白山



































白山

Mount Haku from Onanjimine 2011-07-17.jpg
大汝峰から望む白山(剣ヶ峰と御前峰)と火口湖

標高
2,702.14[1]m
所在地
日本の旗 日本
石川県白山市
岐阜県大野郡白川村
位置
北緯36度09分18秒
東経136度46分17秒
座標: 北緯36度09分18秒 東経136度46分17秒[2]
山系
両白山地
種類
成層火山(活火山ランクC)
初登頂
717年 (泰澄上人)

白山の位置


  • 北緯36度09分18秒 東経136度46分17秒 / 北緯36.15500度 東経136.77139度 / 36.15500; 136.77139 (白山)


  • 白山(金沢) - 地理院地図


  • 白山 - Google マップ




Project.svg プロジェクト 山
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白山(はくさん)は、日本の北陸地方、白山国立公園内[3]の石川県白山市と岐阜県大野郡白川村にまたがる標高2,702mの山である。


富士山、立山と共に日本三霊山の一つである[4]。日本百名山[5]、新日本百名山[6]、花の百名山[7]及び新・花の百名山[8]に選定されている。最高点の御前峰(ごぜんがみね)には、一等三角点と白山比咩神社奥宮がある。




目次






  • 1 概要


    • 1.1 山名の由来




  • 2 開発史


  • 3 地学


    • 3.1 活火山


    • 3.2 地質


    • 3.3 化石


    • 3.4 山頂部の池




  • 4 自然


    • 4.1 植物


    • 4.2 「ハクサン」を冠する和名の植物の種


    • 4.3 動物




  • 5 登山


    • 5.1 禅定道


    • 5.2 登山道


    • 5.3 有人の山小屋


    • 5.4 避難小屋


    • 5.5 登山者数の推移




  • 6 地理


    • 6.1 周辺の主な山


    • 6.2 源流の河川


    • 6.3 周辺の温泉


    • 6.4 周辺のスキー場


    • 6.5 交通




  • 7 白山の風景


  • 8 テレビ番組


  • 9 脚注


  • 10 参考文献


  • 11 関連項目


  • 12 外部リンク





概要




白山の地形図


白山は、富山県、石川県、福井県、岐阜県の4県にまたがる両白山地の中央に位置し、その最高峰である。山頂周辺は、成層火山となっている。30万年から40万年前から火山活動を始め1659年(万治2年)の噴火が最も新しい。白山とは、最高峰の御前峰(標高2,702m)・剣ヶ峰(2,677m)・大汝峰(2,684m)の「白山三峰」を中心として、周辺の山峰の総称である。そのため厳密には、現在の県境は、石川・福井・岐阜・富山に跨る。また、別山・三ノ峰を加えて「白山五峰」という。「白山連峰」と呼ばれることもある。
北陸地方の中では標高の高い山であるため、他の山では残雪が消えた季節でも「白い山」として遠方[9]からでも一目で判明する山である。また、白くなった白山は北陸に晩秋が訪れた象徴ともなる。



山名の由来


かつては『越白嶺』と書いて『こしのしらね』と呼ばれ、その名残が現在の白山周辺の地名『白峰』として残っている。その後、『白山』と書いて『しらやま』と読む時期を経て、現在の呼称となっている[10]



開発史




室堂から望む白山神社と御前峰



白山を霊峰とする白山信仰は古くからあり、中世には白山は白山修験の霊山として栄え、登山口には修験の道場がひらかれて白山信仰の全国的広がりのもととなった[11]。2011年現在、日本各地に約2,700社の白山神社があり、白山比咩神社(石川県白山市)がその総本社となっている。




  • 706年(慶雲3年) - 白山の噴火により山火事が発生したと記録されている。


  • 717年(養老元年) - 泰澄上人が開山した[12]


  • 832年(天長9年) - 越前・加賀・美濃の三方から白山への登拝道(禅定道)が開かれた。


  • 848年(嘉祥元年) - 勅により神殿仏閣が造立され、鎮護国家の道場と定められる(『白山之記』)[13]


  • 905年(延喜5年)から - 『古今和歌集』の中で「しらやま」として詠われた。[14]


  • 1163年(長寛元年) - 白山の開山から加賀馬場の形成などを記述した『白山縁起』が成立したと推定されている。


  • 1183年(寿永2年) - 源義仲が倶利伽羅峠の戦いの戦勝により白山比咩神社に神馬を奉納。同年、源頼朝が神領の寄進をおこなう(『平家物語』)[13]

  • 1480年(文明12年) - 大火により白山比咩神社の40余りの堂塔伽藍がすべて焼失。末社三宮が鎮座していた現在地へ遷る[13]


  • 1659年(万治2年)6月 - 白山が噴火、これが最も新しい噴火である。


  • 1668年(寛文8年) - 江戸幕府が地元の藩主から白山周辺の土地を取り上げ直轄領とした。


  • 1871年(明治4年)8月23日 、 8月24日 -  福井藩のお雇い外国人ウィリアム・エリオット・グリフィス(アメリカ人)が白山に登り、下山。外国人では初めての白山登山であった。[15][16]


  • 1871年(明治4年)8月29日 - 廃藩置県が行われ、その翌年に白山周辺の土地は、石川県に属するようになった。


  • 1872年(明治5年) - 太政官通達により神社仏閣地の女人禁制が解かれ、鳥取県の女性が白山に初登頂したとされている。


  • 1874年(明治7年) - ドイツ人の地質学者であるヨハネス・ユストゥス・ラインが白山に登頂し、採取した化石を調査した。




白山頂上の一等三角点




  • 1893年(明治26年) - 山頂の三角点が一等三角点(点名は白山)に選定された。


  • 1918年(大正7年) - 後年『日本百名山』で著名になる深田久弥(中学生時)が、友人と二人で登頂。


  • 1921年(大正10年) - 岩間道の登山道が開設された。


  • 1925年(大正14年) - 白山比め神社所有の白山縁起が国の重要文化財に指定された[17]


  • 1955年(昭和30年) - 一帯が白山国定公園に指定された。


  • 1962年(昭和37年) - 一帯が白山国立公園に指定された[3]


  • 1977年(昭和52年)8月26日 - 白山スーパー林道が開通。


  • 1980年(昭和55年)8月22日 - 浩宮徳仁親王が別当出合から砂防新道を利用し登頂し、白山室堂に宿泊した[18]


  • 1991年(平成3年) - 白山瀬女高原スキー場が営業を開始した。


  • 1999年(平成11年) - 白山室堂(山小屋)がリニューアル工事のため食事提供を中止し、その年間宿泊者数が1万人台に減少した。


  • 2002年(平成14年)8月2日 - 「白山室堂リニューアルオープン式典」が石川県知事参加のもと行われ、食事提供が再開されその年間宿泊者数が2万人台に回復した。


  • 2003年(平成15年)7月1日 - 石川県出身の深田久弥が生誕100年である白山の山開きの日に、『山を愛した文学者深田久弥 生誕100年(北陸 石川)』の北陸ふるさと切手が、郵便局から発売された[19]。白山を背景に登山時の人物像が描写されている[20]


  • 2005年(平成17年)2月1日 - 松任市と石川郡美川町・鶴来町・河内村・吉野谷村・鳥越村・尾口村・白峰村が合併して白山市となった。


  • 2009年(平成21年)6月2日 - 石川県白山自然保護センターが絶滅したとされていたライチョウの雌1羽を確認した。


  • 2011年(平成23年)9月5日 - 白山国立公園の石川県側を含む白山市全域が白山手取川ジオパークとして日本ジオパーク委員会から認定。


  • 2012年(平成24年)7月1日 - 白山雷鳥荘の全面改築が終わり、営業を開始した。



地学




大汝峰から望む火の御子峰
(古白山火山の浸食跡)




山頂部の火口湖の翠ヶ池
(新火山白山)



活火山


白山はランクCの活火山である[21]。山頂部には、約15個の爆裂火口があり、一部が翠ヶ池などの火口湖となっている。翠ヶ池の南隣りにある鍛冶屋地獄火口が、最も新しい1659年の噴火で形成されたものと考えられている。



  • 約40万年前 - 加賀禅定道の加賀室跡に成層火山の加賀室火山があったと推定されている[22]

  • 約10万年前 - 山頂北側の地獄谷(手取川水系中川の源流部)付近に、古白山火山が形成された。山体の大部分は浸食で失われ、地獄谷の東側の火の御子峰の荒れた岩肌にその一部を見ることができる。その地獄谷の下流には岩間の噴泉塔群がある。

  • 約3 - 4万年前 - 現在の山頂部に新白山火山が形成された。

  • 約4,400年前 - 御前峰と剣ヶ峰にあった円錐形の火山は、東側に大崩落して、白水湖まで岩屑崩れが発生した。

  • 約2,000年前 - 剣ヶ峰の溶岩ドームが形成された。


  • 706年(慶雲3年) - 白山の噴火により山火事が発生したと『続日本紀』に記録されている。


  • 1042年(長久3年) - 白山が水蒸気爆発して、翠ヶ池が形成されたと考えられている。『白山之記』に具体的な火山活動の様子が記録されている。


  • 1554年(天文23年) - 翌年に渡って活発な火山活動が続いた。『白山荘厳講中記録』などに詳しい火山活動の様子が記録されている。


  • 1659年(万治2年) - 白山が噴火、これが最も新しい噴火である。



地質


山域の南東部は中生代ジュラ紀の手取層群の角閃石安山岩と輝石安山岩などから成り[23]、北西部は古第三紀から白亜紀後期の新期花崗岩類と濃飛流紋岩類などからなり、山頂付近は白山火山噴出物からなる[24]



化石


白山山麓周辺には、日本で数少ない中生代ジュラ紀の古い地層が分布し、日本を代表する恐竜の化石の出土地となっている。1874年(明治7年)にヨハネス・ユストゥス・ラインが、白山周辺で植物化石の採集を行った。桑島地区には化石でできた露頭があり、1957年(昭和37年)7月10日に桑島化石壁が国の天然記念物に指定された[25]



山頂部の池






白山の山頂部には複数の池があり、周辺を散策する登山道が山頂のお池めぐりコースとして整備されている[26]。翠ヶ池と紺屋ヶ池は火口湖[26]



















































画像
名称
よみ
説明

Mount Kengamine and Pond Midorigaike.jpg

翠ヶ池
みどりがいけ
1042年の噴火で形成された火口湖。
岐阜県側にある周辺で最大の池[27]

Pond Konyagaike.JPG

紺屋ヶ池
こんやがいけ
剣ヶ峰直下西にある火口湖。

Pond Aburagaike.JPG

油ヶ池
あぶらがいけ
御前峰の御宝庫直下北にある。

Pond Chinoike.JPG

血ノ池
ちのいけ
御前峰と大汝峰との間にある。

Pond Senjagaike.jpg

千蛇ヶ池
せんじゃがいけ
千蛇ヶ池雪渓(多年性雪渓)の雪解け後に現れる池。
白山を開山した泰澄の千蛇ヶ池の伝説が伝えられている。

Pond Hyakushoike from Mount Gozen.JPG

百姓池
ひゃくしょういけ
池の周辺に高山植物が群生する。

Pond Goshikiike 2002-10-05.jpg

五色池
ごしきいけ
百姓池のすぐ北にある。


自然


白山一帯は国立公園(白山国立公園)に指定されている。白山の中腹は急峻なところが多く、道路もほとんど無いため人跡未踏の場所も少なくない。また、国指定白山鳥獣保護区(大規模生息地)に指定されている(面積38,061ha)。周辺は豪雪地帯で、冬には山全体が真白になる。山域の白山市と白川村は、「豪雪地帯対策特別措置法」により、特別豪雪地帯に指定されている。また山頂部には、カンクラ雪渓、水屋尻雪渓、千蛇ヶ池雪渓、ヒルバオ雪渓などの雪渓があり、夏の終わりまで雪が残っていて、万年雪となる所もある[28]。室堂の下部付近から上は、森林限界のハイマツ帯となっている。山頂付近には、最大の翠ヶ池(みどりがいけ)、紺屋ヶ池(こんやがいけ)、油ヶ池、血の池、千蛇ヶ池(せんじゃがいけ)、五色池、百姓池の7つの火口湖がある。最大の池は、大汝峰と剣ヶ峰の間にある翠ヶ池である。[29]



植物








白山の高山植物


白山は日本有数の花の山としても知られ、砂防新道を登る場合、甚ノ助小屋を越えた辺りから、さまざまな高山植物の花畑が広がる。中でもクロユリは日本一の個体数と言われ、群生するさまはみごとである。クロユリは石川県の郷土の花にもなっている[30]。白山の中腹にはブナの原生林が広がり、巨大なブナが林立し、中宮道では幹周5mを越えると言う、日本有数の巨木も有る。近年、もともと白山には植生しないコマクサが見られるようになり、生態系を乱す行為として種の持ちこみが懸念されている[31]



「ハクサン」を冠する和名の植物の種


ハクサンコザクラ、ハクサンフウロ、ハクサンチドリ、ハクサンシャクナゲ、ハクサンイチゲ(右画像の上段)をはじめ「ハクサン」を冠する植物名は多く、ゴゼンタチバナも最高峰・御前峰に由来している。白山は日本で高山帯を有する山岳としてはもっとも西に位置している。そのため早くから植物の研究が進み、「ハクサン」の名が付く植物が多い。別名を含め20種以上のハクサンを冠する種が自生している[32]
2010年に石川県環境安全部自然保護課は石川県の絶滅危惧種情報として、ハクサンイチゲ、ハクサンオオバコ、ハクサンスゲを絶滅危惧II類(Vulnerable, VU)に指定し、ハクサンイチゴツナギ、ハクサンコザクラ、ハクサンサイコ、ハクサンチドリ、ハクサンハタザオを準絶滅危惧(Near Threatened, NT)に指定している[33]。岐阜県は、ハクサンアザミとハクサンオミナエシを準絶滅危惧に指定している。
環境省がレッドリストに指定している種はない[34]








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