治田原町 | 宇治田原町 |
田原村 | 田原村 | 田原村 | 田原村 | |||
美豆村 | 美豆村 | 昭和10年4月1日 久世郡淀町に編入 | 久世郡 淀町 | 昭和32年4月1日 京都市に編入 | 京都市 伏見区 | 京都市 |
青谷村 | 青谷村 | 青谷村 | 昭和26年4月1日 久世郡城陽町の一部 | 昭和47年5月5日 市制 | 城陽市 | 城陽市 |
行政
- 歴代郡長
代 | 氏名 | 就任年月日 | 退任年月日 | 備考 |
---|---|---|---|---|
1 | 明治11年(1879年)4月10日 | |||
大正15年(1926年)6月30日 | 郡役所廃止により、廃官 |
脚注
^ 川上村・宮村・茶屋村・栢村に分かれて記載。
^ 記載は八幡荘。
^ 記載なし。
参考文献
角川日本地名大辞典 26 京都府- 旧高旧領取調帳データベース
関連項目
- 都筑郡
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