神宮寺
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神宮寺(じんぐうじ)とは、日本で神仏習合思想に基づき、神社に附属して建てられた仏教寺院や仏堂。別当寺、神護寺、神願寺、神供寺、神宮院、宮寺ともいう。
別当寺は、神社の管理権を掌握する場合の呼称と考えられる。宮寺は、神宮寺を意味するほかに、石清水八幡宮寺や鶴岡八幡宮寺のように、神祇の祭祀を目的とし、境内には神社のほか仏教施設や山内寺院が立ち並び、運営は仏教僧・寺院主体が行った、神仏習合の社寺複合施設または組織をいうこともある。
目次
1 起源と歴史
2 神宮寺の一覧
2.1 関東地方
2.2 中部地方
2.3 近畿地方
2.3.1 三重県
2.3.2 滋賀県
2.3.3 京都府
2.3.4 大阪府
2.3.5 奈良県
2.3.6 兵庫県
2.4 四国地方
2.5 中国地方
2.6 九州・沖縄地方
3 地名
4 脚注
起源と歴史
日本に仏教が伝来した飛鳥時代には、神道と仏教は未統合であったが、平安時代になり、仏教が一般にも浸透し始めると、日本古来の宗教である神道との軋轢が生じ、そこから日本の神々を護法善神とする神仏習合思想が生まれ、寺院の中で仏(本地)の仮の姿である神(権現あるいは垂迹)を祀る神社が営まれるようになった。
鎌倉時代、室町時代、江戸時代では、武家の守護神である八幡神自体が「八幡大菩薩」と称されるように神仏習合によるものであったため、幕府や地方領主に保護され、祈祷寺として栄えた。
しかし、そのために檀家を持たなかったため、明治時代の廃仏毀釈でほとんどの寺院が神社に転向、あるいは消滅するなどし、急速に数を減らした。また、福岡県の梅岳寺のように、領主によって明治以前に改名された寺院もある。
現在は、残存した寺院の住職の努力で再興されている。
神宮寺とその神社の関係は様々で、どちらが主体だったかなど一概には言えない。上賀茂神社のように、神社の従属下に小規模な仏堂がわずかにあり、神宮寺と称した場合もあれば、日光東照宮のように、大社だが、寺院・僧侶(輪王寺)がその運営を完全に掌握した場合もある。根来寺のように起源は神宮寺として創建されたものの、神宮寺としての役割はほとんど消滅したと考えられる事例もある。清荒神、門戸厄神や高尾山薬王院のように、かつては寺院・僧侶がその運営を完全に掌握したが、明治期の神仏分離を経た現在も荒神や飯縄権現といった神祇を祀る神社が中心である場合もある。
神社と神宮寺のどちらが主体かは断言できないが、神祇のための寺院という神宮寺本来の役割を考えれば、神社なしの神宮寺はありえないため、宗教施設としては神社が中心といえる(神社がなければ神宮寺と称する必要がない。)。逆に寺院のための神社の場合は、鎮守社という(この場合、寺院あっての神社であり、寺院なしの鎮守社はありえない)。
神宮寺の一覧
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関東地方
神宮寺 – 茨城県稲敷市の天台宗の寺院。山号は補陀落山。
神宮寺 – 茨城県古河市の真言宗豊山派の寺院。山号は真龍山。
神宮寺 – 千葉県船橋市の真言宗豊山派の寺院。山号は醫王山。
神宮寺 – 千葉県白井市の天台宗の寺院。
神宮寺 – 千葉県香取郡神崎町の真言宗智山派の寺院。山号は妙法山。
中部地方
神宮寺 – 新潟県上越市の曹洞宗の寺院。山号は天照山。
神宮寺 – 新潟県十日町市の曹洞宗の寺院。山号は臨泉山。
若狭神宮寺 – 福井県小浜市の天台宗の寺院。山号は霊応山。若狭彦神社上社の南に位置する。
神宮寺 – 長野県松本市浅間温泉の臨済宗妙心寺派の寺院。山号は医王山。浅間宮の神宮寺。
神宮寺 – 長野県松本市会田の天台宗の寺院。
兎川寺 – 長野県松本市の真言宗智山派の寺院。須々岐水神社の神宮寺。
神宮寺 – 長野県佐久市の真言宗智山派の寺院。
神宮寺 – 長野県北佐久郡軽井沢町の真言宗智山派の寺院。
神宮寺 – 静岡県湖西市の臨済宗方広寺派の寺院。山号は白翁山。
神宮寺 – 愛知県名古屋市昭和区の真言宗豊山派の寺院。山号は醫王山。
神宮寺 – 愛知県豊橋市の天台宗の寺院。山号は白雲山。
近畿地方
三重県
神宮寺 – 三重県鈴鹿市稲生西二丁目の高野山真言宗の寺院。山院号は福満山慈心院。本尊は薬師如来。伊奈冨神社の神宮寺。
神宮寺 – 三重県松阪市嬉野森本町(一志郡嬉野町森本)の曹洞宗の寺院。山号は東光山。本尊は薬師如来、勢州七福神の毘沙門天。[1]
敎王山神宮寺寶金剛院 – 三重県伊勢市岡本
神宮寺(丹生大師、丹生大師神宮寺) – 三重県多気郡多気町丹生の真言宗山階派の寺院。正式名称は丹生山神宮寺成就院。[2]
滋賀県
神宮寺(草津神宮寺) – 滋賀県草津市草津の天台宗の寺院。立木神社の別当寺。山院号は景雲山正行院。[3]
勝軍山 舎那院 新放生寺 – 滋賀県長浜市の真言宗豊山派の寺院。長浜八幡宮の神宮寺。
神宮禅院(跡、根本神宮寺) – 比叡山、八王子山(牛尾山)の牛尾神社(八王子権現)附近。[4]
京都府
- 成相山(世野山)成相寺 – 京都府宮津市の真言宗単立の寺院。籠神社の神宮寺。
観慶寺(祇園寺) – 感神院祇園社の神宮寺・別当寺と見做される。定額寺。現在は廃寺。祇園社の牛頭天王神像は中仙寺に移動。
- 薬師堂・観音堂 – 現在は廃寺。施設・仏像などは龍池山 大雲院(祇園閣・銅閣)、引接山極樂院 大蓮寺(薬師如来、夜叉明王、十一面観音)など周辺の寺院に散逸。
大阪府
- 護法山神宮寺(護法山神宮禪寺) – 大阪府八尾市服部川の臨済宗妙心寺派の寺院。
- 西向山神宮寺 – 大阪府八尾市神宮寺五丁目の融通念仏宗の仏教寺院。常世岐姫神社(八王子神社)の付近。
天川山(神宮寺)感応院 – 大阪府八尾市恩智中町の高野山真言宗の寺院。恩智神社の神宮寺。- 大悲山 願成就寺 慈眼院 – 大阪府泉佐野市の真言宗の寺院。日根神社の神宮寺。
奈良県
興福寺 – 奈良県奈良市の法相宗の寺院。藤原氏の氏寺。春日大社の神宮寺。
平等寺 – 奈良県桜井市の曹洞宗の寺院。山号は三輪山。
兵庫県
神宮寺 – 兵庫県南あわじ市阿万上町の高野山真言宗の寺院。亀岡八幡神社の付近。
神宮寺 – 兵庫県南あわじ市沼島。沼島八幡神社の付近。[5]
四国地方
神宮寺 – 徳島県名西郡神山町神領西上角438。上一宮大粟神社に隣接。
神宮寺 – 徳島県阿南市新野町宮ノ北の高野山真言宗の寺院。山号は大轟山。新四国曼荼羅霊場第83番。轟神社に隣接。
神宮寺 – 徳島県美馬郡つるぎ町半田東久保の真言宗御室派の寺院。新四国曼荼羅霊場第69番。建神社の南に位置する。
香川県東かがわ市中筋の醫王山虛空藏院與田寺(醫王山藥王寺藥師院)の旧寺号。
中国地方
神宮寺 – 島根県出雲市の曹洞宗の寺院。山号は天一山。日御碕神社の神宮寺。
神宮寺 – 島根県出雲市。観音堂・稲荷社のみ残る。宇美神社の神宮寺。
神宮寺 – 岡山県井原市の天台寺門宗の寺院。
神遊山神宮寺遍照院 – 足高神社の神宮寺
神宮寺 – 広島県尾道市の真言宗の寺院。山号は金亀山。
神宮寺 – 広島県福山市の真言宗大覚寺派の寺院。
神宮寺 – 広島県府中市の真言宗の寺院。南宮神社の別当寺。通称あじさい寺。
九州・沖縄地方
花谷山神宮寺、立花山養孝院 – 現在の立花山梅嶽寺。福岡県糟屋郡新宮町立花にある禅宗の寺院
花谷山神宮寺、梅岳寺孝養院 – 現在の梅嶽山福嚴寺。福岡県柳川市奥州町にある禅宗の寺院
神宮寺 – 佐賀県杵島郡大町町の高野山真言宗の寺院。山号は醫王山。
神宮寺 – 大分県国東市の天台宗の寺院。山号は大嶽山。
神宮寺 – 沖縄県宜野湾市の東寺真言宗の寺院。山号は普天間山。
姑射山神応寺 – 沖縄県那覇市繁多川4-1-43にあった真言宗の寺院[6]。識名宮の別当寺
地名
- 大阪府交野市神宮寺。廃寺に因む。[7]
脚注
^ 公式
^ 公式
^ [1]
^ 最澄の生涯(天台宗)
^ 神社庁、淡路島観光ガイド
^ 神応寺址
^ 交野市