卵黄











鶏卵の構造


卵黄(らんおう)とは、雌性の生殖細胞である卵細胞に貯蔵される栄養物質。また一般には鶏卵等の卵細胞全体(卵黄の小胞である多数の卵黄球と胚等を含めた球状の部位)を指す。鳥類の卵細胞は人間が器具を用いずに観察できる最大の細胞のひとつである[† 1]




目次






  • 1 色と呼び名


  • 2 解説


  • 3 鶏卵における誤解


  • 4 脚注


  • 5 出典


  • 6 参考文献


  • 7 関連項目





色と呼び名


肉眼で容易に観察が行える鳥類の卵では多くの場合黄色を呈すことから、日本語では黄身(きみ)と呼び、英語呼称の yolkも古英語で黄色を意味する[2]。色は産卵母体の食餌に強い影響を受け、鶏卵でもさまざまな色にすることが可能である[3]。言語によっては、「赤身」を意味する語で呼ばれることもある[† 2]。鳥類や爬虫類以外の動物では白や黒、卵が小さいと透明のものもある。



解説


鶏卵においては重量の約30%を占め[5]卵黄は卵白の中に浮遊し、大型の卵ではカラザなどで卵殻のほぼ中心に固定された状態で存在する。卵子(卵細胞)内の胚の成長に必要な栄養分が貯蔵されており、卵細胞中に油滴のような形で存在する。卵黄の上面には円形に透明に近い部分が見られるが、ここは卵細胞の細胞質が集中した部分であり、鳥類の卵割はほとんどこの部分に限定して進む(盤割)。受精卵では発生が進むと、黄身の上に胚が乗ったような状態となり、黄身表面には血管が広がって、胚発生に必要な栄養素を胚へ送り、卵割へと進行する。


その他の動物では、卵黄内の栄養素と細胞質の配置によって等割、不等割、表割など卵割の見かけが異なる。



鶏卵における誤解




鶏卵卵黄の色の違いの例


鶏卵における色は、薄いクリーム色から濃いオレンジ色まで様々である[6]が、飼料に由来するルテイン等のカロテノイド系色素によるもので[7][8][9]栄養成分の量とは関係がない。日本では、栄養価が高いとの誤解があり[3]より色の濃い物が好まれる傾向にある[6]



脚注





  1. ^ 卵白や殻などは母体の分泌物であり、卵細胞由来の物質ではない[1]


  2. ^ ベトナム語のlòng đỏ[4], タガログ語のpula ng itlogなど




出典





  1. ^ 株式会社ゲン・コーポレーション. “ハイデオ サービスチップス No.128 - 卵質の科学 (PDF)”. 2016年7月14日閲覧。


  2. ^ “goo辞書 > 辞書 >「yolk」の意味”. 2016年7月13日閲覧。

  3. ^ ab“黄身が濃い卵、殻が赤い卵 栄養価が高いは誤解”. 2016年7月12日閲覧。


  4. ^ “WORLD LOAN WORD DATABASE > lòng đỏ trứng”. 2016年7月13日閲覧。


  5. ^ 卵の知識 日本養鶏協会

  6. ^ ab田名部尚子、鶏卵の品質-消費者の嗜好性と鶏卵の利用性の側面から 日本家禽学会誌 Vol.32 (1995) No.1 P.1-11, doi:10.2141/jpsa.32.1


  7. ^ 野並慶宣、食品材料としての鶏卵 調理科学 Vol.6 (1973) No.4 p.223-228, doi:10.11402/cookeryscience1968.6.4_223


  8. ^ 農林水産省


  9. ^ 農研機構・産卵鶏飼料における飼料米配合率




参考文献


  • 河野憲太郎、樋浦善敬、山本興三郎、鶏卵の卵黄ならびに卵黄球の構造について 日本家禽学会誌 Vol.8 (1971) No.1 P.1-14, doi:10.2141/jpsa.8.1


関連項目



  • 卵白

  • 卵酒

  • 卵油


  • テンペラ(卵黄の乳化作用を利用した絵画技法)












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