日本経済団体連合会


























































日本経済団体連合会
Japan Business Federation

経団連会館
経団連会館
団体種類
一般社団法人
設立
1961年6月29日
所在地
東京都千代田区大手町一丁目3番2号 経団連会館
北緯35度41分19.2秒 東経139度45分48.6秒 / 北緯35.688667度 東経139.763500度 / 35.688667; 139.763500座標: 北緯35度41分19.2秒 東経139度45分48.6秒 / 北緯35.688667度 東経139.763500度 / 35.688667; 139.763500
法人番号
1010005018440
起源
経済団体連合会、日本経営者団体連盟
主要人物
会長 中西宏明
活動地域
日本の旗 日本
主眼
日本経済の発展を促進
活動内容
経済法制、金融資本市場の整備
収入
62億円(2008年度)[1]
*会費収入 52億円
*事業収入 9億円(会議室利用料等)
*その他収入 1億円
会員数
企業会員:1,336社
団体会員:156
特別会員:32
(2016年3月31日現在)
ウェブサイト
http://www.keidanren.or.jp/
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旧経団連会館(現存せず)


一般社団法人日本経済団体連合会(にっぽんけいざいだんたいれんごうかい、英語: Japan Business Federation)は、日本の大手企業を中心に構成される団体。「財界総本山」とも称される[2]。日本商工会議所、経済同友会と並ぶ「経済三団体」の一つで、三団体の中でもその影響力は際立って大きい[2]。以前は経済産業省所管の社団法人であったが、公益法人制度改革に伴い内閣府所管の一般社団法人へ移行した。




目次






  • 1 組織概要


    • 1.1 日経連と経団連


    • 1.2 入会資格




  • 2 人事一覧


    • 2.1 会長・副会長・理事・監事・審議員会議長・副議長


    • 2.2 名誉会長


    • 2.3 旧経団連・旧日経連における歴代会長


    • 2.4 日本経済団体連合会歴代会長


    • 2.5 歴代評議員会議長〔審議員会議長〕




  • 3 旧経済団体連合会の略歴


  • 4 近年の動き


    • 4.1 事件など


    • 4.2 推進する政策・主張


      • 4.2.1 財政・金融政策


      • 4.2.2 通商・市場政策


      • 4.2.3 労働政策


      • 4.2.4 社会保障政策


      • 4.2.5 国家体制


      • 4.2.6 エネルギー政策




    • 4.3 政治への働きかけ


      • 4.3.1 経団連による「政策評価」と会員企業の政治献金






  • 5 書籍


  • 6 脚注


  • 7 関連項目


  • 8 外部リンク


    • 8.1 関連組織







組織概要


2002年5月28日、経済団体連合会(以下「経団連」。1946年8月16日発足)が日本経営者団体連盟(以下「日経連」。1948年4月12日発足)を統合して、発足した総合経済団体[3]。組織の略称は経済団体連合会時代に引き続き「経団連」を使用しているが、経済団体連合会との区別のため「日本経団連」とする場合もある。


「企業の価値創造力強化、日本と世界の経済の発展の促進」を目的としている[3]。経営者の意見の取りまとめ、政治・行政・労働組合・市民などとの対話、会員企業への憲章遵守の働きかけ、各国政府・経済団体や国際機関との対話をしている[3]


東証第一部上場企業をはじめ、日本経済の有力企業が多く加盟しているため、その利害が社会問題に対する見解や主張に反映されている。「経団連成長戦略」などの経済発展、企業利益増加を図る政策を提言を行っていて、自由民主党に政治献金を行い、政界・経済界に大きな影響力を持った組織と言われている。経団連の事務局職員は官僚になぞらえて「民僚」と呼ばれ[4]、会長が出身企業から連れてくる政策担当スタッフと共に、会長の記者会見の想定問答や政策提言の文案の作成などの事務作業を一手に引き受ける。



日経連と経団連


もともと、経団連は日本の経済政策に対する財界からの提言及び発言力の確保を目的として結成された組織であり、日経連は労働問題を大企業経営者の立場から議論・提言する目的で結成された組織であって健全な労使関係を哲学としていた。加盟企業のほとんどが両者で重複しており、日経連は労使間の対立の収束とともに役割を終えつつあるとの理由から統合された。



入会資格



  1. 経団連の事業に賛同し、「企業行動憲章」の精神を尊重・実践すること

  2. 経済事業を営む法人で、事業内容等が当会会員として相応しく、社会的に有用な商品・サービスを継続的に開発・提供していること

  3. 純資産額(単体)が1億円以上であること[5]

  4. 3期以上連続して当期純損失を計上していないこと

  5. 財務諸表に関する公認会計士等の監査報告書が適正意見であること(または、同等の内容が確保されていること)

  6. リスク管理体制・内部統制システムが導入・整備されていること

  7. 過去3年間において重大な不祥事の発生がないこと



人事一覧


経団連首脳(会長・副会長)には共通点があり、全員が60歳以上の日本人男性で、サラリーマンとして経営トップに上り詰めた「生え抜き」経営者である[6]



会長・副会長・理事・監事・審議員会議長・副議長


会長については「日本の中心となる産業」の「中心となる企業」のリーダー(社長・会長・相談役)から選ばれる傾向にあり、歴代会長は原則として製造業のトップが就くという暗黙のルール[6]がある。また「会長としての適性」、「会長活動に必要な資金を企業が捻出できるか」などを判断の上で決定される。会長は俗に財界総理[7]財界天皇[要出典]とも呼ばれる。かつては日本の民間人としては唯一、警視庁のセキュリティポリスから身辺警護を受けていた。会長は後任や副会長を選ぶ事実上の権限を持つ[6]。なお、経団連会長職はかなり多忙な役職であるため、歴代の多くの会長は就任時に出身企業の会長(もしくはそれに類する役職)に就任し、出身企業の経営自体は社長など後任に任せているケースが多い。


副会長については、各産業(製造業・非製造業)のバランスを考えて選ばれる。現職副会長から次期会長を選ぶのが慣例である[6][8]


また、審議員会議長(旧評議員会議長)は経団連におけるいわゆるナンバー2のポストとされ、主に非製造業のトップが務める。































































































































日本経済団体連合会 [9][10]
役職 氏名 所属
会長・代表理事 中西宏明
日立製作所会長
副会長・理事 岡本圀衞
日本生命保険相談役
永易克典
三菱UFJ銀行特別顧問
宮永俊一
三菱重工業社長
十倉雅和
住友化学社長
飯島彰己
三井物産会長
工藤泰三
日本郵船会長
岡本毅
東京ガス取締役相談役
小林健
三菱商事会長
石塚邦雄
三越伊勢丹ホールディングス特別顧問
國部毅
三井住友フィナンシャルグループ社長
山内隆司
大成建設会長
進藤孝生
新日鐵住金社長
山西健一郎
三菱電機取締役相談役
早川茂
トヨタ自動車副会長
隅修三
東京海上ホールディングス会長
冨田哲郎
東日本旅客鉄道会長
片野坂真哉
ANAホールディングス社長
杉森務
JXTGエネルギー社長
事務総長・代表理事 久保田政一
専務理事・業務を執行する理事 椋田哲史
根本勝則
常務理事・業務を執行する理事
藤原清明
井上隆
監事 内田晴康
土岐敦司
顧問・参与 中村芳夫

































































































日本経済団体連合会 [11]
役職 氏名 所属
審議員会議長 古賀信行
野村ホールディングス会長
副議長 高橋恭平
昭和電工相談役
鈴木茂晴
大和証券グループ本社顧問
江頭敏明
三井住友海上火災保険常任顧問
岡藤正広
伊藤忠商事会長
渡邉光一郎
第一生命ホールディングス会長
吉田晴乃
BTジャパン社長
浅野邦子
箔一会長
泉谷直木
アサヒグループホールディングス会長
長榮周作
パナソニック会長
中村邦晴
住友商事会長
佐藤康博
みずほフィナンシャルグループ会長
遠藤信博
日本電気会長
小堀秀毅
旭化成社長
根岸修史
積水化学工業会長
斎藤保
IHI会長
篠原弘道

日本電信電話副会長
菰田正信
三井不動産社長
畑中好彦
アステラス製薬会長
井阪隆一
セブン&アイ・ホールディングス社長
新浪剛史
サントリーホールディングス社長



(2018年5月31日現在)



名誉会長


  • 歴代会長が就任している。


































日本経済団体連合会 [12]
名誉会長 所属企業
豊田章一郎 トヨタ自動車名誉会長
今井敬 新日鐵住金名誉会長
奥田碩 トヨタ自動車相談役
御手洗冨士夫 キヤノン会長兼社長
米倉弘昌 住友化学相談役

榊原定征
東レ相談役

(2018年5月31日現在)



旧経団連・旧日経連における歴代会長







































































旧経済団体連合会
代数 歴代会長 所属企業 在任期間
初代 石川一郎 日産化学工業
1948年3月~1956年2月
2代 石坂泰三 東京芝浦電気 1956年2月~1968年5月
3代 植村甲午郎 経団連事務局 1968年5月~1974年5月
4代 土光敏夫 東京芝浦電気 1974年5月~1980年5月
5代 稲山嘉寛 新日本製鐵 1980年5月~1986年5月
6代 斎藤英四郎 新日本製鐵 1986年5月~1990年12月
7代 平岩外四 東京電力 1990年12月~1994年5月
8代 豊田章一郎 トヨタ自動車 1994年5月~1998年5月
9代 今井敬 新日本製鐵 1998年5月~2002年5月



































































旧日本経営者団体連盟
代数 歴代会長(代表常任幹事) 所属企業 在任期間
初代 諸井貫一 秩父セメント 1948年3月~1968年4月
2代 三鬼隆 八幡製鐵 1949年4月~1952年4月
3代 加藤正人 大和紡績 1949年4月~1963年8月
4代 櫻田武 日清紡績 1960年4月~1979年5月
5代 大槻文平 三菱鉱業セメント 1979年5月~1987年5月
6代 鈴木永二 三菱化成 1987年5月~1991年5月
7代 永野健 三菱マテリアル 1991年5月~1995年5月
8代 根本二郎 日本郵船 1995年5月~1999年5月
9代 奥田碩 トヨタ自動車 1999年5月~2002年5月

※初代の諸井貫一から3代目加藤正人までは『代表常任幹事』制を採用。
4代目の櫻田武から単独会長制に移行。




日本経済団体連合会歴代会長











































日本経済団体連合会
代数 歴代会長 所属企業 在任期間
初代 奥田碩 トヨタ自動車 2002年5月~2006年5月
2代 御手洗冨士夫 キヤノン 2006年5月~2010年5月
3代 米倉弘昌 住友化学 2010年5月~2014年6月
4代 榊原定征 東レ 2014年6月〜2018年5月
5代 中西宏明 日立製作所 2018年5月〜


歴代評議員会議長〔審議員会議長〕


  • 評議員会議長〔審議員会議長〕は経団連におけるいわゆるナンバー2のポストとされる。




















































































旧・経済団体連合会 [13]
代数 歴代評議員会議長 所属企業 在任期間
初代 斯波孝四郎 日本海事協会
1946年8月16日 - 1948年3月16日
2代 高橋龍太郎 日本商工会議所 1948年3月16日 - 1952年3月27日
3代 石坂泰三 東京芝浦電気 1952年3月27日 - 1956年2月21日
4代 菅礼之助 東京電力 1956年5月24日 - 1968年5月24日
5代 佐藤喜一郎 三井銀行 1968年5月24日 - 1974年5月24日
6代 河野文彦 三菱重工業 1974年5月24日 - 1980年5月23日
7代 岩佐凱実 富士銀行 1980年5月23日 - 1986年5月28日
8代 山下勇 三井造船 1986年5月28日 - 1990年12月21日
9代 松澤卓二 富士銀行 1990年12月21日 - 1994年5月27日
10代 齋藤裕 新日本製鐵 1994年5月27日 - 1998年5月26日
11代 関本忠弘 日本電気 1998年5月26日 - 1998年10月23日
12代 那須翔 東京電力 1999年5月25日 - 2002年5月28日























































日本経済団体連合会 [13]
代数 歴代評議員会議長〔審議員会議長〕 所属企業 在任期間
初代 那須翔 東京電力 2002年5月28日 - 2002年9月9日
2代 森下洋一 松下電器産業
2003年5月27日 - 2006年5月24日
3代 西室泰三 東芝 2006年5月24日 - 2008年5月28日
4代 米倉弘昌 住友化学 2008年5月28日 - 2010年5月27日
5代 渡文明 JXホールディングス 2010年5月27日 - 2014年6月3日
6代 岩沙弘道 三井不動産 2014年6月3日 -2018年5月31日
7代 古賀信行 野村ホールディングス 2018年5月31日 -
※2012年4月より、審議員会議長。


旧経済団体連合会の略歴




  • 1922年(大正11年)8月 日本経済聯盟会(経済聯盟)結成。[14]


  • 1940年(昭和15年)8月 戦時統制のため、日本経済聯盟が中心となって、重要産業統制団体懇談会を設立。


  • 1941年(昭和16年)1月 懇談会、重要産業統制団体協議会(重産協)に改称。


  • 1942年(昭和17年)6月 重産協、重要産業協議会に改称。略称は変わらず。


  • 1943年(昭和18年)6月 当時の内閣総理大臣東條英機や商工大臣岸信介らが提出した法案により商工経済会法が成立し、日本商工経済会と47都道府県単位の商工経済会が発足。同法により日本商工会議所は権利義務を日本商工経済会に承継し清算(解散)となった。商工会議所が都市単位で置かれていたのとは異なり、商工経済会は一府県に一つ置かれ、商工経済会が会員に対し経費を賦課し、市町村による徴税と同様に賦課金を徴収することが承認された[15]


  • 1945年(昭和20年)9月 敗戦後、日本経済聯盟会・重産協・日本商工経済会商工組合中央会によって、経済団体連合委員会を結成。


  • 1946年(昭和21年)1月 当時の内閣総理大臣吉田茂らは18日、GHQ覚書に基づき商工経済会の廃止法案を提出。


  • 1946年(昭和21年) 日本商工経済会国際局が国際経済事情叢書を発行[16]


  • 1946年(昭和21年)8月 重産協を継承して、日本産業協議会(日産協)設立。


  • 1946年(昭和21年)8月 日本経済聯盟会・日産協・日本商工経済会・商工組合中央会・全国金融団体協議会・日本貿易団体協議会が中心となって経済団体連合会設立(日本経済聯盟会が解散)。


  • 1946年(昭和21年)9月 帝国議会は5日「商工経済会法を廃止する法律」を可決し日本商工経済会を解散。


  • 1947年(昭和22年)8月 日本貿易会を傘下とする[17]


  • 1952年(昭和28年)11月 経済団体連合会が日本産業協議会を合併。



近年の動き



事件など




  • 2005年6月に発覚した橋梁談合事件によって、経団連からは三菱重工と新日本製鐵(新日鉄)が起訴処分となった。それを受けて、経団連内では西岡喬(三菱重工会長)と三村明夫(新日鉄社長)との処分を如何にするかで難航。結局、更迭等の処分にはせず「謝罪」にて事態を収めたが、これは以下の要因が役員の政策決定の場に影響を与え結果的に「軽い処分」となったものと考えられる。

    1. 現職役員が所属する社の刑事処分は過去にも例があること。

    2. 新日鉄の三村、三菱重工の西岡とも社の談合関与を率直に認め経団連の定例会見でもその旨、説明責任を果たしたと認められたこと。

    3. 三村は最年少副会長であると同時に次代の会長候補であり、その芽を摘むことは避けたかったとの思惑があったこと。



  • 2005年12月5日にライブドアの経団連入会を全会一致で承認した。だが2006年1月16日にライブドアが東京地検に証券取引法違反容疑(ライブドア事件)で家宅捜索を受けたのを受け、時の会長・奥田碩はライブドア入会は時期尚早過ぎたと発言し今後は経団連入会について基準見直しを行う意向を示した。


  • 2008年6月11日午後、東京・大手町の経団連会館受付に40歳くらいの男から爆破予告の電話があり職員30名ほどが自主的に館内から一時避難した。しかし、館内を警視庁丸ノ内署が捜索したが爆発物は発見できず。又、午後3時の爆破予告時刻を過ぎても異常はなかったため悪質ないたずらと見られる。


  • 2009年1月6日、JMIUいすゞ自動車支部など8つの労働組合が会長・御手洗あての公開質問状を経団連側に提出したが、「アポイントがない」として受け取りを拒否した[18]



推進する政策・主張



財政・金融政策




  • 法人税の税率を30%前後の水準に、2011年度までに消費税を7%(提言時は5%)程度まで引き上げ[19]
    • 家電メーカーを中心に最終赤字が続出している状況で、経済活性化の為に消費税増税(を含む社会保障改革)と法人税の減税を主張しており[19]、2012年8月11日には実際に「社会保障と税の一体改革関連法案」が成立している。



  • 環境税には反対していたが、2012年10月1日から実施が決まっている[20]。道路特定財源に関しては暫定税率の引き下げを求めており[21]、高速道路の整備などが縮小された分の還元が必要だとしている。2009年以降、 民主党はマニフェストに沿って暫定税率の廃止を目指したが(ガソリン値下げ隊)、失敗に終わっている。


  • 公務員制度改革、行政改革、歳出改革[19]



通商・市場政策




  • 三角合併の柔軟化に対し、規制を強化すべきとの提言を行った[22]

  • 戦略的な事業再編を機動的に行うことができるよう、企業結合に関する独占禁止法上の審査手続・審査基準の適正化を求めている[23]


  • 自由貿易協定・経済連携協定の推進[19]。米国・ASEAN・インド・韓国・オーストラリア・ニュージーランドとのEPA締結[19]。米国・湾岸協力会議(GCC)・中南米とのFTA締結[19]。APEC諸国とのFTA交渉着手[19]



労働政策




  • 1995年、当時の日経連が「新時代の『日本的経営』 ―挑戦すべき方向とその具体策」の中で労働者を長期蓄積能力型、高度専門能力活用型、雇用柔軟型の3グループに分けるべきと提言。そのうちの高度専門能力活用型と雇用柔軟型の2つが、非正規雇用の温床になるという批判がよくなされる[24]

  • 2005年6月21日、 ホワイトカラーエグゼンプション(労働時間規制適用免除制度)の実現を促す提言を行い、2007年9月11日には厚生労働大臣の舛添要一がそれを「家庭だんらん法」と呼んで導入を図った。しかし、「残業代ゼロ法案」と揶揄され国会にも提出されていない。スキル向上のために手当なし・休日返上で出勤したいような若者はこの法案の対象の年収900万円以上である可能性はほとんどないなど、提案理由が不透明だと言える。ちなみに、残業禁止のドイツ・オランダはワークシェアリング(パートタイム経済)で失業率を抑制している。

  • 2009年10月5日、金融・郵政改革担当大臣の亀井静香は、東京都内で行われた講演会で、「日本で家族間の殺人事件が増えているのは、(大企業が)日本型経営を捨てて、人間を人間として扱わなくなったからだ」と述べ、時の会長・御手洗冨士夫に「そのことに責任を感じなさい」と言ったというエピソードを紹介した。御手洗は「私どもの責任ですか」と答えたという[25][26]。「ため込んだ内部留保をそのままにしといて、リストラをやっている。人間を人間扱いしないで、自分たちが利益を得る道具として扱っている」「昔の大企業は苦しい時に内部留保を取り崩して下請けや孫請けに回した。今はリストラだけをしている」とも述べ、派遣契約解除問題を批判している[27]。しかし、製造業派遣の全面禁止などが雇用情勢の悪化や工場の海外移転を促進するという観点から、民主党政権はマニフェストを撤回し2012年3月に改正派遣法が成立している[28]

  • 2008年10月14日、「人口減少に対応した経済社会のあり方」[29]と題する報告書を発表、従前の移民受け入れ政策を改めて強調している。



社会保障政策




  • 社会保障番号の導入[19]

  • 公的年金一元化、税と年金保険料の徴収一元化[19]


  • 少子化対策[19]


  • 教育再生[19]



国家体制




  • 憲法改正[19]


  • 道州制の導入。10程度の道州に再編[30]



エネルギー政策






設立当初から、東芝(傘下にウェスティングハウス・エレクトリック)、日立(関連企業にGE日立ニュークリア・エナジー)、三菱重工業など原子力プラントに技術力をもつ企業や日本の主要電力会社(東京電力、中部電力など)が経団連に参加している。
こうしたことから経団連のエネルギー・原子力に関する政策や政府への要望は単なる電力・原子力産業に対する配慮を超えての利益誘導[独自研究?]ではないかとの批判がある。
3.11の東日本大震災以降、エネルギー政策の見直しや脱原発運動が高まる中、経団連内部においても再生可能エネルギーの普及を推進するソフトバンクや、電力会社のあり方に疑問を呈する楽天など一部の会員企業から経団連の原子力推進姿勢の堅持に対して内部批判を受けたが、現執行部は少数意見だとしている。


なお、楽天は2004年に加盟したが、経団連が発送電分離や独占自由化に対して後ろ向きであることが原因で[31]、2011年6月に退会した[32]


経団連の原発政策に関するスタンス



  • 2011年、3.11震災後のまだ福島事故が収束には程遠い中で7月14日には早くも、エネルギー政策に関する第1次提言を表明し、「原子力については、定期点検終了後も停止したままとなっている発電所を、速やかに再稼働させることが何よりも重要である。」と述べて、いち早く再稼動に向けたアクションを取るように働きかけを行った。

  • 2012年7月27日には民主党政府のエネルギー中長期政策について、「エネルギー・環境に関する選択肢」に関する意見を表明。政府の示す原発比率、0%、15%、20-25%のいづれに対しても反対し、25%という政府の上限の案に対してすら容認しないとの脱原発政策への強烈な批判[要出典]を行った(ただし、この政府の25%案は原発事故前の比率の維持ではなく、原発比率はそのままでも再生可能エネルギーの割合を増やす案であり、事故前より発電のコスト(電気料金)が上がってしまう)。また、7月30日には会長の米倉弘昌が国家戦略会議の閣僚に対して直談判し、古川元久国家戦略相が「原発に依存しない社会を目指す大きな方向性を示したものだ」と説明しても納得せず、会長は「脱原発のために再生戦略を進めるのは本末転倒だ」と反論し、民主党政権に対して反対した。

  • 上記の7月30日の国家戦略会議に関して、米倉は政府が経済成長を1%と過小評価した上で原発比率を算定していることに「日本再生戦略」というテーマと矛盾するという趣旨の発言をしている[33]

  • さらに同年9月14日に民主党政府が「30年代の原発稼働ゼロ」を掲げるエネルギー戦略を決定したことについて、米倉は野田に電話で直接抗議し『到底承服しかねる』と激しく批判した[34][要出典]

  • 原発再稼働には国内のみならず国外からも非難の声が上がっている。



政治への働きかけ




  • 1954年に造船疑獄事件が政財界を揺るがす大事件を中心になったこと、東西冷戦構造の中、経営者は資本主義体制を支える政党をする必要があったことから、経団連が献金を取りまとめる「経団連方式」の政治献金が開始された。「経団連方式」とは、経団連が総額を決めた上で企業に負担能力に応じた献金額を割り振る方法であり、ほぼ100%の会員企業が斡旋の呼びかけに応じていた。毎年、自民党本部に100億円以上、民社党に10億円程度寄付していた[35]経団連は自民党への献金を「自由主義維持の為のコスト」と称し[要出典]、また経団連は「自民党の金庫」と呼ばれた[36]


  • 1955年に造船疑獄事件の反省から経済人が経済再建懇談会を結成し、事務を経団連総務部長の花村仁八郎、同次長の久保田富雄が担当した。1959年に安保闘争に対抗して政財界や中小企業、文化人、婦人・青年団体等の代表者が自由国民連合を結成したが、両者は1961年に合併し、国民協会(後に国民政治協会に改称)が発足した。経団連は国民協会を支えてきたが、第10回参議院議員通常選挙の金権選挙批判やロッキード事件を受け、会長の土光敏夫は国民協会との関係を破棄した。国民政治協会への改称後、組織を建て直し1981年の協会創立20周年記念式典には会長の稲山嘉寛が招かれている。

  • 献金斡旋を1993年に一旦中止した。理由は、1988年に発覚したリクルート事件、ゼネコン疑獄などの汚職が大問題となり、国民からの批判が高まったこと、バブル崩壊で各企業の売り上げにばらつきが出て業界ごとの献金調整が破たんしたことだと一般に言われているが、55年体制の終焉で保守が並び立つようになったという時代背景も影響している[35]。中止以降は自民党の政治資金団体である、前述の国民政治協会が直接、業界や企業に献金を要請していたが、企業・団体の献金は2002年には26億円と、かつてより大幅に減少した。


  • 2004年には企業への献金の斡旋を再開した。「経団連方式」とは違い、冷戦終結後の政治状況の中、「優先政策事項」に対して自民党と他の野党をそれぞれ評価し、各企業の「自発的な」献金を促進する方式にした(#政策評価も参照)[35]。2004年度の会員企業の政治献金は自民党向けが22億2000万円、民主党向けが6000万円。両党以外の他党への献金は無かった[37]

  • 以前は自民党だけでなく野党第一党の民主党と勉強会・懇談会を開催するなど、特定政党への偏りをなくすため「幅広い政党支持」を打ち出していたが、2005年の第44回衆議院議員総選挙では同年8月24日に自民党の単独支持を決めた。なお民主党との懇談会は支持母体の労働組合(連合)の影響もあり、2004年以来途絶えている。その後、民主党は経団連と距離を置く小沢一郎体制の下でさらに対決姿勢を強めており2007年の衆議院予算委員会の中で民主党の枝野幸男が、経団連会長・御手洗富士夫に偽装請負問題で参考人招致を要求した。また、2007年の勉強会・懇談会に小沢は欠席している。なお、2007年の秋の臨時国会において民主党を中心とした野党連合は偽装請負の実態解明のため経団連会長の御手洗に再度参考人招致を要求する事を決定した[要出典]


  • 2010年3月8日に、経団連としての会員企業へ政治献金の斡旋を取りやめ、献金は各企業ごとの自主的判断に任せる旨の声明を出した一方で、アメリカ合衆国などを参考に、個人献金の拡大策を検討し、政府に働きかける意向を示した[38]

  • しかし2014年9月8日、経団連は再び政策評価に基づく会員企業への政治献金の呼びかけを再開すると発表した。米倉弘昌会長による安倍晋三の金融緩和政策批判を機に政府自民党と経団連の関係が悪化しており、経団連会長の指定席だった経済財政諮問会議の議員ポストを剥奪されるなど冷遇を受けていたため、自民党への金銭支援をテコに関係回復と影響力強化を図るものと見られている。経団連側から献金呼びかけ再開について伝えられた政府は、榊原定征会長を経済財政諮問会議の議員として登用することを決定した[39][40]



経団連による「政策評価」と会員企業の政治献金


経団連は、会員企業が政治献金を行う際の政策評価基準となる「政策評価」を年度毎に発表している。税財政など複数の項目に対し最も評価が高い「A」から最も評価が低い「E」まで、アルファベットでランク分けされているのが特徴である。以前は共産党などの少数政党の評価もしていたが、最近は自民党と民主党の評価のみを発表している(共産党は財界団体が政党を比較評価すること自体を非難し、財界が金で与党を支配している実態があらわになったものだと主張している)。


2007年度の政策評価は自民党は去年と代わらず高い水準だったが民主党への評価は6項目で評価が下がるなど、大幅ダウンとなった。特に民主党の雇用、労働政策には「ホワイトカラーエグゼンプションに絶対反対の立場をとっており、労働者の均等待遇原則や有期契約の規制強化等を盛り込んでいる」と激しく批判しており評価も「D」という低いものだった[41]


また、2007年2月23日に行われた衆議院予算委員会の中で共産党の佐々木憲昭は、経団連が自民党に対し2004年に22.6億円、2005年の25億円の政治献金をしていると述べ自民党に対する政策評価表の中にある「A」の数と献金額が比例して増えている事から「経団連の言いなりになればなるほど献金額が増えている」「官邸が経団連に直接支配されている」と批判している[42]


元民主党代表の岡田克也も、「政策の合致度によって、献金額を決めるのは贈収賄の問題になりかねない、かなりきわどい問題だ」「経団連という1つの経済界の団体が、そういう形で各企業の政党に対する献金について、いわば介入をするというやり方が、決して良いとは思わない」と批判している[43][44]


2010年3月8日、この“政策評価に基づく献金”を取り止め、各企業ごとの自主的判断に任せる旨の声明を出した一方で、アメリカ合衆国などを参考に、個人献金の拡大策を検討し、政府に働きかける意向を示した[38]。しかし前述の通り、2014年9月に再び政策評価に基づく献金を再開すると発表した。



書籍



  • 日本経済団体連合会 『希望の国、日本 : ビジョン2007』 日本経団連出版、2007年。ISBN 9784818526105。http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2007/vision.html 


脚注


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  1. ^ 2008年度収支計算書 (社)日本経済団体連合会 上位URL=日本経団連:業務・財務等に関する資料 2010-05-21閲覧

  2. ^ ab『解剖財界1』読売新聞2018年10月24日付朝刊経済面

  3. ^ abc経団連とは


  4. ^ 『解剖財界5』読売新聞2018年10月30日付朝刊経済面


  5. ^ https://www.iza.ne.jp/kiji/economy/news/181105/ecn18110518300009-n1.html

  6. ^ abcd『財界解剖4』読売新聞2018年10月27日付朝刊経済面


  7. ^ “コトバンク - 財界総理”. 2018年7月31日閲覧。


  8. ^ 榊原定征は副会長を退任後に、財界の重鎮たちの説得により会長に就いた。


  9. ^ “一般社団法人 日本経済団体連合会 会長・副会長 経団連について 一般社団法人 日本経済団体連合会 - Keidanren”. 日本経済団体連合会 (2017年7月1日). 2017年9月28日閲覧。


  10. ^ “一般社団法人 日本経済団体連合会 理事・監事 経団連について 一般社団法人 日本経済団体連合会 - Keidanren”. 日本経済団体連合会 (2017年5月31日). 2017年9月28日閲覧。


  11. ^ “一般社団法人 日本経済団体連合会 審議員会議長・副議長 経団連について 一般社団法人 日本経済団体連合会 - Keidanren” (2017年7月1日). 2017年9月28日閲覧。


  12. ^ 一般社団法人 日本経済団体連合会 名誉会長

  13. ^ ab経団連 歴代会長・評議員会議長


  14. ^ 国立国会図書館の『憲政資料・資料群中の図書・パンフレット一覧』中に、日本経済連盟会『大学及び專門学校卒業者就職問題に関する調査資料』(1929年12月、経済連盟調査彙報第1号)の旨の記載が見られる。


  15. ^ ウィキソースには、商工経済法(昭和18年3月11日法律第52号)の原文があります。


  16. ^ 日本商工経済会国際局「国際経済事情叢書」、1946年。


  17. ^ 日本興業銀行五十年史』、日本興業銀行、1957年。


  18. ^ 派遣切り:8労組が経団連に公開質問状 受け取りは拒否毎日jp

  19. ^ abcdefghijkl日本経済団体連合会 2007.


  20. ^ . http://www.nikkei.com/article/DGXNASDC12004_S2A910C1EA2000/ 


  21. ^ . http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2006/065/honbun.html 


  22. ^ “M&A法制の一層の整備を求める” (プレスリリース), 経団連, (2006年12月12日), http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2006/085.html 


  23. ^ “経団連:企業結合に関する独占禁止法上の審査手続・審査基準の適正化を求める” (プレスリリース), 経団連, (2010年10月19日), http://www.keidanren.or.jp/policy/2010/094.html 2012年10月16日閲覧。 


  24. ^ . http://hurec.bz/mt/archives/2006/08/002_199505.html 


  25. ^ . http://mainichi.jp/life/today/news/20091006k0000m020085000c.html 


  26. ^ 「甘えるな!経団連」 週刊朝日2009年10月30日号


  27. ^ . http://www.asahi.com/politics/update/1007/TKY200910060446.html 


  28. ^ . http://www.neoa.or.jp/topics/pdf/20120328.pdf 


  29. ^ 人口減少に対応した経済社会のあり方 2008年10月14日発表


  30. ^ 日本経済団体連合会 2007, pp. 65-67.


  31. ^ “楽天、経団連脱退を検討 「方向性違う」と三木谷社長”. 共同 . (2011年5月28日). http://www.47news.jp/CN/201105/CN2011052801000292.html 


  32. ^ “楽天・三木谷社長が経団連を退会~Twitterで公表”. InternetWatch. http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20110624_455737.html 


  33. ^ . http://www.shutoken-net.jp/index.php?option=com_content&view=article&id=3840:120730-03-nikkei&catid=45:others&Itemid=74 


  34. ^ “原発ゼロ方針 「承服できぬ」 米倉経団連会長”. 産経. http://www.sankeibiz.jp/business/news/120914/bsg1209140504003-n1.htm 

  35. ^ abc日本経団連が再び政治資金の寄付に関与する理由


  36. ^ 経団連が献金再開 安倍自民に流れる“汚れたカネ”30億円(日刊ゲンダイ 2014年9月10日配信) 2017年6月10日閲覧


  37. ^ 2004年8月24日付『産経新聞』

  38. ^ ab経団連、企業献金関与を取りやめ 個人拡大策を検討 共同通信 Archived 2013年5月14日, at the Wayback Machine.


  39. ^ “経団連、政治献金呼びかけ表明 政権支援強める”. 朝日新聞. (2014年9月8日). http://www.asahi.com/articles/ASG984H1SG98ULFA014.html 2014年9月29日閲覧。 


  40. ^ “【経団連、政治献金再開へ】政権接近へ切り札 癒着批判再燃も”. 共同通信. (2014年9月9日). http://www.47news.jp/47topics/e/256811.php 2014年9月29日閲覧。 


  41. ^ 2007年政策評価の発表にあたって 日本経団連


  42. ^ “衆議院予算委員会”. 第166回国会. (2007-02-23). http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/001816620070223014.htm 


  43. ^ 経団連の政策評価――民主党はDと言うならもっと説明を 岡田克也 公式ブログ


  44. ^ ただし、圧力団体の行動として政策によって行動が変化することは、圧力団体の目的から当然といえる。




関連項目



  • 法人税


  • 日本労働組合総連合会(連合)

  • 財界

  • 奉加帳方式

  • 映像産業振興機構

  • 経団連襲撃事件

  • 年次改革要望書

  • サンケイスカラシップ

  • 1%クラブ



外部リンク


  • 一般社団法人日本経済団体連合会


関連組織



  • 企業人政治フォーラム

  • 1%(ワンパーセント)クラブ

  • 自然保護協議会

  • (一社)日本経団連事業サービス

  • (一財)経済広報センター

  • (一財)環境対策推進財団

  • 日米経済協議会

  • (公社)企業市民協議会

  • ABAC日本支援協議会

  • (一財)人材開発センター

  • 経営法曹会議

  • ドクターヘリ普及促進懇談会









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