慰霊の日










平和の礎


慰霊の日(いれいのひ)は、沖縄県が制定[1]している記念日で、日付は6月23日[1]である。沖縄県[2]および沖縄県内の市町村の機関の休日でもある。




目次






  • 1 概要


    • 1.1 法令




  • 2 経緯


  • 3 特別番組


  • 4 脚注


  • 5 参考文献


  • 6 関連項目


  • 7 外部リンク





概要


1945年6月23日に沖縄戦の組織的戦闘が終結したことにちなんで、アメリカ施政権下の琉球政府及び沖縄県が定めた記念日である。


毎年、この日には糸満市摩文仁の平和祈念公園で沖縄全戦没者追悼式が行なわれる。



法令


1972年の本土復帰前は、住民の祝祭日に関する立法(1961年立法第85号)に基づく公休日とされた。


本土復帰後は日本の法律が適用となり、慰霊の日はその法的根拠を失った。1974年には沖縄県が条例により6月23日を慰霊の日として定め[1]、その後、1991年に沖縄県[2]および沖縄県内の市町村が地方自治法4条の2第2項3号に基づき各休日条例により慰霊の日をそれぞれの機関の休日と定めたことによって再び正式な休日となった。よって、沖縄県とその機関(県庁、県立学校・病院など)、沖縄県内の市町村とその機関(市役所、町村役場、市町村立学校・病院など)は、原則として休日扱いとなる。


地方公共団体の機関の休日であり、根拠となる条例において振替休日の定めはないため、当該日が日曜日にあたっても翌日(6月24日)は振替休日にはならないが、過去には学校などによって翌日も休日とする例もあった。なお、国立大学である琉球大学は、休日条例の適用を受けないが、2000年より当日の授業については休講としている。


その他の国の機関(裁判所を含む)、一般民間企業、国立や私立の学校・病院などにおいては休業日とするかどうかの対応はまちまちである。金融機関は(国内業務との関係から)殆どが平日扱い[3]である。公共交通機関についても平日ダイヤ・休日ダイヤのいずれとするかはまちまちである。自治体等が休業する事から経由ルートを変更するところもある。


なお、道路標識の「休日」とは、国民の祝日に関する法律に規定する休日の事である。よって、慰霊の日(及び12月29日 - 1月3日)はこの「休日」には含まれない。


行政手続きの期限は、国(訴訟を含む)に係るものは慰霊の日は休日には含まれず、沖縄県と県内市町村に係るものは休日に含む場合があり、よって「当該休日の翌日」をもって、その期限の最終日とする扱いが異なる場合がある。



経緯


1945年4月1日にアメリカ軍の沖縄本島上陸によって本格的に開始された沖縄戦は、第32軍司令官牛島満大将(当時は中将)をはじめとする司令部が自決した日をもって組織的戦闘が終結したとされている。この自決がいつあったのかについては、6月22日説と6月23日説があり、現在、沖縄県では6月23日説を採用している。どちらが本当に自決があった日であるかについては議論があり、1961年に当時の琉球政府が慰霊の日を定めた際にも、当初は6月22日としていたものを、1965年に6月23日に改めた経緯もある。現在は1974年に制定された「沖縄県慰霊の日を定める条例」により、「我が県が、第二次世界大戦において多くの尊い生命、財産及び文化的遺産を失った冷厳な歴史的事実にかんがみ、これを厳粛に受けとめ、戦争による惨禍が再び起こることのないよう、人類普遍の願いである恒久の平和を希求するとともに戦没者の霊を慰めるため(条例第1条)」、6月23日を「慰霊の日」と定めている[1]


一方で、司令部が壊滅してもそれを知らされなかった兵士たちが抵抗を続けたため、散発的な戦闘は司令部自決の日以降も続いた。このため、慰霊の日を司令官自決の日と定めることに対して疑問を投げかける立場もある。たとえば沖縄市では、慰霊の日を休日とする一方で、同年9月7日に降伏文書への調印が行なわれたことから、同日を「沖縄市民平和の日」(市民平和の日)[4]と定めている。


1962年から、この日には沖縄県が主催する沖縄全戦没者慰霊祭が行なわれ、沖縄戦犠牲者の遺族やその子孫などが集まり、式典中の正午には黙祷が捧げられる。また、この日は沖縄県平和祈念資料館やひめゆり平和祈念資料館が入場無料となる。



特別番組


慰霊の日の前後には、沖縄県内にある全放送局が特別編成を組み、戦争の悲劇を風化させないように取り組んでいるが、当日の全戦没者慰霊祭の模様をNHK沖縄放送局が全国に発信するようになったのは、ごく最近のことである。それも、11時台は九州7県8局の総合テレビでネットするだけで、全国放送となるのは総合テレビ・ラジオ第1の12時台だけである(国際放送NHKワールドも12時台のみ放送されるが、ラジオでは同日録音放送もある)。



脚注


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注釈



出典



  1. ^ abcd沖縄県 1974.

  2. ^ ab沖縄県 1991.


  3. ^ 土曜・日曜・国の祝日に当たる場合を除く


  4. ^ 沖縄市 1993.




参考文献




  • “沖縄県慰霊の日を定める条例”. 沖縄県法規集. 沖縄県 (1974年10月21日). 2015年6月24日閲覧。:昭和49年10月21日 条例第42号。


  • “沖縄県の休日を定める条例”. 沖縄県法規集. 沖縄県 (1991年5月24日). 2015年6月24日閲覧。:平成3年5月24日 条例第15号。



  • “沖縄市民平和の日を定める条例”. 沖縄市例規集. 沖縄市 (1993年5月24日). 2015年6月24日閲覧。:平成5年4月1日条例第18号。


関連項目



  • 沖縄県

  • 沖縄県の歴史


  • 沖縄戦

    • 沖縄戦跡国定公園

    • 牛島満

    • 長勇



  • 琉球政府

  • 住民の祝祭日



外部リンク



  • 沖縄県公文書館

  • 沖縄県慰霊の日を定める条例 昭和49年10月21日 条例第42号

  • 沖縄の特別の日 6/23

  • 「慰霊の日」に関する記事の一覧(琉球新報)

  • 平和への願い 6・23 沖縄 慰霊の日




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