新鉱物
新鉱物(しんこうぶつ)は、天然で新たに発見され、国際的に公認された鉱物である。国際鉱物学連合(IMA)の「新鉱物および鉱物名に関する委員会(CNMMN)」に申請し、委員の過半数が参加した投票において、2/3以上の賛成を得ることにより承認される[1]。
新鉱物の名称は、通常、その鉱物の産出地、発見者(申請者自身が発見者である場合を除く)、著名な鉱物学者、性質に基づいて命名される。名称はラテン文字で表記する(ラテン文字で表記されない言語の名称の場合は、ラテン文字に翻字する)こととされており、新鉱物の承認の投票に参加した委員から過半数の賛成を得ることにより承認される[1]。名称の語尾には「-ite」か「-lite」をつけることが多い。
目次
1 日本産の新鉱物
1.1 北海道
1.2 青森県
1.3 岩手県
1.4 秋田県
1.5 福島県
1.6 栃木県
1.7 群馬県
1.8 埼玉県
1.9 千葉県
1.10 東京都
1.11 神奈川県
1.12 新潟県
1.13 山梨県
1.14 岐阜県
1.15 静岡県
1.16 愛知県
1.17 三重県
1.18 滋賀県
1.19 京都府
1.20 大阪府
1.21 兵庫県
1.22 奈良県
1.23 鳥取県
1.24 島根県
1.25 岡山県
1.26 広島県
1.27 香川県
1.28 愛媛県
1.29 高知県
1.30 福岡県
1.31 佐賀県
1.32 長崎県
1.33 熊本県
1.34 大分県
1.35 鹿児島県
1.36 一部で認められているもの
1.37 領有権問題があるもの
2 海外産の新鉱物
3 脚注
4 関連項目
5 参考文献
6 外部リンク
日本産の新鉱物
原産地が複数の都道府県、あるいは外国と共に記載されている場合もある。
北海道
幌満鉱 (Horomanite)
上国石 (Jokokuite)
加納輝石 (Kanoite)
三笠石 (Mikasaite)
オホーツク石 (Okhotskite)
自然ルテニウム (Ruthenium)
ルテノイリドスミン (Rutheniridosmine)
様似鉱 (Samaniite)
苣木鉱 (Sugakiite)
手稲石 (Teineite)
轟石 (Todorokite)
豊羽鉱 (Toyohaite)
渡辺鉱 (Watanabeite)
青森県
津軽鉱 (Tsugaruite)
岩手県
赤金鉱 (Akaganeite)
原田石 (Haradaite)
岩手石 (Iwateite)
釜石石 (Kamaishilite)
木下雲母 (Kinoshitalite、木下石)
神津閃石 (Mangano-ferri-eckermannite、“Kôzulite“)
万次郎鉱 (Manjiroite 萬次郎鉱)
南部石 (Nambulite)
ソーダ南部石 (Natronambulite)
カリ第二鉄リーキ閃石 (Potassic-ferri-leakeite)
鈴木石 (Suzukiite)
田野畑石 (Tanohataite)
わたつみ石 (Watatsumiite)
吉村石 (Yoshimuraite)
秋田県
阿仁鉱 (Anilite)
福地鉱 (Fukuchilite)
古遠部鉱 (Furutobeite)
尾去沢石 (Osarizawaite)
福島県
イットリウムブリソ石 (Britholite-(Y)、“阿武隈石”)
灰斜プチロル沸石 (Clinoptilolite-Ca)
フッ素ソーダローメ石 (Fluornatroromeite)
飯盛石 (Iimoriite-(Y))
石川石 (Ishikawaite)
磐城鉱 (Iwakiite)
岩代石 (Iwashiroite-(Y))
プロトマンガノ鉄直閃石 (Proto-mangano-ferro-anthophyllite)
和田石 (Wadalite)
栃木県
神保石 (Jimboite)
プロトマンガノ鉄直閃石 (Proto-mangano-ferro-anthophyllite)
群馬県
アンモニウム白榴石 (Amminioleucite)
長島石 (Nagashimalite)
ソーダ明礬石-2c (Natroalunite-2c、“南石“)
鈴木石 (Suzukiite)
若林鉱 (Wakabayashilite)
埼玉県
水酸エレスタド石 (Hydroxylellestadite)
種山石 (Taneyamalite)
千葉県
千葉石 (Chibaite)
東京都
多摩石 (Tamaite)
東京石 (Tokyoite)
神奈川県
湯河原沸石 (Yugawaralite)
新潟県
亜鉛ビーバー石 (Beaverite-(Zn))
新潟石 (Clinozoisite-(Sr)、“Niigataite”)
灰エリオン沸石 (Erionite-Ca)
糸魚川石 (Itoigawaite)
松原石 (Matsubaraite)
青海石 (Ohmilite)
蓮華石 (Rengeite)
ストロンチウム斜方ホアキン石 (Strontio-orthojoaquinite、奴奈川石)
山梨県
苦土フォイト電気石 (Magnesiofoitite)
マンガノパンペリー石 (Pumpellyite-(Mn2+))
岐阜県
ソーダ金雲母 (Aspidolite)
セリウムヒンガン石 (Hingganite-(Ce))
神岡鉱 (Kamiokite)
定永閃石 (Sadanagaite)
静岡県
河津鉱 (Kawazulite)
欽一石 (Kinichilite)
愛知県
中宇利石 (Nakauriite)
白水雲母 (Shirozulite 白水石)
三重県
伊勢鉱 (Iseite)
苦土ジュルゴルド石 (Julgoldite-(Mg))
苦土イットリウムローランド石 (Magnesiorowlandite-(Y))
カリ第一鉄パーガス閃石 (Potassic-ferro-pargasite)
ランタンバナジウム褐簾石 (Vanadoallanite-(La))
ランタンフェリ赤坂石 (Ferriakasakaite-(La))
ランタンフェリアンドロス石 (Ferriandorosite-(La))
滋賀県
益富雲母 (Masutomilite)
滋賀石 (Shigaite)
京都府
河辺石 (Kobeite-(Y))
園石 (Sonolite)
大阪府
箕面石 (Minohlite)
大阪石 (Osakaite)
兵庫県
生野鉱 (Ikunolite)
ペトラック鉱 (Petrukite)
櫻井鉱 (Sakuraiite 桜井鉱)
奈良県
大峰石 (Ominelite)
鳥取県
人形石(Ningyoite)
島根県
都茂鉱 (Tsumoite)
岡山県
備中石 (Bicchulite)
単斜トベルモリー石 (Clinotobermorite)
布賀石 (Fukalite)
逸見石 (Henmilite)
草地鉱 (Kusachiite)
三原鉱 (Miharaite)
森本柘榴石 (Morimotoite)[2]
ソーダ魚眼石 (Apophylite-(NaF))
人形石 (Ningyoite)
沼野石 (Numanoite)
岡山石 (Okayamalite)
大江石 (Oyelite)
パラシベリア石 (Parasibirskite)
プロト直閃石 (Proto-anthophyllite)
島崎石 (Shimazakiite)
褐錫鉱 (Stannoidite)
武田石 (Takedaite)
広島県
砥部雲母 (Tobelite 砥部石)
布賀石 (Fukalite)
香川県
上田石 (Uedaite-(Ce))
愛媛県
愛媛閃石 (Chromio-pargasite、"Ehimeite")
カリ第一鉄定永閃石 (Potassic-ferro-sadanagaite)
カリ定永閃石 (Potassic-sadanagaite)
杉石 (Sugilite)
桃井柘榴石 (Momoiite)
村上石 (Murakamiite)
高縄石 (Takanawaite-(Y))
高根鉱 (Takanelite)
砥部雲母 (Tobelite 砥部石)
高知県
ストロンチウム緑簾石 (Epidote-(Sr))
ストロナルシ石 (Stronalsite ストロナ長石)
ネオジムウェークフィールド石 (Wakefieldite-(Nd))
豊石(Bunnoite)
福岡県
宗像石 (Munakataite)
佐賀県
イットリウムラブドフェン (Rhabdophane-(Y))
肥前石 (Hizenite-(Y))
木村石 (Kimuraite-(Y))
ネオジム弘三石 (Kozoite-(Nd))
ランタン弘三石 (Kozoite-(La))
長崎県
ソーダレビ沸石 (Levyne-Na)
熊本県
芋子石 (Imogolite)
種山石 (Taneyamalite)
大分県
足立電気石 (Adachiite)
宮久石 (Miyahisaite)
パラ輝砒鉱 (Pararsenolamprite)
亜砒藍鉄鉱 (Parasymplesite)
鹿児島県
原田石 (Haradaite)
大隅石 (Osumilite)
一部で認められているもの
以下に掲載されているのは、既存種の変種や人工物など、鉱物種として認められる要件を満たしていない可能性がある。
釣魚島石 (Diaoyudaoite) - 沖縄県
恵那石 (Enalite) - 岐阜県
片山石 (Katayamalite) - 愛媛県
領有権問題があるもの
以下に掲載されているのは、日本が領有権を主張しており、領有権問題がある産地の鉱物である。
アブラモフ鉱 (Abramovite) - 択捉島
カドモインダイト (Cadmoindite) - 択捉島
クドリャブイ鉱 (Kudriavite) - 択捉島
レニウム鉱 (Rheniite) - 択捉島
釣魚島石 (Diaoyudaoite) - 魚釣島
海外産の新鉱物
ペツォッタイト - 2002年にマダガスカルで発見されて2003年に認定された新鉱物。
脚注
- ^ abTHE IMA COMMISSION ON NEW MINERALS AND MINERAL NAMES: PROCEDURES AND GUIDELINES ON MINERAL NOMENCLATURE, 1998
^ 独立種ではないという意見もある。
関連項目
- 鉱物
- 鉱物の一覧
参考文献
沼野忠之 「世界で初めて発見された新鉱物の数々」『自然への想い 岡山 - 昔を探り、今を見つめて』 倉敷の自然をまもる会編、山陽新聞社、1993年、57-63頁、ISBN 4-88197-458-0。
松原聰監修 『鉱物カラー図鑑』 ナツメ社、1999年、ISBN 4-8163-2693-6。- 松原聰 『フィールドベスト図鑑15 日本の鉱物』 学習研究社、2003年、ISBN 4-05-402013-5。
- 松原聰 『新鉱物発見物語』 岩波書店〈岩波科学ライブラリー〉、2006年、ISBN 4-00-007455-5。
坂野靖行 「日本から発見された新鉱物」『地球 - 図説アースサイエンス』 産業技術総合研究所地質標本館編、誠文堂新光社、2006年、39頁、ISBN 4-416-20622-4。
外部リンク
- International Mineralogical Association (IMA)
- 大地浪漫
- 日本産鉱物展示館
- 新鉱物の登録と公表・販売