ホーカー シーフューリー





ホーカー シーフューリー




シーフューリー

シーフューリー






  • 用途:戦闘機


  • 分類:艦上戦闘機


  • 製造者:ホーカー・エアクラフト社


  • 運用者:主にイギリス(海軍)


  • 初飛行:1944年9月


  • 生産数:860機


  • 運用開始:1947年


  • 退役:1955年(イギリス海軍)






ホーカー シーフューリー (Hawker Sea Fury) は、イギリスの航空機メーカー、ホーカー・エアクラフト社が開発しイギリス海軍航空隊 (Fleet Air Arm) を中心に使用されたレシプロ艦上戦闘機。




目次






  • 1 開発


  • 2 活躍


    • 2.1 採用国




  • 3 派生型


  • 4 スペック (FB.11)


  • 5 関連項目


  • 6 外部リンク





開発


ホーカー・エアクラフト社が第二次世界大戦中に送り出したホーカー タイフーンは設計の不備や搭載エンジン、またネイピア製セイバーエンジンの不調により、当初は要求された高速戦闘機としては失敗作となり、低空での運動性の良さから戦闘爆撃機として活躍したが、これに満足しないホーカー・エアクラフト社はタイフーンの主翼と胴体を改設計したホーカー テンペストを開発し速度性能と高高度性能の向上を図り、これに成功した。しかし、テンペストは機体が複雑で重量がホーカー・エアクラフト社の想定より重くなってしまい、1942年頃からホーカー・エアクラフト社はテンペストを更に改設計して軽量、小型化することを決めた。折良く、空軍から仕様F.6/42が出され新たな戦闘機が求められたため、ホーカー・エアクラフト社はテンペストを軽量、小型化し空冷エンジン、ブリストル製セントーラスエンジンを搭載した戦闘機を提案し開発を進めた。また、テンペストまでホーカー・エアクラフト社は機体構造に鋼管骨組みを用いてモノコック構造を一部にしか用いなかったが、この機体から軽量化のため機体全体にモノコック構造を採用することにした。その後、1943年に海軍向け戦闘機仕様F.2/43が出されホーカー社は、この要求も仕様F.6/42の機体を一部改設計して対応することとし1944年には設計が終了した。


空軍向けの機体は1944年9月に初飛行し、フューリーと名付けられた。1945年2月には海軍向けの機体、シーフューリーが初飛行したが同年5月8日にはドイツが降伏し、ヨーロッパ方面の戦闘は終結したため空軍向けのフューリーは発注をキャンセルされ、海軍向けのシーフューリーも発注数を大幅に削減されてしまった。シーフューリーの生産は戦後も続けられた。シーフューリーはネイピア製セイバーエンジンに比べれば構造が簡単な空冷のブリストル製セントーラスエンジンを搭載したため信頼性が高く、運動性も良好で高性能な機体であった。



活躍




カナダ海軍のFB.11。




カナダ海軍から払い下げられレース機となったFB.11(リノ・エアレース、2014年)。




派手な塗装が施されたシーフューリー改造機(リノ・エアレース、2008年)。


第二次世界大戦には間に合わなかったシーフューリーではあるが、1950年から始まった朝鮮戦争に於いて活躍した。艦隊軽空母グローリー、オーシャン、テセウスとオーストラリア海軍の空母シドニーに搭載され、参戦した。敵側の航空兵力が手薄だったため、主に対地攻撃に用いられたが、ジェット戦闘機MiG-15の撃墜も記録している。1952年8月9日に空母オーシャン搭載機の編隊が中国空軍(実際には中国義勇軍パイロットの操縦)の編隊と交戦しイギリス海軍のP・カーマイケル大尉がMiG-15を撃墜したとされている。また、フェアリー ファイアフライと出撃した際はジェット戦闘機MiG-15の邀撃でファイアフライが被害を受ける一方でシーフューリーは振り切ることができた。その翌日にもMiG-15に追撃される場面があったものの、シーフューリーは損傷を受けながらも空母に帰還した。シーフューリーは艦載機向きではないスーパーマリン シーファイアに代わる海軍の主力戦闘機として重要な役目を果たしたが、1953年までにホーカー シーホーク、スーパーマリン アタッカーと交代していった。


シーフューリーは各国に輸出され、カナダやオランダ、エジプト、ビルマ、キューバ、イラク、パキスタン等で使用された。1961年には、ピッグス湾事件の際にキューバ空軍のシーフューリーがCIAに指揮された亡命キューバ人の部隊と交戦している。また、同年にビルマ空軍のシーフューリーが、シャン州の一部を実効支配し軍事拠点を築いていた中華民国軍のPB4Y-2を撃墜している。


退役後は民間に払い下げられた多数の機体が個人所有となり、現在もエアレースで活躍している。



採用国




  • オーストラリアの旗 オーストラリア


  • ビルマの旗 ビルマ


  • カナダの旗 カナダ


  •  キューバ


  •  エジプト


  • ドイツの旗 ドイツ


  • Flag of Iraq (1959–1963).svg イラク


  • モロッコの旗 モロッコ


  • オランダの旗 オランダ


  •  パキスタン


  • イギリスの旗 イギリス



派生型




訓練用複座シーフューリー。




ケンブル空軍基地で展示されるシーフューリー FB.11 (Mk II)。



  • フューリー

  • フューリー・トレイナー

  • シーフューリー F.10 : イギリス海軍が採用した単座戦闘機型。

  • シーフューリー FB.11 : イギリス海軍とカナダ海軍が採用した戦闘爆撃機型。

  • シーフューリー T.20

  • シーフューリー F.50

  • シーフューリー FB.51

  • シーフューリー FB.60

  • シーフューリー T.61



スペック (FB.11)


出典: The Flightline "Hawker Sea Fury." Military Aviation Archives


諸元




  • 乗員: 1名


  • 全長: 10.6 m (34 ft 8 in)


  • 全高: 4.9 m (16 ft 1 in)


  • 翼幅: 11.7 m(38 ft 4 34 in)


  • 翼面積: 26 m2 (280 ft2


  • 空虚重量: 4,190 kg (9,240 lb)


  • 最大離陸重量: 5,670 kg (12,500 lb)


  • 動力: ブリストル セントーラス  空冷 18気筒 二重 星型エンジン (53,600cc)、1,850 kW (2,480 hp) × 1


性能




  • 最大速度: 740 km/h (460 mph) - 高度 5,500 m 時


  • 巡航速度: 625 km/h (390 mph)


  • 航続距離:

    • 1,127 km (700 mi) - 胴体内燃料のみ

    • 1,675 km (1,040 mi) - 増槽装備時




  • 実用上昇限度: 10,900 m (35,800 ft)


  • 翼面荷重: 161.2 kg/m2 (44.6 lb/ft2


  • 馬力荷重(プロペラ): 441 W/kg (0.198 hp/lb)


武装



  • ロケット弾か爆弾を搭載可能


  • 固定武装: イスパノ Mk V 20 mm 機関砲 × 4


  • ロケット弾: 76 mm ロケット弾 × 12


  • 爆弾: 908 kg (2,000 lb)


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お知らせ。 使用されている単位の解説はウィキプロジェクト 航空/物理単位をご覧ください。


関連項目



  • ホーカー フューリー


  • 戦闘機 - 戦闘機一覧


  • イギリス空軍 - イギリス空軍機の一覧



外部リンク








  • Hawker Sea Fury FB.11, www.aviation.technomuses.ca (英語)


  • The Virtual Aviation Museum - Hawker Sea Fury, www.luftfahrtmuseum.com (英語)









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