生コマーシャル




生コマーシャル(生CM、生コマなどと呼ばれることもある)は、テレビ・ラジオ番組のスポンサー企業のコマーシャルメッセージ(コマーシャル)を生放送で行うもの(インフォマーシャルと表現される場合もある)。




目次






  • 1 通常のコマーシャルとの違い


  • 2 テレビ生コマーシャルの歴史


  • 3 ラジオでの生コマーシャル


  • 4 脚注


  • 5 関連項目


  • 6 外部関連記事





通常のコマーシャルとの違い


決定的な違いは放送方法で、事前にビデオ収録されたコメントやコンピュータグラフィックなどを使っている場合であっても、生放送中のスタジオ副調整室から再生している(サブ出しと呼ばれる)場合は生コマーシャルと位置づけられる。対して通常のコマーシャルはテレビ放送局内のビデオサーバから再生送出されている。この為、生コマーシャルはビデオデッキ等のCMスキップ機能でもコマーシャルとは認識されない。また生コマーシャル放送中でも、画面右上の局ロゴ(デジタル放送)および「アナログ」(アナログ放送)のウォーターマークとアナログ放送終了に関する告知テロップはそのまま表示されている。


特徴としては、通常のコマーシャルは15秒や30秒の商品イメージを繰り返し放送し、会社名や商品名などの認知度を上げるメッセージを幅広い層へ発信する事が多い。
生コマーシャルは、番組本編の時間別視聴者層を把握しやすく、60秒から120秒ほど掛けて季節や時事に絡めた紹介で商品の特徴コンセプト等を購買層にダイレクトに伝える方法を取る事が多い。


何度も繰り返し放送されるコマーシャルと違い、一度しか放送されないので、時間内で全ての情報を認識させるには、台本の他にフリップボード[1]やテロップなどの文字情報の製作にも専門の知識と経験が必要である。


全盛期に比べ生コマーシャルの数が減り、生コマーシャル用の台本を手がける事が出来るコピーライターも数えるほどしか残って居ないため、最近では極稀に一回見ただけでは趣旨の伝わってこない生コマーシャルも存在する。それとは逆に小林製薬の通常CMは、30秒の枠内で商品の特徴コンセプトを説明する生CMに近い形式を取って制作されている。数少ない例外である。



テレビ生コマーシャルの歴史


テレビ放送開始当初は、主として一社提供番組が多かったことから、番組の本編の合間にCM専属のタレント、あるいはその番組に出演している俳優・女優・タレントを起用して、スポンサー企業の商品について実演を交えて判りやすく紹介していた。中でも家電製品の企業は生コマーシャルを多く放送していた。有名なところでは泉大助が専属だった松下電器産業(現・パナソニック)、元日本教育テレビ(現・テレビ朝日)アナウンサーの押阪忍が専属だった東京芝浦電気(現・東芝)、元NHKアナウンサーの高橋圭三が専属だった日立製作所などが挙げられる。


例外としてテレビドラマ番組で放送された生CMの例に朝日放送(現朝日放送テレビ)の「部長刑事」終了後に放送された大阪ガスの生CMがあった。


変わったケースとしては日本テレビの「日本プロレス中継」で試合間のインターバルで、リング上を掃除する際に三菱電機の掃除機を使用して実況アナウンサーが宣伝していたのものがあった。


また、朝日放送制作TBS系列(当時)「てなもんや三度笠」は公開収録の撮って出しで展開されていたため、藤田まこと演じる「あんかけの時次郎」による前田製菓の製品とかけた台詞「俺がこんなに強いのも、あたり前田のクラッカー」も生コマーシャルの変形と言える。小川宏ショーや3時のあなたなど、番組の本編も生放送が多かったため、CMの放送時間も番組の進み具合で短くなったりすることがあった。


ワイドショーのほかに、テレビの深夜枠(11PMのサントリーやトヨタ自動車)などで実験的に生コマーシャルを実施したことがある。


その後はビデオテープの普及も進んだことから、生コマーシャルの体裁をそのまま生かした「ビデオコマーシャル」といわれる宣伝方式と併用するようになり、生放送のコマーシャルは主として主婦向けのワイドショーなどで行われる程度となっていった。


スポーツ中継ではテレビ北海道のバスケットボール中継の様に、協賛スポンサーがコートサイドで生コマーシャルを実施しているケースが存在する。2005年のサッカー・A3チャンピオンズカップの中継内では、日産自動車のコマーシャルCGを試合のハーフタイム中だったピッチ上のセンターサークル上に合成したCMを放送した(同様に2005年フィギュアスケート日本選手権でも放送された。)。ダイエーグループが特別協賛社を務めた頃の大阪国際女子マラソン(1981年~2001年、関西テレビ制作・フジネットワークで放映)、およびに東京国際マラソン(1982年~1992年のうちの偶数年、日本テレビ制作)。NTTドコモが特別協賛を務めた時期の東京国際女子マラソン(2006年~2008年・テレビ朝日系列で放映)でも、マラソンの実況画面を流しながら画面の1/2から1/4程度の領域にCMが流されたりした。


ジャパネットたかたは、FIVAワールドカップ2015男子大会(フジテレビ)にて、序盤から中盤にかけて初のゴールデンタイムにテレビショッピングの生コマーシャルを実施した。その後もバレーボールや野球(侍ジャパン戦)で年に数回、集中的に放映されている。ローカルでも、MBSテレビで土曜日・日曜日に放送されている阪神タイガース戦デーゲーム中継において、「ジャパネットたかたpresents」と題し、中継中に生コマーシャルを実施している(商品紹介はイニングの合間に複数回、当日オススメの商品1点だけを紹介)[2][3]
サッカーや高校野球の中継ではこの他にも特殊な放送形態でコマーシャルをする場合がある(コマーシャルメッセージ#特殊なCM参照)。


2015年10月現在、平日毎朝に白熱ライブ ビビット(TBS)番組内8時台にライオンの生CMの他、情報プレゼンター とくダネ!(いずれもフジテレビ)の花王生CM[4]や、情報満載ライブショー モーニングバード!(現・羽鳥慎一モーニングショー)(テレビ朝日)番組内9時台にリーブ21、小林製薬の生CMが放送されている。在京キー局での生コマーシャルのセットは全て日芸という美術が製作している。


なおライオンの生CMについては、かつては前述の『3時のあなた』など、フジテレビ系の午後の生ワイド番組枠の中でもオンエアしていた(『3時ヨこい!』終了まで。それと同時に、ライオンはこの枠のスポンサーを降板したが大正製薬が生CMを継続し、『2時のホント』終了と同時に生CMは一時休止となり『知りたがり!』の枠移動と同時に生CMが復活(復活時点で花王が生CMを担当し午前と午後に2回流すようになった)するものの『アゲるテレビ』終了に伴い生CMは再び休止となり2015年春季改編で『直撃LIVE グッディ!』の開始に伴い生CMが再び復活される)

また、アッコにおまかせ!(TBS)では2014年5月4日から2015年9月27日までKDDIの生CM「auにおまかせ!」を放送した。


生コマーシャルを行う場合には、「これは(~の)CMです」という表示をするなど、コマーシャルだとわかるような処置をしなければならないことになっている。



ラジオでの生コマーシャル


現在の生コマーシャルの主流はラジオである。
当該番組のパーソナリティがトークなどでリスナーに商品を宣伝する、というのが主な形式。宣伝される商品は主に保険関係が多いが、他にも飲料品、食料品、生活雑貨など、分野は多岐に渡る。


関東圏で有名なものはTBSラジオ「永六輔の誰かとどこかで」の桃屋の商品のCMが有名で、40年以上にわたり放送されている(ただし番組自体は生放送ではない)。また、ニッポン放送「徳光和夫 とくモリ!歌謡サタデー」では徳光がナレーションしているネクスコ東日本の生CMがある。関西圏ではMBSラジオ「ありがとう浜村淳です」の生コマーシャルが有名。沖縄県でもラジオ沖縄「安盛の暁でーびる」内での沖縄方言による生CMが行われている。他、全国版では「歌のない歌謡曲」内で、パナソニック製品の生コマーシャルが行われる。(ただし番組自体は生放送ではない局もある)



脚注





  1. ^ テレ朝☆生コマーシャルの裏側みせます♪ 野村絵理奈のブログ 2009.02.27


  2. ^ withタイガース2015年6月20日(土)13:54〜17:00 - gooテレビ番組


  3. ^ プロ野球中継 MBSベースボールパーク 阪神vs埼玉西武・2016年6月4日(土) 13:54〜17:00 - gooテレビ番組


  4. ^ ハテナTV なぜコマーシャルを生で放送するんだろう? 2015.06.27(土) 新・週刊フジテレビ批評




関連項目


  • 土曜ショー


外部関連記事




  • 生コマーシャルの話(テレビCM史研究拠点) - 閉鎖。(2008年12月12日時点のアーカイブ)


  • ポチは見た!~マスコミの嘘と裏~#ラジオのカリスマDJにだまされるな!(ラジオの生コマーシャルへの批判が綴られている)




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