不死鳥の騎士団






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不死鳥の騎士団(ふしちょうのきしだん、Order of the Phoenix)は、J・K・ローリングの小説『ハリー・ポッター』シリーズ、およびその派生作品に登場する架空の組織である。




目次






  • 1 概要


  • 2 活動内容


  • 3 本部


  • 4 団員


    • 4.1 第1期・第2期共通


    • 4.2 第1期のみ


    • 4.3 第2期のみ


    • 4.4 関係者




  • 5 脚注





概要


アルバス・ダンブルドアが、ヴォルデモート陣営に対抗すべく創設した組織。1981年10月にヴォルデモートが失踪したことで活動を休止していたが、1995年初夏(4巻末)にヴォルデモートが復活したことを受けて活動を再開した。


魔法省には秘密で活動しているが、団員には闇祓いをはじめ魔法省職員も少なくない。正規の団員に加え、団員の家族など協力者もいる。なお、騎士団の活動方針に賛同していても活動の危険性ゆえ、未成年および学生は入団できない。死喰い人との戦闘機会が多いゆえに戦死率も高いが、メンバーは総じて優秀な魔法使いで戦闘力も高く、死の呪文を使用できる程の魔力を有する死喰い人とも互角に渡り合う実力を持つ。



活動内容


犯罪者の逮捕の権限は魔法省(魔法警察部隊・闇祓い)にあるため、民間団体である騎士団の第2期(1995-)における主要な活動は、




  • ハリー・ポッターおよび関係者の護衛

  • 情報収集


  • 死喰い人の追跡および捕縛

  • 魔法使い及び魔法生物に対し、ヴォルデモート陣営に与せぬよう説得


が主体である。これらの活動に際し、死喰い人から攻撃を受けた場合、戦闘に発展している(1996年:魔法省神秘部の戦い、1997年:ホグワーツ城天文塔の戦い、七人のポッター作戦)。


1997年8月、ヴォルデモート陣営が魔法省を陥落させてからは、レジスタンス運動を展開。



  • マグルおよび魔法使いの、正確な死因の調査


  • 地下放送『ポッター・ウォッチ』

    • 死傷者、行方不明者、投獄者の公表

    • 「マグル保護」の呼びかけ

    • ヴォルデモート陣営に対する抗戦、およびハリー・ポッター支持の呼びかけ




1998年5月2日のホグワーツの戦いでは、騎士団員がホグワーツ防衛隊の指揮を執り、ヴォルデモート陣営と交戦。少なからずの戦死者を出すが、最終的にヴォルデモート陣営に勝利する。ヴォルデモート死亡後、騎士団員のキングズリー・シャックルボルトが魔法大臣に就任しているが、その後の騎士団の扱いは不明。



本部


本部は、5巻まではシリウス・ブラックの自宅であるブラック邸を使用していた。キングス・クロス駅から徒歩20分、ロンドン市「グリモールド・プレイス 十二番地」にある。


ブラック家の邸宅であり、シリウスの母ヴァルブルガの死後、10年あまり放置されていたが、5巻でシリウスが騎士団の本部として提供した。シリウスの父オリオンが知りうる限りの安全対策を施したため位置探知等は不可能であり、加えてアルバス・ダンブルドアが秘密の守人になることで絶対の安全が保障されている。


第5巻終盤でシリウスが亡くなったことを受けて、騎士団の本部はブラック邸から移動するが、6巻で邸宅の所有権を継いだハリーにより安全が確認される(その後、再使用されたかは不明)。


1997年8月(7巻)時点では、騎士団はブラック邸から完全に退去しており、代わりに隠れ穴(ウィーズリー家)が集合場所となった。



団員


団員の数は明らかになっていないが、リーマス・ルーピンによれば、第1期では死喰い人の20分の1程度の人数だった。第2期で騎士団本部に滞在したロン・ウィーズリーは「約20名に会ったがそれ以上いる」と発言している。



第1期・第2期共通



アルバス・ダンブルドア

創設者。ホグワーツ魔法魔術学校校長。


ミネルバ・マクゴナガル

創立メンバーの一人。ホグワーツ魔法魔術学校副校長。


セブルス・スネイプ

創立メンバーの一人。ホグワーツの教師。死喰い人であったが、リリーを護るために自らの師であるダンブルドアを頼り不死鳥の騎士団のメンバーとなる。当初のリリーを守る目的は果たせなかったものの、それ以来、十数年にわたり、彼女の息子のハリーを守りながら、ヴォルデモート陣営を調査する二重スパイを担当する。


ルビウス・ハグリッド

創立メンバーの一人。ホグワーツの教師及び職員。


シリウス・ブラック

演 - ゲイリー・オールドマン、ジェームズ・ウォルターズ(英語版)(学生時代)

日本語吹き替え - 辻親八

創立メンバーの一人。ハリーの父ジェームズの唯一無二の親友であり、ハリーの後見人(名付け親 / Godfather)。

名前の由来は、おおいぬ座の一等星シリウスから。父は純血の魔法使いオリオン・ブラック、母は純血の魔女ヴァルブルガ・ブラック。弟には元死喰い人のレギュラス・ブラックが、曾々祖父には元ホグワーツ校長のフィニアス・ナイジェラスがいる。従姉妹にベラトリックス・レストレンジ、アンドロメダ・トンクス、ナルシッサ・マルフォイの三姉妹がいる。黒髪で、瞳の色は灰色。とてもハンサムな美男子で異性から人気があったが、アズカバンを脱獄した直後は死人のような姿をしていた。

優秀な頭脳に反し、激情型で考えるより先に行動する傾向が強い。また非常に悪戯好きな性格。幼い頃からブラック家の家風に馴染めずにいたことからも分かるように、純血主義に対しては反感を持ち、マグルへの差別意識はない。同様に、闇の魔術に対しても嫌悪感を示している。ハリーやジェームズ、ルーピンなど自身が認めた相手に対しては、非常に義理堅く、命を惜しまず献身し、裏切るくらいなら死を迷わず選ぶと断言するほど。一方で純血主義者や闇の魔術に傾倒している者など、嫌いな人間に対しては徹底的と言えるほど冷酷な態度を取り、時には死んでしまっても構わないというスタンスを取るなど、好きな者と嫌いな者に対する態度に激しく差がある。

ブラック家の家風に馴染めず、狂信的な純血主義者だった両親との関係は非常に悪かった。同様に他のブラック家出身の人間に対しても激しい嫌悪感を抱いており、特に死喰い人となった従姉のベラトリックスについては「この魔女は絶対に家族ではない」と言い切っていた。また家風に忠実で学生時分から死喰い人となった弟のレギュラスについても、「愚かな弟」と述べた。嫌悪する母に忠実だったしもべ妖精のクリーチャーとの仲も険悪で、シリウスはネグレクトを行っていた。しかし例外的に、純血主義者ではなかった叔父のアルファードと従姉のアンドロメダには好意的であった[1]

ホグワーツでは、ブラック家では唯一グリフィンドール寮に組み分けされた。そして同級生のジェームズ・ポッター、リーマス・ルーピン、ピーター・ペティグリューと親しくなる。シリウスはジェームズと共に「何でも一番だった」とされ極めて優秀だった。ホラス・スラグホーンも「能力のある子だった」と述べており、シリウスが自分の寮(スリザリン)でないことを残念がっていた。これはホグワーツ在学中、2年時にルーピンが人狼であると知ると、狼状態の彼とも一緒にいることができるように、数年がかりではあるが犬の動物もどきを会得した事からもわかる。決闘の実力も高く、神秘部の戦いでは、死喰い人の中でも戦闘に秀でたアントニン・ドロホフ、ベラトリックスと連戦し互角に渡り合った。また、忍びの地図を作った人物の一人でもある。

ジェームズ・ポッターとは唯一無二の親友で、ホグワーツ入学前のホグワーツ特急で出会った時から意気投合し兄弟同然の付き合いをしており、ジェームズがリリーと結婚してからも親交は続いた。ジェームズの両親とも、16歳の時家出してから一人暮らしを始めるまでの一時期は家族同然に世話になるなど親密な付き合いをしていた。

学生時代はシリウスが犬の動物もどきであり、犬の足の裏に肉球があることにちなみ「パッドフット」と呼ばれていた。在学中は、ハンサムかつ学業優秀、悪戯好きの性格も相まって学生達の憧れの存在だった。

ジェームズの遺児で、自身の被後見人であるハリーのことも非常に大切に思っており、彼のためなら無謀なことでも平気で行った。作中、何度もハリーを引き取って養育する意志を表明している。ハリーからも慕われ、度々彼の「父」の役割を担った。反面、ジェームズの面影をハリーに重ねており、時折ハリーとジェームズを比較しては、ジェームズよりも大人しいハリーに対しやや不満を抱いていた。シリウスの死後、ハリーは校長室を半壊してしまうほど荒れ、またシリウスが霊魂(ゴースト)となって戻ってくることまで望んだが叶わなかった。以後、ハリーは死後の世界に疑問を持ち続けることとなる[2]。なおハリーはジニーとの間に生まれた長男に、ジェームズとシリウスのファーストネームをとって、「ジェームズ・シリウス・ポッター」と名付けた。

セブルス・スネイプとは、シリウスが嫌悪する闇の魔術に傾倒していたことから、学生時代よりジェームズと共に悪質な「悪戯」を仕掛けるなどして激しく対立していた。彼がジェームズを退学に追い込もうとルーピンを嗅ぎまわった際はそれを疎み、人狼となったルーピンの居場所を教え(暗に遭うよう唆し)たこともあった。こういった経緯からホグワーツを卒業してからも両者は互いをこの上なく嫌悪し合っており、二人が顔を合わせる度に非常に険悪な雰囲気になっている。

16歳の夏休みに実家を家出し、ポッター家に住む。その後、叔父のアルファードから経済援助を受け、17歳から一人暮らしを始める。この際、母により家系図から抹消された。ホグワーツ卒業後は不死鳥の騎士団に加わる。ジェームズとリリー・エバンズの結婚式では花婿付添人を務め、彼らに息子ハリーが生まれると、その後見人を引き受けている。

しかし1981年10月31日、ポッター夫妻はペティグリューの裏切りによってヴォルデモートに殺害されてしまう。この事件の裏でペティグリューの裏切りがあったことを悟ったシリウスは、捨て身の覚悟でペティグリューを追跡するが、ペティグリューによって逆に大量殺人の濡れ衣を着せられてしまい[3]、バーテミウス・クラウチ・シニアの指示で裁判もなしにアズカバンへ投獄されてしまった。

3巻で、ペティグリューが正体を隠してハリーの近くにいることを知ったシリウスは、ハリーを守るため、動物もどきに変身してアズカバンから脱獄する。その後、ハリーやロン、ハーマイオニーに自身やペティグリューの正体を明かし、旧友リーマスとも和解。ペティグリューを追い詰めるが、再び取り逃がしてしまう。その後、感情を取り戻したことで、あらわれた吸魂鬼に気を失わされ、一度は魔法省に捕らえられるが、逆転時計を使用したハリーとハーマイオニーに助け出され、バックビークと共に再び逃亡した。その間は、連絡を取り合っている相手に「スナッフルズ」の名を使うよう指示したが、これは、鼻をくんくん言わせる (snuffle) 犬の仕草から採ったものである。逃亡期間中もハリーやアルバス・ダンブルドアと連絡を取り合い、ハリーを狙うヴォルデモートの罠について、ハリーに対してたびたび警告と助言を発した。またハリーの身を案じ、1995年春にはホグズミード近くの洞窟に潜伏。その間ネズミなどを食べ、飢えをしのいでいた。ヴォルデモートが復活した際、ホグワーツに入り(普段は犬の姿になっていた)、ダンブルドアと共に復活の儀式の詳細をハリーより聞く。その後は、ダンブルドアが騎士団の活動再開を指示し、ダンブルドアよりルーピンなどの昔の仲間に知らせ、ルーピンの元に隠れているよう指示される。

その後住人がいなくなった実家を不死鳥の騎士団の本部として提供、約20年ぶりに実家に戻る。しかし指名手配中の脱獄囚という立場から、ダンブルドアに本部から出てはならないと命令され、「二度と戻るつもりは無かった」実家に幽閉されたことと、騎士団員としての活動が思うようにできないことに不満を抱くようになる。5巻では、ヴォルデモートの策に嵌ったハリーたちを救出するため、他の騎士団員とともに魔法省神秘部へ向かい、その場にいた死喰い人と戦闘になる。シリウスはベラトリックスと相対し、彼女が放った死の呪いが直撃して死亡した。

映画では第3作『アズカバンの囚人』から登場。神秘部の戦いでは、ハリーと連携してルシウス・マルフォイ達死喰い人二人を破った。この時、ルシウスを武装解除したハリーに「いいぞ、ジェームズ!」と声をかける描写がなされた。しかしその直後に、ベラトリックスがかけた「死の呪文」の直撃により死のアーチに押し込まれ、肉体も残されず死亡。この後、シリウスの後を追おうとしたハリーはルーピンに一旦止められるが、神秘部の外へシリウスの敵を討とうとするも、ヴォルデモートの出現により失敗した。


リーマス・ジョン・ルーピン

演 - デヴィッド・シューリス

日本語吹き替え - 郷田ほづみ(映画版) / 田中秀幸(ゲーム版)

創立メンバーの一人。ホグワーツの元教師。父は魔法省勤務の魔法使いライアル・ルーピン、母はマグルのホープ・ルーピン。

顔は青白く病人のようにやつれ、鳶色の髪には30代半ばながら白髪が交じり、使い古したトランクに、継ぎ接ぎだらけのローブを纏っている。基本的に優しく落ち着いた性格であるが、時には容赦のない言動も見られる。また、ユーモアのセンスもあり、周囲を楽しませるような言動も得意である。ジェームズ・ポッターやシリウス・ブラック、ピーター・ペティグリューとは親友であり、人狼である自分を受け入れてくれた彼らに対し、深い感謝の念を抱いている。また、ダンブルドアに対しても、人狼である自分をホグワーツの生徒及び教師として受け入れてくれたことから、恩義を感じており、絶大な信頼を寄せている。

5歳の誕生日の直前、父ライアルがマグルの子供2人の死亡に関して人狼のフェンリール・グレイバックの尋問を担当したが、この際に父がグレイバックの前で人狼を侮辱する発言をし、復讐としてグレイバックはリーマスを咬み、この時からリーマスは人狼となった。父は手を尽くしたが、治療することはできなかった。それ以降、人狼であることを隠すため、他の子供と遊ぶことが禁じられ、孤独な少年時代を過ごしていた。しかし、ダンブルドアの支えもあり、ホグワーツに入学することができた。

ホグワーツではグリフィンドールに所属し、ジェームズ、シリウス、ペティグリューとは親友となった。学生時代には、ルーピンが満月の夜に狼に変わることにちなみ、「ムーニー」と呼ばれていた。2年時に人狼であることを知られたが、3人は動物の姿であれば狼と化したルーピンに襲われないと考え、数年がかりで動物もどきになり、友情を示した。また、四人で「忍びの地図」も作成している。5年生時には、友人のジェームズとシリウスの行き過ぎた悪戯を止めることへの期待からか監督生に就任したが、スネイプへの悪質な「悪戯」を不快に思いつつも、自分を友人と認めてくれた恩から、積極的に制止できず、歯止めには成らなかった[4]

ホグワーツ卒業後は、不死鳥の騎士団の一員として活動していた。3巻で、ダンブルドアに招聘されて母校の「闇の魔術に対する防衛術」教授に就任する。その間は多くの生徒から好かれており、他の教授からの評価も高かった。ジェームズの遺児であるハリーを気にかけ、守護霊の出し方を個人教授した。この間はスネイプに脱狼薬を作ってもらっていた。その後、シリウスと再会し、真実を知るとともに、互いの誤解を解いて友情を取り戻し、共に裏切り者のペティグリューを殺そうとするが、ハリーに制止された。その後、ペティグリューを真犯人として突き出そうとするが、脱狼薬を飲まなかったことから人狼に変身し、その隙にペティグリューに逃げられてしまった。翌朝、マーリン勲章の受賞を逃したセブルス・スネイプに人狼であることを暴露され、辞任した。

5巻の不死鳥の騎士団の再開時には、シリウスより連絡を受け、ダンブルドアの命でしばらくの間シリウスを匿う。その後リーマスはシリウスと共に彼の実家であるグリモールド・プレイス12番地に居住し、その一員として行動する。騎士団の同僚ニンファドーラ・トンクスと親しくなり、互いに惹かれ合うようになる。リーマスは自身が人狼であることから想いを押し込めるが、トンクスはリーマスが自分のことを好きだと確信していた。魔法省神秘部の戦いにも参戦し、ハリーと共にシリウスの死を目撃し、ハリーがベラトリックスを追うのを制止した。

6巻ではホグワーツ城天文塔の戦いに参加した。その後、トンクスに人狼でもリーマスへの愛は変わらないと詰め寄られ、リーマスはついにトンクスの想いを受け入れ、7巻でニンファドーラと結婚式を挙げた。七人のポッター作戦にも参加し、ハリーに変身したジョージの護衛を担当した。その後、ニンファドーラの妊娠が判明すると、人狼であることの苦悩から、妻子を残してハリー達の分霊箱探索の旅への同行を申し出るが、孤児であったハリーに「親は子供の側にいるべきだ」と糾弾されて激しく口論し、結果同行しなかった。その後は妻の元に戻り、息子のテディ・リーマス・ルーピンが生まれた際はハリーと和解し、リーマスはハリーに息子の後見人を頼んでいる。

ホグワーツの戦いにも参戦したが、数か月安全な場所にいて決闘の技術が鈍っていたことから、アントニン・ドロホフの手にかかって死亡する。その後、蘇りの石の力で、霊としてハリーの前に姿を現した。死後は人狼としては初めて、勲一等マーリン勲章を授与されている。

映画では第3作『アズカバンの囚人』から登場。


アラスター・ムーディ

演 - ブレンダン・グリーソン

日本語吹き替え - 小林修(映画版) / 中田和宏(ゲーム版)

創立メンバーの一人。通称はマッド・アイ。元闇祓いであり、「アズカバンの半分を埋めた」と評されるほどの数の死喰い人と戦っており、エバン・ロジエールなどの有力な死喰い人を倒している。物を透視することが可能な義眼「魔法の目」を付けている。

4巻で旧知のアルバス・ダンブルドアに頼まれ、1年間の条件つきで「闇の魔術に対する防衛術」を教えることになる。しかし、1994年8月、ホグワーツに赴任する前日にピーター・ペティグリューとバーテミウス・クラウチ・ジュニアに襲撃され、自身のトランクの中に監禁される。その後はクラウチ・ジュニアがポリジュース薬でムーディに成りすまし、授業を行っていた。4巻終盤で救出された際には、服従の呪いと失神の呪文をかけられ、心身とも衰弱し、喋りかけられただけで飛び上がるという状況だった。

5巻からは不死鳥の騎士団のメンバーとして登場。ハリーの護衛を務めたり、トンクスなどの若いメンバーに指図したりと随所で存在感を示している。神秘部の戦いでは、アントニン・ドロホフに倒されたが、意識を回復すると真っ先にトンクスを蘇生させた。

1997年夏、ダンブルドアの葬儀に出席、その後グリモールド・プレイスにスネイプ除けの呪文を仕掛けた。同年7月下旬、7人のポッター作戦の最中、マンダンガス・フレッチャーと組で移動するも、ヴォルデモートの姿を見たマンダンガスが恐怖のあまり姿くらましをして逃亡し、それを止めようとした隙にヴォルデモートの死の呪文が顔を直撃し死亡した。遺体は見つからなかったが、後に彼の「魔法の目」がドローレス・アンブリッジのオフィスから発見された。ハリーはこれを奪取して埋葬している。

映画では第4作『炎のゴブレット』から登場。


ディーダラス・ディグル

演 - デイビッド・ブレット

創立メンバーの一人。紫色のシルクハットを被った小柄な男。軽はずみな性格で、ヴォルデモート失踪時、喜びのあまりケント州で流星群を起こしてしまった。7巻でダーズリー一家の警護を担当するが、魔法省陥落後、死喰い人に家を焼かれてしまう。

映画では第1作『賢者の石』に登場。


エルファイアス・ドージ

演 - ピーター・カートライト(英語版)(映画版第5作)→デヴィッド・ライオール(映画版第7作)

日本語吹き替え - 村松康雄

創立メンバーの一人。アルバス・ダンブルドアの学友。ダンブルドアはホグワーツ入学初日からの友達であり、在学中はダンブルドアの腰巾着と呼ばれていた。卒業後はダンブルドアと一緒に卒業旅行に行く計画をしていた。現在はウィゼンガモットの特別顧問を務めている.

5巻では先発護衛隊に参加。7巻では、ダンブルドアの死に伴い、長い追悼文を新聞に載せた。ダンブルドアを崇拝しており、ダンブルドアに否定的なリータ・スキーターやミュリエルには容赦のない態度を取る。アバーフォースには「兄の毛穴という毛穴から太陽が輝くと思っていたやつ」と評されている。ダンブルドア否定派からは「ドジのドージ」と呼ばれている。

映画では第5作『不死鳥の騎士団』、第7作『死の秘宝 PART1』に登場。


スタージス・ポドモア

創立メンバーの一人。顎の角張った魔法使い。麦わら色の豊かな髪を持ち、ロンからは「茅葺屋根」と喩えられた。第5巻時点で38歳、ロンドン市クラッパム地区ラバーナム・ガーデン二番地在住。

5巻で、任務中に死喰い人から服従の呪文をかけられて神秘部に侵入。逮捕され、アズカバンに6ヶ月収監された。その後の消息は不明。


エメリーン・バンス

演 - ブリジット・ミラー

創立メンバーの一人。エネラルド・グリーンのショールを巻いた、堂々とした魔女。第6巻冒頭でヴォルデモート陣営(当局の見解ではヴォルデモート本人)に殺害されたことが明らかになった。

映画では第5作『不死鳥の騎士団』に登場。


マンダンガス・フレッチャー

演 - アンディ・リンデン

日本語吹き替え - 福沢良一

騎士団のメンバーからはダングと呼ばれることもある。過去にダンブルドアに窮地を救われたたことから、騎士団に入団する。創立メンバーの写真には写っていないが、4巻で「昔の仲間」の一員に挙げられていることから、第1期より活動してきたと思われる。

赤茶けたくしゃくしゃの髪(映画版ではつるつるの頭)で、緑色の刺激臭を発するパイプを吸っている。ならず者で、他のならず者を全員知っている。

6巻で亡者を装って魔法省に入り、逮捕されるなど、法を犯すこともある他、儲け話のためにハリーの護衛をサボるなど、若干やる気に欠ける面もある。

7巻では、スネイプにより「ポリジュース薬で6人をハリーに変身させる「七人のポッター作戦」を提案する」と刷り込まれ、七人のポッター作戦に参加するも、ヴォルデモートの姿を見て恐れをなして姿くらましで逃亡し、共に移動していたムーディが死亡した。

不死鳥の騎士団の団員との関係は悪くないと思われるが、一部のメンバーからは彼のやる気のなさを非難されている。また、2巻ではアーサー・ウィーズリーに呪いをかけようとし、7巻ではシリウス・ブラックの物を屋敷から家宝を盗み売ったため、ハリー達が怒りを抱いていた。

映画では第7作『死の秘宝 PART1』に登場。


アバーフォース・ダンブルドア

演 - ジム・マクマナス(映画版第5作)→キーラン・ハインズ(映画版第8作)

日本語吹き替え - 菅生隆之

創立メンバーの一人。ホッグズ・ヘッドのバーテンダー。アルバス・ダンブルドアの弟。皺だらけで背が高く、髭と髪は針金色でパサついている。兄と同じくブルーの瞳を持つ。

アラスター・ムーディからは「創立メンバーの集合写真撮影以来、姿を見ていない」と言われるなど、他の騎士団員との交流は少なかったようである。

妹のアリアナが死亡した事件で、アルバスとの仲が険悪になり、その後のアリアナの葬儀では、アリアナの死はアルバスのせいだとアルバスを責め、彼の鼻をへし折っている。ただし、ホッグズ・ヘッドを訪れた死喰い人の情報を兄に伝えたり、兄が創設した不死鳥の騎士団に在籍したり、兄の葬儀に参列したりと、完全に仲違いしたようではない。ハリーより、アルバスが、洞窟でアバーフォースとアリアナが傷つけられる幻覚を見て「代わりにわしを傷つけてくれ」と懇願していたことを告げられた際には、何か物思いに耽っていた。

7巻で、マルフォイの館に捕らわれていたハリー達の元にドビーを遣わし、ハリー達を救出させる。4月頃には、必要の部屋に隠れていたダンブルドア軍団に食料を提供していた。ホグズミード村にハリーたちが姿現わしした際は死喰い人たちから匿い、アリアナに関する悲劇を語った後、ホグワーツへの抜け道を教えた。ホグワーツの戦いでは生徒を率いて戦い、オーガスタス・ルックウッドを失神させるなど善戦した。



第1期のみ



ジェームズ・ポッター

演 - エイドリアン・ローリンズ(英語版)(映画版)、ロビー・ジャーヴィス(英語版)(映画版・学生時代)

日本語吹き替え - 後藤敦(映画版)

創立メンバーの一人。ハリーの父。父は魔法使いのフリーモント・ポッター、母は魔女のユーフェミア・ポッター。瞳の色がハシバミ色である他は、息子と瓜二つの外見である。

ホグワーツではグリフィンドール寮に組み分けされた。在学中は極めて優秀な成績を納め、シリウスと共に何をやらせても一番だった。首席にも選ばれたが、悪戯好きだったことから監督生には選ばれなかった。クィディッチの才能もあり、寮対抗クィディッチ試合で活躍した。学生時代は多くの他の生徒から英雄扱いされていた人気者だった。

同寮の同級生であるシリウス・ブラック、リーマス・ルーピン、ピーター・ペティグリューとは親友となった。学生時代は、ジェームズが鹿の動物もどきであり、鹿の角が枝分かれしていることから「プロングズ」と呼ばれていた。この四人で忍びの地図も作成した。シリウスとは、入学前のホグワーツ特急で既に意気投合しており、以降無二の親友となった。この二人はミネルバ・マクゴナガルに「あんなに手を焼かされた二人組はいない」と言われるほどの悪戯好きだった。結婚に際しては花婿付添人を依頼し、息子ハリーの誕生に際して後見人を依頼していた。ルーピンに関しては、彼の優しさやユーモアセンスに魅了され、入学直後に友達になっている。シリウスと共に彼が人狼であることを知ると、数年がかりで牡鹿の動物もどきになることに成功し、厚い友情を示した。

その一方で、闇の魔術を嫌っていたことから、スネイプと対立しており、スネイプに対してシリウスと共に悪質な「悪戯」を仕掛けるなど傲慢な側面もあった。5年生の時、ジェームズが大勢の前でスネイプを宙吊りにした際、止めに入ったリリーをスネイプが屈辱から「穢れた血」と呼んで以降2人の仲は決定的に破綻した。以降スネイプは、この事件のきっかけとなったジェームズに対し、より深い憎しみを抱くようになった。リリーに対してはホグワーツ在学中から好意を寄せていたが、「傲慢でいやなやつ」と思われ、「見ていると吐き気がする」と言われたこともある。しかし7年生になると、ジェームズが自らの過ちを認めて改心するなど傲慢さを改めたため、リリーとの交際が始まり、卒業後結婚に至る。

ホグワーツを卒業後は不死鳥の騎士団の創設メンバーに加わる。また、ホグワーツ在学中から好意を寄せていたリリー・エバンズと結婚した。1980年7月31日、長男ハリーが誕生するが、シビル・トレローニーの「予言」を知ったヴォルデモートから家族ともども命を狙われるようになる。そのため、アルバス・ダンブルドアの指示を受け、ゴドリックの谷の自宅で保護されていた。

しかし、秘密の守り人として指名したピーター・ペティグリューの裏切りに遭い所在地を突き止められ、1981年10月31日、妻と息子を守るためヴォルデモートに立ち向かい、殺害された[5]。彼の死後、ゴドリックの谷に墓が建てられた。

死後、4巻のハリーとヴォルデモートの決闘の際には呪文逆戻し効果で霊魂状態でハリーの前に現れ、7巻のホグワーツの戦いでは蘇りの石で再び霊魂状態でハリーの前に現れている。

ハリーは、自分が父親似であると言われることに誇りを感じていたが、上記の5年生時のジェームズのスネイプへの仕打ちを見てスネイプの方に同情し、リリーがなぜジェームズと結婚したのかと悩んだ事もあった。しかし後にシリウスとルーピンに真実を聞かされ誤解を解き、ジニーとの間に生まれた長男に、ジェームズとシリウスのファーストネームをとって、「ジェームズ・シリウス・ポッター」と名付けるなど、命を捨てて自分を守った父に尊敬の念を失う事はなかった。


リリー・ポッター

演 - ジェラルディン・サマーヴィル(英語版)

日本語吹き替え - 田中敦子

創立メンバーの一人。ハリーの母親。マグルのエバンズ家 (Evans) の出身で、姉にペチュニアがいる。髪はたっぷりとしていて、深みがかった赤毛。目はアーモンド型で緑色の瞳を持つ。美人で、姉のペチュニアとは全く似ていない。

明るく朗らかな人柄で周囲の人気があった。また心優しい性格で、多くの人物から慕われていた。一方で正義感が強く、ジェームズとシリウスがスネイプを攻撃するのをやめさせようとしたり、スネイプに彼が自分の学友を傷つけるような仲間とつるむのを批判したりしている。7年生の時に主席になるなど、成績は非常に優秀で、特に魔法薬に長けていた。自身の守護霊は牝鹿で、夫のジェームズと対になっている。

近隣に住むスネイプと知り合い、自身が魔女であることを知る。そしてスネイプから魔法界の知識を得るうち、友人となる。幼少期はペチュニアとは仲が良かったが、この事を境に軋轢が生じる。そして、リリーの元にホグワーツの入学案内が届いた際、ペチュニアもホグワーツ入学を望んだが、魔力がなく叶わなかった事への嫉妬から、リリーを「生まれそこない」と罵ったことで、決定的に決裂した。

ホグワーツではグリフィンドール寮に組分けされた。この時、後の夫となるジェームズ・ポッターと出会っているが、在学途中まで幼馴染のスネイプを侮辱する傲慢な態度を嫌悪していた。スリザリン寮生となったスネイプとの交流は続いていたが、スネイプが闇の魔術に傾倒し、後に死喰い人となる生徒と交流があったことから徐々に心の距離が開き、そして彼がリリーのことを「穢れた血」と呼んだことがきっかけで、交友関係が断絶してしまった。そして7年生で傲慢な態度を改めたジェームズと交際を始め、ホグワーツ卒業後に結婚。20歳の時にハリーをもうけた。

ホグワーツ卒業後は不死鳥の騎士団の一員として活動し、三度ヴォルデモートの手から逃れた。シビル・トレローニーの「予言」により、ヴォルデモートに我が子の命が狙われていることが判明して以降、アルバス・ダンブルドアの指示により、ゴドリックの谷の自宅で生活することになる。

しかし1981年10月31日、ピーター・ペティグリューの裏切りによりヴォルデモートが保護魔法を突破し、ポッター家を襲撃した。食い止めようとした夫の死を悟った彼女は、ヴォルデモートの前に立ちはだかり、自分の命を差し出す代わりに息子の助命を懇願しつつ、彼の放った「死の呪い」を受けて死亡した。死を目前にした彼女の行為は、一般には知られていない防護魔法の施法であり、息子ハリーは彼女の命を懸けた魔法によって護られるようになった。これが、直後にヴォルデモートがハリーへ放った「死の呪文」を跳ね返し、ヴォルデモートが敗北する原因となった。彼女の死後、ゴドリックの谷に墓が建てられた。

死後、ジェームズと共に、1995年6月24日のハリーとヴォルデモートの決闘の際には呪文逆戻し効果で霊魂状態でハリーの前に現れ、1998年5月2日のホグワーツの戦いでは蘇りの石で再び霊魂状態でハリーの前に現れている。

幼馴染のスネイプからは好意を寄せられており、それはスネイプが屈辱からリリーを「穢れた血」と罵ってしまってからも、リリーがジェームズと結婚してからも変わることはなかった。その後スネイプは死喰い人に加わったが、自分の行動が原因でリリーが殺されてしまったことを激しく後悔し、リリーへの贖罪のため、彼女の子であるハリーを守るため死喰い人を離脱し、不死鳥の騎士団との二重スパイという危険な立場に身を置き続けた。このことが、ハリーがヴォルデモートに勝利するきっかけとなった。


ピーター・ペティグリュー

創立メンバーの一人。裏でヴォルデモートと通じていた。


フランク・ロングボトム

創立メンバーの一人。ネビル・ロングボトムの父。優秀な闇祓いであり、妻のアリスと共に人望があった。ヴォルデモート失踪後、彼を探すベラトリックス・レストレンジ、バーテミウス・クラウチ・ジュニア達に、妻と共に「磔の呪い」の拷問を受けて廃人と化し、現在は聖マンゴ魔法疾患傷害病院に入院している。


アリス・ロングボトム

創立メンバーの一人。ネビル・ロングボトムの母。優秀な闇祓いであり、夫のフランクと共に人望があった。ヴォルデモート失踪後、彼を探すベラトリックス・レストレンジ、バーテミウス・クラウチ・ジュニア達に、夫と共に「磔の呪い」の拷問を受けて廃人と化した。現在は聖マンゴ魔法疾患傷害病院に入院しているが、息子のネビルや義母のオーガスタが訪ねてきても分からない状態である。創立メンバーの写真によれば、ネビルそっくりの丸顔で人懐っこい顔だった。


ギデオン・プルウェット

創立メンバーの一人。モリー・ウィーズリーの兄弟。アントニン・ドロホフを主犯とする死喰い人5人に殺害された。


フェービアン・プルウェット

創立メンバーの一人。モリー・ウィーズリーの兄弟。アントニン・ドロホフを主犯とする死喰い人5人に殺害された。


エドガー・ボーンズ

創立メンバーの一人。魔法省の役人アメリア・ボーンズの弟。ヴォルデモート陣営に殺害された。


マーリン・マッキノン

創立メンバーの一人。創立メンバーの集合写真を撮影した2週間後、トラバースを主犯とする死喰い人達に殺害された。


キャラドック・ディアボーン

創立メンバーの一人。創立メンバーの集合写真を撮影した6ヵ月後、行方不明となった。


ベンジー・フェンウィック

創立メンバーの一人。ヴォルデモート陣営に殺害されたが、その際には死体の欠片しか見つからなかった。


ドーカス・メドウズ

創立メンバーの一人。ヴォルデモートに殺された。



第2期のみ



アーサー・ウィーズリー

演 - マーク・ウィリアムズ

日本語吹き替え - 梅津秀行(映画版) / 青山穣(ゲーム版)

ロンの父親で、純血の魔法使い。魔法省に勤務する役人であり、5巻までは「マグル製品不正使用取締局」局長、6巻からは「偽の防衛呪文ならびに保護器具の発見ならびに没収局」局長。

普段は穏和でおっちょこちょいな性格だが、いざという時は頼れる性格。妻モリーとは円満であり、子供は6男1女。夫妻とも純血の家系出身であるが、マグルおよび半純血を嫌悪していない。守護霊はイタチで、7巻前半では守護霊を使ってハリー達に連絡を送っていた。また、シリウスの所有していたバイクを改造したり、自身の車が空を飛べるように魔法をかけるなど、マグル製品に魔法をかける能力に長けている描写もあり、魔法の実力もなかなかと思われる。

マグルの文化に非常に関心を持っており、マグルが使用する電池やプラグを集めている。ただしマグルに関する知識は「電気」を「気電」と呼ぶなど、精通しているとは言えない。魔法省では「マグル保護法」をはじめマグル関係の法律を幾つか制定している[6]。長年、マグルと魔法使いとの友好関係に努めており、大の魔法嫌いのダーズリー家に友好的に振る舞っている他、フレッドが悪戯でダドリー・ダーズリーに呪いのキャンディー(ベロベロ飴)を食べさせたときは「こういうことが魔法族とマグルとの関係を損うのだ」と本気で激怒している(4巻冒頭、フレッドら4人でハリーを迎える際)。

ホグワーツ在学中はグリフィンドール寮に所属し、学生時代の当時からモリー・プルウェットとは交際していた。ホグワーツ卒業後は、魔法省に就職、モリーと結婚し、6男1女をもうけた。

ヴォルデモートの復活の際は、ダンブルドアから間接的に協力を要請され、妻・長男・次男とともに不死鳥の騎士団に参加する。ルーピンやムーディなど、騎士団のメンバーとは良好な人間関係を築いていた。5巻では、魔法省内での任務中に、ナギニに襲撃され重傷を負ったが、程なく回復した。

7巻の七人のポッター作戦では、息子フレッドの護衛を務めた。その後は死喰い人から逃れるために、妻の実家であるプルウェット家に移り、秘密の守人を務めていた。ホグワーツの戦いにも参戦し、和解したパーシーと共にパイアス・シックネスを倒した。

映画では第2作『秘密の部屋』から登場。


モリー・ウィーズリー

演 - ジュリー・ウォルターズ

日本語吹き替え - 一龍斎貞友(映画版) / 野沢由香里(ゲーム版)

ロンの母親。純血の名家プルウェット家の出身で、モリー自身も"純血"の魔女である。家事全般の魔法を得意としている。魔女である点を除けばどこにでもいそうな中年の主婦である。マグルに対して差別意識は無いものの(誤解も含め)偏見は持っている。また、ハリーを冷遇しているダーズリー一家のことは快く思っていない。

世話好きな性格で、やや過保護気味な面も見られる。その性格は自分の子供のみならず、6男ロンの友達であるハリー・ポッターやハーマイオニー・グレンジャー、騎士団メンバーのニンファドーラ・トンクスにも発揮されている。例外的に長男ビルの婚約者であるフラー・デラクールに対しては好ましく思っていなかったが、後に彼女のビルへの愛情が本物だと理解し、2人の結婚を認めている。

第1期はモリーは加入しなかったが、弟のギデオンとフェービアンは騎士団に参加していた。二人ともアントニン・ドロホフを主犯とする死喰い人に殺害されたことから、家族など親しい人物の死を極端に恐れており、ボガートは彼女の前では家族やハリーの死体に変化し、死体を見たモリーは泣き出すほどである。また、心配性で過保護なため、3巻や5巻では真実とされていることをハリーに伝えることに反対したり、7巻ではハリーたち3人の分霊箱探索計画を快く思わず(但しモリーは分霊箱のことは知らなかった)、ハリーたちに話し合いをさせないようにしていた。

ホグワーツのグリフィンドール寮出身であり、当時、現在の夫であるアーサーと交際を始めた。その後、結婚し、6男1女をもうけている。現在でもアーサーとの夫婦仲は良好で、夫と2人きりの時は「かわいいモリウォブル」(原文:Mollywobbles、wobbleは"震え・揺れ"の意で、肥満気味のモリーの体型を揶揄した愛称)と呼んでもらいたがっている。

シリウス・ブラックに対しては、当初は大量殺人犯だと思って恐れていたが、不死鳥の騎士団の活動再開時に誤解が解けたと思われ、その後は騎士団員として共に活動していた。しかし、過保護なため、ハリーの養育方針に対してはたびたびシリウスと対立していた。また、ならず者のマンダンガス・フレッチャーのことは快く思っておらず、たびたびマンダンガスのことを冷たく扱っている。

ホグワーツの戦いにも参戦した。最終決戦では、ベラトリックス・レストレンジが放った死の呪文が、娘のジニーに当たりそうになった場面を見て怒りを爆発させ、彼女との一騎討ちを挑み、勝利した。

映画では第4作『炎のゴブレット』以外に登場。



ビル・ウィーズリー / ウィリアム・アーサー・ウィーズリー

演 - ドーナル・グリーソン

日本語吹き替え - 佐藤拓也

アーサーとモリーの長男。ハンサムで長身、赤毛の長髪はポニーテールにしている[7]。ホグワーツ在学中は優秀な成績を修め、OWL試験で12科目合格し、監督生と首席を務めた。快活な性格をしており、同じく首席だった弟のパーシーのように堅い性格ではない。妹のジニーからは「冒険好きで、ワクワクするものに惹かれる」と評されている。ただし、母のモリーからは「勤勉で地味」と評されている。

1995年6月24日、三大魔法学校対抗試合で母と共にホグワーツの応援に行くが、その際、フランス人で6歳年下のフラー・デラクールに一目惚れされる。その後、グリンゴッツ魔法銀行に就職し、同僚となったフラーと交際し、英語の個人教授も行っていた。

6巻ではフラーと婚約し、フラーを実家に招き入れた。6巻終盤では、騎士団の一員としてホグワーツ城内で死喰い人と戦闘となるが、その最中に人狼のフェンリール・グレイバックに噛まれる。結果、ハンサムだった顔に傷がつき、人狼の兆候が現れる可能性もあった。しかし、フラーの愛に変わりはなく婚約を破棄しなかった為、フラーを疎んでいたモリーも彼女のことを認め、2人の結婚を受け入れた。結果的には、グレイバックが変身していなかった為、怪我の回復後にステーキのレアが好きになった以外、後遺症は現れなかった。

7巻の七人のポッター作戦では、フラーとペアを組みセストラルで移動した。その後、フラーと結婚式を挙げ、「貝殻の家」と名づけられた海沿いの家で暮らす。所在地の「秘密の守人」はビルが務めていた。その後は、マルフォイの館を逃れたハリー達を匿った。ホグワーツの戦いにもフラーと共に参戦した。

その後、フラーとの間にビクトワール、ドミニク、ルイの一男二女を授かったが、全員フランス風の名前が付けられている。長女ビクトワールは、後にテディ・リーマス・ルーピンと恋仲になった。

映画では、第7作・第8作『死の秘宝』二部作に登場。



チャーリー・ウィーズリー / チャールズ・ウィーズリー

アーサーとモリーの次男。ルーマニアでドラゴンの研究をしている。弟のパーシーやロンより背は低いが、彼らと対照的に筋肉質でがっしりした体型。腕には、ドラゴンによるものと思われる傷や火傷がある。素朴で正直な性格。姿現しのテストでは1度失敗し、2度目で合格した。不死鳥の騎士団のメンバーでもある。

ホグワーツではグリフィンドール寮に所属し、5年時には監督生に選ばれている。また、クィディッチではグリフィンドール寮チームのシーカーとキャプテンを兼ねていた。2年時にチーム入りし1985年度の優勝にも貢献したが[8]、グリフィンドール寮は翌1986年度以降優勝から遠ざかっている。チャーリーのクィディッチの実力は、後々まで「伝説」として讃えられ、実際にプロチームにスカウトされ、ナショナルチーム入りも嘱望される程の腕前だった(オリバー・ウッドも認めていた)。しかしチャーリーはこれを辞退し、1991年6月のホグワーツ卒業後は「ドラゴンキーパー/ドラゴン使い」としてルーマニアでドラゴンの研究をしている。同年クリスマスには、両親がルーマニアを訪問している。

4巻で、クィディッチW杯観戦のため帰省し、ハリーと初めて出会う。その後、仕事の一環として仲間と共にホグワーツを訪れ、三大魔法学校対抗試合の「第一の課題」の準備・運営を手伝った。また5巻からは不死鳥の騎士団にも加わっており、イギリス国外の魔法使いと接触している。ホグワーツの戦いでは、ホラス・スラグホーンと共に援軍を率いて参戦した。

その後、ホグワーツの戦いで生き残ったウィーズリー兄妹の中では、唯一生涯独身を貫き通している。

映画では第1作『賢者の石』に名前のみ登場。



ニンファドーラ・トンクス

演 - ナタリア・テナ

日本語吹き替え - 日野未歩

テッド・トンクスとアンドロメダ・トンクスの娘。魔法省の闇祓い。快活で好奇心が強い性格。自分の外見を自在に変えられる「七変化」の能力を有している。ニンファドーラという名前は気に入っておらず[9]、知人には名字で呼ばせている。家族からの愛称はドーラ

元闇祓いのアラスター・ムーディからは気に入られており、魔法省でもマッドアイの後見を受けていた。騎士団で共に活動するときも、かなりの年齢差があるにもかかわらずムーディと対等に話す場面が多々あった。また騎士団関係者の中では、比較的年齢が近いハーマイオニー・グレンジャーやジニー・ウィーズリーから慕われていた。

ホグワーツではハッフルパフ寮に所属していた[10]。後に不死鳥の騎士団で仲間となるチャーリー・ウィーズリーとは同学年である(ただし寮は異なる)。魔法界で最難関の職業とされる闇祓いになったことから在学中は優秀な成績を修めたと思われるが、本人曰く「お行儀よくする能力」が欠けていたため監督生にはなれなかった。

ホグワーツ卒業後、3年間の訓練を経て闇祓いの資格を得る。5巻からは、不死鳥の騎士団に加わる。騎士団ではリーマス・ルーピンと親交を深め、惹かれあうようになる。リーマスは自分の想いを抑えていたが、トンクスはリーマスが自分のことを愛していると確信していた。5巻終盤で、魔法省神秘部の戦いに参戦。この戦いでベラトリックス・レストレンジとの戦いに敗れ、石段から転がり落ちて気を失う。重傷を負うがほどなく全快する。

1997年、騎士団員のリーマス・ルーピンと結婚。「七人のポッター作戦」にも参加した。翌春、長男テディ・リーマス・ルーピンを出産。その後、ホグワーツの戦いにも参戦するが、ベラトリックス・レストレンジに敗れ、戦死した。同じくルーピンも戦死した。

映画では第5作『不死鳥の騎士団』から登場。


キングズリー・シャックルボルト

演 - ジョージ・ハリス

日本語吹き替え - 立川三貴

闇祓い。守護霊はオオヤマネコ。トンクスの先輩に当たり、彼女より地位は高い。長身の黒人で、髪は禿げている。瞳の色はブラウン。普段は片耳に金のイヤリングをしているが、マグルの服を着こなすこともでき、声は深くて低くゆったりとしており、人を落ち着かせる雰囲気がある。

騎士団に加わった時点ではシリウス追跡の責任者であり、嘘の情報を流すことでシリウスの安全を確保していた。第5巻末では神秘部の戦いに参戦するが、ベラトリックス・レストレンジに敗れる。6巻からはマグルの首相を服従の呪文から保護するため、首相の秘書官を担当した(マグルの首相からは、「人の2倍の仕事をこなす」と評されていた)。

7巻ではマグルの首相の警護をする他、「7人のポッター」作戦に参加したり、魔法省陥落を警告したり、「ポッターウォッチ」にも参加している。最終決戦では人員の配置や作戦考案などホグワーツ防衛隊の実質的な総指揮官を担当し、マクゴナガル、スラグホーンと共にヴォルデモートと戦っていた。ヴォルデモートの死後は暫定の魔法大臣に指名され、その後に正式に魔法大臣に就任する。


ヘスチア・ジョーンズ

ピンクの頬をした黒髪の魔女。7巻でダーズリー一家の警護を担当した。



関係者




ハリー・ポッター、ロン・ウィーズリー、ハーマイオニー・グレンジャー、フレッド・ウィーズリー、ジョージ・ウィーズリー、ジニー・ウィーズリー

正式な団員ではないが、積極的に騎士団に協力し、団員と同等の活躍を見せていた。


フラー・デラクール

ヴィーラの血を引いている美少女。4巻で三大魔法学校対抗試合のボーバトン代表として、ホグワーツへ来校した。そのときの馴れ初めから6巻でロンの兄ビルと婚約し、ウィーズリー家に住むようになり、不死鳥の騎士団にも協力していた。7巻でビルと結婚。


オリンペ・マクシーム

ボーバトン魔法アカデミー校長。5巻で、ルビウス・ハグリッドと共に巨人の説得の任務に就く。


アラベラ・ドーリーン・フィッグ

演 - キャスリン・ハンター

日本語吹き替え - 京田尚子

ダーズリー家の近所(プリペット通りのふた筋向こう)に住むスクイブの老婆。猫をたくさん飼っており、猫とニーズルの交配を行って生計を立てていた。ダーズリー家が外出する際、ハリーはよく彼女の家に預けられたが、家中キャベツの臭いがしたり猫の写真をしつこく見せたりする為、ハリーは彼女のことを「変わり者のフィッグばあさん」と呼び、好いてはいなかった。しかしその正体は不死鳥の騎士団の関係者であり、スクイブであることを活かしてハリーの監視を担当していた(プリペット通りがあるリトル・ウィンジングにはハリー以外の魔法使いや魔女がいないよう魔法省が監視しているが、スクイブはその対象に含まれていなかった)。ダンブルドアの命令により正体を明かせず、ハリーの前では変人を装っていたが、正体を明かした際にハリーには辛い思いをさせたと謝罪している。

映画では第5作『不死鳥の騎士団』にのみ登場。


テッド・トンクス

マグル生まれの魔法使い。中年太りだが髪は明るく、陽気な風貌である。アンドロメダ・ブラックと駆け落ちし、その後、娘ニンファドーラをもうけた。1997年、ニンファドーラがリーマス・ルーピンと結婚するが、ルーピンが人狼であったため、結婚には好意的でなかった。

7巻では「7人のポッター作戦」に協力。魔法省陥落後は「マグル生まれ」の登録を拒み、家族に累が及ばぬように逃亡生活を送った。逃亡中はダーク・クレスウェルやディーン・トーマス、グリップフックとゴルヌックと行動を共にするが、最期はクレスウェルやゴルヌックと共に殺害された。

死後に誕生した、娘夫妻の長男は、彼の名前からテディ・リーマス・ルーピンと名付けられた。


アンドロメダ・トンクス

ブラック家出身で、姉にベラトリックス・レストレンジ、妹にナルシッサ・マルフォイがいる。容姿は姉と似ているが、姉と違い瞳は優しげで、髪はライトブラウン。ホグワーツではスリザリン寮に組み分けされたが[11]、家族と違って純血主義ではなかった。従弟のシリウス・ブラックとも仲が良く、シリウスからは「好きな従姉」と言われていた。

1970年代前半にマグル生まれのテッドと駆け落ちする。以降ブラック家の家系図から抹消され、実家及び姉妹とは絶縁状態になる。その後、娘を出産しニンファドーラと名付ける。

7巻前半では夫婦で「七人のポッター作戦」に協力し、本物のハリーとハグリッドを迎える。その後、死喰い人に夫と共に磔の呪文をかけられるが、ハリーの居場所は吐かなかった。物語終了後は、孫のテディ・リーマス・ルーピンを育てている。



脚注





  1. ^ アルファードは、シリウスを経済的に支援したこと、アンドロメダはマグル生まれと結婚したことが原因で、両者とも家系図から抹消されている。


  2. ^ http://www.accio-quote.org/


  3. ^ この時に高笑いをしたと言うが、状況的に自分が破滅して正気を失っての行動なのか、詳細は描かれていない。


  4. ^ もっともルーピンの人柄と責任感は周りから認められており、スネイプでさえも、ルーピンの行動は悪意ではないと認めていた。


  5. ^ 家族を守ろうとして死んだジェームズが、リリーやハリーに愛の守護魔法を遺せなかった理由に作者は「成り振り構わず、動物的に敵に突撃してしまい、想いを「自己犠牲の精神」にまで昇華できなかったから」と語っている。


  6. ^ マグル保護法の制定に当たってはマグルの製品に魔法をかけても実際に使わなければ問題はないというマグル製品が好きな自分にとっても有利な抜け穴をつくり、アーサーも自身が所有するフォード・アングリアに魔法をかけていた。


  7. ^ 初めてビルと会ったハリーは衝撃のあまり「かっこいい」という言葉しか思いつかなかった。


  8. ^ 1年生でチーム入したのは1991年度のハリー・ポッターが約100年ぶり(1巻9章)、1986年度以降グリフィンドール寮の優勝無し(3巻12章)、グリフィンドールが最後に優勝したのはチャーリー在学中(3巻15章)という記述から、以上三点が矛盾しないのは1985年度のみ。


  9. ^ 本人は第5巻で「『かわいい水の精ニンファドーラ』なんてバカげた名前」と発言している。


  10. ^ What House was Tonks In?


  11. ^ 6巻で、スラグホーンがハリーに、「ブラック家は全員(シリウス以外)、私の寮(スリザリン)だった。」と語っている為、おそらくスリザリンに組み分けされた可能性が高い。






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