女子十二楽坊




女子十二楽坊(じょしじゅうにがくぼう、12 Girls Band)は、中国の古楽器演奏女性音楽グループ。




目次






  • 1 概要


  • 2 来歴


  • 3 リリース


    • 3.1 日本


      • 3.1.1 オリジナルアルバム


      • 3.1.2 ベストアルバム


      • 3.1.3 ライブアルバム


      • 3.1.4 企画アルバム


      • 3.1.5 デジタル・リマスタリング


      • 3.1.6 映像作品


      • 3.1.7 参加作品




    • 3.2 中国


    • 3.3 アメリカ


    • 3.4 韓国




  • 4 備考


  • 5 メンバー


    • 5.1 元メンバー




  • 6 元メンバー卒業後


  • 7 NHK紅白歌合戦出場歴


  • 8 参考文献


  • 9 脚注


  • 10 外部リンク





概要


中国伝統楽器の演奏家で構成されるインストゥルメンタルバンドであり、中国及びアジアの伝統楽器を使用する。演奏分野は、ポップ・ミュージックからクラシック音楽、中国民族音楽までと幅広い。代表曲は『奇跡』『自由』『輝煌』『敦煌』など。


公演によっては参加メンバーおよび人数など変動がある。かつて、多くのメンバーが中国国内の他楽団や音楽学校と掛け持ちをし、他楽団・学校の仕事が優先されることもあった。
全員が幼少の頃から中国伝統楽器の英才教育を受け、各種音楽コンクールの上位入賞歴をもつトップレベルの演奏家である。中国伝統楽器を始めたきっかけはメンバーのほとんどが友達や周囲の影響だと答えている。また、プロデューサーの王暁京によると、選考基準は音楽性のみならず容姿も重視している。


プロデューサー王暁京は、中国初のロック歌手・崔健らを売り出した辣腕プロデューサーである。


売り上げの中から、SARS研究の寄付、新潟中越地震、スマトラ沖地震、四川大地震等の義捐金寄付などをしてきた。


音楽の特徴は、中国伝統楽器の伝統性・芸術性を押し出したものよりも、フュージョン音楽の道具として利用している曲が多い点が挙げられる。これは、従来の中国民族音楽の見直しとは一線を画した手法である。作曲・編曲は、中国伝統楽器と並んでギター奏者でもある梁剣峰が中心となっていた。プロデューサーの王暁京によると、女子十二楽坊はリズムを重視した音楽であるという。


アーティスト名である「女子十二楽坊」の「十二」はメンバーの人数を指しているわけではなく、中国で縁起のいい数字を使用したものである。プロデューサーの王暁京によると、中国の三大奇書の一つである『紅楼夢』に登場する12人の美女(金陵十二釵)と唐代の王宮にあった「教坊」から発案され、命名したという。


中国のプロダクションであるStarDisc(北京世紀星碟文化伝播有限公司)に所属するが、日本においては当初、CD/DVD制作からプロモーション、コンサート運営までプラティア・エンタテインメント(後にミューチャー・コミュニケーションズに社名変更)が担当していた。同社は、通常であれば所属事務所が行なうアーティストマネージメントまで含めて担当していた。そのため、日本国外でのStarDiscによる公演等と日本国内での運営については大きなズレが見られることがある。なお、海外での正規盤は、主にEMI香港とユニバーサルミュージック香港が扱ってきた。


2005年9月5日、過剰な宣伝費による負債をプラティアが負担する形で、ミューチャー・コミュニケーションズは資本独立する。2007年7月20日、ミューチャー・コミュニケーションズは自己破産手続きを開始した[1]。以後、日本国内でのコンサートは、以前からコンサート実施に関わっていたプロマックスが担当、マネージメント等に関しては新たに公式ネットファンクラブを運営することとなった海日エンターテインメントに移行した。2007年の「上海」は、EMIから発売された「Shanghai」の日本盤となるため、EMIミュージック・ジャパンから発売された。2008年の「四季のソナタ」は、ユニバーサルミュージックから韓国GSRMEDIAよりライセンス受託の日本盤となるため、ユニバーサルミュージック (日本)傘下のMILESTONE CROWDSレーベルからの発売となる。


2010年より、女子十二乐坊文化传播有限公司に所属。



来歴


2001年6月18日に北京で結成。同年『魅力音楽会』で中国デビュー。同年10月5日、北京21世紀劇院で初のコンサートを開催、2002年には中国全土で100回以上のコンサートを開催した。


2003年7月24日に『自由』『奇跡』などの代表曲とともに、日本のヒット曲のカバーも含むCD『女子十二楽坊〜Beautiful Energy〜』で日本に進出。同アルバムは約200万枚(オリコン推計約166万枚)の大ヒットとなった[1]。日本でのプロモーションには約2億円の宣伝費をかけたといわれる[1]。客層としてはCD購買層である年齢の高い層をターゲットとし、「癒しブーム」を狙ったプロデュース、さらにDVDとセットで安く販売するマーケティング手法があたって人気を集めた。日本ではデビューから1年間で約320万枚の関連ソフトを売り上げた[2]


2003年度ゴールデン・アロー賞音楽新人賞、第18回日本ゴールドディスク大賞ではアーティスト・オブ・ザ・イヤー洋楽部門など3部門を受賞。2003年のNHK紅白歌合戦(第54回)ではオペラ歌手錦織健と共演で出演した。2004年1月2日には武道館コンサート、4月1日から5月8日まで日本全国ツアー32公演をこなす。


2004年3月3日には日本で2ndアルバム『輝煌〜Shining Energy〜』を発売し、初版30万枚強、最終的には50万枚を売り上げた[3]。しかし、ミューチャー・コミュニケーションズ社長の塔本一馬によると、著作権使用料の見込み違いによりヒットしたにもかかわらず利益が出なかったという[3]


2004年8月17日には『Eastern Energy』で全米デビュー。ビルボードのワールド・ミュージックチャートで11週連続1位、総合ランキング(Billboard TOP200)でも初登場62位。日本を含めてアジア人のアルバムとしては最高の成績となった。第47回グラミー賞では総合部門最優秀新人賞とワールドミュージック部門最優秀ワールドミュージックアルバム賞でノミネートされたが、最終候補には残れなかった。2005年9月末から北米大陸ツアー。


2005年4月15日より、『ドラえもん』のオープニングテーマ「ドラえもんのうた」を演奏していた。


2007年5月、著作権法違反で南京のプロモーターに損害賠償を命じる判決が出されたが、これはコンサート主催者の問題であり、演奏家である女子十二楽坊やプロダクションの問題ではない。


2009年4月、一部の初期メンバーが卒業。琵琶のヂョン・バオ(仲宝)、シー・ジュエン(石娟)、笛のリャオ・ビンチュイ(廖彬曲)は引き続き十二楽坊で活動。2009年6月、新メンバー加入。


2016年9月、9年ぶりに来日公演し日本ツアーを3カ所で開催[4]


2017年11月下旬より3日間の予定で日本公演予定[5]。(11月27日:新宿文化会館 大ホール/11月28日:ティアラこうとう 大ホール/12月2日:千葉県文化会館 大ホール)


2018年11月27日(火)・30日(金)、ヴァイオリニスト川井郁子とバーチャルシンガー初音ミクとの共演をしたコンサートが行われた[6]



リリース



日本



オリジナルアルバム



































 
発売日
タイトル
規格
規格品番
最高位

01st

2003年7月24日

女子十二楽坊 〜Beautiful Energy〜
CD+DVD
PYCE-1001
1位

02nd

2004年3月3日

輝煌 〜Shining Energy〜
CD+DVD
PYCE-1003
1位

03rd

2005年1月26日
敦煌 〜Romantic Energy〜
CD+DVD
12cmCD
PYCE-1008
PYCE-1009
8位


ベストアルバム











































 
発売日
タイトル
規格
規格品番
最高位

01st

2004年12月15日
自由 ベストセレクション
2CD
COCU-20004/5
155位

02nd

2005年7月27日

女子十二楽坊 〜THE BEST OF COVERS〜
12cmCD
PYCE-1010
13位

03rd

2006年4月12日
女子十二楽坊ベスト
12cmCD
PYCE-8002
32位

04th

2010年4月21日
女子十二楽坊 Perfect Best
12cmCD
USM-031
--


ライブアルバム



























 
発売日
タイトル
規格
規格品番
最高位

01st

2003年11月6日

奇跡
CD+DVD
PYCE-1002
3位

02nd

2004年7月24日
ベストセレクション ~日本公演2004"奇跡"より~
2CD+DVD
2CD
PYCE-1004/5
PYCE-1006/7
17位


企画アルバム



















































 
発売日
タイトル
規格
規格品番
最高位

01st

2005年11月2日
2006年11月22日(再発)
Merry Christmas To You ~女子十二楽坊~
12cmCD
CD+DVD
PYCE-8001
PYCE-8010
59位
256位

02nd

2006年6月21日
世界名曲劇場 ~序曲~
12cmCD
PYCE-8003
46位

03rd

2006年11月22日
世界名曲劇場 ~第一幕 中国民謡集~
CD+DVD
PYCE-8009
100位

04th

2007年8月22日
上海
12cmCD
TOCP-70287
192位

05th

2008年7月30日
四季のソナタ
12cmCD
UMCC-1009
264位


デジタル・リマスタリング















発売日
タイトル
規格
規格品番

2006年7月12日
女子十二楽坊 ~Beautiful Energy~
奇跡
輝煌 ~Shining Energy~
敦煌 ~Romantic Energy~
女子十二楽坊 ~THE BEST OF COVERS~
12cmCD
PYCE-8004
PYCE-8005
PYCE-8006
PYCE-8007
PYCE-8008


映像作品













































 
発売日
タイトル
規格
規格品番

01st

2003年12月26日
女子十二楽坊 ~日本初プレミアム演奏会~
DVD
PYBE-1(2004年1月31日までの期間限定生産)

02nd

2004年2月10日
奇跡 女子十二楽坊コンサート 完全版
DVD
DV-28DR0074

03rd

2005年8月24日
2006年7月12日(再発)
日本公演2005 ~Romantic Energy~
DVD
DVD
PYBE-2
PYBE-2001

04th

2006年7月12日
女子十二楽坊 ~プロモーション・ビデオ集~
DVD
PYBE-2002

05th

2007年8月22日
上海ライヴ
DVD
TOBW-3323


参加作品



































発売日
タイトル
規格
規格品番
収録局
最高位

2007年2月21日
ピュア
12cmCD
UICZ-1243
茉莉花(ジャスミン)
78位

2007年11月21日
オーラII ~輝ける時間~
12cmCD
TOCP-70380
My Heart Will Go On
80位

2008年7月16日
流行曲中華風味
12cmCD
MHCL-1359
自由
--


中国



  1. 魅力音楽会

  2. 12 girls band 女子十二楽坊専輯

  3. 奇跡

  4. Beautiful Energy/日本首次演奏会

  5. Red Hot Classics

  6. 輝煌

  7. 三周年記念音楽会 〜絲綢之旅〜

  8. 敦煌(特別版)

  9. White Christmas

  10. The Best of 女子十二樂坊

  11. 美麗的能量 中国篇・欧美篇・日本篇・創作篇

  12. 回憶的青春

  13. 女子十二楽坊五周年 〜北京現場音楽会〜

  14. Live From Shanghai 上海



アメリカ



  1. Eastern Energy

  2. Romantic Energy

  3. Shanghai

  4. Live From Shanghai



韓国



  1. 12 Girls Band (selection from Red Hot Classics)

  2. The Best of 12 Girls Band (阿里郎,因縁)



備考


代表的な演奏曲目である「自由」はトルコ古典音楽の作曲家、サントゥーリー・エトヘム・エフェンディの「ロンガ・シャーナーズ」を編曲したものである。オスマン古典音楽の項目を参照のこと。



メンバー


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二胡



  • 二胡 7名

    • 秦子婧(Qin Zijing、チン・ヅージン)

      • 中央音楽学院民楽系在籍、“百泉杯”器楽コンテスト銀賞受賞


    • 上官振楠(Shangguan Zhennan、シャングアン・ジェンナン)

      • 中国音楽学院民楽系卒業、“沃特杯”器楽コンテスト一等賞受賞


    • 于秋実(Yu Qiushi、ユィ・チューシー)

      • 中央音楽学院民楽系在籍、全国選抜コンテスト江蘇省エリア二胡少年専業組一等賞受賞


    • 金晶(Jin Jing、ジン・ジン)

      • 中央音楽学院民楽系卒業、“天華杯”二胡コンテスト三等受賞


    • 羅翩翩(Luo Pianpian、ロー・ピェンピェン)

      • 中国音楽学院民楽系卒業、“三湘杯”二胡コンテスト金賞受賞


    • 王琳(Wang Lin、ワン・リン)

      • 中央音楽学院卒業、「天華杯」二胡コンクール二等賞受賞


    • 閆超婕(Yan Chaojie、ヤン・チャオジエ)

      • 中央音楽学院在籍、龍音杯 国際二胡コンクール第3位、女子二胡コンクール青年部門第一位、中録杯優秀賞受賞。北京オリンピック閉会式に出演





  • 琵琶 2名

    • 石娟 (Shi Juan、シー・ジュエン)

      • 中央音楽学院卒業。中央音楽学院第1回民族器楽コンクール1位。演奏楽曲が『中国琵琶名家名曲』に収録されている。


    • 仲宝 (Zhong Bao、ヂョン・バオ)

      • 解放軍芸術学院卒業。河北省迎春発表会優秀演奏賞、中国音楽協会鋸琴学会会員。





  • 中阮 1名
    • 臧暁鵬(Zang Xiaopeng、ジャン・シャオポン)

      • 中央音楽学院在籍、“文華杯”全国器楽コンテスト中阮少年組銀賞受賞




  • 笛 3名

    • 廖彬曲 (Liao Binqu、リャオ・ビンチュイ)

      • 中央民族大学卒業。広西第1回紅銅鼓専業大コンクールで二等賞を受賞


    • 陳雪嬌(Chen Xuejiao、チェン・シュエジャオ)

      • 中央音楽学院在籍、青島民楽コンテスト一等賞受賞


    • 張迪(Zhang Di、ジャン・ディ)

      • 天津音楽学院卒業、全国民楽コンクール一等賞受賞





  • 揚琴 4名

    • 張静(Zhang Jing、ジャン・ジン)

      • 中央音楽学院卒業 中央音楽学院民楽コンテスト優秀賞受賞


    • 馬慧 (Ma Hui、マー・ホイ)

      • 中央音楽学院卒業。「半打玫瑰(SIX ROSES)」揚琴担当。01年文化部主催第1回全国民族器楽コンクール優秀演奏賞、04年中央音楽学院「天天杯」合奏パフォーマンス部門金賞。


    • 孫莉(Sun Li、スン・リー)

      • 中国戯曲学院卒業、国際民族器楽コンクール揚琴組第一位受賞


    • 田超(Tian Chao、ティエン・チャオ)

      • 中国音楽学院卒業、首届全国青少年芸術新人大会揚琴専業組金賞受賞。






  • 古筝 2名

    • 于秋璇(Yu Qiuxuan、ユィ・チューシュエン)

      • 中央音楽学院研究生部在籍、全国古箏コンテスト専業組第三位受賞


    • 郭璐(グオ・ルー)




  • 独弦琴 1名
    • 唐小媛(Tang Xiaoyuan、タン・シャオイエン)

      • 中央民族大学音楽学院卒業、“文華杯”全国器楽コンテスト民族楽器銅賞受賞





元メンバー




  • 二胡

    • 雷瀅(レイ・イン)

    • 蒋瑾(ジャン・ジン)

    • 詹麗君(ジャン・リージュン)

    • 殷焱(イン・イエン)

    • 孫婷(スン・ティン)

    • 霍暁君(フォ・シャオジュン)




  • 琵琶

    • 張爽(ジャン・シュアン)

    • 張琨(ジャン・クン)

    • 杜文婷(ドゥ・ウェンティン)

    • 趙光瑾(ヂャオ・グァンジン)




  • 竹笛
    • 孫媛(スン・イェン)



  • 揚琴

    • 楊松梅(ヤン・ソンメイ)

    • 馬菁菁(マー・ジンジン)




  • 古筝
    • 周健楠(ジョウ・ジェンナン)




元メンバー卒業後


2003年に卒業した二胡の霍曉君は現在、北京の三大民族音楽団の一つである中国歌劇舞劇院の首席二胡奏者として活動している。
2009年に卒業した詹麗君、馬菁菁、張爽はAlive2として活動中。その他メンバーは他の新規メンバー等と合流して新ユニット「V12」を結成。
二胡担当のイン・イェンは2009年11月に女子十二楽坊卒業ライブを日本で開催し、アーティストとしての活動を再開した。



NHK紅白歌合戦出場歴



















年度/放送回 曲目 出演順 対戦相手 備考

2003年(平成15年)/第54回
自由そして荒城の月 13/30 (対戦相手なし)
錦織健と合同で組を超えて出演。

注意点

  • 出演順は「出演順/場者数」で表す。


参考文献


  • 「敗軍の将、兵を語る 塔本一馬氏(ミューチャー・コミュニケーションズ社長)女子十二楽坊、著作権で失敗」『日経ビジネス』2007年9月17日号、129〜131頁。


脚注



  1. ^ abc負債3億4千万円「女子十二楽坊」仕掛人自己破産へ、ZAKZAK、2007年7月24日。


  2. ^ 『日経ビジネス』2007年9月17日号、129頁。

  3. ^ ab『日経ビジネス』2007年9月17日号、130頁。


  4. ^ 女子十二楽坊 -Music Culture Fes 公式サイト- – あの女子十二楽坊が2007年以来、日本公演決定


  5. ^ 日本法人華宇創意株式会社 http://kusi.co.jp/#gallery


  6. ^ 女子十二楽坊、進化する初音ミクと異色コラボYahooニュース公式



外部リンク




  • 女子十二楽坊日記 (2010年更新停止)


  • 中国語ブログ (2013年更新停止)


  • 女子十二楽坊 - 新浪微博

  • 女子十二乐坊文化传播有限公司

  • 2016年9月の日本ツアー関連サイト

    • 女子十二楽坊 -Music Culture Fes 公式サイト


    • 女子十二楽坊 (@12girls_mcf) - Twitter


    • 女子十二楽坊 - Facebook












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