中国の少数民族








中国の少数民族(ちゅうごくのしょうすうみんぞく)では、中華人民共和国(以下、中国)政府が規定した、国民の92%を占める漢民族(漢族)以外の少数民族政策による分類における「少数民族」を記載する。




目次






  • 1 中国の民族政策と民族識別工作


  • 2 少数民族の一覧


  • 3 中国政府と少数民族の間に関する諸問題


    • 3.1 ウイグル


    • 3.2 チベット


    • 3.3 内モンゴル




  • 4 関連項目


  • 5 脚注





中国の民族政策と民族識別工作




The larger writing shows the mainly minorities region and special region like Hong Kong, Macau or the Republic of China(Taiwan). The smaller writing show the area of Chinese branches or mixed minority groups regions under the region of mainly minority regions.


中国政府は、民族区域自治という少数民族政策を取っている。国民を、漢民族と55の「少数民族」とに区分し、その民族ごとに集住地域を「区域自治」の領域として指定した。そこでは、「民族の文字・言語を使用する権利」、「一定の財産の管理権」「一定規模の警察・民兵部隊の組織権」「区域内で通用する単行法令の制定権」などを行う事を認めている。国民を構成する諸集団が、どの「民族」に帰属するかを法的に確定させる行政手続きを、民族識別工作といい、清代から民国期にかけて伝統的に「五族」とされてきた民族数は、この手続きにより56にまで増加した。
現時点でもまだ、識別されていない民族、あるいは便宜的に他の民族籍に分類されている民族も多数存在する。(中国語版wikipedia「中国未识别民族」参照。)


中国残留日本人孤児などに由来する日系、香港・マカオの返還にともない中国の国民となった英国系やポルトガル系は、少数民族としては扱われていない。一方、朝鮮・韓国系を朝鮮族、ベトナム系を京族、ロシア系はオロス族等として少数民族の括りで扱われている。


宋代に西方から移住して開封に定着したユダヤ人は、「猶太」と呼ばれ、中華人民共和国建国後の1952年の国慶節には2名の代表を北京に派遣したが、民族識別工作が進展する中で、「少数民族」としての認定をうけることができなかった。それでも「戸籍簿の民族欄」には「猶太」と記すことが許されていたが、1996年に至り、民族籍として「漢族」または「回族」のいずれかを選択するよう求められた[1]。詳細は開封のユダヤ人を参照。



少数民族の一覧


現在、「少数民族」として分類されているのは以下の55集団である(50音順)。




言語分布図




  • アチャン族(阿昌族)


  • イ族(彝族)


  • ウイグル族(維吾爾族)


  • ウズベク族(烏孜別克族)


  • エヴェンキ族(鄂温克族、オウンク族)


  • オロチョン族(鄂倫春族)


  • 回族(ホウェイ族、フェイ族)


  • カザフ族(哈薩克族、ハザク族)


  • キルギス族(柯爾克孜族、クルグズ族)


  • 高山族(カオシャン族)


  • コーラオ族(仡佬族)


  • サラール族(撒拉族)


  • ジーヌオ族(基諾族)


  • シェ族(族)


  • シベ族(錫伯族、シベ族)


  • ジン族(京族、越族、ベトナム族)


  • スイ族(水族)


  • タジク族(塔吉克族)


  • タタール族(塔塔爾族)


  • タイ族(族、ダイ族)


  • ダウール族(達斡爾族)


  • チベット族(蔵族)


  • チャン族(羌族)

  • 朝鮮族


  • チワン族(壮族)


  • チンポー族(景頗族)


  • トゥ族(土族)


  • トゥチャ族(土家族)


  • トーアン族(徳昂族、旧称パラウン族)


  • トーロン族(独龍族)


  • ドンシャン族(東郷族)


  • トン族(侗族)


  • ナシ族(納西族)


  • ヌー族(怒族)


  • ハニ族(哈尼族)


  • バオアン族(保安族)


  • プーラン族(布朗族)


  • プイ族(布依族)


  • プミ族(普米族)


  • ペー族(白族)


  • ホジェン族(赫哲族、ホーチォ族)


  • マオナン族(毛南族)


  • 満州族(満族)


  • ミャオ族(苗族)


  • ムーラオ族(佬族)


  • メンパ族(門巴族)


  • モンゴル族(蒙古族)


  • ヤオ族(瑶族)


  • ユグル族(裕固族)


  • ラフ族(拉祜族)


  • リー族(黎族)


  • リス族(傈僳族)


  • ローバ族(珞巴族)


  • オロス族(俄羅斯族、ロシア族)


  • ワ族(族)



中国政府と少数民族の間に関する諸問題






これらの少数民族には、各自の言語、文化を維持する権利が保証されている。特に各少数民族語を教授言語とする初等中等教育が原則保証されているが、実際は北京語以外による高等教育は認められず、また少数民族語を教授言語としても、各少数民族史の授業を認めないことが同化政策として問題視されることもある。また、少数民族の優先的な上級学校進学、公務員採用などのアファーマティブ・アクションも採られているとされ、この恩恵に浴するために漢族が少数民族を詐称することが問題になっているという。



ウイグル


中国政府は成立直後の1950年ごろ、新疆ウイグル自治区に漢族を中心とする新疆生産建設兵団を大量に入植させた。そして当初人口7パーセントだった漢族が1991年には40パーセントになり、ウイグル族は少数派に転落しつつある。漢族と、非漢族の経済格差が激しいとされる。新疆ウイグル自治区では、分離独立運動も高まっている。歴史上、西トルキスタンとの関係が深く、石油資源などが豊富なこの地を、中国政府は、武力を背景に分離独立を許さないかまえである。



チベット


チベットを参照のこと。



内モンゴル


内モンゴル自治区を参照のこと。



関連項目



  • 中華民族

  • 民族区域自治

  • 国家民族事務委員会


  • 中国本土(チャイナ・プロパー)

  • 中国の異民族

  • 台湾原住民



脚注




  1. ^ 小岸昭『中国・開封のユダヤ人』人文書院2007,ISBN 978-4-409-51057-5、pp.226-227,241







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