スルガ銀行




























































































スルガ銀行株式会社
Suruga Bank Ltd.

Suruga Bank Ltd. head office ac.jpg
種類
株式会社
市場情報

東証1部 8358
1963年6月上場

本社所在地
日本の旗 日本
410-8689
静岡県沼津市通横町23番地
設立
1895年10月19日
(根方銀行)
業種
銀行業
法人番号
9080101000957
金融機関コード
0150
SWIFTコード
SRFXJPJT
事業内容
預金業務、貸出業務、有価証券売買業務・投資業務、為替業務など
代表者
代表取締役社長:有國三知男
資本金
300億4,300万円
(2018年9月7日現在)
発行済株式総数
2億5,813万9千株
(2015年3月31日現在)
純利益
単体:321億35百万円
連結:328億91百万円
(2015年3月期)
純資産
単体:2,824億50百万円
連結:2,921億28百万円
(2015年3月31日現在)
総資産
単体:4兆2,720億54百万円
連結:4兆2,849億90百万円
(2015年3月31日現在)
従業員数
単体:1,577人
連結:1,831人
(2015年3月31日現在)
決算期
3月31日
主要株主
エス・ジー・インベストメント 5.47%
スルガ総合保険 4.73%
損害保険ジャパン日本興亜 3.80%
日本トラスティ・サービス信託銀行(信託口) 3.79%
明治安田生命保険 3.16%
(2016年3月31日現在)
主要子会社
#関連会社参照
外部リンク
www.surugabank.co.jp/surugabank/index.html
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スルガ銀行株式会社のデータ
法人番号
9080101000957
店舗数
130
貸出金残高
3兆113億10百万円
預金残高
3兆9,591億97百万円
特記事項:
(2015年3月31日現在)
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スルガ銀行株式会社(スルガぎんこう、英称:Suruga Bank Ltd.)は、静岡県沼津市に本店を置き静岡県・神奈川県を主たる営業エリアとする日本の地方銀行である。実店舗は五大都市圏でも展開しており、ネットバンキングでは全国展開している。沼津市の指定金融機関。




目次






  • 1 概要


  • 2 沿革


  • 3 歴代頭取・社長


  • 4 関連会社


    • 4.1 連結子会社


    • 4.2 持分法適用関連会社




  • 5 実店舗展開


    • 5.1 静岡・神奈川以外の実店舗所在地




  • 6 インターネット支店


  • 7 独自のサービス


    • 7.1 SURUGA VISAデビットカード


    • 7.2 みまもりサービス


    • 7.3 バイオセキュリティシステム


    • 7.4 移動銀行窓口車


    • 7.5 特定目的ローン




  • 8 不祥事・融資を巡るトラブルなど


    • 8.1 「かぼちゃの馬車」融資問題


    • 8.2 顧客の定期預金を流用


    • 8.3 マンション投資を巡る訴訟


    • 8.4 創業家への融資




  • 9 脚注


  • 10 関連項目


  • 11 外部リンク





概要


1887年(明治20年)に岡野喜太郎が結成した共同社を前身として、1895年(明治28年)に設立された。「スルガ銀行」の表記は、同行の商号が株式会社駿河銀行であった1990年(平成2年)から使用し、2004年(平成16年)に正式に商号とした。


ネットバンキングへの着目や他業態との提携など、耳目を引く個性的な営業戦略を次々と打ち出し、ネット支店を開設した2000年(平成12年)前後には、株価が一時2,590円とバブル期をはるかに超える高値で取引されたが、2018年に1兆円を超える不適切融資が発覚すると、株価は620円まで下がりストップ安となった。



沿革




  • 1895年(明治28年)10月19日 - 株式会社根方銀行設立。


  • 1896年(明治29年)12月28日 - 商号を株式会社駿東実業銀行に変更。


  • 1912年(明治45年)7月19日 - 商号を株式会社駿河銀行に変更。


  • 1923年(大正12年)7月31日 - 株式会社静岡実業銀行を合併。


  • 1927年(昭和2年)3月1日 - 株式会社松田銀行を合併。


  • 1928年(昭和3年)4月1日 - 株式会社富士銀行(現在のみずほ銀行の前身行とは異なる)を合併。


  • 1943年(昭和18年)12月1日 - 株式会社駿河貯蓄銀行を合併。


  • 1963年(昭和38年)11月15日 - 東京証券取引所第二部に株式を上場。


  • 1965年(昭和40年)2月1日 - 東京証券取引所市場第一部に株式を上場。


  • 1973年(昭和48年)6月18日 - オンラインシステム全店稼動。


  • 1991年(平成3年)10月1日 - 熱海信用組合と合併。


  • 2004年(平成16年)10月1日 - 商号をスルガ銀行株式会社に変更。


  • 2007年(平成19年)

    • 7月 - 指静脈認証装置の設置を開始。

    • 11月29日 - 普通預金での生体認証対応ICキャッシュカードの取扱開始。




  • 2008年(平成20年)

    • 3月6日 - 日本アイ・ビー・エムに111億700万円の損害賠償を求める訴訟を東京地方裁判所に提起[1]

    • 5月30日 - 北海道札幌市に札幌支店を開店。

    • 8月29日 - 福岡県福岡市中央区天神に福岡支店を開店。

    • 10月1日 - 宮城県仙台市青葉区中央の仙台マークワン16階に仙台支店・ドリームプラザ仙台を開店。




  • 2009年(平成21年)4月21日 - 京都府京都市下京区に京都支店・ドリームプラザ京都を新設。


  • 2012年(平成24年)

    • 3月29日 - 前述の日本IBMを相手取っての訴訟で、東京地裁はスルガ銀行側の訴えを認める判決[2]

    • 4月23日 - 東京支店柏出張所・ドリームプラザ柏を千葉県千葉市中央区新町のセンシティタワー21階に移転し、東京支店千葉出張所・ドリームプラザ千葉に変更。

    • 5月22日 - 広島県広島市中区大手町に大阪支店広島出張所・ドリームプラザ広島を新設。




  • 2013年(平成25年)9月26日 - 勘定系システムの開発失敗の損害賠償を求める控訴審で東京高裁、日本IBMの賠償を41億に減額する判決を下し[3][4]、その後両者とも上告する[5][6]


  • 2014年(平成26年)

    • 1月6日 - 勘定系システムをBankVisionへリプレース[7][8][9]

    • 2月24日 - 川崎市幸区のミューザ川崎セントラルタワー9階に川崎支店を開設。

    • 7月14日 - 未実施だった勘定系システムリプレースに伴う通帳変更を実施。




  • 2015年(平成27年)

    • 4月1日 - 保険事業を営むアイシーの全株式を取得。完全子会社化した上で、ライフナビパートナーズに商号変更[10]

    • 6月15日 - 広島出張所を支店に昇格させ移転オープン[11]

    • 7月9日 - 勘定系システムの開発失敗の損害賠償を求める訴訟で、最高裁第2小法廷は双方の上告を退ける決定をし、日本IBMに約41億7千万円の支払いを命じた二審の東京高裁判決が確定したことが明らかとなる[12][13][14]




  • 2018年(平成30年)

    • 9月7日 - 不正融資問題を受けて、同日付で、岡野光喜会長兼CEO、米山明広社長ら役員5名が引責辞任し、有国三知男取締役が社長に昇格する人事を発表(後述)。

    • 10月5日 - 金融庁は不動産投資向けの新規融資を6カ月間禁じる一部業務停止命令を出した。資料改竄などの不正融資以外にも反社会的勢力への融資といった問題があることを理由にあげている。一部業務停止命令は2013年にみずほ銀行に出されて以来(みずほ銀行暴力団融資事件)。

    • 11月30日 - 金融庁に業務改善計画を提出。「創業家本位の企業風土を抜本的に改めることが改革の前提条件」と明記した上で、社内ガバナンスの再構築、投資用不動産で不適切な融資を行った一部債務者への対応などを盛り込まれた[15]





歴代頭取・社長




















































氏名
期間
備考
1

岡野喜太郎
1895年 - 1957年
1864年生 1965年没 豆陽中学校中退
2
岡野豪夫
1957年 - 1964年
1890年生 1964年没 慶大理財科卒
3
岡野喜一郎
1964年 - 1981年
1917年生 1995年没 慶大法卒
4
岡野喜久麿
1981年 - 1985年
1925年生 2015年没
5

岡野光喜
1985年 - 2016年
1945年生 慶大経卒
6

米山明広
2016年 - 2018年
1965年生 明大工卒
7

有國三知男
2018年 -
1966年生 立教大経卒


関連会社




連結子会社



  • スルガスタッフサービス株式会社

  • ダイレクトワン株式会社

  • ライフナビパートナーズ株式会社

  • SDP株式会社

  • 株式会社エイ・ピー・アイ

  • スルガカード株式会社

  • スルガ・キャピタル株式会社

  • スルガコンピューターサービス株式会社

  • 中部債権回収株式会社





持分法適用関連会社


  • SDPセンター株式会社





実店舗展開



静岡県は本店並びに県庁内を含めて66店、神奈川県は県庁内を含めて36店ある。本店所在県ではない神奈川県の営業基盤は、第二次世界大戦前からのものである。進出都道府県数は12。


一方愛知県は名古屋市の1店のみ有し、静岡県と隣接する豊橋市からは撤退。地盤の静岡県、神奈川県以外の店舗は法人営業中心であったが、ネット支店を展開し始めた2000年(平成12年)より個人用住宅ローン(主に不動産販売会社と提携したもの)の相談・手続窓口「ドリームプラザ」を併設するようになり、埼玉県大宮市(現:さいたま市大宮区)に東京支店大宮出張所を新設する形で関東地方北部へ進出。


その後、2008年(平成20年)5月に北海道札幌市、同年8月に福岡県福岡市、同年10月1日に宮城県仙台市、2009年(平成21年)4月21日に京都府京都市、2012年(平成24年)5月22日には広島県広島市に出店。地方銀行ながら日本五大都市圏全てに進出し、北海道から九州まで四国を除く日本の全ての地方に店舗を構えた。なお、これらドリームプラザ併設店舗は、住宅ローン業務を中心としたものでほとんどが空中店舗であるものの併設の支店、出張所では通常の銀行業務を扱い、ATMも設置している。



静岡・神奈川以外の実店舗所在地



  • 北海道札幌市(1店舗 - 札幌)

  • 宮城県仙台市(1店舗 - 仙台)

  • 埼玉県さいたま市(1店舗 - 大宮)


  • 千葉県千葉市(1店舗 - 千葉)


  • 東京都23区(5店舗 - 東京、渋谷、新宿、ミッドタウン、二子玉川)

  • 愛知県名古屋市(1店舗 - 名古屋)

  • 京都府京都市(1店舗 - 京都)


  • 大阪府大阪市(1店舗 - 大阪)

  • 広島県広島市(1店舗 - 広島)

  • 福岡県福岡市(1店舗 - 福岡)



インターネット支店


特にインターネットバンキングに力を入れており、多くの企業と提携しネット支店を開設している。



  • スルガ銀行ゆうちょ専用支店(株式会社ゆうちょ銀行):ゆうちょ銀行提携ローン利用者専用支店

  • スルガ銀行エスイーバンク支店(スルガ銀行株式会社)

  • スルガ銀行イービジネスダイレクト支店(スルガ銀行株式会社): 法人向け
    • イービジネスダイレクト支店CLUBUSEN(株式会社USEN): 法人向け


  • スルガ銀行ダイレクトワン支店(スルガ銀行株式会社)

    • ダイレクトワン支店ガリバークラブ(株式会社ガリバーインターナショナル)

    • ダイレクトワン支店リザーブドローン(スルガ銀行株式会社)



  • スルガ銀行ドリームダイレクト支店(スルガ銀行株式会社)
    • ドリームダイレクト支店マイホームクラブ(スルガ銀行株式会社)


  • スルガ銀行ANA支店(全日本空輸株式会社) :キャッシュカードは「ANA financial Pass」(電子マネーEdy機能付)

  • スルガ銀行マイ支店(スルガ銀行株式会社):マイ支店はSURUGA VISAデビットカード利用者専用支店として開設。2016年12月19日より「Dバンク支店」に統合[16]

    • マイ支店ワールドキャビット(株式会社エイチ・アイ・エス)

    • マイ支店KNTトラベルキャッシュ(近畿日本ツーリスト株式会社)

    • マイ支店Debit@(株式会社ウェブマネー)



  • スルガ銀行ソネット支店(So-net、ソネットエンタテインメント株式会社)

  • スルガ銀行Dバンク支店(スルガ銀行株式会社):2014年10月20日「ネットバンク支店」より改称。

    • Dバンク支店アクサダイレクトプラザ(アクサ損害保険株式会社)

    • Dバンク支店ソフマップ・バンククラブ(株式会社ソフマップ)

    • Dバンク支店ALSOK CLUB(綜合警備保障株式会社): ALSOKのホームセキュリティを現在契約中か契約予定である事が条件。

    • Dバンク支店ドコモプレミアクラブ応援バンク(株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ): NTTドコモの携帯電話を利用中で、なおかつドコモプレミアクラブに加入している事が条件。

    • Dバンク支店Gポイントクラブ(ジー・プラン株式会社) Gポイント会員である事が条件。



  • スルガ銀行OCN支店(エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社): OCNのプロバイダ契約をしている事が条件。



独自のサービス




年会費なしのVISAデビットを発行




アクセスビークル(いすゞ・フォワード)



SURUGA VISAデビットカード


VISAデビットと日本版のJ-Debitの2種類の即時決済が可能なカード(デビットカード)であり、また2007年(平成19年)2月15日以降に発行されたカードは、ICキャッシュカードとしても利用可能。
その後、生体認証(指静脈)キャッシュカードも発行された。




みまもりサービス


家に置いているキャッシュカードの盗難対策、不正利用対策機能で、ALSOK(綜合警備保障株式会社)のホームセキュリティに連動し、キャッシュカードを使用不能にする[17]



バイオセキュリティシステム


掌の静脈による生体認証で本人確認を行う。次のような商品に利用されている[18]



  • バイオセキュリティ預金(バイオセキュリティ普通預金及びバイオセキュリティ定期預金)

  • バイオセキュリティ投資信託

  • バイオセキュリティ個人年金保険

  • バイオセキュリティ個人向け国債



移動銀行窓口車


写真は、海老名支店の駐車場内に停車している車両。



  • 移動銀行窓口車(愛称:アクセスビークル。ATMも搭載)を所有しており、神奈川県内の決まった場所(3か所)を週2~3回訪れ、営業している。このアクセスビーグルには同行社員も同乗し、ローンなどの相談も受け付けている[19]


特定目的ローン


鉄道模型やロードバイク、一眼レフカメラなど、各種の高額商品の購入資金として使える特化型のローンを取り扱っている。



不祥事・融資を巡るトラブルなど



「かぼちゃの馬車」融資問題


スルガ銀行は、1980年代にリテール融資に特化した現在の業務形態にシフト。不動産向けローンでは、建物の耐久年数を大幅に超える長期融資など、他行が及び腰となるような、投資用物件への融資メニューも積極的に展開し、大手行では最短でも2週間かかる審査を5営業日で終わらせるなど、迅速な審査にも定評があり、森信親金融庁長官から、他行に先駆けてニッチな分野を開拓し、収益を上げている例として賞賛されるほどの成果を上げた[20][21][22]


こうした投資向け不動産に対する融資が地方銀行の新たなビジネスモデルとして脚光を浴びる中、スルガ銀行は、2014年以降、急成長していたスマートデイズとその投資家に対する融資に傾倒するようになる。


スマートデイズは2012年設立のシェアハウスであり、タレントのベッキーをCMに起用し、敷金・礼金不要の女性専用シェアハウス「かぼちゃの馬車」を中心に、首都圏で約900棟のシェアハウスを展開していた。「『家賃0円・空室有』でも儲かる不動産投資」との触れ込みで、個人投資家らに購入させたシェアハウスを一括で借り上げ、家賃を入居状況に関わらず保証する「サブリース」の形態を取っており、投資家オーナーは約700名に上った。その大半が銀行で多額の融資を受けて、長期の賃料収入を保証され、返せると踏んで、1棟あたり数千万円から数億円の割高な価格で物件を購入していた[23][24]


しかし、入居率が低迷し、2017年10月以降、水道光熱費の滞りが発生、オーナーに保証した家賃を減額し、2018年1月には完全に家賃の支払いがなくなった。そして、同年4月に民事再生法の適用を申請した[25]


事業破綻を受け、シェアハウス投資家の大半が融資の返済が困難となったことを受けて、被害弁護団が設立され、スルガ銀行に全容解明と金銭消費貸借契約(融資契約)の撤回を要求したが、スルガ銀行は「答えられない」と回答。弁護団長の河合弘之は、「スマートデイズとスルガ銀行が組み、被害を受けたという事件の本質を認めない。銀行としての責任に全く欠ける対応」と非難した[26]


スマートデイズは、セミナー等を通じて集めた、シェアハウスオーナーに関心を持つ会社員らにメーンバンクであるスルガ銀行での融資を勧め、提出させた通帳の写しの預金残高が少なかった場合には、写しを改竄するなどの手口で、貯蓄や所得を水増しした上で、投資家にスルガ銀行の横浜市内の支店を通じて、融資を受けさせていた。金融庁は、スルガ銀行の審査体制の問題だけでなく、通帳の写し改竄などの過程でスルガ銀行側も結託していた可能性を指摘している[21][27]


金融庁は、2018年3月16日、スルガ銀行に対して報告徴求命令を出し、実態の解明、報告を命じた[24]


さらに続けて、金融庁は、同行役員がシェアハウス融資の過程で、不正行為に関与していた可能性があるとして、同行への緊急立ち入り調査を開始した[28]


朝日新聞は、地方の投資用マンションを一棟買いする別の不動産業者が絡む融資案件でも、預金額や年収の水増しなどの不正が発覚したと報じている[29]


2018年5月15日、スルガ銀行により中村直人弁護士を委員長とする第三者委員会が設置された[30][31]


同日、スルガ銀行が横浜東口支店、渋谷支店、二子玉川支店を対象とした社内調査の結果を公表。「かぼちゃの馬車」を含むシェアハウス向け融資が2,035億円(顧客数1,258名)に上ることを明らかにした。しかし、東京商工リサーチの独自調査によって、これら3支店とは別に、川崎支店が行った、株式会社ガヤルドが展開するミニアパート「テラス」向けのサブリースに対する約1億5,000万円の融資も発覚しており、さらに膨らむ可能性がある。ガヤルドは2003年6月設立の注文住宅やマンション分譲会社であり、代金を支払ったにもかかわらず、工事がストップする事例が相次いで発生。代表者や従業員も行方をくらませた[32]


また、融資書類の改竄に関しては「相当数の社員が不正を認識していた可能性がある」ことを認めた[33]


9月7日、第三者委員会の報告書が公表され、「かぼちゃの馬車」関連に限らず、役員が不正融資に関与していた事例が多数あり、常態化していた実態が明らかとなる。仲介の不動産会社と結託して預金通帳の改竄などに手を染めていた他、融資の見返りとしてキャバクラなどで接待を受けていた事例が報告された。販売会社が物件販売価格を市場価格よりも割高に設定していることを知りながら融資を行うなどの実態も報告された[34]。①融資を受けるオーナーの自己資金の水増し、②投資物件の価値を高くみせかける収益計画の偽装、③虚偽の売買契約書の作成等の不正はシェアハウス融資だけでなく不動産投資向け融資全般に「蔓延していた」ことや、多数の行員や支店長、役員が関与していたことが報告されたことを受け、岡野光喜会長兼CEO、米山明広社長ら3人の代表取締役を含む役員5名が退任し、有国三知男取締役が社長に就任する人事が発表[35]。有国が記者会見において謝罪したが、30年以上トップに君臨し、報告書において「最も責任が重い」と指摘された岡野は姿を見せなかった[36]


報告書では、上司に首をつかまれて壁に押し当てられたり、営業目標が達成できない際に2時間以上立たされ同僚の前で給与額を言われたりするなどのパワーハラスメントが横行していた実態が報告され、有国は不衛生な労働環境に問題があったことを認めた[36]。また、上司から「お前の家族皆殺しにしてやる」「ビルから飛び降りろ」などと恫喝されたと回答もあった[37]


かぼちゃの馬車問題に端を発する一連の不祥事を受けて、株価は9月6日までにピーク時の5分の1にまで下落した[38]



顧客の定期預金を流用


2018年8月、本店営業部の男性行員が2015年に顧客の定期預金約1.6億円を無断で解約し、自分の担当先への融資金に流用していたことが発覚。懲戒解雇処分となった。



マンション投資を巡る訴訟


大阪市内の不動産会社からマンションを計2億2,900万円で購入した岡山県在住の男性が、スルガ銀行から融資を受ける際、業者から家賃収入で十分に返済可能であると説明され、月約100万円を返済する内容の契約を締結。ところが、実際の収入は返済額を下回っており、男性は、当該の不動産会社がスルガ銀行に対し、家賃収入などを巡る書類を改竄した上でスルガ銀行に提出したため、実際には割高な物件を購入させられたとして、2018年に当該の不動産会社とスルガ銀行を相手取り、計約2億2,700万円の支払いを求めて大阪地方裁判所に訴訟を提起した[39]



創業家への融資


スルガ銀行は創業家の関連会社に対し、使途不明金を含む融資を行なっており、その金額は数百億円に上ることが一連の不祥事を受けた調査の過程で判明した[40]



脚注


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  1. ^ “【速報】スルガ銀が日本IBMを提訴、システム開発の債務不履行による損害など111億円超を賠償請求”. 日経コンピュータ. (2008年3月6日). http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080306/295561/ 2013年9月26日閲覧。 


  2. ^ “[速報]スルガ銀-IBM裁判、日本IBMに74億円超の賠償命令”. 日経コンピュータ. (2012年3月29日). http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20120329/388219/ 2013年9月26日閲覧。 


  3. ^ “日本IBMの賠償を41億に減額 銀行システム開発訴訟”. 共同通信. (2013年9月26日). http://www.47news.jp/CN/201309/CN2013092601001720.html 2013年9月26日閲覧。 


  4. ^ “[速報]スルガ銀-IBM裁判控訴審は日本IBMに約42億円の賠償命令、第一審より減額”. 日経コンピュータ. (2013年9月26日). http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20130926/507010/ 2013年9月26日閲覧。 


  5. ^ “日本アイ・ビー・エム株式会社に対する損害賠償請求訴訟の控訴審判決に対する上告および上告受理申立てに関するお知らせ”. スルガ銀行. (2013年10月9日). http://www.surugabank.co.jp/surugabank/kojin/topics/131009.html 2014年7月18日閲覧。 


  6. ^ “スルガ銀-IBM裁判で両社が上告 争点はITベンダーの「中止提言義務」”. 日経コンピュータ. (2014年1月7日). http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20131226/527345/?ST=system&P=1 2014年5月1日閲覧。 


  7. ^ “スルガ銀が新勘定系に移行、順調に稼働”. 日経コンピュータ. (2014年1月6日). http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20140106/528004/ 2014年5月1日閲覧。 


  8. ^ “スルガ銀、新システムを稼働 災害対策や商品開発”. 日本経済新聞. (2014年1月7日). http://www.nikkei.com/article/DGXNZO64990940X00C14A1L61000/ 2014年5月1日閲覧。 


  9. ^ “新システムへ移行いたしました”. スルガ銀行. (2014年1月5日). http://www.surugabank.co.jp/surugabank/kojin/topics/140105.html 2014年7月18日閲覧。 


  10. ^ “スルガ銀行(8358)、アイシーを完全子会社化”. M&A times. (2015年4月1日). http://ma-times.jp/13813.html 2015年5月25日閲覧。 


  11. ^ “スルガ銀、広島支店を開設 ローンなど顧客獲得狙う”. 中國新聞. (2015年6月16日). http://www.chugoku-np.co.jp/local/news/article.php?comment_id=163034&comment_sub_id=0&category_id=113 2015年7月10日閲覧。 


  12. ^ “日本IBMの賠償確定 スルガ銀システム開発訴訟”. 共同通信. (2015年7月9日). http://www.47news.jp/CN/201507/CN2015070901001332.html 2015年7月10日閲覧。 [リンク切れ]


  13. ^ “IBM賠償確定、スルガ銀に41億円 システム訴訟で最高裁決定”. 日本経済新聞. (2015年7月9日). http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG09H8W_Z00C15A7CR8000/ 2015年7月10日閲覧。 


  14. ^ “日本アイ・ビー・エム株式会社に対する損害賠償請求訴訟の上告審決定に関するお知らせ” (プレスリリース), スルガ銀行株式会社, (2015年7月9日), http://www.surugabank.co.jp/surugabank/kojin/topics/150709.html 2015年7月10日閲覧。 


  15. ^ “スルガ銀、117人を処分 「過度なノルマ」全廃へ”. 日本経済新聞. (2018年11月30日). https://www.nikkei.com/article/DGXMZO38389910Q8A131C1EA6000/ 2018年11月30日閲覧。 


  16. ^ http://www.d-laboweb.jp/news/161219.html


  17. ^ みまもりサービス


  18. ^ バイオセキュリティシステム - スルガ銀行


  19. ^ アクセスビークル - スルガ銀行


  20. ^ 厳しさ増す地銀、サービス業への貢献で収益確保を=金融庁長官ロイター通信 2017年5月10日

  21. ^ abスルガ銀立ち入りずさん融資、被害拡大毎日新聞 2018年4月13日


  22. ^ “【スルガ銀行】一点特化の収益力は地銀随一も、難局に備えた再投資が課題”. 週刊ダイヤモンド編集部 . (2018年3月8日). http://diamond.jp/articles/-/162355 2018年5月16日閲覧。 


  23. ^ 「家賃0円でも儲かる」「身一つで」夢物語、本やCMで朝日新聞 2018年3月3日

  24. ^ abシェアハウス会社破綻、スルガ銀の融資審査調査読売新聞 2018年4月10日


  25. ^ 入居者混乱の恐れ シェアハウス「かぼちゃの馬車」破綻東京新聞 2018年4月10日


  26. ^ シェアハウス 事業頓挫 スルガ銀に契約撤回求める毎日新聞 2018年3月15日


  27. ^ スルガ銀に立ち入り検査 金融庁、シェアハウス投資で朝日新聞 2018年4月14日


  28. ^ 金融庁、スルガ銀に緊急検査シェアハウス融資で役員に不正行為の疑い日本経済新聞 2018年4月13日


  29. ^ 中古マンション投資でも不正続発 スルガ銀融資に絡み朝日新聞 2018年4月17日


  30. ^ 「スルガ銀は「第三者委員会」設置、シェアハウス問題で中村直人弁護士ら」ブルームバーグ2018年5月15日


  31. ^ 「スルガ銀相当数の行員、偽造認識 シェアハウス融資調査」毎日新聞2018年5月15日


  32. ^ スルガ銀行のサブリース関連融資、社内調査の3支店以外でも東京商工リサーチ 2018年5月23日


  33. ^ スルガ銀問題 スルガ銀、不正融資「相当数の社員が認識の可能性」日本経済新聞 2018年5月15日


  34. ^ 不正常態化 役員も関与 刑事責任焦点に スルガ銀行産経新聞 2018年9月7日


  35. ^ スルガ銀役員らの不正関与を認定 会長・社長は退任朝日新聞 2018年9月7日

  36. ^ abスルガ銀行 30年以上トップに君臨、岡野会長の姿なく毎日新聞 2018年9月7日


  37. ^ スルガ銀、パワハラも横行 日本経済新聞


  38. ^ ブラックロック、スルガ銀株式を一部売却朝日新聞 2018年9月6日


  39. ^ 「融資の書類を改ざんされた」、賠償求め提訴 読売新聞 2018年7月2日


  40. ^ スルガ銀、創業家側へ数百億円融資 一部は使途不透明か朝日新聞 2018年9月4日




関連項目








  • タウンネットワークサービス - コンビニATM事業でスルガ銀行と親密。

  • スルガ銀行チャンピオンシップ


  • 天皇杯全日本サッカー選手権大会 - 特別協賛スポンサー。大会を盛り上げた「ジャイアントキリング」を対象にした「SURUGA I DREAM AWARD」を設けている。


  • アスルクラロ沼津 - ユニホーム胸スポンサー



外部リンク


  • スルガ銀行









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