プラット・アンド・ホイットニー F135





F-35A Lightning II Joint Strike Fighter Powerplant on display at Centenary of Military Aviation 2014.jpg


F135は、アメリカ合衆国の航空用エンジンメーカー、プラット・アンド・ホイットニーが開発した戦闘機用ジェットエンジンである。ロッキード・マーティンが開発したF-35 ライトニング IIに搭載されるアフターバーナー装備のターボファンエンジンであり、通常離着陸型 (CTOL)、短距離離陸垂直着陸型 (STOVL)、艦載機型 (CV) と3機種が予定されているF-35のそれぞれに対応する派生型エンジンが用意される予定である。


F-35の推進システムは2000年にX-32とX-35で実証された[1][2]




目次






  • 1 開発


    • 1.1 P&W F135 チーム




  • 2 開発中の各型


    • 2.1 F135-PW-100


    • 2.2 F135-PW-600


    • 2.3 F135-PW-400




  • 3 仕様


  • 4 関連項目


  • 5 脚注


  • 6 外部リンク





開発


プラット・アンド・ホイットニーは、本エンジンより以前にF-22 ラプター用としてF119を開発していた。F135は、このF119を元に開発された。F135はF119のコアと、JSF用の新たなコンポーネントを統合したもので、F119と異なり、各1段ずつだった高圧/低圧タービンのうち低圧タービンが2段になっている。


F135は2軸式のターボファンエンジンで、6段式高圧圧縮機を1段式高圧タービンで駆動される高圧圧縮軸、3段式低圧圧縮機を2段式の低圧タービンで駆動される低圧軸から構成される。F119と同様に高圧側回転軸と低圧側回転軸は逆回転する同軸反転形式である。


F135は整備が簡便になる事に主眼をおいて設計されておりF119に比べて部品点数を約40%削減されている。すべての部材は通常使用する6種類の工具で脱着交換できるように設計されているので、従来機に比べて50%支援設備が少なくて済み、自己診断機能を備え整備や補給部品の管理を容易にしている。


F135を搭載した最初のF-35の試験飛行は2008年6月11日にF-35B(STOVL) 試験機BF-1によって行われ、水平飛行が成功している。2010年3月18日にBF-1は、垂直飛行も成功した[3]。初期生産されるF-35シリーズには、すべてF135が搭載される予定である。


当初はGE・アビエーション社とロールス・ロイスが、F-35シリーズ用の別のエンジンであるF136を開発し[2]、配備計画への冗長性を得る予定であったが、F136は2011年12月2日に開発が中止されたためF-35のエンジンはF135のみとなった。F135を搭載したF-35Bは、2015年8月に初期作戦能力獲得が宣言され、世界各国で実際の任務に就く事となる。



P&W F135 チーム



プラット・アンド・ホイットニー

主契約者、メインエンジン、システム統括

ロールス・ロイス


STOVL用垂直浮揚システムのリフトファン

ハミルトン・スタンダード

電子式エンジン制御、エンジン監視装置、外装、燃料系統、アクチュエーター、PMAG、ギアボックス



開発中の各型



F135-PW-100


F-35Aに使用される通常離着陸 (CTOL) 型である。基本型。



F135-PW-600




F135-PW-600


F-35Bに使用される短距離離陸垂直着陸 (STOVL) 型である。前方に垂直上昇用のリフトファンを備え、垂直着陸時はエンジンノズルが下に偏向するという特徴を持つ。滑走路を痛める恐れがあるためノズルの偏向時にアフターバーナーを使用することはできず、同時にドライ時最大推力も制限される。リフトファンは本体から伸びるクラッチを介して駆動する。


インレット直径1.17m、エンジン最大径1.27m、リフトファン径1.30m、全長9.37m(リフトファンを含む)である。



F135-PW-400


F-35Cに使用される艦載 (CV) 型である。塩害対策が施されている[2]



仕様




試験中のF135


F135-100・F135-400[4]



  • 形式 アフターバーナー付きターボファンエンジン

  • 全長 5.59 m (220 in)

  • 直径 46 in (117 cm) 最大、43 in (109 cm) ファンインレット

  • 重量 1,701 kg (3,750 lbs)

  • 圧縮機 3段軸流低圧圧縮機 ・6段軸流高圧圧縮機

  • 燃焼器 アニュラ型

  • タービン 1段高圧・2段低圧タービン

  • タービン入口温度:2000 K

  • 推力

    • 28,000 lbf (128.1 kN) 中間推力

    • 43,000 lbf (191.35 kN) 最大推力



  • 圧縮比 28

  • 燃料消費率 0.886 lb/(hr·lbf) or 25,0 g/kN·s (w/o afterburner)

  • バイパス比 0.57

  • 推力重量比

    • 7.467 ドライ

    • 11.467 最大/アフターバーナー




F135-600[5]



  • 形式 アフターバーナー付きターボファンエンジン+ターボシャフト (リフトファン)

  • 全長 369 in (937.3 cm)

  • 直径 46 in (116.8 cm) 最大、43 in (109.2 cm) ファンインレット、53 in (134.6 cm) リフトファンインレット

  • 推力

    • 40,740 lbs (181.2 kN) STO

    • 40,650 lbs (180.8 kN) ホバー推力

      • 18,680 lbs (83.1 kN) メインエンジン

      • 18,680 lbs (83.1 kN) リフトファン

      • 3,290 lbs (14,6 kN) ロールポスト







関連項目



  • ゼネラル・エレクトリック/ロールス・ロイス F136

  • Izdeliye 30 - AL-41Fをベースとしたロシア製同級エンジン



脚注





  1. ^ 計画ではF-35はF-16 ファイティング・ファルコン、ハリアー、BAe シーハリアー、AV-8B ハリアーII、F/A-18A-D ホーネットを置き換える予定である。。

  2. ^ abc「F-X候補 F-35の先進性」『航空ファン』2010年1月号


  3. ^ F-35は2016年から量産が開始される予定とされ、それらはアメリカ空軍・海軍・海兵隊、イギリス空軍・海軍などをはじめ世界の国々で運用される予定である。


  4. ^ Engine for F-35A Conventional Take Off and Landing (CTOL)


  5. ^ Power for F-35B Short Take Off and Vertical Landing (STOVL)




外部リンク







  • Pratt & Whitney F135 page

  • www.jsf.mil: F135 gallery







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