日産・シルビア








シルビアSILVIA )は、日産自動車で生産されていた2ドアノッチバッククーペ型自動車(3代目、4代目にはハッチバックが存在する。また2代目及び3代目のクーペは日産では公式には「ハードトップ」と呼んだ[1][2])。コンセプトが一貫しており、FRレイアウトとクーペスタイルを踏襲している為、4ドアやワゴンモデルが存在しない。




























日産・シルビア

SILVIA CSP311 005.JPG
 Nissan Silvia 310

販売期間
1965年-1968年(初代)
1975年-2002年(2~7代目)
製造国
日本の旗 日本
ボディタイプ
2ドアクーペ
2ドアコンバーチブル(5代目、7代目)
3ドアハッチバック(3~4代目)
駆動方式
FR
別名
日産・180SX
日産・200SX
日産・240SX
日産・240RS
日産・ガゼール(3~4代目)
テンプレートを表示



目次






  • 1 概要


  • 2 歴史


    • 2.1 初代 CSP311型(1965年 - 1968年)


    • 2.2 2代目 S10型(1975年 - 1979年)


    • 2.3 3代目 S110型(1979年 - 1983年)


    • 2.4 4代目 S12型(1983年 - 1988年)


    • 2.5 5代目 S13/KS13型(1988年 - 1993年)


    • 2.6 6代目 S14型(1993年 - 1998年)


    • 2.7 7代目 S15型(1999年 - 2002年)




  • 3 シルビアのモータースポーツ活動


    • 3.1 S110型


    • 3.2 S12型


    • 3.3 S13型


    • 3.4 S14型


    • 3.5 S15型


    • 3.6 出場レースなど




  • 4 車名


  • 5 脚注


    • 5.1 注釈


    • 5.2 出典




  • 6 関連項目


  • 7 外部リンク





概要


もともとスペシャルティカーとして登場し、3代目や5代目は当時のデートカーとして商業的に成功した。


2010年(平成22年)時点で日本国内で生産された車種としては任意自動車保険の保険料率が高い[要出典]車種であった。特に、1988年(昭和63年)に発売されたS13型以降においてはドリフトやチューニングカーを代表する車種であり、その評価は国際的に高い。



歴史



初代 CSP311型(1965年 - 1968年)


































































日産・シルビア(初代)
CSP311型

1stSilvia.jpg

1stSilviarear.jpg

販売期間
1965年 - 1968年
乗車定員
2人
ボディタイプ
2ドアクーペ
エンジン
R型 直列4気筒 1.6L OHV
駆動方式
FR
最高出力
90ps/6,000rpm
変速機
4速MT
サスペンション
前:ダブルウィッシュボーンコイル
後:半楕円リジッドリーフ
全長
3,985mm
全幅
1,510mm
全高
1,275mm
ホイールベース
2,280mm
車両重量
980kg
ブレーキ
前:ディスク
後:ドラム
最高速度
165km/h
-自動車のスペック表-

1964年(昭和39年)の第11回東京モーターショーに「ダットサン クーペ1500」として出品された後、1965年(昭和40年)4月発売。ダットサン・フェアレディ(SP310型)のシャーシにSUツインキャブ付R型1,600cc OHVエンジンを載せ、クーペボディを架装して作られた。同社の車種としては初採用のフロントディスクブレーキ、および4速フルシンクロのトランスミッション、クリスプカットと呼ばれた美しいデザイン(当時日産デザイン室に在籍した木村一男がドイツ人デザイナー、アルブレヒト・フォン・ゲルツによる助言を採り入れながらデザインしたもの)、継ぎ目を極力減らしたボディパネルなど意欲作であったが、美しいルックスには不釣合いなタフな乗り心地や相対的な割高感に加え、兄貴分のスカイラインやオープン版のフェアレディの影に隠れて商業的には成功したとは言えなかった。そのため、1968年(昭和43年)6月に554台のみで生産を終了、一旦は絶版となった。


この初代シルビアは、殿内製作所(現在の株式会社トノックス)にて製造された。


社団法人自動車技術会の「日本の自動車技術180選」に選出されている。また、トヨタ博物館の3階にも展示されている。



2代目 S10型(1975年 - 1979年)






































































日産・ニューシルビア(2代目)
S10型

Nissan New Silvia.jpg

Nissan New Silvia2.jpg

販売期間
1975年10月 - 1979年
乗車定員
5人
ボディタイプ
2ドアハードトップ
エンジン
L18 直4 1.8L シングルキャブ
L18E 直4 1.8L インジェクション
駆動方式
FR
最高出力
105PS/6,000rpm(L18)
115PS/6,200rpm(L18E)
最大トルク
15.0kgf·m/3,600rpm(L18)
16.0kgf·m/4,400rpm(L18E)
変速機
3速AT/4速MT/5速MT
サスペンション
前:マクファーソンストラットコイル
後:半楕円リジッドリーフ
全長
4,135mm
全幅
1,600mm
全高
1,300mm
ホイールベース
2,340mm
車両重量
990kg
ブレーキ
前:ディスク
後:ドラム
最高速度
170km/h(LS Type X 4MT)
-自動車のスペック表-

1975年(昭和50年)10月、A-S10型発売。日本国内の車名は「ニューシルビア」で、エンブレムにも「NEW」の文字が見られる。このエンブレムは最後まで「NEW Silvia」と書かれており[3]、前期型のエンブレムはCSP311型シルビアと同じ字体だった[3]。コンセプトは初代とはうって変わり、北米市場向けの「セクレタリーカー」として開発された。


プラットフォームはB210型サニーをベースとしており、サスペンションはフロントがストラット式、リアがリーフリジッド式を採用している。ハードウエアの面でも初代との繋がりは全くない。


1976年(昭和51年)5月、マイナーチェンジ。昭和51年排出ガス規制対応のため、L18型は排ガス対策システムであるNAPSを搭載した電子制御式燃料噴射のL18E型(115PS)に変更。型式もB-S11型となる。


1977年(昭和52年)8月に一部改良、フロントグリルの意匠変更とフロントバンパー四隅への対衝撃ゴムの配置、最上級グレードであるType Gも設定された。


直線的な美しいデザインを持つ初代とは対照的に北米受けを狙った2灯式ヘッドランプや、うねりの強い2代目のスタイルは日本の顧客には共感を得られず、国内販売台数は月2,000台ほどと、ライバルのトヨタ・セリカには遠く及ばず、不振だった[4]


この世代の北米向けモデルで初めてSXの車名が使われた。名称はDatsun 200SX。通称5マイルバンパーと呼ばれる大型バンパーを前後に装着していた。



3代目 S110型(1979年 - 1983年)


































































日産・シルビア(3代目)
S110型

ハードトップ[2](前期型)

Mycar-silvia-2000zsex.jpg

ハッチバック(前期型)

Nissan Silvia S110 Coupe NL.jpg

ハードトップ[2]後期型)

Nissan Silvia S110.jpg

販売期間
1979年3月 - 1983年(生産終了)
乗車定員
5人
ボディタイプ
2ドアハードトップ
3ドアハッチバック
エンジン
Z18 直4 1.8L
Z18E 直41.8L
Z18ET 直4 1.8L ターボ
Z20 直4 2.0L
Z20E 直4 2.0L
FJ20E 直4 2.0L
(エンジン型式にEがついているものはインジェクション仕様)
駆動方式
FR
変速機
3速AT/4速MT/5速MT
サスペンション
前:マクファーソンストラットコイル
後:4リンクリジッドコイル
全長
4,400 mm
全幅
1,680 mm
全高
1,310 mm
ホイールベース
2,400 mm
車両重量
1,105 kg
ブレーキ
前:7.5インチマスターパック付ディスク
後:ディスク
データモデル
ハードトップ 2000ZSE-X 5MT(前期型)
別名
日産・ガゼール(初代)
-自動車のスペック表-

1979年(昭和54年)3月、発売。プラットフォームはB310型系サニーやA10型系バイオレットと共通。ボディタイプはハードトップと呼ばれた[2]ノッチバッククーペに加え、ハッチを持つ3ドアファストバックが追加された。なお3ドアファストバックには大型バンパーおよび日本初のフロントシングルアームワイパーが全てのグレードに標準で装備されていた。角型4灯式ヘッドランプやセンターピラーレス・ボディ(ハードトップのみ)等当時の流行を押さえたデザインのため[3]、月4000台を上回る販売台数を記録するヒット作となった[5]


先代の輸出仕様車である初代200SXの手応えから、さらにアメニティーに振ったコンセプトとなり、日本初のドライブコンピューターをはじめ、ダッシュボード上の横一杯に並んだワーニングランプやフェードアウトする足元灯など、アメリカ車並みのムーディーな室内イルミネーションを採用。なお、米国仕様車の名称は200SXを継承している。


グレードは当初、1,800 ccのZ18型を搭載したLS(ハードトップのみ)/LS-L/LS-X(インジェクション仕様はLSE-L/LSE-X)、2,000 ccのZ20型を搭載したZS-L/ZS-X(インジェクション仕様はZSE-L/ZSE-X)が設定され、のちのマイナーチェンジでZ18ET型を搭載したターボZSE/ZSE-X、FJ20E型を搭載したRS/RSエクストラが追加設定された。これはR30型スカイラインRS用に開発されたDOHCエンジンである。


1982年(昭和57年)には、S110型シルビアをベースにWRCのグループB・ホモロゲーションモデルとして、2,400 ccのFJ24型エンジンを搭載し、角ばったオーバーフェンダーを追加、225/50R16タイヤを標準装備する日産・240RSが登場している。


また、このモデルと次のS12型にはモーター店の取扱車種として姉妹車のガゼールが設定された。


1982年(昭和57年)、生産拠点を九州工場(現・日産自動車九州)へ移す。


この年の第30回サファリラリーでは、LZ20B型(215ps)を搭載したグループ4仕様車が総合3位を獲得した。


1983年(昭和58年)、生産終了。


米国向け200SXのほかにメキシコ向けにはSAKURAのネーミングで売られていた。







4代目 S12型(1983年 - 1988年)






























































日産・シルビア(4代目)
S12型

クーペ 前期型 RS-X

Nissan-SilviaS12.jpg

ハッチバック 後期型 R-X

JS12 Nissan SILVIA R-X HB.jpg

販売期間
1983年8月- 1988年(生産終了)
乗車定員
5人
ボディタイプ
2ドアクーペ
3ドアハッチバック
エンジン
直列4気筒 2.0/1.8L
駆動方式
FR
変速機
4速AT/5速MT
サスペンション
前:マクファーソンストラットコイル
後:セミトレーリングアームコイル
全長
4,430mm
全幅
1,660mm
全高
1,330mm
ホイールベース
2,425mm
車両重量
1,140kg
ブレーキ
前:ディスク
後:ディスク
姉妹車
日産・ガゼール(2代目)
-自動車のスペック表-

1983年8月、発売。このモデルからリアサスペンションがセミトレーリングアームの独立式となる。また、リトラクタブル・ヘッドライトが採用された。機能面では、日本初のチルトアップ機構付き電動ガラスサンルーフが搭載された。日本国外への輸出ではこれまでのダットサンから米国仕様を含め、日産200SXとした。


ボディタイプは2ドア・ノッチバックと3ドア・ハッチバックの二車種。センターピラーを持つようになったためノッチバックボディは「ハードトップ」から「クーペ」に名称が変わった。エンジンはデビュー当初、1,800ccのCA18型3種(キャブレター/EGI/EGIターボ)と2,000ccの自然吸気エンジンであるFJ20E型(150PS)、ターボを搭載したFJ20ET型(190PS)が設定された。同じくFJ20ET型を搭載していたDR30型スカイラインでは、空冷インタークーラーを追加した205PS仕様が設定されたが、S12型には採用が見送られた(試作車両が十数台、生産され 一部が世に流出した)。


なお当初は新開発のCA18型エンジンの搭載を前提でデザインされていたが、デザイン決定後にFJ20エンジン搭載モデルも設定されることとなり、背の高いエンジンを収めるためにボンネットを切り抜きバルジを設けることで解決している。


「ターボR-X・G」には「キーレスエントリーシステム」なる装備があった。これは、後世におけるリモコンドアロックやインテリジェントキーシステムとは異なり、ドアハンドルに内蔵されたキーパッドで暗証番号を入力して施錠・解錠を行うものであった。同年11月には特別仕様車「50アニバーサリーバージョン」発売。


1984年2月、1800ターボR-L FISCO追加。中級グレードのターボ・R-LにFJ20E/ET搭載車とほぼ同一のサイズのタイヤ(195/60R15 88H)、アルミホイール(15×6.5J)等を装備したもの。9月、CA18ET車のターボチャージャーの冷却方式を水冷式に変更。



1986年2月、マイナーチェンジ。FJ20E/FJ20ET型エンジン搭載車が廃止され、全車CA型エンジン搭載車となった。トップグレードにはCA18DET型ツインカム・ターボエンジンが搭載された(これ以後、DOHCからTWINCAMという表記になる)。同時に兄弟車のガゼールが廃止。このため、日産モーター店では代替としてシルビアを扱うことになった(北米モデルの200SXにはVG30E型3,000ccエンジンを積む大排気量車が追加)。


1987年2月、クーペに「ホワイト RS-X」追加。同年8月、クーペに「R-X ホワイトセレクト」、「フルホワイト R-X」を追加しツインカム ターボRS等一部車種を廃止。


1988年に生産終了。






5代目 S13/KS13型(1988年 - 1993年)






































































日産・シルビア(5代目)
S13型

クーペ

Nissan 13 silvia.jpg

Nissan Silvia.jpg

コンバーチブル

S13 SILVIA CONVERTIBLE.JPG

販売期間
1988年5月 - 1993年10月(生産終了)
乗車定員
4人
ボディタイプ
2ドアクーペ
2ドアコンバーチブル
エンジン
CA18DE 直4 1.8L NA
CA18DET 直4 1.8L ターボ
SR20DE 直4 2.0L NA
SR20DET 直4 2.0L ターボ
駆動方式
FR
最高出力
135PS/6,400rpm(CA18DE)
175PS/6,400rpm(CA18DET)
140PS/6,400rpm(SR20DE)
205PS/6,000rpm(SR20DET)
最大トルク
16.2kgf·m/5,200rpm(CA18DE)
23.0kgf·m/4,000rpm(CA18DET)
18.2kgf·m/4,800rpm(SR20DE)
28.0kgf·m/4,000rpm(SR20DET)
変速機
4速AT/5速MT
サスペンション
前:ストラットコイル
後:マルチリンクコイル
全長
4,470mm
全幅
1,690mm
全高
1,290mm
ホイールベース
2,475mm
車両重量
1,120kg
ブレーキ
前:ベンチレーテッドディスク
後:ディスク
データモデル
1.8 K's 5MT(前期型)
-自動車のスペック表-

1988年5月、発売。歴代シルビアの中で最も販売台数が多い。このモデルで当時大人気だったホンダ・プレリュードの牙城を崩し、若者を中心に約30万台を販売した[6]。当時としては未来的なデザインで、CMや雑誌広告のコピーでも「アートフォース・シルビア(ART FORCE SILVIA)」と表現しており[6]、グッドデザイン大賞を受賞した。そのシルエットから女性人気を集めただけでなく、希少な存在となっていたFRのスポーティークーペであることから走行を重視する男性層の支持も得た[6]。足回りには新開発のリアマルチリンクサスペンションが採用された。


日産はこのモデルをデートカーとして位置づけており、FRレイアウトの採用に関しても、低いボンネットのデザインを実現するに適したFF用コンポーネントを日産が持ち合わせていなかったということが最大の理由であった。当時すでに少なくなっていた手頃な価格の後輪駆動車でスポーツ走行にも適した設計であったため、アフターマーケットにおいてスポーツ走行用の様々な改造パーツが開発され、特に走り屋の若者を中心に大きな人気を博した。次第にサーキットや峠などで走るための車として使用されることが多くなり、それは時に公道での無謀な暴走行為に及ぶこともあった。これはその後のモデルであるS14型やS15型も同様である。




CA18DEツインカム16バルブエンジン


搭載エンジンは、デビュー当初は1,800cc、自然吸気エンジンのCA18DE型(135PS)とターボのCA18DET型(175PS)であった。1991年のマイナーチェンジ後は2,000ccのSR20DE型(140PS)とSR20DET型(205PS)に変更された。グレードはJ's、Q's、K'sの3種で、特別仕様車の名称も含めてトランプを意識した構成になっていた。


1988年7月、オーテックジャパン製の「コンバーチブル」を追加発売。K'sを改造したものであり、製造はオープン構造の車の生産を得意とする高田工業に委託されていた。


1988年10月、昭和63年度の通産省選定グッドデザイン大賞を受賞。


1988年11月、一部改良。セットオプションの組み合わせをユーザーが選ぶ「パーソナルオーダー」導入。新塗色にスーパーブラック(KH3)追加。


1988年12月、'88〜89年日本カー・オブ・ザ・イヤー受賞。


1989年2月、一部改良。ATシフトロックをPレンジ保持機構付きに変更。同年10月にはビスカスLSDのオプション設定をQ'sに拡大。


1990年2月、「ダイヤセレクション」シリーズを追加発売。Q's、K'sをベースにそれまでの販売実績から人気の高いオプションを標準化しながら価格上昇を最小限に抑えたお買い得仕様。内容はオートエアコン、アルミホイール、CDプレーヤー(ソニー製)、アーム式シートベルトガイド、電動格納式ドアミラー、プロジェクターヘッドランプ、リアスポイラー、スーパーファインコーティング(フッ素樹脂塗装)、専用エンブレム(銀地にQ'sあるいはK'sと書かれ左右にトランプのダイヤのマークが入る)、アクセントモール。なお、ダイヤセレクション専用オプションとしてレザーバージョン(本革シート、ステアリング、シフトノブのセット)が設定される。


1991年1月、マイナーチェンジ。エンジンが1,800ccのCA18DE/CA18DET型から2,000ccのSR20DE型(140PS)とSR20DET型(205PS)に変更された。姉妹車の180SXも同時期にSRエンジンに変更されたが、名称は180SXのままであった。そのほか、4輪操舵のHICAS IIがSUPER HICASに変更され、タイヤサイズが195/60-15から205/60-15にサイズアップされた。さらにトランクリッド後端中央のキーホールカバー形状を逆台形から楕円形に変更、リアスポイラーを飛行機の翼をモチーフにした新形状に変更、その内蔵ハイマウントストップランプには横一列配列のLEDを採用、サイドドアビームの追加、プロジェクターヘッドランプが4連からフォグランプも含めた6連に変更、アルミホイールの形状変更、トランク裏にトリム(内装)が追加されるなどの細かい点も変更が行われている。内装はシートの形状が変更され、リア3点式シートベルトが採用され、ワイパーの間欠時間調整が追加(Q's系、K's系)、ファッションキー(キーヘッドが丸で中に「SILVIA」のロゴが入る)の採用、前期型で多かった女性ユーザーからの要望により従来の助手席側に加え運転席側にもバニティミラーを追加(Q's、K's系)。ダイヤセレクションは廃止されたが、ダイヤセレクションの内容からCDデッキと専用エンブレムを省いた仕様のメーカーオプション「ダイヤパッケージ」が設定された。また、内装のオプションとして「レザーセレクション」(本革シート、ステアリング、シフトノブ専用内装地。スーパーハイキャスとセットオプション)とアートテリアセレクション(大理石模様のスウェード調生地のシート、内装地)を追加している。


1992年1月、「クラブセレクション」と「Q'sSC」追加発売。クラブセレクションは先のダイヤセレクションと同等の仕様。相違点はCDデッキがソニー製からクラリオン製に変更、アルミホイールが標準車と違いシルバーポリッシュ(光輝仕様)タイプとなる、専用の銀地の楕円型グレードエンブレムの文字色が濃赤になり、左上にトランプのクラブのマークと下に「club」のロゴが入る点。「Q'sSC」はQ'sにオートエアコンとシルバーポリッシュのアルミホイールを装備しながら価格上昇を抑えた質実剛健型グレード。なお、SCとは「スペシャルカード」の意である。


同時に一部仕様変更が行われ、シートベルト警報&警告灯を装備。これはエンジン始動時にメーター内の警告灯が点滅し、同時に運転席ベルト未装着の場合は警報がいずれも8秒間作動する仕組みになっていた。これに伴いメーターの変更が行われ、オートエアコンのデジタル化も行われた。


1992年5月、「Q's2」(Q'sスクエア)限定発売。同時期の日産主力車種と同様、乗用車生産4000万台突破を記念した期間限定車。ベースはQ'sSCでランバーサポート付きの運転席や専用ヨーロピアンインテリア、リアスポイラーなどを追加装備したもの。ボディカラーは1月に追加されたパールホワイトと既存のスーパレッド、スーパーブラックの3色。


1992年12月、「オールマイティ」追加発売。モデル末期に入り、廉価なお買い得版による販売力強化を図った仕様。ベースはJ'sでマニュアルエアコン、アルミホイール、パワーウインドー、カセットデッキ付きチューナー&4スピーカー、電動格納式カラードドアミラー等J'sには標準では未装備の快適装備が追加された。またこのモデルのみベロア調ニットを使った専用シート地(縫い目の位置が見える位置に変更されコスト削減のテスト的意味合いが強い)が装備される。なお、この内装は180SXの中期型の黒ヘッド仕様にも用いられる。専用エンブレムも装備されるが、楕円ではなく長方形で銀地に黒で「A」マークとトランプのスペードのマークが入った仕様となる。


これに伴いベースとなったJ'sと年頭に追加されたQ'sSCが廃止される。


モデル末期には、そのころ発足したばかりの全日本GT選手権のGT2クラス(後のGT300クラス)に参戦し、クラスチャンピオンを獲得している。


1993年10月、S14型シルビアの登場に伴い販売終了。


輸出仕様車として、北米仕様の貨物車用の2,400ccエンジン(前期型はKA24E、後期型はKA24DE)を搭載した240SXと、欧州仕様の200SX(搭載エンジンは日本仕様と同様、初期型が1,800ccのCA18DE/CA18DET型、後期型が2,000ccのSR20DE/SR20DET型)とが存在する。北米仕様の240SXは、現地のヘッドライト位置の法規に対応するため、フロントのデザインに180SXと同様のリトラクタブルライトを採用している。こちらは1996年まで生産が続行された。


姉妹車として、1989年4月に180SX(RS13型)が発売された。これは上記の240SXのハッチバックボディの日本仕様車であり、車名の「180」は排気量の1,800ccにちなんでいる。エンジンはシルビアと異なり、ターボモデルのCA18DET型のみ設定していた。この180SXは北米向け240SXはモデルチェンジがなされずしばらくS13型の生産が続行された事から、S13型シルビアの販売終了後も販売が続けられた。後述の通りモデルチェンジしたS14型シルビアが不人気だったことから、かえって人気が高まり、1998年まで生産が続行された。


他メーカーによる改造車として、光岡自動車がS13型シルビアをベースにクラシックカーのようなボディに換装した初代ラ・セードを発表している。


またユーザーの私的改造として、180SXがベースにフロントセクションをS13型シルビアのものに換装した、通称シルエイティ(後に一部の日産系ディーラーで正式に販売された)、逆にS13型シルビアをベースにフロントセクションを180SXのものに換装したワンビアが存在する。


S13型シルビアのボディは、ニュルブルクリンクにて開発中のスカイラインGT-R (BNR32) をテストする際に、偽装用ボディパネルとして使われた。



6代目 S14型(1993年 - 1998年)






































































日産・シルビア(6代目)
S14型

前期型(1993年10月-1996年6月)

Nissan S14 front.jpg

Nissan S14 back.jpg

後期型(1996年6月-1998年12月)

Nissan Silvia K's SE (S14) front.JPG

販売期間
1993年10月 - 1998年(生産終了)
乗車定員
4人
ボディタイプ
2ドアクーペ
エンジン
SR20DE 直4 2.0L NA
SR20DET 直4 2.0L ターボ
駆動方式
FR
最高出力
160PS/6,400rpm(SR20DE)
220PS/6,000rpm(SR20DET)
250PS/6,400rpm(オーテック仕様)
最大トルク
19.2kgf·m/4,800rpm(SR20DE)
28.0kgf·m/4,800rpm
(SR20DET&オーテック仕様)
変速機
4速AT/5速MT
サスペンション
前:ストラットコイル
後:マルチリンクコイル
全長
4,520mm
全幅
1,730mm
全高
1,295mm
ホイールベース
2,525mm
車両重量
1,240kg
ブレーキ
前:ベンチレーテッドディスク
後:ディスク
データモデル
2.0 K's 5MT(後期型)
-自動車のスペック表-

1993年10月、発売。プラットフォームは先代の物を流用しているが、ボディサイズは拡大され全車3ナンバーとなった。スペシャルティ市場がRV等に押されていた時期と重なったこと、ボディが大型化されたこと等により軽快感が失われたこともあり若者の人気を得られず販売台数が減り、中古車の人気も当初は高くなくS13型の中古車価格が高騰した時期がある。


エンジンは自然吸気、ターボ共に改良され、SR20DE型は160PS、SR20DET型は220PSにパワーアップした。先代の自然吸気はレギュラーガソリン仕様だったが、ハイオク仕様に変更された。


ホイールのPCDは、ターボ車が114.3mm×5H、NA車が114.3mm×4Hである[注釈 1]


1994年2月、特別仕様車「Q'sエアロスポーツ」発売。同年9月特別仕様車「K's TYPE K1」発売。


1995年5月、一部改良、「エアロ」シリーズと「Q'sクラブセレクション」を追加発売。一部改良により運転席エアバッグを全車標準化した他、グリルを変更し、従来フロントグリルとリアフェンダー上のグレードエンブレム下にあった「Silvia」エンブレムが廃止され、トランク上にあったエンブレムの位置もセンターから左端に移動された。Q's、K'sにはエアロフォルムバンパーやナバーン製リアスポイラー、アルミホイール、ホワイトメーター、革巻きステアリング&シフトノブ等を装備したエアロシリーズが追加される。またQ'sをベースにエアロフォルムバンパーや15インチホイール(鉄製)を装備したQ'sクラブセレクションを追加。


1996年6月、後期型へマイナーチェンジ。曲線の多かった前期型からヘッドランプを角ばった、いわゆる「ツリ目」の形状にするなど、主にフロント周りのデザインを一新し、全体的にシャープなデザインの外観に変更した。愛好者からは前期型を「たれ目」、後期型を「吊り目」と区別されている。前期型と同様S13型と比べて大型化したボディサイズに対する先入観はいかんともしがたく、一般市場では不評のまま終わった。それでもシャープな印象の後期型の人気は前期型に比べれば高く、中古車価格も年式の割には後期型が高いが、前期型の柔和なスタイルを好むものもいる。


1997年10月、「オーテックバージョン K's MF-T」が追加。オーテックジャパンによって各部をファインチューニングされており、特にエンジンはチューニングされたSR20DET型に石川島播磨重工業製の専用ターボチャージャーを組み合わせ、藤壺技研工業製の専用エキゾーストシステムと相まって、最高出力250PS/6,400rpm、最大トルク28.0kgf·m/4,800rpmを発生した。外観上の特徴は、大型リアスポイラー、専用フロントバンパー、アローエンタープライズ製の16インチアルミホイール。215/50R16・90VのブリヂストンポテンザRE710Kaiを履き、専用スポーツサスペンションを装着していた。内装はホワイトメーター、 電圧・油圧・ブーストの3連ホワイトメーター、MOMO社製SRSエアバッグ付きスポーツステアリング、本革巻シフトノブ、専用シート地、専用ドアトリムクロスが装着されていた。


1998年、年内で生産終了。



輸出仕様車としてS13型と同様、欧州仕様車と北米仕様車が存在した。欧州仕様は、日本仕様と同様のSR20DE/SR20DET型エンジンを搭載したモデルが新型200SXとして販売された。北米仕様車は1996年にS14型の240SXへとモデルチェンジした。エンジンは引き続きKA24DE型(155PS)が搭載された。




後期型リア





7代目 S15型(1999年 - 2002年)






































































日産・シルビア(7代目)
S15型

オーテックバージョン

Nissan Silvia S15 001.JPG

ヴァリエッタ

Nissan Silvia Varietta 002.JPG

スペックRエアロ

Nissan s15.jpg

販売期間
1999年1月 - 2002年8月(生産終了)
乗車定員
4人
ボディタイプ
2ドアクーペ
2ドアコンバーチブル
エンジン
●spec.S
SR20DE 直4 2.0L NA
●spec.R
SR20DET 直4 2.0L ターボ
駆動方式
FR
最高出力
●spec.S
160PS/6,400rpm(AT)
165PS/6,400rpm(MT)
●spec.R
225PS/6,000rpm(AT)
250PS/6,400rpm(MT)
最大トルク
●spec.S
19.2kgf·m/4,800rpm(AT)
19.6kgf·m/4,800rpm(MT)
●spec.R
28.0kgf·m/4,800rpm
変速機
4速AT/5速MT/6速MT
サスペンション
前:ストラットコイル
後:マルチリンクコイル
全長
4,445mm
全幅
1,695mm
全高
1,285mm
ホイールベース
2,525mm
車両重量
1,240kg
ブレーキ
前:ベンチレーテッドディスク
後:ディスク
データモデル
2.0 スペックR 6MT
-自動車のスペック表-

1999年1月、発売。


最大のトピックはS14型で拡大されて不評だったボディサイズを再び5ナンバー枠に戻したことである。また、グレードの変更が行われ、S13型からS14型までの「J's」「Q's」「K's」から、NAモデルの「spec.S」とターボモデルの「spec.R」となった。S15型は硬派なスポーティカーとして割り切ったスタイリング、コンセプトは好評で、同時期に発売されていたR34型スカイラインから人気を奪ってしまったほどだった。


販売は日産レッドステージで行われた。また、S15型登場に合わせて180SXは生産を終了し、モデルが廃止された。また、S15型では左ハンドル仕様が開発されなかったため欧州向けや北米向けには輸出されず、オーストラリアとニュージーランド向けが少数輸出された他、中古車がイギリスに渡っている。


S13後期型以来伝統のSR系エンジンはさらに改良され、スペックSのSR20DE型ではMT車が165PS、AT車が160PSであるのに対し、スペックRのSR20DET型ではMT車が250PS、AT車が225PSとなっている。


スタイル上の最大の特徴はサイド面のプレスラインがリアフェンダー、リアトランクにかけて徐々に絞り込まれる「深絞りプレス成型」を採用したリアフェンダーである。ヘッドライトはボンネットに回り込んだ「釣り目」デザイン、テールランプもトランクに回り込んだ大型のものが採用された。


ホイールのPCDは、ターボ車・NA車ともに114.3mm×5Hに統一された。


内装面では、メーカー純正としては珍しい運転席側Aピラー部分に設置されたブースト計(spec.R系)・油圧計(spec.S系)や、運転席中央部にポップアップ式5.8インチ液晶モニターをオプションで採用する。また、エアロ系グレードには「インテリアパッケージ」と言うオプションが選択可能で選択するとフロントシートとドアトリムが専用のオレンジのスェード調クロス地となる(リアシートは他グレードと同じ)。


また、ターボモデルであるスペックRにはトヨタ系列部品会社のアイシン・エーアイが製造した6速MTが装備され、更にターボチャージャーにはS14型から引き続きボールベアリングタービンが採用され、レスポンスアップを図りつつ、低速回転からもストレスなく回る仕上がりになっている(ただし、生産終了間際のモデルにおいてはボールベアリングではなくフローティングメタルが採用されている)。アイシン・エーアイ製6速トランスミッションはシフトフィールに優れず、元来マツダ・ロードスター用に開発されたものをベースとしていたため容量的な余裕がなく、エンジンパワーを上げるとトラブルが多発した。


1999年10月、グレード追加によりスペックR/Sに「bパッケージ」が登場。豪華さとファッション性に重きを置いたグレードで、内容は内装ではフロントシート/ドアトリムが専用のブルーのスェード調クロス地になる(リアシートは他グレードと同じ)、ステアリングのステッチが他グレードと異なり専用のブルーステッチになる、本革巻シフトノブ採用(スペックS・bパッケージMT車のみ、スペックR系はもとより標準のため)、キーレスエントリーの標準化(通常グレードにオプションで付けた場合と異なりアンサーバックがハザードで行われる)、スペックS・bパッケージ専用装備としてスペックR系車両と同一のチタン調のメーターパネルが付く。外装ではフォグランプが標準化され、スペックR・bパッケージ専用装備としてクローム調の専用アルミホイールが装備される。また、bパッケージ専用外装色として「ライトブルーイッシュシルバー」が追加される(2000年一部改良時にエアロ系グレードを除きライトブルーイッシュシルバーが選択可能となる)。


同時にオーテックジャパンが開発を手がけた「オーテックバージョン」を追加。スペックSをベースとして各部にファインチューニングを行い、自然吸気エンジンのNVCS付きSR20DE型専用エンジンは、圧縮比アップによる燃焼効率の向上や背圧低減による高回転域の排気効率向上、狙いのトルク特性を引き出すためバルブタイミング、リフト量のチューニング等、内部を見直す一方、藤壺技研工業製の専用エキゾーストマニホールドを採用し、最高出力200PS/7,200rpm、最大トルク21.8kgf·m/4,800rpmを発生した。ボディ補強、前後ブレーキ、6速MT、リヤヘリカルLSDなどはスペックRと共通である。外観上はボディサイドエンブレム程度の相違しかなく、内装も専用シルバーメーター、赤ステッチ入りの専用フロントシート・ドアトリム生地など、大変控えめなものであった[7]


2000年5月、国産初のフルオープンタイプ電動メタルルーフのオープンカー(クーペカブリオレ)の「ヴァリエッタ」を発表。ベースとなったのは、1999年の第33回東京モーターショーに出品された、オーテックジャパンと高田工業の共同開発車である。同年7月に発売開始。搭載エンジンはSR20DE型のみで、5速マニュアル車は165PS、4速AT車は160PSであり、エンジン詳細はスペックSに準ずる。内装面では、フロントシートに「モルフォトーンクロスシート」を標準装備。モルフォトーンクロスは帝人と川島織物との共同開発による物で、モルフォチョウの鱗粉の発色原理を応用する繊維を織り込んだ布地が使用されている(素材は帝人と田中貴金属工業による共同開発)。オプション装備としてシートヒーター内蔵の黒色の本革シートも用意されている。なお、モルフォトーンクロスおよびシートヒーター装備の本革シートを採用しているのはフロントシートのみで、リアシートについては黒色の合皮が採用されている。


2000年10月、オーテックジャパンにより内外装に手を加えた「style-A」を追加。搭載エンジンはSR20DET型およびSR20DE型の2種。DET型には6速マニュアル、DE型には5速マニュアル、両方に4速ATと合わせて全4種をラインナップした。前後バンパーに専用デザインのエアロパーツを採用したほか、テールランプにはボディ同色の縁取りが施されている。内装にはベージュの素材をアクセントに採用。単色の本革シートや黒とコンビの本革巻きステアリングを装備し、ダッシュボード下面からセンターコンソールかけてとドアトリムには合皮の素材が使われている。


同2000年には光岡自動車がS15型をベースに、2代目ラ・セードを発表している。


2002年1月24日に最終特別限定車「Vパッケージ」を発売開始。専用フロントシート・ドアトリム生地、MD・CD一体型電子チューナーラジオ、プライバシーガラス、キセノンヘッドランプなどを標準装備しつつ、価格を従来車から据え置いた。なお、この追加によりVパッケージのベースとなったスペックS・Gパッケージ、スペックR及びスペックR/S・bパッケージ、スペックR・Type-Bが廃止されグレードが整理される。


2002年8月、折からのスポーツカーの販売不振や平成12年排ガス規制の影響を受け、R34スカイラインGT-Rとともに生産終了となった。これによりシルビアは1975年の復活から27年(初代と2代目の間に挟まれた中断期間を入れて37年)の歴史に幕を閉じた。販売台数は約3万台、販売期間は僅か3年7ヵ月と歴代モデルでは最も短いが、派手なデザイン故に今日でも愛好家が多い。



シルビアのモータースポーツ活動



S110型




  • 1980年(昭和55年)11月、マカオグランプリ・スーパーサルーンクラスおよびギア100に参戦。スーパーサルーンクラスでは優勝を飾り、ギア100では5位を記録する。ともにドライバーは星野一義。

  • ハッチバック(KS110型)をベースに車体の一部をパイプフレームとするノバ・エンジニアリング製のシャシーに大型のフロントスポイラー、およびリアウイングを備えるムーン・クラフト製のカウルをまとうスーパーシルエットフォーミュラ・シルビアターボが好戦績を残した。

  • メインスポンサーは一貫して日本ラヂヱーター(カルソニックカンセイ)。スーパーシルエットクラスレースには、同じ形状のカウルで1982年(昭和57年)、1983年(昭和58年)と連続参戦した。


  • 1983年(昭和58年)後半には、同年S110型からS12型にフルモデルチェンジした関係で、外装パネルをS12型ハッチバックへ意匠変更した。但し、エンジン及びシャーシ類は、大きな変更を受けていない。

  • シルエットフォーミュラのエンジンは1981年(昭和56年)度は直列4気筒DOHCのLZ20B型ターボ、1982年(昭和57年)度はサファリラリー等で活躍したPA10型「バイオレット」に搭載されていた直列4気筒DOHCのLZ20B型にエアリサーチ製T05Bターボチャージャー、およびルーカス製メカニカルインジェクションシステムを組合わせたLZ20B/T(2,082cc 570PS/7,600rpm、55kgf·m/6,400rpm)型だった。

  • 日産側の意向により、同様のレーシングカーが存在する。兄弟車種であるS110型ガゼール(ハッチバック)の他にスカイライン(KDR30型)及びブルーバード(KY910型)でも製作され、それぞれ長谷見昌弘と柳田春人がドライブし、ターボ三羽烏として知られた。



主な戦歴


1981年(昭和56年)3月 富士GC 第1戦 富士300キロスピードレース大会 優勝


1982年(昭和57年)3月 富士300kmスピードレース GCクラス 優勝

1982年5月 富士グラン250kmレース GCクラス 2位


1983年(昭和58年)5月 富士グラン250kmレース 優勝


コンペティションマシン・240RS

1983年(昭和58年)、日本国外ラリー競技向けにS110型ベースの「240RS(BS110)」というホモロゲーションモデルが登場。当時グループBで争われていたWRCに参戦した。ボディタイプはハードトップ[2]が選ばれた。生産台数は200数台といわれている。1983年(昭和58年)から1986年(昭和61年)まで参戦したWRCでの最高成績は2位。


240RSのホモロゲーションマシン及びカスタマー・スペック車に使われたのは2,400ccのFJ24型(240PS)である。さらに、240RSのワークスカーにはFJ24改(275PS)を搭載するエボリューションモデルが存在した。FJ24型は国内で販売されていたFJ20E型とは設計・構造が大きく異なるため、共通パーツがほとんどなく競技専用エンジンだった。


2006年(平成18年)のNISMOフェスティバルでは、経年経過によって劣化されたワークスマシンを日産自動車の有志の手で稼働出来るよう修復することに成功し、デモランを行った。2007年(平成19年)現在、この車両は日産の座間事業所内にある座間記念車庫に動態保存という形で厳重に保管されている。また、ローカル競技ではあるが、240RSは日本のあるエンスージアストの手により近年のタルガ・タスマニア・ラリーに参戦し、好成績を収めている。



S12型





ニチラ シルビア スーパーシルエット


スーパーシルエットフォーミュラ・シルビアターボ

シルエットフォーミュラにも引続き参戦したが、車両自体は先代S110型のシルエットフォーミュラ仕様のボディパネルをS12風に変更したモデルである。現存しているシルビアのシルエットフォーミュラ仕様車はこのS12風カウルをまとったもので、2005年(平成17年)のNISMOフェスティバルでは、新品に近い状態にまで修復されたこのマシンを当時のドライバーである星野一義が運転した。



主な戦歴


1983年(昭和58年)9月 富士GC 第3戦 富士インター200マイルレース大会 2位

1983年(昭和58年)10月 スーパーカップレース SSクラス 優勝




1988年 サファリラリー仕様車


WRC・グループAクラスへの参戦

S12型の北米向けモデル200SX(RVS12型)には、V6・3,000ccのVG30E型を搭載するモデルも存在した。日産はこれをベースにラリー仕様車を製作、1987年(昭和62年)と1988年(昭和63年)の2年間、WRCのグループAクラスに参戦した。WRCにおける最高成績は1988年アイボリーコーストラリーの優勝。



主な戦歴


1987年(昭和62年) 第35回サファリラリーに北米向け200SXをベースとするグループA仕様車が参戦


1988年(昭和63年) 第36回サファリラリーに参戦。総合2位・A4クラス優勝および総合3位を獲得

1988年(昭和62年) アイボリーコーストラリーに参戦。総合優勝。WRCで最後に優勝したFR車となる。



S13型


ワンメイクレース・GTI(JGTC以前のカテゴリー)への参戦

『デートカー』などの軟派なイメージが先行されたS13型も、軽量化のため内装を全て剥ぎ、ロールケージを張り巡らされ、外装ノーマルでエアロパーツが一切不可、さらにはSR20DEのメカチューンを搭載したスパルタンな車両が若手レーサーの激戦区でもあったワンメイクレースにて活躍。また、1993年(平成5年)に国際級レースにNISMOよりグループA仕様のGT-RベースにしたカルソニックGT-Rと共にシルビアワンメイクレースのN2仕様のスーパーシルビアに大型エアロパーツを装着、モディファイした車両が参戦している。



S14型


JGTC・GT300クラスへの参戦

S14型は全日本GT選手権(JGTC)のGT300クラスに前期型と後期型が共に参戦した。1997年シーズン、織戸学/福山英朗組の駆る後期型フェイスのRS・Rシルビアがチームタイトルを獲得した。


NISMO 270R

S14型には前期型をベースにNISMOがチューニングを行った「NISMO 270R」というコンプリートカーが存在した。ボディカラーはスーパーブラック(#KH3)のみ。開発にはレーシングドライバーの木下隆之が関与した。車名はNISMOの手でファインチューニングされたSR20DET型エンジンの最高出力である270PSにちなんでいる。



S15型


JGTC・GT300クラスへの参戦

S15型は全日本GT選手権(JGTC)のGT300クラスにデビュー直後から参戦した。2001年(平成13年)シーズン、大八木信行/青木孝行組のダイシン・シルビアがチーム及びドライバーズタイトルを獲得している。また、2004年(平成16年)シーズンからは日産のGT300クラスの主力の座をZ33型フェアレディZに譲り、翌年第一戦から退いた。



主な戦歴


2001年(平成13年) JGTC GT300クラスに参戦。チーム・ダイシン・シルビアがチーム及びドライバーズタイトル獲得


全日本ラリー選手権・2輪駆動部門への参戦

2001年(平成13年)、2002年(平成14年)には全日本ラリー選手権2WD部門に参戦した。チームはNRSで、連続で年間ドライバーズタイトルを獲得している。



出場レースなど




  • シルエットフォーミュラ(Gr.5)

  • ジャパン・スーパースポーツ・セダンレース

  • 世界ラリー選手権

  • 全日本ツーリングカー選手権 (1985年-1993年)

  • 全日本GT選手権

  • 全日本ラリー選手権

  • 全日本プロドリフト選手権

  • 日産シルビアレース

  • 富士フレッシュマンレース



車名


名前の由来はギリシャ神話に登場する清楚な乙女の名前から。その語源はラテン語で「森」を意味する。



脚注



注釈


[ヘルプ]




  1. ^ NA車の15インチアルミホイールはP11プリメーラのアルミホイールとよく似ているが、ホイールのオフセット量はシルビアは40mm、プリメーラは45mmである。




出典


[ヘルプ]




  1. ^ 日産ミュージアム シルビア S10

  2. ^ abcdefghij1979年10月のS110シルビアのカタログの表紙、1-8、11-12、24-32、35-36頁より。

  3. ^ abc『J's Tipo』 ネコ・パブリッシング、2006年9月号、24-25頁、『シルビアを知る。その壱』。


  4. ^ 自動車史料保存委員会 編 『日本の自動車アーカイヴス 乗用車 1975-1981』 三樹書房、2010年8月25日初版発行、ISBN 978-4-89522-554-0、12頁。


  5. ^ 『日本の自動車アーカイヴス 乗用車 1975-1981』、58頁。

  6. ^ abc『昭和55年 写真生活』(2017年、ダイアプレス)p85


  7. ^ シルビア オーテックバージョン カタログ オーテックジャパン




関連項目







  • 日産自動車九州工場

  • オーテックジャパン

  • ニッサン・モータースポーツ・インターナショナル


  • 日産・ガゼール-姉妹車


  • 日産・180SX-姉妹車


  • 日産・シルエイティ-メーカー公認改造車


  • 日産・ワンビア-メーカー公認改造車

  • 日産・200SX

  • 日産・240RS

  • 日産・240SX

  • 星野一義

  • 日産・SRエンジン

  • モータースポーツ

  • 光岡・ラセード



外部リンク



  • 日産ミュージアム(日産自動車 公式サイト)

  • オーテックジャパン バリエッタ

  • GAZOO.com 日産・シルビア(初代)

  • GAZOO.com 日産・シルビア(2代目)

  • GAZOO.com 日産・シルビア(3代目)

  • GAZOO.com 日産・シルビア(4代目)

  • GAZOO.com 日産・シルビア(5代目)

  • GAZOO.com 日産・シルビア(6代目)

  • GAZOO.com 日産・シルビア(7代目)





























































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































Popular posts from this blog

サソリ

広島県道265号伴広島線

Setup Asymptote in Texstudio