普陀山
普陀山(ふださん、拼音: )は中華人民共和国浙江省・舟山群島にある島。中国四大仏教名山(仏教の聖地。五台山、九華山、峨眉山、普陀山)の一つで、観音菩薩が祀られている。年間360万人を超える観光客が訪れる。
目次
1 由来
2 地理
3 宗教活動
3.1 全山方丈
3.2 主な寺院・施設
4 観光
5 交通
5.1 航空
5.2 フェリー
6 備考
7 脚注
8 参考文献
9 外部リンク
由来
当地が観音霊場となった由来は、後述の「普済禅寺」の項にも記述される通り、916年、中国への渡来僧である慧萼(えがく)が、中国留学を終えて日本に帰国しようとした際、日本に招来しようとした観音菩薩が当地で日本に渡ること拒んだ(=不肯去)、という故事にちなんでいる。よって、その観音菩薩は「不肯去観音」と称されており、そのお堂は「不肯去観音院」と呼ばれる。以後、この舟山群島中の普陀山は、観音菩薩の浄土である補陀落に擬せられ、人々の信仰を集める中国有数の霊場となった。「普陀山」という名称の由来も、「補陀落」である。
地理
普陀山は杭州湾の出口から東シナ海海上を東に約100海里にあり、全島面積早く12.5平方キロメートル。細長い形をした島で、最高地点は仏頂山で海抜約300メートル。
行政的には浙江省舟山市普陀区。中国四大仏教名山のうち唯一の海上聖地であり、「海天佛国」と呼ばれる。
「磐陀石」「二亀聴法石」「説法台石」などの奇岩が多い。
宗教活動
全山方丈
- 妙善:1979年に全山代理方丈に推挙され、1989年より正式に全山方丈となる。2000年死去。
- 戒忍:2002年12月に全山方丈となる。
主な寺院・施設
普済禅寺(通称「前寺」) – 不肯去観音院として916年に日本の僧侶である慧萼が開祖
法雨禅寺(「後寺、后寺」)
慧済禅寺(「仏頂山寺、中国語: 佛顶山寺」)- 不肯去観音院
- 南海観音像 – 1997年建立
観光
- 仏頂山ロープウェイ
- 「普陀山の春旅行フェスティバル」:普陀山管理委員会、中国旅遊協会が開催する旅行関連イベント。
- 心字石
交通
航空
舟山普陀山空港:北京、上海、アモイ、晋江、福州、武夷山から直行便がある。中国東方航空、アモイ航空、山東航空、深圳航空が乗り入れている。
フェリー
- 高速フェリー:寧波大謝埠頭から70分で到着。舟山島沈家門埠頭からは10分で到着。
備考
江戸時代後期の平戸藩主・松浦静山は『平戸考』・『美祢良久考』を著し、普陀山が「和漢ノ境」にあり、かつて日本の領域であったという説を引用し、江戸幕府に調査の必要性を働きかけたが認められなかったという[1]。
脚注
^ 吉村雅美「松浦静山のみた境界と「属地」-普陀山をめぐる考証から」井上泰至 編『近世日本の歴史叙述と対外意識』(勉誠出版、2016年) ISBN 978-4-585-22152-4
参考文献
ひろさちや作『中国の霊場』(鈴木出版、1995年) ISBN 4790219267
山折哲雄「普陀山詣で:慧萼と道元」(『日本歴史』572、1996年1月)
外部リンク
- 舟山普陀山空港(中国語)
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