弦楽のためのアダージョ
弦楽のためのアダージョ(げんがくのためのアダージョ、英: Adagio for Strings)は、サミュエル・バーバーが作曲した、弦楽合奏のための楽曲。作曲者の名前をとってバーバーのアダージョ(ないしバーバーのアダージオ)とも呼ばれる。アダージョは、楽曲に付けられた速度記号である。弦楽四重奏曲 作品11の第2楽章より弦楽合奏用に編曲されたものである。また、「アニュス・デイ」(英: Agnus Dei、神の子羊)という合唱曲にも編曲された。
目次
1 概要
2 この曲を使用した例
2.1 機会音楽としての使用例
2.2 映画
2.3 テレビドラマ
2.4 フィギュアスケート
2.5 その他
3 脚注
3.1 注釈・出典
概要
すすり泣くような旋律、中間部終わりの、激しく突き上げる慟哭のようなクライマックスで知られる。演奏時間は10分程度。
初演は、1938年11月5日に、アルトゥーロ・トスカニーニ指揮・NBC交響楽団によって行われた。
また、DJティエストによって編曲・アレンジが加えられた同名の曲も存在する[1]。
この曲を使用した例
アメリカでは、この曲が有名になったのは、ジョン・F・ケネディの葬儀で使用されてからである。そのため個人の訃報や葬送、惨事の慰霊祭などで定番曲として使われるようになったが、バーバー自身は生前「葬式のために作った曲ではない」と不満を述べていた。
日本においては、昭和天皇の崩御の際に、NHK交響楽団の演奏を放映した(他の曲目:バッハ「アリア」、ブラームス「交響曲第4番」)[2]。
機会音楽としての使用例
第二次世界大戦後のGHQ占領下の日本での最初のラジオ放送
ジョン・F・ケネディの葬儀
アメリカ同時多発テロから1年後に行われたニューヨーク市でのニューヨーク世界貿易センタービル跡地での慰霊祭
東北地方太平洋沖地震に起因する東日本大震災後の、仙台フィルハーモニー管弦楽団による復興コンサート(第1回 2011年3月26日、仙台市内の寺院にて)での演奏
映画
- 『プラトーン』
- 『エレファント・マン』
- 『ロレンツォのオイル/命の詩』
- 『アメリ』
- 『恋に落ちる確率』
- 『ヒミズ』
テレビドラマ
- 『ER緊急救命室』第Xシリーズ
- 『冬のソナタ』
ドラマ『蘇える金狼』第9話- 『生きるための情熱としての殺人』
山田太一ドラマ『終りに見た街』- 『のだめカンタービレ』第8話
- 『華麗なる一族』(2007年)最終回
フィギュアスケート
アリョーナ・レオノワ(ロシア・女子)2011-2012年シーズン・フリースケーティング
ジェレミー・アボット(米国・男子)2014-2015年シーズン・フリースケーティング
その他
コンピューターゲーム『ホームワールド』
コンピューターゲーム『銀河英雄伝説IV』
William Orbit アルバム『Pieces In A Modern Style』。後にこの曲のフェリー・コーステンによるリミックスが流行した。
脚注
注釈・出典
^ Parade of the Athletesを参照
^ 弦楽のためのアダージョ 昭和天皇追悼演奏会