Mozilla
Mozilla(モジラ)は旧ネットスケープコミュニケーションズ(以下ネットスケープ)や同社が開発したインターネット関連アプリケーションソフトウェアなどいくつかの意味を持つ。現在はウェブブラウザの「Mozilla Firefox(モジラ・ファイアーフォックス)」「Mozilla Application Suite(モジラ・アプリケーション・スイート)」[1]を開発する 「Mozilla Foundation(モジラ・ファウンデーション)」(以降「ファウンデーション」)を指すことが多い。様々な意味を持つ「Mozilla」の単語には以下のものがある。
目次
1 Mozilla プロジェクト
1.1 Mozilla Foundation
1.2 Mozilla Corporation
2 Mozilla Application Suite
3 Gecko を搭載したブラウザーの総称
4 Mozilla アプリケーションフレームワーク
5 Mozilla コードベース
6 Netscape Navigator のコードネーム
7 ネットスケープ社のマスコット
8 ユーザーエージェント名
9 脚注
10 関連項目
11 外部リンク
Mozilla プロジェクト
Mozilla Foundation
「Mozilla」はしばしば、ネットスケープが次世代のインターネットスイートを開発するために設立・作成されたフリーソフトウェア及びオープンソースプロジェクトの名称に冠される。Mozilla Organization(モジラ・オーガニゼーション)は新しいスイートを作成することを目的として、1998年に設立された。その後、2003年7月15日に非営利団体になったファウンデーションに引き継がれ、現在はファウンデーションが Mozilla Firefox と呼ばれるウェブブラウザと Mozilla Thunderbird と呼ばれる電子メールクライアントなどの製品の開発及び保守を行っている。2006年現在、「Mozilla」の商標はファウンデーションが所有している。
Mozilla Corporation
2005年8月3日にファウンデーションによって設立された、Firefox や Thunderbird をエンドユーザに提供するための税金の支払いの機能を果たす子会社。また、マーケティングや製品の宣伝の監督目的としての役割も持つ。
Mozilla Application Suite
1998年、ネットスケープは、当時人気のあった Netscape Communicator(ネットスケープ・コミュニケーター) の、大部分のソースコードをフリーソフトウェア及びオープンソースライセンス[2]の下で公開した。このことは、後に「オープンソース運動」と呼ばれる一連の動きにつながっていくこととなる(オープンソース運動の歴史参照)。このアプリケーションの名称は「Mozilla」と名付けられた。Mozilla 1.0がリリースされたのは2002年の6月5日であった。
この製品は Netscape スイート(バージョン6または7)とその基礎となるコードベース(Gecko)をベースとしているフリーのオープンソースソフトウェアというのはよく知られている。また、Firefox や Thunderbird といったファウンデーションの主な製品にも含まれているように、たくさんのスタンドアロンソフトウェアの基礎にもなった。Firefox などのスタンドアロン製品とこのスイートを区別して、「Mozilla Suite(モジラ・スイート)」または「Mozilla Application Suite(モジラ・アプリケーション・スイート)」として呼ばれている。
ファウンデーションは既にこのスイートのメンテナンスは行っておらず、Firefox と Thunderbird へと開発の主軸を変えている。このスイートはファウンデーションの非公式ソフトウェアである SeaMonkey に取って代わっている。このインターネットスイートは Mozilla Suite のソースコードをベースとして Mozilla のコミュニティによって開発されている。
Gecko を搭載したブラウザーの総称
Mozilla という言葉はHTMLレンダリングエンジン Gecko を搭載したブラウザーを指すことが多い。
たとえば、あるウェブサイトで「Mozilla のブラウザが使える」と書いてあるとき、それは Mozilla Suite、Mozilla Firefox、Camino(カミノ)、Netscape Navigator 9(ネットスケープ・ナビゲーター)など、Gecko を搭載したブラウザで閲覧できることを意味する。
Mozilla アプリケーションフレームワーク
Mozilla とは Mozilla アプリケーションフレームワークという意味合いで、複数のオペレーティングシステムで動作するクロスプラットフォームアプリケーションフレームワークのアプリケーションを書くときに使われる。それは Gecko レイアウトエンジンがもっとも大きなものであり、XUL(ズール)のユーザーインターフェイスツールキット、Necko ネットワーキングライブラリなどのコンポーネントもこれに当てはまる。これは Mozilla ベースのブラウザやアプリケーションの核として組み立てられる。
Mozilla コードベース
Firefox や Thunderbird、XULRunner(ズールランナー)のような Mozilla ソフトウェアプロジェクトのソースコードはCVSリポジトリが集合的にマネージメントしている。この大きなコードベースは Mozilla コードベース、Mozilla ソースコード、もしくは単に「Mozilla」と呼ばれる。
Mozilla コードベースは元々は Netscape Public License(ネットスケープ・パブリック・ライセンス)で提供されていた。ライセンスが1.1にバージョンアップする際に Mozilla Public License(モジラ・パブリック・ライセンス)(MPL)に変更した。フリーソフトウェア財団などのGPLライセンスモジュールとMPLライセンスモジュールは法律的に組み合わせることはできないが、この理由のためにMPLは開発者では使わないことを推奨していた[3]。この問題を焦点に当て、ファウンデーションは2003年にGPLとLGPLの下で新たにMPLのライセンスを策定をした。[4]
歴史上、Mozilla の名称が内部的なコードネームとして使われ始めたのは Netscape Navigator である。ジェイミー・ザウィンスキー[5]がネットスケープ社に勤務していた頃、この名前が会議の議題とされた。Mozilla の名称は Mosaic Killer(モザイク・キラー) の短縮形[6]で、意味合いはこのプロジェクトが発足した当時人気のあった Mosaic(モザイク)をウェブブラウザのトップの座から落とすことと、Godzilla(ゴジラ)の名前を参考にしていることからとしている。
ネットスケープ社のマスコット
Mozilla はすでに解散したネットスケープの前の会社名であるモザイクコミュニケーションズのマスコットでもある。
選考当初、様々なマスコットの形が出され、その中にヘルメットを被った宇宙飛行士もしくは spaceman(スペースマン)というのがあったが、結果としてゴジラのような名前でうまくいけると考えられ、ゴジラに似たトカゲが選ばれた。このゴジラに似た緑色のトカゲは1994年にデイブ・タイタス[7]によって描かれた。
それから Mozilla はネットスケープのウェブサイトの早期から目立つように置かれた。しかしながら、顧客にプロジェクトがアマチュアの集団ではなくプロの集団であると認識してもらう必要があったため、その画像は削除された。その Mozilla はネットスケープ社内で使われ続け、しばしばその画像が描かれたTシャツを社員に与えたり、マウンテンビューにあるネットスケープ社の敷地の壁に飾られていた。
ネットスケープコミュニケーションズが1998年にウェブ辞書のサイトであった NewHoo(ニューフー)を買収し、Mozilla プロジェクトの類似点を要因として dmoz(ディーモズ)[8]というニックネームで呼ばれている Open Directory Project(オープン・ディレクトリー・プロジェクト)にイメージを一新させた。Mozilla の画像はネットスケープコミュニケーションズが AOL によって買収、解散したにも拘わらず、今日まで Mozilla のサイトの全てのページに留まっている。
Mozillaのマスコットは、二代目の赤いティラノサウルスに置き換わっているが、Open Directory Projectには、以前からの緑色の怪獣が用いられている。
ユーザーエージェント名
HTTPリクエストヘッダ中で、クライアントからサーバにクライアントの種類を示す情報として、ユーザーエージェント文字列と呼ばれる文字列が送信される。これを観察すると、ネットスケープナビゲーター(の子孫)では「Mozilla/バージョン名
」と実行中のオペレーティングシステム等についての幾つかの情報を確認することができる。
ネットスケープブラウザは他のブラウザにはない多くの機能を最初に実装して市場を急速に支配するようになった。そのため、ユーザエージェント文字列内の "Mozilla" などを検出して、ネットスケープでしか動作しない、あるいはそうでなくても、ネットスケープでのみ完全に動作する、といった設計の多くのサイトが作られた。それゆえ、競合ブラウザはそのようなサイトでも動作するようにエミュレート(クローキングあるいは「偽装」)するようになった。この最初の例が Internet Explorer がユーザエージェント文字列の最初に
Mozilla/バージョン (compatible; MSIE バージョン ...)
を使うようになったことである。これによって、開発上の主要なライバルであるネットスケープ用のコンテンツを受け取ることができた。それ以来、このユーザエージェント文字列の書式は他のユーザエージェントに真似され、「本家」たる Netscape の開発が終了して久しい今日でさえユーザエージェント文字列中に Mozilla
を含めることが続いている。
古いアクセス解析プログラムなどでは、ユーザーエージェント名が「Mozilla/5.0
」から始まるものをNetscapeシリーズのバージョン5と判断した物もあったようだが、それは誤りである(そもそも Netscape のバージョン5は開発が中止されている)。
脚注
^ その後、SeaMonkey
^ the Netscape Public License
^ GNU comments on MPL(英語)
^ Mozilla Foundation MPL Relicensing FAQ(英語)
^ Jaime Zawinski
^ the netscape dorm.(英語)
^ 英: Dave Titus
^ 英: Directory of Mozilla
関連項目
- WebDINO Japan
外部リンク
Mozilla Foundation(英語)
- Mozilla Japan
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