YouTuber








YouTuber(ユーチューバー)・YouTubeクリエイターは、主に動画共有サービスYouTube上で独自に制作した動画を継続的に公開する者を指す名称である。狭義では「YouTubeの動画再生で得られる広告収入を主な収入源として生活する」人物を指す[1]
英語圏では「YouTuber[2][3]」以外に「YouTube personality」「YouTube Star[4]」「YouTube Celebrity[5]」等の表記も使われる。


子供が将来就きたい職業として人気が高く、2018年現在、日本で小学4年生の『なりたい職業ランキング』3位にランクされた。イギリスでも3人に1人の子供の憧れの職業になっている[6]




目次






  • 1 概要


    • 1.1 収入


    • 1.2 表彰プログラム




  • 2 従来のネット上の有名人と異なる活躍


  • 3 マルチチャンネルネットワーク


  • 4 YouTube Space


  • 5 YouTube発の著名人


  • 6 バーチャルYouTuber


  • 7 問題点


    • 7.1 過激な動画




  • 8 脚注


  • 9 関連項目


  • 10 外部リンク





概要


YouTuberは、2007年5月頃にYouTubeが閲覧数の多いユーザーに「YouTubeパートナープログラム」への参加を勧誘したことが始まりとされる(当初は商業コンテンツ供給者だけに勧められたものだった)[7]。後にビデオ画面の隣側に広告掲載を条件にユーザーが利益を得ることが可能になり、2011年4月にはパートナープログラムを一般ユーザーにも開放。より多くのユーザーが利用できるようになり、YouTubeの広告で収入を得る人物も現れた[8]。なお、2017年4月から総再生回数が10,000回以上でないとパートナープログラムへの参加が認められなくなったが、2018年2月からはさらに過去12ヶ月間の総再生時間が4,000時間以上、かつチャンネル登録者数が1,000人以上とより厳しい条件に引き上げられた。加えてコミュニティのストライキ、スパムなどの監視が強化され、ポリシーに準拠していることの評価が厳格化されるようになった[9][10]


マスメディアへの露出がほとんどないにもかかわらず年収が数億~十数億円にも達する者や、独自に握手会等のイベントを開く者もいるが、ごく少数である[11]



収入


ドイツのオッフェンブルク大学のマティアス・バルトル教授の調査によると、「広告収入で生計を立てることを企てるユーチューバーの96.5%が平均的なアメリカの貧困ラインを下回る収入しか得られない。再生回数が上位3%の人気ユーチューバーは一ヶ月の再生回数が140万回を超えるが、それでも平均年収は16,800ドルであり、アメリカの貧困ライン収入12,140ドルをかろうじて上回る程度だ」としている。加えて、上位1%にあたる最高レベルのユーチューバーは一ヶ月の再生回数が220万回から4210万回以上であるが、彼らはYouTubeからの広告収入以外にスポンサー契約などの副収入があり、単にYouTubeからの収入だけではないとしている。このため上位3%のユーチューバーと1%のユーチューバーでは収入に雲泥の差がある。また、2006年には上位3%の人気ユーチューバーが全再生回数の63%を占めていたものが、2016年には90%に増加しており、2016年以降に活動を始めた新人ユーチューバーの85%は一ヶ月の再生回数が最大485回程度しかなく、市場は人気ユーチューバーの寡占化がさらに進行しているという[6]


YouTubeの広告収入のアルゴリズムは常に変化しており詳細は公表されていない。バルトル教授は再生回数1,000回につき1ドル程度と算出しているが、インフルエンサーマーケティングの調査会社であるヒューゴ・オブ・エージェンシーのハリー・ヒューゴ氏によると収入は一定ではなく、再生回数1,000回につき35セントや5ドルの場合もあるという。YouTubeの広報担当者は「スーパーチャット」機能[1]を利用すれば収入アップになるとし、2017年と比較し2018年はチャンネル登録者数10万人を超えたクリエイターの比率は40%増えているとしている[6]



表彰プログラム


YouTubeでは、一定数の登録者数を有し、基準をクリアしているチャンネルに対して表彰が行われている[12]。チャンネルに対しての表彰であるため、複数の表彰を受けるYouTuberも存在する。再生ボタン型の表彰はプログラムにYouTuber自身が申請を行う。


  • 銀の再生ボタン[12]
    登録者数が10万人を超えているチャンネルに贈られる賞状(盾)。


  • 金の再生ボタン[12]
    登録者数が100万人を超えているチャンネルに贈られる賞状(盾)。


  • ダイヤモンドの再生ボタン[12]
    登録者数が1000万人を超えているチャンネルに贈られる賞状(盾)。


また、登録者数が5000万人を超えているチャンネルにはルビーのトロフィーが贈られる。



従来のネット上の有名人と異なる活躍






YouTubeの流行は従来以上に多くの有名人を生み出し、中には世界的な注目を集めたり影響を与えたりする人物も登場した。


インターネット上での名声は、既存のメディアや娯楽産業と関わりを持つことになった。


一例


  • ブルック・ブローダック
    • コネチカット出身でレストランの受付係をしていた。2006年6月にNBCのカーソン・デイリーに求められて18か月の育成契約を結び、YouTubeから主流メディアに躍り出た最初期の例となった。



  • ロンリーガールフィフティーン
    • 架空のブログの暴露を機会に有名になる。現在はニュージーランドの女優ジェシカ・ローズと数名の映像制作者たちの創作物として有名。


  • エスメー・デンタース

    • 2007年にオランダのヴォーカリスト・ソングライター。

    • YouTubeでの活動をきっかけに音楽プロデューサーのビリー・マンとレコーディング契約を結んだ。




  • リサ・ドノヴァン
    • 2007年1月31日、FOXテレビはスケッチ・コメディ・ショウ『MADtv』のシーズン12でキャストの一員として加わると発表した。



  • テラ・ナオミ
    • 四大レコード・レーベルのひとつであるユニバーサル ミュージック グループの一部門、アイランド・レコードと契約。


  • ザベラ・ブレイヴ
    • 2007年6月3日付の2つのビデオで、同日ロスアンジェルス・タイムスが載せた彼女の特集記事について語り自身がメジャー・レコード・レーベルのひとつ、ワーナー・ミュージック・グループ傘下のコードレス・レコードと契約したことを公表した。



マルチチャンネルネットワーク



企業が人気のあるYouTuberに対し、商品の宣伝動画の制作を依頼するといったタイアップの例も増加傾向している。
そのような動画制作の仲介サービスを手がけるマルチチャンネルネットワークも存在する[13]


複数のYouTubeチャンネルと提携し、サービス・プログラムの作成・資金・相互プロモーション・パートナー管理・デジタル著作権管理・収益受け取り/販売・視聴者の獲得などの面で支援をする。



YouTube Space






YouTube Spaceは、あらゆるレベルのクリエイター向けのリソースを提供するため、2012年7月にロンドン、11月にロサンゼルス、2013年2月15日に東京にオープンし、現在は世界10都市に展開[14]


一定の条件を満たしたクリエイターがスタジオや機材、カフェなどを利用できる。



YouTube発の著名人




バーチャルYouTuber



2017年頃より、CGなどを用いて製作したキャラクターに声や動きを当てて、あたかもそのキャラクターがYouTuberとして振る舞っているように表現する動画が投稿されるようになった[15]。こういった動画の投稿者はバーチャルYouTuberと称される。



問題点



過激な動画


YouTuberは、YouTubeでの再生回数に伴った広告収入を得ている関係で、再生回数を稼ぐために過激な動画を投稿する者がいる。過激な内容は、時として社会問題を引き起こしている。


これらの過激な動画に対して、YouTubeが提携を解除した例がある[16]。2018年1月にローガン・ポールが、日本の山梨県・青木ヶ原樹海で、自殺したとみられる遺体を発見し、ショックを受けつつも冗談を口にする等した様子を、自身のYouTube Channelで公開した[16]。この行為に世界中から批判を受けたのみならず、YouTubeは「グーグル・プリファード」(YouTubeの人気チャンネルへ広告を出稿できるセールス枠)の対象であったポールのチャンネルをこれから除外した[16]。後にポールは謝罪動画を公開している[16]



脚注


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  1. ^ 動画職人になってYouTubeで稼ぐ「動画バブル」が到来か - NEWSポストセブン・2014年3月6日


  2. ^ http://www.avclub.com/article/meet-youtuber-who-makes-hilariously-bizarre-versio-219728


  3. ^ http://www.quora.com/How-much-does-a-YouTuber-with-1-million-subscribers-earn-a-year


  4. ^ We Ranked YouTube's Biggest Stars By How Much Money They Make - Business Insider、2014年3月10日


  5. ^ The rise and fall of YouTube's celebrity pioneers - wired.co.uk、2013年11月27日

  6. ^ abcライブドアニュース - 子どもの3人に1人が憧れる職業「ユーチューバー」が生活できるようになるまでの壁とは?2018年3月4日 8時23分


  7. ^ YouTube、ついにムービー投稿者に広告収入の分配を開始


  8. ^ YouTubeの収益化プログラム、日本のユーザー収入が3年で4倍に「それで生活している人もいる」 - ITmediaニュース・2012年7月30日


  9. ^ YouTubeの収益化、10,000再生以上が条件に!悲報ではなく、朗報! - bbtvニュース・2017年


  10. ^ YouTube が「 YouTube パートナープログラム」をアップデート|広告表示に不適切な動画への対応を強化 - Unyoo.jp、2018年1月19日


  11. ^ 年収数千万とも言われており、YouTuber - Livedoor NEWS、2014年4月23日

  12. ^ abcd“表彰プログラム”. YouTube. 2019年1月12日閲覧。


  13. ^ 女性YouTuberネットワーク『womedia ch.ウーメディアチャンネル 』、企業タイアップ動画制作サービス提供開始 第1弾はセゾンカードのTVCM - トレンダーズ・2014年3月26日


  14. ^ “YouTubeクリエイターが無料で使える本格撮影スタジオ、グーグルが都内に開設”. (2013年2月14日). http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20130214_587787.html 2013年2月19日閲覧。 


  15. ^ “「動く抗うつ剤」「ストロングゼロの擬人化」―― バーチャルYouTuber輝夜月(かぐや・るな)を見て今年も元気にやっていこう”. ITmedia ねとらぼ. (2018年1月6日). http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1801/05/news085.html 2018年3月21日閲覧。 

  16. ^ abcd“YouTube、日本の自殺者を映した人気投稿者との提携解除”. BBC (2018年1月11日). 2018年5月22日閲覧。




関連項目



  • オンラインストリーマー

  • バズマーケティング

  • en:Videography

  • en:Vlog



外部リンク






  • YouTube








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