プラチナ・ビーズ
プラチナ・ビーズ Platinum Beads | ||
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著者 | 五條瑛 | |
発行日 | 1999年2月xx日(単行本) 2001年7月19日(文庫判) | |
発行元 | 集英社 | |
ジャンル | 冒険小説 | |
国 | 日本 | |
言語 | 日本語 | |
形態 | 四六判, 文庫判 | |
ページ数 | 768(文庫判) | |
次作 | スリー・アゲーツ 三つの瑪瑙 | |
コード | ISBN 4-08-747344-9(文庫判) | |
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『プラチナ・ビーズ』 (Platinum Beads) は、五條瑛による日本の冒険・スパイ小説。
四部作を予定している鉱物シリーズの1作目であり、作者のデビュー作である。文庫版には、書き下ろし短編「ミスター・オリエンタル」が収録されている。
目次
1 あらすじ
2 登場人物
3 関連項目
4 外部リンク
あらすじ
アメリカ国防総省の下請け情報機関のアナリスト・葉山隆は、北朝鮮の中枢にある動きがあるという情報を手に入れる。かつて金日成に左遷され中央を去っていた大物・金達玄(キム・ダルヒョン)が、再び中央に戻っているらしい。そして、達玄の側に正体不明の外国人が侍っているという。
同じ頃、金沢の海岸で、横田基地から脱走したとされていた米兵・ディーノの惨殺死体が発見される。ディーノの行方を追っていた海軍所属の坂下冬樹は、彼の脱走理由を探る内に、ある日本人女性へと行き当たる。そして、その女性と葉山が探る北朝鮮の動向とが交錯する。
鍵を握る「プラチナ・ビーズ」という言葉の真の意味とは……。
登場人物
- 葉山 隆(はやま たかし)
- アメリカ国防総省の下請け情報機関〈極東ジャーナル〉のアナリスト。肌は抜けるように白く、瞳と髪は薄茶色で、見た目は白人そのもの。「たぶん(メイビー)」が口癖。
- エディ
ヒューミント(人的情報収集活動)のプロ。本名はウォーレン。- 坂下 冬樹(さかした ふゆき)
- 在日米軍横須賀基地NISC(海軍調査軍)調査員。母親が日本人で父親がアメリカ人。脱走したディーノの行方を追っていた。
- パウロ・ヤン・ディーノ
- 金沢で惨殺死体となって発見された、在日米軍横須賀基地NSD(海軍補給処)所属の二等兵曹。遺体発見の一週間前に基地を脱走した。
- 志村(しむら)
- 金沢署の刑事。
- JD(ジェーディー)
- 英字新聞社の日本駐在員。いつも派手な格好をしている。名前は自分が神と慕うデトロイト・ピストンズのジョー・デュマースに因む。
- サム・イトウ
- NISC所属。日系二世。国防総省が採用する民間人職員(シビリアン)。妻は日本人。
- 町田 洋子(まちだ ようこ)
- 劇団員。21歳。鳥山が主催したイベントの手伝いで北朝鮮へ行き、帰国後に葉山から聞き取り調査を受ける。
- 鳥山 太郎(とりやま たろう)
- 日本スポーツ党の国会議員。元オリンピック柔道選手。北朝鮮でスポーツイベントを主催した。
- 金 達玄(キム ダルヒョン)
- 副首相の一人で、一時は政治局員候補と目されていたが、金日成の経済対策を批判し失脚させられ、1993年の夏以降は公式の場に姿を見せていなかった。表向きは軍部との衝突の末、権力闘争に敗れ左遷させられたことになっている。鳥山のスポーツイベントに姿を現す。額の中央から左のこめかみにかけて傷痕がある。
- 田所(たどころ)
- 栄華女子大学の教授。葉山の恩師。元国立大学助教授。
- 野口 麻子(のぐち あさこ)
- 〈極東ジャーナル〉の編集長。会社が入居する〈間宮ビル〉の生き字引のような存在。
- 吾郎(ごろう)
- 隆の9歳年下の異母弟。4歳の時に両親が離婚したが、別れて暮らすようになってからも隆を慕っていた。新宿二丁目のゲイバーで働く。
- 仲上(なかがみ)
- 〈間宮ビル〉の5階にある中華文化思想研究所の所長。メールボーイも務める。
- ラリー・チャン
- 中華文化思想研究所の助手兼研究員。
- ベルガー博士
- エディの恩師。かつてスタンフォード大学で朝鮮半島史を教えていた。歯に衣着せぬ物の言い方をする、個性的な人。
関連項目
冒頭で著書が引用されている。
ラインハルト・ゲーレン 「諜報・工作 ラインハルト・ゲーレン回顧録」
ジョン・ル・カレ 「リトル・ドラマー・ガール」
ミシェル・ド・モンテーニュ 「エセー」
外部リンク
- 集英社 ちょっと立ち読みコーナー