兪穴




兪穴(ゆけつ)は、




  1. 五行穴のひとつ。手首か手の甲、または足の甲にある。五行穴を見よ。

  2. 背部の脊椎棘突起下の正中線から骨度法で1寸5分のところにある経穴群。ここではこれについて説明する。



背部の兪穴


手足にある五行穴の兪穴と区別するために、背部兪穴ということもある。手足の12経(六臓六腑)に対応した兪穴があり、胸部または腹部にある募穴と表裏の関係にある。五臓六腑の兪穴は臓腑の名称の後に兪がついた名称になっている(肺兪、心兪など)が、心包の兪穴だけは厥陰兪という別の名前になっている。


兪の字は、▲、舟、刀の会意文字で、鋭くとがった刀で刳り抜いて作った丸木船である。刳り抜いて作るところから、「抜き取る」の意味が生まれ、病の元になる邪気を抜き取って癒す意味になった。



兪穴一覧



  • 肺兪穴


  • 厥陰兪穴(心包経の兪穴)

  • 心兪穴

  • 肝兪穴

  • 胆兪穴

  • 脾兪穴

  • 胃兪穴

  • 三焦兪穴

  • 腎兪穴

  • 大腸兪穴

  • 小腸兪穴

  • 膀胱兪穴


同じ線上にある、督兪穴、膈兪穴、関元兪穴、気海兪穴、中膂兪穴、白環兪穴は、兪の字がついてはいるが、兪穴ではない。


また、督脈の腰兪穴、小腸経の臑兪穴、肩外兪穴、肩中兪穴、腎経の肓兪穴、奇穴の巨闕兪穴は、兪の字がついてはいるが、兪穴ではない。



取穴について


それぞれの兪穴は、脊椎の頊突起をよりどころにして取穴する。しかしこの椎骨は、中国の古典では、第1椎・第2頭維……となっていて、頸椎・胸椎などの区別はない。


一般には、第1胸椎を第1椎骨として取穴するが、古典ではいちばん丈夫で目立つ椎骨を第1椎とすると書かれており、隆椎ともよばれる第7頸椎を第1椎とする方が自然である。


そのため、第3椎の棘突起下外側1寸5部と書いてある肺兪穴は、第3胸椎の下に取る人と、第2胸椎の下に取る人とに分かれる。







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