ビッグ・ベン
エリザベス塔(通称: ビッグ・ベン) | |
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情報 | |
用途 | 時計台 |
階数 | 11階 |
高さ | 96.3m |
着工 | 1843年 |
竣工 | 1859年4月10日 |
座標 | 北緯51度30分2.2秒 西経0度7分28.6秒 / 北緯51.500611度 西経0.124611度 / 51.500611; -0.124611座標: 北緯51度30分2.2秒 西経0度7分28.6秒 / 北緯51.500611度 西経0.124611度 / 51.500611; -0.124611 |
ビッグ・ベン (Big Ben) は、イギリスの首都ロンドンにあるウェストミンスター宮殿(英国国会議事堂)に付属する時計台の大時鐘の愛称。現在では、転じて時計台全体・大時計そのものの名称として使われている。
目次
1 時計台
2 大時計
2.1 構造
3 大時鐘
3.1 鐘の音
4 名称
5 メンテナンス
6 ギャラリー
7 出典
8 関連項目
9 外部リンク
時計台
1834年に焼失したウェストミンスター宮殿の再建には、チャールズ・バリーの設計したゴシック復興様式のものが採用された。そして、宮殿の設計責任者であるバリーは併設する時計台の設計をオーガスタス・ピュージンに依頼した。そのため時計台は初期のピュージンによる設計を髣髴とさせるものとなっている。
時計台の高さは96.3m。下部の61mは煉瓦造、残りの高さは鋳鉄の尖塔からなっている。時計の文字盤は地上55mに位置している。
地下鉄ジュビリー線の延伸などで地盤状態が建設時とは変化し、時計台はわずかに北西へ傾いている。傾斜度は約1/250、文字盤の位置でおよそ220mmほどである。また、熱の影響で一年かけて東西方向に数mmぶれる。
大時計
大時計の文字盤はピュージンによって設計された。直径7mの鉄枠に312個の乳白ガラスがステンドグラスのようにはめこまれ、文字盤の周囲には金めっきが施されている。それぞれの文字盤の下には金文字のラテン語で "DOMINE SALVAM FAC REGINAM NOSTRAM VICTORIAM PRIMAM" (主よ、我らが女王ヴィクトリアに御加護を)と刻まれている。
構造
ビッグ・ベンの時計を設計したのは、枢密院議員でアマチュア時計学者のエドマンド・ベケット・デニスンと、王室天文官のジョージ・ビドル・エアリーである。時計は1854年には完成していたが、時計台の完成は1859年4月10日であったため、その間にエドマンドが考案した二重三脚重力式脱進機が採用された[1]。この脱進機によって振り子と時計構造をうまく分離させることが可能となった。
振り子は風の影響を受けないよう時計部屋の真下にあり、振り子自体は長さ3.9m、重さ300kg、2秒ごとに時を刻む。構造全体では重さ5tになる。
大時鐘
ビッグ・ベンは、ウェストミンスター大時計の時計台で最も大きな鐘につけられている愛称である。1856年8月6日に鋳造された初代の鐘は時計台が完成する前にすでにウェストミンスター宮殿の庭まで運ばれていたが、運用前に修復できないほどのひびが入り、代わりの鐘が再鋳造されることとなった。新しい鐘の重さは13.5t、高さ2.2m、直径2.9m。
この鐘が初めて鳴らされたのは1859年7月11日である。しかしその9月、運用開始からわずか2か月で鐘の舌によるひびが入ってしまった。その後3年間は四半時鐘(15分鐘)のうちで最低音の鐘が時鐘を鳴らした。修繕ではより軽い舌を取り付け、ひびが広がらないようにひびの縁に四角い穴を開けた。さらに新しい舌が損傷のあった箇所を叩かないよう鐘の向きは1/8回転された。これが現在の大時鐘であり、以来このひびが鐘に独特の音色を与えている。
2009年7月11日には、初めて鐘を鳴らしてから150周年を迎え、壁に150周年の文字と鐘の絵がライトアップで描かれた。
鐘の音
毎日奏でられるビッグベンの鐘のメロディは、四つの音で奏でられる日本の学校でお馴染みのチャイムのメロディの基となったとされる。正式な曲名はウェストミンスターの鐘という。
このメロディは、イギリス議会による公式サイトよりダウンロードできる。
名称
「ビッグ・ベン」(Big Ben) という名称は、工事責任者で国会議員のベンジャミン・ホール卿(Sir Benjamin Hall, 1802年 - 1867年)の名にちなんで命名されたという説の他、当時のヘビーウェイト級のボクシングチャンピオンの名前から来ていると言う説など、その由来には複数の説がある。
2012年6月26日、庶民院(イギリス議会下院)の委員会において、英国女王エリザベス2世の在位60周年を機にビッグ・ベンがある時計塔の名称を「クロック・タワー」(Clock Tower) から「エリザベス・タワー」(Elizabeth Tower) に改称することが了承された[2]。
メンテナンス
毎年夏時間と冬時間を切り替える際に時計を止めて、部品の補修・交換、鐘の調律などを行う。
2017年8月21日に開始される補修では2021年まで鐘の稼動を停止する[3]。
ギャラリー
ビッグ・ベン上部
時計台
夕刻のビッグ・ベン
夕暮れのビッグ・ベン
夜間のライトアップ
出典
^ 脱進機の進化3(近代・現代の脱進機) | 時計の種類と機構 | THE SEIKO MUSEUM セイコーミュージアム
^ 英ビッグベンが「エリザベス塔」に、女王即位60周年を記念 ロイター 2012年6月27日
^ “ビッグベン、21年まで沈黙へ=大規模補修で21日から-ロンドン”. 時事通信. (2017年8月15日6時1分). https://www.jiji.com/jc/article?k=2017081500175&g=int 2017年8月15日閲覧。
関連項目
- 鐘楼
外部リンク
Big Ben - イギリス議会による公式サイト
The Clock Tower (Big Ben) tour - enhanced podcast - YouTube